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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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また現在に戻ります。
今日の練習。
コロナで全く練習試合さえも出来なくなりました。
大会もまた延期されました。
去年よりもひどい。
そんな中でも、どうすれば子供たちのモチベーションを維持しながら、プレーも成長させていくかを考える。
幸い人数もそこそこいるので、内部で競わせるしかありません。
人数が多いというのは、やはりいい。
活気があります。
学年にかかわらず、多くのチームメイトとソフトボールの楽しさを共感できること、
まずこれが「社会的動物」である人間の本能なんじゃないでしょうか?

さて、紅白戦です。
身内なのでどうしてもだらける、緊張感がなくなります。
うまく均衡を保てるようなチーム分けがカギとなります。
6年生チーム、5年生以下の新人チームに分けてまず一戦。
単純に分けてしまうと、6年の圧勝になるのでバッテリーを入れ替えます。
そして、相手のものなり無さを補うには、やはり保護者のチカラを借りるしかありません。
フルメンバーの6年生を保護者チームにあてる。
そうすることで6年も全力を出すことができるでしょう。
コロナ禍で対外試合がまったくできない今、できることをやるしかありません。

身内の紅白戦といっても実戦形式です。
実際の試合のかたちなので、経験の浅いこどもたちが試合経験を積むことができます。
ただ、個人のスキルをあげるという意味では効率が悪い。
基礎練習をやったうえで、今日の紅白戦では、「盗塁を決めよう」とか、「バントを決めよう」とか具体的な目標を設定しようと思います。
守りは9人ですが、打つのは全員。
とりあえず、試合というのはこういうものだという「慣れ」を育てていこうと思います。
本当は、他のチームとの練習試合の中で育てていきたいんですが、このご時世ではそれもかないません。
ここは高田イーグルスの強み、人数がたくさんいて、熱心な保護者もたくさんいるという強みを活用させてもらいます。
いやー人がいるって、強みですね。
この人数は、1人では見切れません。
新人チームに対して、基礎基本の動きを率先して指導してくれる保護者。
なので、こちらから言わずとも入ったばかりの新人を引き連れて、投げ方、打ち方なので基本の個別練習をかってでてくれる保護者は本当にありがたいです。

さらに、ここにみなこコーチがスコアと打率、盗塁など3位までの成績を貼り出してくれました。対戦投手、打席数などいろんな違いはありますが、打率、ホームランなどが数字となって貼り出されるとみんながやる気になります。
試合がないならば、どうすればいいか?
みんながみんなで模索して、自分たちができることをやっています。
やはり、「高田イーグルス」はいいチームです。
目に見えて、全体の底上げになっています。
あとは、コロナ明けに実戦を通して、いい結果がでてくれることを祈るのみ。

しばらくは、この紅白戦をとおして、チーム全体のモチベーションの維持に努めます。
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なぜ、野球をやるのか?
この問いに答えきれる回答は、
有史以来、誰も、神様さえも
もっていないと、
人間の私は思います。

今まで、人類が、日本人が、
何年も何回も見てきた夏の甲子園。
今年は、103回大会。
何回も何回も繰り返されているのにも関わらず、
なぜ、飽きもせず、毎年、こうも人はひきつけられるのでしょう。 
そう問いかけながらも、
野球をやってきた人、やってこなかった人の両方に、
なんとなく、わかり合えるものがあるなぁ~とお互いに感じているはずです。


負けたら即終わりのトーナメント戦。
各都道府県の代表のただひとつのチームがぶつかり合うという明確なルール。
同じコンテンツなんです。
しかし、毎回、安定のドラマ、人を惹きつける物語が必ずある。
その、感動の安定感こそ、
人々がその時その時、それぞれに求める「何か」なんでしょうね。
一生懸命に、がむしゃらに、
献身的に、刹那的に、
これみよがしに、謙虚に、
いろんなプレー、個性がぶつかり合う。
もっている背景も似たようものながら、みんな違う。
テレビ的にはなんでも美談にしそうですが、
やってる当人たちは、まったくそうは思っていないはずです。
そういう、いさぎよさ、狙ってなさこそ、人を惹きつける要因だと思います。
それが、マンネリ化しないのは、
やはり、蜻蛉(カゲロウ)のように、毎回変わる選手たちの懸命さ、

「はかなさ」

なんでしょうね。 

いくら、名門、強豪チームといえども、毎年メンバーは変わってくる。
永遠などないんです。
伝統なんていうものは、あるのかもしれませんが、虚構の一種だと思っています。
勝つという至上の目的の前には、伝統なんていうものは、そんなに意味をなさないと思います。
指導者であれば、その時のチームにとって最善の練習方法をとるでしょうし、ベストな采配を振るおうとするでしょう。
そこに一定の傾向が生まれる、それが伝統なんでしょうかね。
そのユニフォームにイメージがついてしまう。
あの高校は強い、あの県は強いというイメージ。
そのイメージを打ち破るか、イメージをさらに増強していくか?
そこも面白いところでした。

