時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
送りバント。
アウトひとつを犠牲にして、ランナーを進める戦術です。
その送りバントが時として、試合の勝敗を決める手段にもなりえる。
その場面が昨日の東京オリンピック、野球。
日本対アメリカ戦にありました。
5:6
1点を追う九回。
鈴木がなんとかファーボールを選んで出塁する。
これも結構危ないコースでした。
ストライクといわれてもおかしくないコース。
鈴木もトップの構えを解除していないくらいきわどい。
おそらく彼もあぶねぇかもと思ったはずです。
しかし判定はボール。
前の打席でホームランを打っている。
そこからくる余裕があのきわどい球を見送らせたのだと私は思います。
一死一塁。
ここで浅村。
ホームランで逆転ですが、浅村選手の中には右方向の意識が見えました。ゲッツーは避けて最低でも進塁打。
そこにアウトコース。
体を開かないで引きつけて打つ。
お手本のような右打ちです。
スタートがよかった鈴木は一気に三塁へ。
これはレフトだったら三塁には進めません。
浅村がライトに打ったからこそ、この一三塁というなんでもできる形になります。
さぁここで柳田。なんでもできる選手です。
足も速いし長打も期待できる。スクイズもできる。三振はしない。打率も高いので、高確率でミートできる。
なんでもできる。
ゲッツーのみをさければ、得点という意味では最高の形ができました。
しかし、ここはアメリカもふんばりどころ。
マウンドのヤクルトのマクガクもキアイガ入ります。
絶対打たせない!vs絶対に打つ!の対決。
アメリカの思いと日本の思いが激突します。
両者全力を尽くしての勝負。
柳田なんとかあてますが、ミートはできなかった。
しかし、高いバウンドになってピッチャーのマクガクの頭上を越えた時点で、1点をもぎとったことは確信しました。
同点!
土壇場で追いつきました。
柳田、俊足を飛ばしますがファーストアウト。
ミートできなきまでも、どうすれば1点がとれるかということを意識して打席に入っている。
マクガクが投げたコース、球威によって打ち方を本能的に変える対応力は流石としかいいようがありません。この打順、柳田選手がいてくれて良かった!誰もがそう思ったはずです。
となると、やはり選手をよく見抜いてこのオーダーを組んだ稲葉監督をはじめ首脳陣のファインプレーも光るということになります。
二死、ただ、二塁に浅村がいます。
さぁ菊地です。
流れがきたところで、一気に逆転してサヨナラ勝ちを収めたいところですが、マクガクも踏んばり、菊地を三振に仕留めます。
9回裏土壇場で追いついた。
そして、この裏っていうのが表のアメリカにとってはかなりのプレッシャーになります。
サヨナラ負けの重圧。
表を抑えるということが条件になりますが両者の力が均衡すればするほど、裏攻めが有利となります。
この終盤の心理的有利はかなりのアドバンテージになります。
そして、10回からはノーアウト、一二塁からのタイブレーク。
ここからは、栗林をリリーフに送り込みます。
火消し役にふさわしく、ストレートにかなりの威力があります。アメリカを相手にぐいぐい押していく。ルーキーながらクローザーとして成功し、日本代表にまで選ばれるだけの資質をもっている。
あぁあいつは打つのが難しいわと出てくるだけで、相手にプレッシャーを与えるピッチャー。
ちょっと前の楽天の松井もそんな感じがありましたが、今は……
ノーアウト一二塁とランナーを背負っていたとしても、そんな栗林がアメリ打線をゼロに抑えます。先頭バッターを三振に切って取ったのがよかった。これで、栗林はさらにノリました。
反対にアメリカの無策っぷり。
たしかに打つという選択肢もいいでしょう。
しかし、この場合、この終盤のノーアウト一二塁という場面。
ここで最低でも1点を必ずとらなければ、先攻のアメリカは窮地に立たされます。
そこにきて、打つのみという選択肢の狭さ。
守る日本にとっても、あぁ何もやってこないんだ、ここは栗林にかけて、バックは全力で守る!と片方の選択肢に集中できてしまいます。
兵力を分散させず、もてる戦力を集中運営するという兵法の基本を日本がとることができた。
お国柄の違いなのかもしれませんが、私はここがアメリカのミステイクだと思います。
相手をこうすれば、抑えられるという思惑通りにゼロに抑えた。
この時点で、有利。
そして、ノーアウト一二塁という裏攻め。
かなりの条件がそろっています。
そして、8番に置いた村上という場面。
日本代表の稲葉監督はどう動くか?
