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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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話を少し遡ります。

高田中野球部の話。
次男が3年生で最後の大会になります。
ただでさえコロナ禍で試合が少ない中、狙っていた主だった大会で思うように結果を残せませんでした。
そこにきて最後の福島民報杯、両沼予選を優勝して勝ち上がり、会津大会も決勝まできました。
相手は、小学校時代の盟友、コウノスケがいる会津学鳳中学。
予選で河東、若松三中など強豪チームを倒してきています。勢いに乗っている。
最後の大会にピークを持ってくるあたり、さすがだと思います。
選手たちを最後にきて仕上げてくるところ、いい指導陣に恵まれている証拠です。
若い監督さんです。試合前の練習を見ていてものびのびとした動き、どちらかというと生徒の自主性を重んじた練習風景に、その強さを垣間見ました。
事前情報からも中心選手は、エースを起点としたセンターライン。
何人か打たせてはいけない選手たちがいます。
対する高田中野球部。
いつものとおり、平常心でぶつかるしかありません。
ここまできたらどちらも強い。
いかにして自分たちのペースにもちこめるかが鍵となります。
そのために欲しいのは先制点。
まず1点をとることで、心理的に余裕が生まれ、それがプレーにも影響してきます。

詳しいことは忘れましたが、学鳳に先手を取られ追いつく展開になったと記憶しています。
打たれてはいけないバッターに打たれた。
そして、大きくはないながらも、このレベルになるとそのちょっとしたミスが敗北を呼ぶ、まずい守備。特に外野、ライトを襲う打球の多いこと。
そのライトを守るのが息子なので気が気でありません。
高田中のピッチャーは3人とも右の本格派です。球速もそこそこあります。
そして、キャッチャーは頭脳派、強打を回避する配給傾向なので、追い込むとアウトコース中心。
となると、右バッターの好打者であれば球威に逆らわない。自然、センターからライト方向の打球になる確率が高くなります。
予選からも、ライト方向の打球が多い傾向があるなと見ていました。
そのライトを守るのが次男坊です。
予選から試合の流れを変える打球が何度も彼を襲いました。
私もセンター、ライトを守っていたのでわかります。
私から見てても、あぁこれは難しいなぁという角度、正面系でしかもスピンがかかりつつ、後方の伸びていく打球。
前なのか、後ろなのか、判断が難しい打球。
処理を間違えれば、チーム全体の勝利にも影響しかねない打球。
親としては、「頼む~、頼む守ってくれー!」の一手のみ。
もう少しスタートを良くすれば、抜けなかったのかもしれません。
しかし、無慈悲にも一生懸命にプレーする彼の頭上を超えていきます。
あぁ~ぁというため息。
まるで昔の自分を見ているようです。
エラーにはなりませんが、もう少しのところで届かない。ピッチャーならば、頼む捕ってくれと思う打球。
その期待に応えられない、自分の不甲斐なさ、才能の無さを呪ったものですが、果てして次男坊はどうだったのでしょうか?
ミスった後しばらくは大きな声もでてきませんでしたが、ずっと下を向いていないあたり、自分で自分にけりをつけたようです。ふたたび、ライトからの大きな掛け声が聞こえてきました。
私も嫁さんもひとまず、ほっとしました。
なんとか立ち直ったてくれたか!
そして私の親父もおふくろも今の私と同じような心境で見ていたんだろうなぁと思いました。
チームメイト、その保護者に申し訳ないという気持ちと、息子よ、まだまだ大丈夫、負けんな、最後まで諦めんな!という気持ち。
長男も次男も才能、身体能力に恵まれたタイプでもなく、私から見ていていても努力も足りません。そこも昔の私を見ているようです。
それでも次男坊は、こうして数多くの存在する普通の野球少年のひとりとして、中学軟式野球をやってきました。
かつても私もその中のひとりだった。
ライトからスタンドにいる両親を恥ずかしそうにみる。
やらかした後に、チームメイトの励ましを受ける。
チャンスに打って高揚感を覚えたり、打てなくてガッカリする。
中学時代の多くの時間を費やしてきたからこそ、見えてくるもの。
見ている風景は、通じるものがあるでしょう。
それもこの高田中では、高田中野球部としてこのメンバーでやるのはこの大会が最後となります。