智弁和歌山の優勝。
今年の夏の高校野球が終わってしまいました。
熱闘甲子園を見るのも今日が最後になってしまいました。

朝方、戸を開けて寝ると寒くなってきました。
もう秋なんですね。

スポ少の練習もナイターに切り替わります。
あと3か月、レンたち世代にも終わりが近づいています。


高田中野球部、最後の挑戦。
福島民報杯、1位通過のみという厳しい条件の下、両沼予選、会津大会を突破し、ついに県大会まで駒を進めました。
この時点で、ほとんどの中学3年生は負ければ即引退となり、
グローブとバットを置き、問題集と鉛筆に持ち替えます。
次は受験勉強という壁に立ち向かう。
生き残っているチームは、県下16チームのみ。
それ以外の3年生はすでにみんな引退しています。
頂点まであと4つ。
勝つチームがあれば、負けるチームもある。
これが勝負の常。
ここまでくるには多くのチームを退けてきました。
コロナ禍で練習試合もままならず、実戦経験を積むことがなかなか出来ない状況でした。

その中でも1番の山は、中体連の後の練習試合でした。
今思うとあれがあったから、ここまでこれた。
私はそう思います。

高い目標を狙っていた中体連では、坂下さんに破れてのまさかの予選落ち。
一発勝負の怖さ、野球の恐ろしさを思い知らされました。
今まで積み重ねてきたもの、足下のすべてが崩れ落ちた感覚。
いったん突き放してみると、そこまでのチームだったというべきでしょう。
事実、負けたことがすべてを物語っています。
一生懸命にやったからといって勝てるような美談にはなるものではないんです。
悔しさ、不甲斐なさ、無力感、いろんな思いがふつふつと湧き上がってくる。
そして、いきつくところは、「このままでは終われない!」という感情と激情。
幸い、最後の大舞台への道、民報杯が残されています。
失地回復の機会、負けを取り戻すことができるチャンスがもう一回あってくれます。
ただ、時間が無い。
民報杯は二週間後です。技術的なことを修正しているひまはありません。
そして何より、大きな目標を逃してボコボコにやられた敗北感から立ち直れない。
「大丈夫だ、俺たちはやれる!」という自信を失いかけています。
大きな不安に首根っこを押さえられている。

どうにかしなければならない。

野球部の先生は「賭け」に出たようです。
一週間後に、練習試合を組んでくれました。
しかも、中体連の会津大会優勝チームの、舘岩荒海連合と南会津代表の田島中学とです。
どちらも実績で勝っています。 
実力も格上です。 
ここで、さらにボコボコにされれば高田中野球部のメンタルは崩壊するでしょう。
モチベーションも地獄の底まで落ちまくる。
そしてやってくる民報杯は散々な結果におわるかもしれない。
しかし反対に、自分たちよりも強い相手とやって、各自が実力を発揮して、善戦もしくは勝つことができたならば、もう一度自信を取り戻すことができるはずです。
荒療治も荒療治。劇薬の部類です。
勝つ確率は低い、と私は見ていました。
何もそんなに強いところとやらなくてもという老婆心さえ働きます。
しかし、先生はその低い確率にかけました。
8.7%
エヴァンゲリオンのヤシマ作戦なみの確率。
そして、見事に彼らはその期待に応えました。
並み居る強敵を倒しまくって中体連会津大会の覇者となったチームを相手に、練習試合とはいえ勝ってしまう。
「カチッ」とスイッチが確かに入る音。
大きな音が南会津山々のふもと、田島中学のグランドに響き渡りました。
間違いなく、選手たちにも、先生たちにも、我々保護者にも聞こえました。 
「笑えばいいと思うよ」と言う前に、みんなが笑っていました。
一週間前になすすべなく負けて、大いに自信を失いました。
この一週間は、なかなか心から笑う余裕さえなかったはずです。
しかし、ここで強い相手にも、自分たちが通用することがあらためて、世界に証明できました。
「俺たちは、ちゃんと強い!やれば、できる!」
何より自分たち自身に証明できた。 
みんなが笑顔。
笑顔は自信です。

高田中野球部のヤシマ作戦は成功しました。
薄氷の上の勝利。
先生たちの思惑どおり、ことが運んだことになります。
ここにもいろんな要素がいくつも絡んでいたと思います。
まず先生に南会津につてがあったこと。
選抜大会で、両沼と南会津が同じチームであったこと。
普通、会津大会の王者が1回戦負けのチームとは練習試合をやってくれないと思います。
コロナで会津以外にいきにくかったこともあるでしょう。
とにもかくにも、高田中野球部は田島中学校のグランドで復活したといっていい。
あそこで、みんなが確かな手応えをつかんだはずです。

それがあったこらこその会津大会優勝。
いろんなピースがきっちりとはまってからこそ、この優勝があるんだとあらためて思います。
だから、うれしい!

次男坊の兄貴たちも県大会まで進みました。
あの時は棚倉で泊まりで試合をやりました。
そして、また次男坊の時も県大会に我々を連れて行ってくれる。
いい仲間、指導者に恵まれていると思います。
チームプレーである野球の面白さをしっかりと味わっている。
勝ち負けではないといいながらも、やはり彼らが勝ち進むのはうれしいんです。