強打の村上にかえて、代打に栗原。
ここはランナーをバントで送って、二三塁の形を作ることを選びました。
アメリカと同じ轍は踏まないという選択。
二三塁にすれば、ヒットでなくても内野ゴロでも1点をとれる。
スクイズもできる。外野フライでもいい。
ゲッツーもなりにくい。
フォースプレーではなくタッチプレイなので、ランナーの生還の確率は高くなります。
たくさんの選択肢が増える。
アメリカ得点されれば即負けというサヨナラの重圧の中、あれにも、これにも対応しなくてはいけない。
この時点で、アメリカ側の集中力を分散させることができます。
この形を作った時点で日本はかなり勝利に近づく。
しかし、この状況。
守るアメリカ以上にプレッシャーを感じるのが、バントを命じられた栗原です。
本来ならば、彼も強打の部類のバッター。
村上よりはバントが上手いだろうという首脳陣の思惑での代打だと思います。
栗原の送りバントがまさに試合を決める、アメリカと日本の命運を握る運命のバントになります。
しかし、栗原は初球であっさり決めてしまいます。当たり前のように、あっさり。
そして、ランナーは日本の思惑通り二三塁の形になる。
私がここで思うのは、またまたアメリカの無策っぷり。
バント来るかもしれないのに、ストライクから入る。ボールで様子をみるとか、もっとやりにくいコースに投げさせるとか対応策が必要だったと思います。
野球の質がこまかくない。
ここは日本がくみしやすいところでしょう。
ただ、この場面で1発で送りバントを決めた栗原。
昔のジァイアンツ川相選手のようにきちっとした構えからのバントではなく、セーフティ気味の、ファーストに動きながらのバントでした。
それが彼のバントのスタイルなんでしょうね。
よくぞ、このとんでもないプレッシャーがかかる場面で、本来期待されたスキルではない、バントのという戦法を1発で決めました。
1発で決めた。
ここがとんでもなく日本に追い風を吹かせました。
そして、ワンアウト二三塁という場面で、ラストバッターのキャッチャーの甲斐。
ここもなんでもできる。
さすがにこの場面では、アメリカもタイムをかけて、戦術の確認をするようです。
1点取られたら負けなので、満塁策もあるでしょう。スクイズも警戒しなくてはならない。数ある選択肢に対応しなくてはいけない。
外野を2人、内野を5人にして前進守備のバックホーム体制で守りを固めたようです。
本当に固めたのか?と疑問です。
こういう思い切ったシフトはアメリカ人が好むところ、ですが彼らの顔にはまったく余裕がありません。
そして、選んだのは満塁策をとらずに甲斐と真っ向勝負!正面からパワーで押す。
いかにもアメリカらしい戦術です。
スクイズの危険性もあるので、本来ならば1球外して様子をみるところ。
日本であれば必ず、外すと思います。
それば中学生でも高校野球でもそうすると思います。
それが日本の野球。
しかし、アメリカはそれもやりません。
ボールにもしない。
この時点で万全の体制をとっていたはずです。
コースにきたら打つ!
そして、まんまとコースにきた。
それもおあつらえ向きのアウトコース低め。
インサイドアウトのスウイング。
バットが内側からくり出され、加速されるので自然と右方向の打球になります。
そして、アメリカの外野は2人で前進守備。
打った時点で抜けることがわかる打球になる。
日本の勝利は確約されました。
こういうのが日本の野球だというところが随所に見られました。
パワーだけではない、緻密さ。
チームへの献身。
それが1番に象徴されたのが、あの栗原の送りバントだったと私は思います。
あれが、日本なんです。
そして、日本のやり方でパワーのアメリカに逆転で勝つ!
こんなに気持ちいいことはありません。
お酒がうまいことうまいこと。
これをリアルに球場で見たかった……
頂点まであとふたつ。
ライバル韓国がいます。
あの人たちなんで日本戦になるとあんなに強くなるんでしょうね?
タイプの似た国同士の対決です。
これは絶対に負けられません。
あと二試合、美酒に酔いしれたい!
がんばれサムライジャパン!