劣勢に立たされていますが、この後、チームメイトの活躍により逆転します。
彼らは高田スポ少、美里イーグルスのOBです。
3年生、2年生がそれぞれの持ち味をいかんなく発揮しています。
応援する保護者もみな、小学校時代に苦楽をともにした仲間です。
そして、会津大会の決勝に、美里イーグルス時代のキャプテンのコウノスケが最後の敵として、いる。
彼をキャプテンに指名したのは私です。
彼は実力というより、真面目な人柄と優れた統率力を見込んでキャプテンにしました。
その彼がこの場に敵として相まみえる。
それもまたうれしい。

試合前にコウノスケのお母さんと話す機会がありました。
彼女も小学生時代、キャプテンの親として、保護者会長としてチーム全体のまとめることに苦心した方です。
その話の中で、これまでのコウノスケの野球部の経緯、中学生活を聞きました。
彼もまた、いい指導者に出会い、いい仲間とともに苦しみながらも、野球を楽しんできたんだなと確信しました。お母さんもいい笑顔。
保護者もまとまっています。
こういうチームは強い。
だからこそ、負けられないと強く思いました。

途中、猛暑により相手エースが陥落した場面がありましたが、それでも彼は最後までサードを守り切りました。
彼もまた野球を続けてくれるならば、高校にいって、
もしかしたら、いいチームメイトになるでしょうし、ライバルになるかもしれません。
中学の時の敵が、味方になる。
中学の仲間が敵になる。
この先の高校野球も楽しみですが、最近は野球を選ばない子供たちも増えてきました。
最後は個人の選択に任せますが、私がソフトボールを子供たちに教える理由のひとつが、高校野球までやって欲しいという願いがあります。
年代をおうにつれて、野球もだんだん高度なプレーを求められ、練習量、質ともにレベルが上がってきます。
苦しさ、つらさ、負けてできない惨めさが楽しさを上回ってくる。
それが辞めていく原因だと私は思っています。
だから、小さいときの原点としての野球、ソフトボールの楽しさをとことん植え付けてやりたい。
苦しいからやめる。
そう脳が思わないようにしむけたい。
高校までと言わず、野球は楽しいと思って欲しい。
苦しいけど、野球は楽しい。
そういう高校球児をひとりでも多くの育てたいと私は勝手に思っています。
もちろん、野球以外に進んだ彼らたちも応援する気持ちにも代わりはありません。
究極には、かつての私がそうであったように、ソフトボール、野球の楽しさを教えていく人を継続的に育てていきたい。
この美里町から、ソフトボール、野球の火を消さずに灯し続けていくひと、ひとたち、チーム、システムを構築し続けたいと決意しています。
どこまでできるか、わかりません。
しかし、私が生きている限りはやろうと思っています。
私の後にも、同じ志を持った教え子も育ってきてくれています。
私の独りよがり、押しつけになるんでしょうが、願わくば息子たちもそのかけらのひとつでも持っていて欲しいと思っています。


すごく、脱線しました。

高田中野球部対会津学鳳中。
なんとか、高田中野球部が勝利を収めました。
学鳳中野球部、いいチームでした。
負けて目を真っ赤にして、道具を片付ける最中に、私を見つけて、「ありがとうございました!」と声をかけてきたコウノスケ。
悔しいながらも、その一言を素直に言うことができる、すがすがしく強い魂。
彼らが数々の強豪チームを破ってきたことも納得できます。
そして高田中野球部もまた、いいチームになってきました。
誰かが、ミスってもすぐに取り返す。
ひとりひとりがなすべきことを、ミスりながらも、なんとかチーム全体で成し遂げる遂行するしぶとさ。
我々が倒してきたチームの分も、頑張って野球をたのしんでやりましょう。
最後の最後にきて、こいつら、もしかしたらやるんじゃないかという期待感。
応援する保護者にも間違いなく、勇気と感動を与えてくれています。
こころが動かされる。

彼らの背景を知っているだけに、ゲーム中、一生懸命なプレーのひとつひとつに、思わず涙で前が見えなくなるときがあるほどです。
ここまで、野球をやってきてくれてありがとう。
それは、彼らを支えてきたご家族みんな、
一緒に戦ってきたチームメイト、先生、
そして会長として指導者として厳しさと熱さを植え付けてくれたノリちゃんたち、みんなにいいたいです。
俺ら保護者から見ても、やはりありがとうの言葉しか見つかりません。
スポーツとは、野球とは、ソフトボールとは、
やはり、そういうところなんです!

さて、県大会!
次男坊たちの真夏の大冒険があとひとつ。
楽しみが増えました。
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