県大会という大舞台。
彼らの最後が確実に近づいています。
話を少し遡ります。

高田中野球部の話。
次男が3年生で最後の大会になります。
ただでさえコロナ禍で試合が少ない中、狙っていた主だった大会で思うように結果を残せませんでした。
そこにきて最後の福島民報杯、両沼予選を優勝して勝ち上がり、会津大会も決勝まできました。
相手は、小学校時代の盟友、コウノスケがいる会津学鳳中学。
予選で河東、若松三中など強豪チームを倒してきています。勢いに乗っている。
最後の大会にピークを持ってくるあたり、さすがだと思います。
選手たちを最後にきて仕上げてくるところ、いい指導陣に恵まれている証拠です。
若い監督さんです。試合前の練習を見ていてものびのびとした動き、どちらかというと生徒の自主性を重んじた練習風景に、その強さを垣間見ました。
事前情報からも中心選手は、エースを起点としたセンターライン。
何人か打たせてはいけない選手たちがいます。
対する高田中野球部。
いつものとおり、平常心でぶつかるしかありません。
ここまできたらどちらも強い。
いかにして自分たちのペースにもちこめるかが鍵となります。
そのために欲しいのは先制点。
まず1点をとることで、心理的に余裕が生まれ、それがプレーにも影響してきます。

詳しいことは忘れましたが、学鳳に先手を取られ追いつく展開になったと記憶しています。
打たれてはいけないバッターに打たれた。
そして、大きくはないながらも、このレベルになるとそのちょっとしたミスが敗北を呼ぶ、まずい守備。特に外野、ライトを襲う打球の多いこと。
そのライトを守るのが息子なので気が気でありません。
高田中のピッチャーは3人とも右の本格派です。球速もそこそこあります。
そして、キャッチャーは頭脳派、強打を回避する配給傾向なので、追い込むとアウトコース中心。
となると、右バッターの好打者であれば球威に逆らわない。自然、センターからライト方向の打球になる確率が高くなります。
予選からも、ライト方向の打球が多い傾向があるなと見ていました。
そのライトを守るのが次男坊です。
予選から試合の流れを変える打球が何度も彼を襲いました。
私もセンター、ライトを守っていたのでわかります。
私から見てても、あぁこれは難しいなぁという角度、正面系でしかもスピンがかかりつつ、後方の伸びていく打球。
前なのか、後ろなのか、判断が難しい打球。
処理を間違えれば、チーム全体の勝利にも影響しかねない打球。
親としては、「頼む~、頼む守ってくれー!」の一手のみ。
もう少しスタートを良くすれば、抜けなかったのかもしれません。
しかし、無慈悲にも一生懸命にプレーする彼の頭上を超えていきます。
あぁ~ぁというため息。
まるで昔の自分を見ているようです。
エラーにはなりませんが、もう少しのところで届かない。ピッチャーならば、頼む捕ってくれと思う打球。
その期待に応えられない、自分の不甲斐なさ、才能の無さを呪ったものですが、果てして次男坊はどうだったのでしょうか?
ミスった後しばらくは大きな声もでてきませんでしたが、ずっと下を向いていないあたり、自分で自分にけりをつけたようです。ふたたび、ライトからの大きな掛け声が聞こえてきました。
私も嫁さんもひとまず、ほっとしました。
なんとか立ち直ったてくれたか!
そして私の親父もおふくろも今の私と同じような心境で見ていたんだろうなぁと思いました。
チームメイト、その保護者に申し訳ないという気持ちと、息子よ、まだまだ大丈夫、負けんな、最後まで諦めんな!という気持ち。
長男も次男も才能、身体能力に恵まれたタイプでもなく、私から見ていていても努力も足りません。そこも昔の私を見ているようです。
それでも次男坊は、こうして数多くの存在する普通の野球少年のひとりとして、中学軟式野球をやってきました。
かつても私もその中のひとりだった。
ライトからスタンドにいる両親を恥ずかしそうにみる。
やらかした後に、チームメイトの励ましを受ける。
チャンスに打って高揚感を覚えたり、打てなくてガッカリする。
中学時代の多くの時間を費やしてきたからこそ、見えてくるもの。
見ている風景は、通じるものがあるでしょう。
それもこの高田中では、高田中野球部としてこのメンバーでやるのはこの大会が最後となります。

劣勢に立たされていますが、この後、チームメイトの活躍により逆転します。
彼らは高田スポ少、美里イーグルスのOBです。
3年生、2年生がそれぞれの持ち味をいかんなく発揮しています。
応援する保護者もみな、小学校時代に苦楽をともにした仲間です。
そして、会津大会の決勝に、美里イーグルス時代のキャプテンのコウノスケが最後の敵として、いる。
彼をキャプテンに指名したのは私です。
彼は実力というより、真面目な人柄と優れた統率力を見込んでキャプテンにしました。
その彼がこの場に敵として相まみえる。
それもまたうれしい。

試合前にコウノスケのお母さんと話す機会がありました。
彼女も小学生時代、キャプテンの親として、保護者会長としてチーム全体のまとめることに苦心した方です。
その話の中で、これまでのコウノスケの野球部の経緯、中学生活を聞きました。
彼もまた、いい指導者に出会い、いい仲間とともに苦しみながらも、野球を楽しんできたんだなと確信しました。お母さんもいい笑顔。
保護者もまとまっています。
こういうチームは強い。
だからこそ、負けられないと強く思いました。