アウトひとつを犠牲にして、ランナーを進める戦術です。
その送りバントが時として、試合の勝敗を決める手段にもなりえる。
その場面が昨日の東京オリンピック、野球。
日本対アメリカ戦にありました。
5:6
1点を追う九回。
鈴木がなんとかファーボールを選んで出塁する。
これも結構危ないコースでした。
ストライクといわれてもおかしくないコース。
鈴木もトップの構えを解除していないくらいきわどい。
おそらく彼もあぶねぇかもと思ったはずです。
しかし判定はボール。
前の打席でホームランを打っている。
そこからくる余裕があのきわどい球を見送らせたのだと私は思います。
一死一塁。
ここで浅村。
ホームランで逆転ですが、浅村選手の中には右方向の意識が見えました。ゲッツーは避けて最低でも進塁打。
そこにアウトコース。
体を開かないで引きつけて打つ。
お手本のような右打ちです。
スタートがよかった鈴木は一気に三塁へ。
これはレフトだったら三塁には進めません。
浅村がライトに打ったからこそ、この一三塁というなんでもできる形になります。
さぁここで柳田。なんでもできる選手です。
足も速いし長打も期待できる。スクイズもできる。三振はしない。打率も高いので、高確率でミートできる。
なんでもできる。
ゲッツーのみをさければ、得点という意味では最高の形ができました。
しかし、ここはアメリカもふんばりどころ。
マウンドのヤクルトのマクガクもキアイガ入ります。
絶対打たせない!vs絶対に打つ!の対決。
アメリカの思いと日本の思いが激突します。
両者全力を尽くしての勝負。
柳田なんとかあてますが、ミートはできなかった。
しかし、高いバウンドになってピッチャーのマクガクの頭上を越えた時点で、1点をもぎとったことは確信しました。
同点!
土壇場で追いつきました。
柳田、俊足を飛ばしますがファーストアウト。
ミートできなきまでも、どうすれば1点がとれるかということを意識して打席に入っている。
マクガクが投げたコース、球威によって打ち方を本能的に変える対応力は流石としかいいようがありません。この打順、柳田選手がいてくれて良かった!誰もがそう思ったはずです。
となると、やはり選手をよく見抜いてこのオーダーを組んだ稲葉監督をはじめ首脳陣のファインプレーも光るということになります。
二死、ただ、二塁に浅村がいます。
さぁ菊地です。
流れがきたところで、一気に逆転してサヨナラ勝ちを収めたいところですが、マクガクも踏んばり、菊地を三振に仕留めます。
9回裏土壇場で追いついた。
そして、この裏っていうのが表のアメリカにとってはかなりのプレッシャーになります。
サヨナラ負けの重圧。
表を抑えるということが条件になりますが両者の力が均衡すればするほど、裏攻めが有利となります。
この終盤の心理的有利はかなりのアドバンテージになります。
そして、10回からはノーアウト、一二塁からのタイブレーク。
ここからは、栗林をリリーフに送り込みます。
火消し役にふさわしく、ストレートにかなりの威力があります。アメリカを相手にぐいぐい押していく。ルーキーながらクローザーとして成功し、日本代表にまで選ばれるだけの資質をもっている。
あぁあいつは打つのが難しいわと出てくるだけで、相手にプレッシャーを与えるピッチャー。
ちょっと前の楽天の松井もそんな感じがありましたが、今は……
ノーアウト一二塁とランナーを背負っていたとしても、そんな栗林がアメリ打線をゼロに抑えます。先頭バッターを三振に切って取ったのがよかった。これで、栗林はさらにノリました。
反対にアメリカの無策っぷり。
たしかに打つという選択肢もいいでしょう。
しかし、この場合、この終盤のノーアウト一二塁という場面。
ここで最低でも1点を必ずとらなければ、先攻のアメリカは窮地に立たされます。
そこにきて、打つのみという選択肢の狭さ。
守る日本にとっても、あぁ何もやってこないんだ、ここは栗林にかけて、バックは全力で守る!と片方の選択肢に集中できてしまいます。
兵力を分散させず、もてる戦力を集中運営するという兵法の基本を日本がとることができた。
お国柄の違いなのかもしれませんが、私はここがアメリカのミステイクだと思います。
相手をこうすれば、抑えられるという思惑通りにゼロに抑えた。
この時点で、有利。
そして、ノーアウト一二塁という裏攻め。
かなりの条件がそろっています。
そして、8番に置いた村上という場面。
日本代表の稲葉監督はどう動くか?