途中、猛暑により相手エースが陥落した場面がありましたが、それでも彼は最後までサードを守り切りました。
彼もまた野球を続けてくれるならば、高校にいって、
もしかしたら、いいチームメイトになるでしょうし、ライバルになるかもしれません。
中学の時の敵が、味方になる。
中学の仲間が敵になる。
この先の高校野球も楽しみですが、最近は野球を選ばない子供たちも増えてきました。
最後は個人の選択に任せますが、私がソフトボールを子供たちに教える理由のひとつが、高校野球までやって欲しいという願いがあります。
年代をおうにつれて、野球もだんだん高度なプレーを求められ、練習量、質ともにレベルが上がってきます。
苦しさ、つらさ、負けてできない惨めさが楽しさを上回ってくる。
それが辞めていく原因だと私は思っています。
だから、小さいときの原点としての野球、ソフトボールの楽しさをとことん植え付けてやりたい。
苦しいからやめる。
そう脳が思わないようにしむけたい。
高校までと言わず、野球は楽しいと思って欲しい。
苦しいけど、野球は楽しい。
そういう高校球児をひとりでも多くの育てたいと私は勝手に思っています。
もちろん、野球以外に進んだ彼らたちも応援する気持ちにも代わりはありません。
究極には、かつての私がそうであったように、ソフトボール、野球の楽しさを教えていく人を継続的に育てていきたい。
この美里町から、ソフトボール、野球の火を消さずに灯し続けていくひと、ひとたち、チーム、システムを構築し続けたいと決意しています。
どこまでできるか、わかりません。
しかし、私が生きている限りはやろうと思っています。
私の後にも、同じ志を持った教え子も育ってきてくれています。
私の独りよがり、押しつけになるんでしょうが、願わくば息子たちもそのかけらのひとつでも持っていて欲しいと思っています。


すごく、脱線しました。

高田中野球部対会津学鳳中。
なんとか、高田中野球部が勝利を収めました。
学鳳中野球部、いいチームでした。
負けて目を真っ赤にして、道具を片付ける最中に、私を見つけて、「ありがとうございました!」と声をかけてきたコウノスケ。
悔しいながらも、その一言を素直に言うことができる、すがすがしく強い魂。
彼らが数々の強豪チームを破ってきたことも納得できます。
そして高田中野球部もまた、いいチームになってきました。
誰かが、ミスってもすぐに取り返す。
ひとりひとりがなすべきことを、ミスりながらも、なんとかチーム全体で成し遂げる遂行するしぶとさ。
我々が倒してきたチームの分も、頑張って野球をたのしんでやりましょう。
最後の最後にきて、こいつら、もしかしたらやるんじゃないかという期待感。
応援する保護者にも間違いなく、勇気と感動を与えてくれています。
こころが動かされる。

彼らの背景を知っているだけに、ゲーム中、一生懸命なプレーのひとつひとつに、思わず涙で前が見えなくなるときがあるほどです。
ここまで、野球をやってきてくれてありがとう。
それは、彼らを支えてきたご家族みんな、
一緒に戦ってきたチームメイト、先生、
そして会長として指導者として厳しさと熱さを植え付けてくれたノリちゃんたち、みんなにいいたいです。
俺ら保護者から見ても、やはりありがとうの言葉しか見つかりません。
スポーツとは、野球とは、ソフトボールとは、
やはり、そういうところなんです!

さて、県大会!
次男坊たちの真夏の大冒険があとひとつ。
楽しみが増えました。
送りバント。
アウトひとつを犠牲にして、ランナーを進める戦術です。
その送りバントが時として、試合の勝敗を決める手段にもなりえる。
その場面が昨日の東京オリンピック、野球。
日本対アメリカ戦にありました。


5:6
1点を追う九回。
鈴木がなんとかファーボールを選んで出塁する。
これも結構危ないコースでした。
ストライクといわれてもおかしくないコース。
鈴木もトップの構えを解除していないくらいきわどい。
おそらく彼もあぶねぇかもと思ったはずです。
しかし判定はボール。
前の打席でホームランを打っている。
そこからくる余裕があのきわどい球を見送らせたのだと私は思います。

一死一塁。
ここで浅村。
ホームランで逆転ですが、浅村選手の中には右方向の意識が見えました。ゲッツーは避けて最低でも進塁打。
そこにアウトコース。
体を開かないで引きつけて打つ。
お手本のような右打ちです。
スタートがよかった鈴木は一気に三塁へ。
これはレフトだったら三塁には進めません。
浅村がライトに打ったからこそ、この一三塁というなんでもできる形になります。

さぁここで柳田。なんでもできる選手です。
足も速いし長打も期待できる。スクイズもできる。三振はしない。打率も高いので、高確率でミートできる。
なんでもできる。
ゲッツーのみをさければ、得点という意味では最高の形ができました。

しかし、ここはアメリカもふんばりどころ。
マウンドのヤクルトのマクガクもキアイガ入ります。
絶対打たせない!vs絶対に打つ!の対決。
アメリカの思いと日本の思いが激突します。
両者全力を尽くしての勝負。

柳田なんとかあてますが、ミートはできなかった。
しかし、高いバウンドになってピッチャーのマクガクの頭上を越えた時点で、1点をもぎとったことは確信しました。
同点!
土壇場で追いつきました。
柳田、俊足を飛ばしますがファーストアウト。
ミートできなきまでも、どうすれば1点がとれるかということを意識して打席に入っている。
マクガクが投げたコース、球威によって打ち方を本能的に変える対応力は流石としかいいようがありません。この打順、柳田選手がいてくれて良かった!誰もがそう思ったはずです。
となると、やはり選手をよく見抜いてこのオーダーを組んだ稲葉監督をはじめ首脳陣のファインプレーも光るということになります。

二死、ただ、二塁に浅村がいます。

さぁ菊地です。
流れがきたところで、一気に逆転してサヨナラ勝ちを収めたいところですが、マクガクも踏んばり、菊地を三振に仕留めます。

9回裏土壇場で追いついた。
そして、この裏っていうのが表のアメリカにとってはかなりのプレッシャーになります。
サヨナラ負けの重圧。
表を抑えるということが条件になりますが両者の力が均衡すればするほど、裏攻めが有利となります。
この終盤の心理的有利はかなりのアドバンテージになります。


そして、10回からはノーアウト、一二塁からのタイブレーク。
ここからは、栗林をリリーフに送り込みます。
火消し役にふさわしく、ストレートにかなりの威力があります。アメリカを相手にぐいぐい押していく。ルーキーながらクローザーとして成功し、日本代表にまで選ばれるだけの資質をもっている。
あぁあいつは打つのが難しいわと出てくるだけで、相手にプレッシャーを与えるピッチャー。
ちょっと前の楽天の松井もそんな感じがありましたが、今は……
ノーアウト一二塁とランナーを背負っていたとしても、そんな栗林がアメリ打線をゼロに抑えます。先頭バッターを三振に切って取ったのがよかった。これで、栗林はさらにノリました。
反対にアメリカの無策っぷり。
たしかに打つという選択肢もいいでしょう。
しかし、この場合、この終盤のノーアウト一二塁という場面。
ここで最低でも1点を必ずとらなければ、先攻のアメリカは窮地に立たされます。
そこにきて、打つのみという選択肢の狭さ。
守る日本にとっても、あぁ何もやってこないんだ、ここは栗林にかけて、バックは全力で守る!と片方の選択肢に集中できてしまいます。
兵力を分散させず、もてる戦力を集中運営するという兵法の基本を日本がとることができた。
お国柄の違いなのかもしれませんが、私はここがアメリカのミステイクだと思います。
相手をこうすれば、抑えられるという思惑通りにゼロに抑えた。
この時点で、有利。
そして、ノーアウト一二塁という裏攻め。
かなりの条件がそろっています。
そして、8番に置いた村上という場面。
日本代表の稲葉監督はどう動くか?
強打の村上にかえて、代打に栗原。
ここはランナーをバントで送って、二三塁の形を作ることを選びました。
アメリカと同じ轍は踏まないという選択。
二三塁にすれば、ヒットでなくても内野ゴロでも1点をとれる。
スクイズもできる。外野フライでもいい。
ゲッツーもなりにくい。
フォースプレーではなくタッチプレイなので、ランナーの生還の確率は高くなります。
たくさんの選択肢が増える。
アメリカ得点されれば即負けというサヨナラの重圧の中、あれにも、これにも対応しなくてはいけない。
この時点で、アメリカ側の集中力を分散させることができます。
この形を作った時点で日本はかなり勝利に近づく。

しかし、この状況。
守るアメリカ以上にプレッシャーを感じるのが、バントを命じられた栗原です。
本来ならば、彼も強打の部類のバッター。
村上よりはバントが上手いだろうという首脳陣の思惑での代打だと思います。
栗原の送りバントがまさに試合を決める、アメリカと日本の命運を握る運命のバントになります。

しかし、栗原は初球であっさり決めてしまいます。当たり前のように、あっさり。
そして、ランナーは日本の思惑通り二三塁の形になる。
私がここで思うのは、またまたアメリカの無策っぷり。
バント来るかもしれないのに、ストライクから入る。ボールで様子をみるとか、もっとやりにくいコースに投げさせるとか対応策が必要だったと思います。
野球の質がこまかくない。
ここは日本がくみしやすいところでしょう。
ただ、この場面で1発で送りバントを決めた栗原。
昔のジァイアンツ川相選手のようにきちっとした構えからのバントではなく、セーフティ気味の、ファーストに動きながらのバントでした。
それが彼のバントのスタイルなんでしょうね。
よくぞ、このとんでもないプレッシャーがかかる場面で、本来期待されたスキルではない、バントのという戦法を1発で決めました。
1発で決めた。
ここがとんでもなく日本に追い風を吹かせました。
そして、ワンアウト二三塁という場面で、ラストバッターのキャッチャーの甲斐。 
ここもなんでもできる。
さすがにこの場面では、アメリカもタイムをかけて、戦術の確認をするようです。
1点取られたら負けなので、満塁策もあるでしょう。スクイズも警戒しなくてはならない。数ある選択肢に対応しなくてはいけない。
外野を2人、内野を5人にして前進守備のバックホーム体制で守りを固めたようです。
本当に固めたのか?と疑問です。
こういう思い切ったシフトはアメリカ人が好むところ、ですが彼らの顔にはまったく余裕がありません。
そして、選んだのは満塁策をとらずに甲斐と真っ向勝負!正面からパワーで押す。
いかにもアメリカらしい戦術です。
スクイズの危険性もあるので、本来ならば1球外して様子をみるところ。
日本であれば必ず、外すと思います。
それば中学生でも高校野球でもそうすると思います。
それが日本の野球。
しかし、アメリカはそれもやりません。

ボールにもしない。
この時点で万全の体制をとっていたはずです。
コースにきたら打つ!
そして、まんまとコースにきた。
それもおあつらえ向きのアウトコース低め。
インサイドアウトのスウイング。
バットが内側からくり出され、加速されるので自然と右方向の打球になります。
そして、アメリカの外野は2人で前進守備。
打った時点で抜けることがわかる打球になる。
日本の勝利は確約されました。