強打の村上にかえて、代打に栗原。
ここはランナーをバントで送って、二三塁の形を作ることを選びました。
アメリカと同じ轍は踏まないという選択。
二三塁にすれば、ヒットでなくても内野ゴロでも1点をとれる。
スクイズもできる。外野フライでもいい。
ゲッツーもなりにくい。
フォースプレーではなくタッチプレイなので、ランナーの生還の確率は高くなります。
たくさんの選択肢が増える。
アメリカ得点されれば即負けというサヨナラの重圧の中、あれにも、これにも対応しなくてはいけない。
この時点で、アメリカ側の集中力を分散させることができます。
この形を作った時点で日本はかなり勝利に近づく。
しかし、この状況。
守るアメリカ以上にプレッシャーを感じるのが、バントを命じられた栗原です。
本来ならば、彼も強打の部類のバッター。
村上よりはバントが上手いだろうという首脳陣の思惑での代打だと思います。
栗原の送りバントがまさに試合を決める、アメリカと日本の命運を握る運命のバントになります。
しかし、栗原は初球であっさり決めてしまいます。当たり前のように、あっさり。
そして、ランナーは日本の思惑通り二三塁の形になる。
私がここで思うのは、またまたアメリカの無策っぷり。
バント来るかもしれないのに、ストライクから入る。ボールで様子をみるとか、もっとやりにくいコースに投げさせるとか対応策が必要だったと思います。
野球の質がこまかくない。
ここは日本がくみしやすいところでしょう。
ただ、この場面で1発で送りバントを決めた栗原。
昔のジァイアンツ川相選手のようにきちっとした構えからのバントではなく、セーフティ気味の、ファーストに動きながらのバントでした。
それが彼のバントのスタイルなんでしょうね。
よくぞ、このとんでもないプレッシャーがかかる場面で、本来期待されたスキルではない、バントのという戦法を1発で決めました。
1発で決めた。
ここがとんでもなく日本に追い風を吹かせました。
そして、ワンアウト二三塁という場面で、ラストバッターのキャッチャーの甲斐。
ここもなんでもできる。
さすがにこの場面では、アメリカもタイムをかけて、戦術の確認をするようです。
1点取られたら負けなので、満塁策もあるでしょう。スクイズも警戒しなくてはならない。数ある選択肢に対応しなくてはいけない。
外野を2人、内野を5人にして前進守備のバックホーム体制で守りを固めたようです。
本当に固めたのか?と疑問です。
こういう思い切ったシフトはアメリカ人が好むところ、ですが彼らの顔にはまったく余裕がありません。
そして、選んだのは満塁策をとらずに甲斐と真っ向勝負!正面からパワーで押す。
いかにもアメリカらしい戦術です。
スクイズの危険性もあるので、本来ならば1球外して様子をみるところ。
日本であれば必ず、外すと思います。
それば中学生でも高校野球でもそうすると思います。
それが日本の野球。
しかし、アメリカはそれもやりません。
ボールにもしない。
この時点で万全の体制をとっていたはずです。
コースにきたら打つ!
そして、まんまとコースにきた。
それもおあつらえ向きのアウトコース低め。
インサイドアウトのスウイング。
バットが内側からくり出され、加速されるので自然と右方向の打球になります。
そして、アメリカの外野は2人で前進守備。
打った時点で抜けることがわかる打球になる。
日本の勝利は確約されました。
こういうのが日本の野球だというところが随所に見られました。
パワーだけではない、緻密さ。
チームへの献身。
それが1番に象徴されたのが、あの栗原の送りバントだったと私は思います。
あれが、日本なんです。
そして、日本のやり方でパワーのアメリカに逆転で勝つ!
こんなに気持ちいいことはありません。
お酒がうまいことうまいこと。
これをリアルに球場で見たかった……
頂点まであとふたつ。
ライバル韓国がいます。
あの人たちなんで日本戦になるとあんなに強くなるんでしょうね?
タイプの似た国同士の対決です。
これは絶対に負けられません。
あと二試合、美酒に酔いしれたい!
がんばれサムライジャパン!
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