こういうのが日本の野球だというところが随所に見られました。
パワーだけではない、緻密さ。
チームへの献身。
それが1番に象徴されたのが、あの栗原の送りバントだったと私は思います。
あれが、日本なんです。
そして、日本のやり方でパワーのアメリカに逆転で勝つ!
こんなに気持ちいいことはありません。
お酒がうまいことうまいこと。
これをリアルに球場で見たかった……

頂点まであとふたつ。
ライバル韓国がいます。
あの人たちなんで日本戦になるとあんなに強くなるんでしょうね?
タイプの似た国同士の対決です。 
これは絶対に負けられません。

あと二試合、美酒に酔いしれたい!
がんばれサムライジャパン!
今日は同級生の告別式でした。
享年45。
彼と出会ったのは、中学校。
小柄ながら、なかなかパンチのきいたノリのいいやつでした。
奴はテニス。私は野球。
部活動はお互い違えど、一緒になってバカをやるということにかけては同じ志をもっていました。
どんな場面でも、バカになれる。
振りきれる。
世の中、スマートに、きれいに行くことがなんとなくトレンドになってきている中、
泥くさく、不器用に、だけど一生懸命に熱く生きることを選択した男でした。
社会でて、右も左もわからない中、高校の仲間同士で作った野球チーム。
その名も「ルーキーズ」。
そのチームとはライバル同士で何回も戦いました。
この会津で、仲間とともに生きていくことをとことん楽しんでいました。
東京の大学をでて、地元にもどった私は、そんな彼らをみてうらやましく思い、頼もしく思いました。
こんな奴らがいる会津はやっぱり面白い。
敵でもあるが、仲間でもある。
いっぱい一緒に飲んだし、馬鹿も何回もやりました。
愛する人をこの会津美里町に連れてきて結婚し、家族をつくる。
仲間と家族とともに心から、この会津美里町で生きることを楽しんでいました。
そんな彼にしのびよる病魔。
病気がわかってからは、見るからに不健康な表情ですが、彼の明るさは変わりませんでした。
しかし、病魔には勝てなかった。
彼はどんな思いで病魔と闘っていたのでしょう。
自分に置き換えて考える。
死期を悟りつつも、残していく家族のために、生きなくてはとがんばるでしょう。
人はいずれ死に直面します。
しかし、普段から自分が死ぬことなど、考えて生きている人などいないと思います。
明日死ぬなどど私も思いません。
死と向き合うことなど、極力避けたい。
しかし、いやがおうにも彼には死が迫っていました。
その苦労、苦悩を私は知りません。
もう、彼と一緒に酒を飲むこともできません。
その事実に直面して、愕然とする。
いつも当たり前にいる友達が、いきなりいなくなる。
この年になって、そういう方向に私自身も近づいているんだとあらためて知らされました。
人はいずれ死ぬ。
だからこそ、やりたいことをやったほうがいい。
後悔しないよう生きることをとことん楽しんだ方がいい。
そして、言わなくてもわかるべではなく、想いは言葉にして、伝えた方がいい。
今はなき彼にまたもや教わりました。

ろくでなしブルースからもらった「チャベ」というあだ名。
みんなチャベ、チャベと陽気に彼を呼んでいました。
そのチャベはもういません。
はやいぜ、チャベ!
家族を残していくのはさぞかし無念だったと思います。

大好きな広島カープのユニフォームを着た笑顔の彼の遺影を見つめます。

さらばだ、チャベ!











白獅子杯の文も書いていますが、なかなかまとまりません。

今日、聖光学院が県立の雄、光南高校に敗れるという波乱。連続出場記録にストップがかかりました。
そして、東日本国際大学昌平高校に行った美里イーグルスOBのダイトも日大東北に破れました。
聞くところによると、最後のバッターだった模様。
残念としかいいようがありません。
OBの中では1番甲子園に肉薄したダイト。
甲子園にいったダイトを応援したかったですが、その夢はかないません。
負けた。
その事実はどうやっても覆りません。
問題はそこからどうするか?
ここに野球をやってきたことを活かさないといけません。

ダイト、タカヤ、カオル、今年の夏も終わりました。
あんなにも野球にうちこめた。
そして、そうさせてくれた家族がいた。
彼らを支えたご両親、ご家族のご苦労には頭が下がります。お疲れさまでした。

少しは野球から離れて休んでほしいと思います。

スポーツって、負けること上手くいかないことの練習だと思います。
そして、そこからどうやって気持ちを整理して、前を向いて立ち直るかが、本当の練習。
隣をみれば、苦楽をともにしたチームメイトたち。
そこに野球は大いに役に立つはずです。

振り返って、「いい夏だった!」
そう思えるだけで、十分だと思います。
この先を何年も自分を支えてくれるでしょう。

夏はまだまだ続きます。
お疲れさまでした!
これぞ野球!と言う試合を見てきました。
高田中野球部、最後の大会、民報杯会津大会1回戦。これは、紅獅子といわれ、我々ソフトボールの白獅子にあたる大会です。
強敵、只見さんを相手に回しての試合。
只見中は、選抜で同じチームであり盟友です。
そして、強い。
がたいの良さ、パワーでは高田中の上をいきます。
しかし、高田中も伊達じゃない!
パワーを上回る総合力、集中力、そして信念と運をもって相手に当たります。

初回から只見中ペースで試合が進んでいきます。
高田中は、三人ずつで打ち取られ嫌なペース。
それでも、大きく崩れず持ちこたえています。
相手に与える得点を最小限の出血にとどめる。
ここをちゃんと我慢できた事が、次に繫がります。

三回までは、つけいる隙もないくらいに只見中のエースにおさえこまれますが、少しずつ相手にほころびが出て来ます。
野球の面白いところ。
強くても当たり前に得点するチャンスを活かせないと相手に流れがいってしまう。
逆に押されていても当たり前にきっちり守ることができていれば、必ずチャンスがやってきます。
勝利の女神のいたずらや気まぐれといういい訳にしないことです。
ここに毎日毎日の練習が出てくるんです。
ピンチであっても、当たり前に守れること。

その数少ないチャンス。
それが高田中にもやってきます。
好調だった只見中エース、ラストバッターのハルヤを二死からファーボールで出してしまいます。
今思えば、ここが反撃の分岐点でした。
そこにきて、運もあった。
サインミスなのに、相手もミスして傷口を広げてくれる。
そして、打つべき時にきっちり打つルイ!
ここで追いつきます。
序盤で追いついておくこと、二死からミスに乗じて得点できること。
それができるのが、強いチームなんだと思います。
そこにことごとくハマっていく高田中。
ハマっていくというか、狙って実行して、まんまとやり抜く。
そうすることで、圧倒していた只見中を逆に圧倒しはじめます。
風が吹いてくる。
波がでてくる。
ここが野球の「流れ」といわれるところなんです。
なんとなく、押している。
その流れを高田中はきっちりつかんだと言っていい。
多少のミスもありましたが、要所要所をきっちり締めて、大事なところできっちり、打つ。
この試合のMVPは、タイセイだと私は思います。
試合を決めた一打。
アウトレットを引っ張らずに、ライト線上に落とす。虎の子のランナーをおいての長打。
小学校時はひっぱりに定評がありましたが、こういう打球も打てるようになったんだなぁとタイセイの成長を感じます。
普通はファールになって切れる打球の飛び方ですが、あれはインパクトの瞬間に右手首をライト方向にきっちり返しています。
強引にレフトに返さず、相手のチカラを利用する打ち方。
そして体も開かない。
たしたもんです。
だからこそ、ライト線切れそうで切れなかった。
スラッガーの要素が開花しつつあります。
ツーストライク追い込まれながら、只見さんの速球に上手く対応した結果だと思います。
 
そこにきて、エースのルイから受け継いだ2回以降のロングリリーフ。
カウントがスリーボールと悪くなっても簡単には塁に出さない集中力。
スリーボールから打ちとる。
相手に流れを与えるスキを作らない。
そういう当たり前の事積み重ねていく。
最近は、ピッチャーとして風格さえ感じます。
投打において重きをなした。
タイセイはまだ2年生。
ここに同じくらいの力量をもつレントがいて、他にも野球向きな2年生が控えています。
3年が終わるとすぐにはじまる新人大会も楽しみです。

そして、バックの守備もミスが少ない。
ここもタイセイがリズムよく投げることができて、崩れない要因だと思います。
特にファースト、ソウジ大活躍でした。
スライディング逆シングルのかっこいいこと!
右方向に打たせる戦法は、キャッチャーのユウキの配球でしょうか!アウトコースを右に打たせる配球。変化球を効果的に使っていました。
このあたりがスポ少からのあうんの呼吸。
言葉を交わすことなく、空気でお互いに投げる球、コースを理解する。
守備機会も一番多かったはずです。
そこに答えるソウジ。
今回は、頼もしささえ感じました。

抑えるべき人が抑えて、守るべき人が守って、打つべき人が打つ。
これが当たり前にできるチームが弱いわけがない。
タケゾウのマズイ守備などいくつか不安要素もありますが、そこをみんなで補っての勝利!
中体連の両沼予選で坂下さんに負けて以来、一念発起。一戦一戦強くなっています。

さぁ次は、かつての盟友コウノスケがいる会津学鳳中学。
河東さんを予選でくだして、この大会では西会津さんを倒して波に乗っています。
シーズン終盤でのこの快進撃。
どのチームでも強敵であることにはかわりはありません。

次戦が雨で流れて、7/22。オリンピックもはじまります。
保護者の応援も絶好調!
勝ち上がって、是非とも我々を県大会の地に誘って欲しいと思います。

選手も保護者もいいメンバー。
少しでも長くこのメンバーで戦えることを祈る毎日です。



昨日のNHKクローズアップ現代。
大谷翔平君の特集でした。
その中でも、彼の人間性をよく表している言葉。

「ゴミを拾う」

そういや、彼の試合を見ていると時折グランドから何かを拾っています。そして、それをポケットへ入れていた。
ファーボールで一塁に向かう際も、何かを拾うしぐさ。
あれってゴミを拾うしぐさだったんですね~。
納得!
そう考えると、がてんがいきます。
いろんな場面で、大谷選手はこのゴミを拾うしぐさをしています。

彼が花巻東に入った1年の時に、81の曼荼羅(マンダラ)チャートに書いた言葉の中にそれはありました。そのチャートとは、なんこか大きな目的をたてて、そのまわりにその目標を達成するためにはどうするかという小さい目標を複数書いていくものです。
それが81個ちりばめられて、まるで仏教の曼荼羅(マンダラ)のようであることから、そう言われています。 
他にも大選手になりたいという理想を追い求めた目標がたくさんありましたが、私は彼が書いた「ゴミを拾う」という言葉に引きつけられました。
当時高校生の時分に、165kmを投げる二刀流の選手になるということを掲げていました。
そんな大それた野球選手になるために選んだ言葉の中に、「ゴミを拾う」という目標がある。
そこに大谷選手らしさが表れています。
やもすれば、プレーや技術、そのための練習方法などが重視されがちになるところを、人として当たり前な内面的な部分をきちんと見つめている。
ここって、日本の野球教育だからこそ書ける言葉だと思います。
そしてその日本の野球教育であっても、優れたプレーヤーになるための目標のひとつとして、中々「ゴミを拾う」という言葉を書き込む人はいないと思います。
だからこそ、そこが大谷選手であるゆえんだと私は思います。

誰に言われるでもなく、自分の意志として、目の前にゴミがあるから拾う。
これが彼の当たり前、スタンダード。
こういう人間性はどうやったら育つのでしょうね?
私は、こういう人間性だからこそ、今まさに大成いている現在進行形の中に、彼はいると思うんです。
ここが、スポーツの、野球の目指す、人間形成の目的のひとつだと思うんです。

一方で、指導者の私がいる前で、平気でゴミを捨てる子供もかつていました。
こいつは、こいつで信じられない。
しかし、そいつはそれを戒められなかった環境や
それをだめだということを教えられなかった状況にあった。
だから彼には罪はない、そう思うようにしています。
そして、ここから教えていけばいいんです。

簡単にゴミを拾うといいますが、世の中の大部分の人がそうではないと思います。
道の端っこにゴミがあるとわかった時点で、目をそらす。
かくいう、私もそういうタイプです。
誰かが片付けるだろう!と高をくくっている。
たがら、人任せにする癖があるから大事なところでミスをする。

大谷選手は、こういう小さなところまで、鍛錬ではなく当たり前の事の領域としています。
もはや、呼吸と同じレベル。
人間が真摯。
そして、そういう努力を小さい頃から積み重ねてきた彼という人間が、世界最強のメジャーリーガーを相手に回して、コテンパンにやっつける!
これは、気持ちいい!

これが世界がショーヘイ大谷に注目する理由だと思います。

こういう人をヒーローといっていい。
子ども達がきちんとあこがれでいいヒーロー。
英雄と書いてヒーロー。
かつての野茂英雄選手もそういう選手でした。

彼の背後には、たくさんの人の思いと、支えがあると思います。
その思いがちゃんと人間性と彼のプレー、そしてプレー以外にも表れている。
そして、彼自身もそれをまごうことなく信じ、誇りに思っている。
小さなゴミを拾う。
あったことはありませんが、彼はそういう人間だと思います。

我々は彼のような大それた人物を育てようなどとは思っていません。
しかし、そこに少しでも近づけるような、その思いが分かる人になって欲しいという思いをこめて日々の練習を積み重ねています。
大谷翔平選手、彼ほどではなくても大なり小なり、スポ少を卒団した子ども達が、日本中に世界中に同じその思いをくんだ大人になってくれることを我々は願っています。
誰彼に言われるまでもなく、グランドに落ちているゴミを拾う、ボールを拾う、
小さいことを大事にできること。(かくいう私もまだまだできていませんが……)
それが生きていく中で、当たり前のように実践できる。
かっこいいじゃないですか!

その意味で、我々の子ども達の全てが大谷翔平!
まさに、大空に翔る。
まだまだ彼らから目が離せません。
悩める少年がいました。
そして、そのご両親も悩む。
「どうしたらいいですかね?」
その問いこそ、成長の種だと私は思います。
なぜ、どうして、どうすればいいの?
人はできないからこそ、いろんな工夫や努力をしてきました。
そして、何年かかっても、たとえできなくてもチャレンジし続ける。
この悩みこそ、人を成長させるブースターなんじゃないでしょうか?
それでいて、親と子が一緒になって、同じ問題、課題に取り組む事って、どれだけあるでしょう。
そういう意味でも、スポ少というのは「親子の運命共同体」の集まりといっていいと思います。

練習試合3試合目の新人同士の試合を外野席から見ていました。
保護者席に交じって、応援していました。
そこから聞こえてくるいろんな声。
みなさん、自分の子供だけでなく、他の子もよく見ているなぁと思いました。
自分の子供が試合に出て活躍している保護者。
エラーや三振をしている選手の保護者。
そして、実力がたりなくて試合には出ていない選手の保護者。
それは対戦する両チームに言えます。
選手たちの思い、保護者の思いがたくさん交差し、交錯している。
人間交差点なんです。

家に帰ってから、
「今日のヒットは良かったぞ!」
「もう少しで、捕れたなあ!次頑張ろうな!」
「次こそ試合にでれるように、ここを直していこう!」
いろんな反省と前向きな意見が交換されるはずです。
これもスポ少のいいところ。
こういう会話を交わせる親子は幸せだと私は思います。

願わくば、その努力を成功に繋げて欲しい。
私たちはそういう笑顔を少しでも多く見たい。

アユキの自他共に納得のいくヒットが見たい。
いろんな努力をしたうえで、その時を辛抱強く待つことにしましょう。
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