時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
次男坊たちの長い夏が終わりました。
三年間の中学野球が終わりました。
福島民報杯県大会、県下16チームを集めて郡山の開成山球場をメインスタジアムとして開幕しました。
高田中野球部は、高瀬中学と一回戦で当たります。
高瀬中学はおそらく高瀬スポ少のOBがたくさんいるはずです。
かつて彼らの小学校時代、美里イーグルス時代に何回か対戦しているはずです。
思い出しました。青いユニホーム、メガネの勢いのいい監督さん。声の大きい熱血タイプです。
管理するのではなく、選手の個性を引き出してのびのび成長させていくタイプの指導者だと記憶しています。
そんな指導者のみなさん、保護者のみなさんに育てられた子供たちが弱いわけがありません。
激戦の県中地区を勝ち上がってきた理由はそういうところにあると思います。
スポ少の時もそうでしたが、がたいのいい選手、スラッガーがそろっています。そして、かつてのあの時と変わらずスポーツメガネ率も高し。
ただ、小学校の時よりも確実にパワーアップしています。
われらが高田中野球部、そこを相手にどう戦うか?
須賀川の牡丹台球場で一回戦は行われました。
大部分は忘れましたが、先にチャンスをつくるも先制できず、逆に先制されて突き放される厳しい展開となったと記憶しています。
それでもいったんは、反撃を加えて山場はつくりました。
しかし、またしても突き放される。
次男坊が、起死回生で仕掛けた三塁からのヒットエンドランを空振り。
虎の子の三塁ランナーのソウジが憤死したことは鮮明に覚えています。
せめて、ファールにしろよ!と心の激白。
しかし、彼は懸命にゴロを打とうとダウンスイングの軌道で振っていました。
そこにきた、高めの快速球。
高瀬のキャッチャー、ピッチャーのバッテリー、野球を知っています。
一死三塁で、7番のひょろ細いバッター。
何をしかてくるかと考える。
スクイズも想定される場面です。
私がキャッチャーならば、
アウトコース低めでバント失敗、もしくは打たれても凡打になりやすいコースを要求します。
しかし、高瀬中のバッテリーはあえて高めの直球で勝負に来ました。
バッテリーのポテンシャルをいかんなく発揮できるコースが、高めであることがお互いにきちんとわかっていました。
そして、相手は非力な7番バッター。
空振りを狙いにいったはずです。
空振りにならなくても、フライにする自信があったからこその高めの快速球。
そして、次男坊は空振りした。
高瀬のバッテリーは得点を許さず、三塁ランナーをアウトにした。
たった1球のやりとりですが、ものすごいドラマが凝縮されています。
しかし、スコアブックに書き込まれる事実はこれのみです。
7番の次男坊もこの場面の重要性は充分にわかっていたはずです。
次の1点がどちらに入るか?
勝負を決める分水嶺となる場面。
負けている高田中野球部としては、なんとしてでも点差を縮めるために1点が欲しい。
そのためにリスクをとるしかありません。
そのリスクの中でも最も成功確率が高いものを選んでいく。
打たせるのか、スクイズか、セーフティスクイズか、エンドランか?
選択肢はたくさんあります。
ここに勝負のあやがあるんです。
サインをだす。
あとは選手たちを信じるのみ。
エンドランだったようです。
スクイズよりも成功確率は若干落ちますが、バッターランナーも生き残る確率はこちらの方が高い。
得点した上で、ランナーもだすという思い切った戦法です。
この点差を考えれば1点ずつ刻むよりもいっきに点差をつめるという「賭け」にでたと、監督心理を察します。
そして、次男坊タケゾウならばそれができると信じた。
サインで意思を疎通する。
こういう息詰まる場面、生死を分かつような場面はスポーツでなくては、野球でなくては経験できません。
攻める方も守る方も、そして応援する方も心臓が飛び出るほど緊張する。
スタジアム全体が固唾をのむ。
どちらもすべてをこの1球にかける。
高瀬中のピッチャーもバッターのタケゾウも持てる限りの全力を尽くしたはずです。
絶対に打つvs絶対に抑える。
全力対全力。
刹那。
タケゾウは空振りし、エンドランでスタートを切った三塁ランナーは挟まれて憤死。
いっきに流れは高瀬中へと傾きました。
命運をわけるのはなんなんでしょうね。
センスなのか、努力の量なのか、試合の流れなのか?運なのか?
おそらくそのすべてなんだと思います。
ほんの少しだけ、ほんの数ミリだけ上回った方がいい結果を手に入れる。
勝負とは残酷なものです。
勝ち負けが必ずある。
勝つ者がいれば、かならず負ける者もいます。
がんばったから勝てる、上手くいくとは限らない。
どうやったっても勝てないと思うような相手と対戦することもあります。
勝てばさらに上を目指せばいいし、負けたとしてもいままでやってきたことは決して無駄にはなりません。改善点を探して、次に向けてまた走り出せばいいんです。
勝つにしろ、負けるにしろ、どっちであっても人間的には前に進んで成長しているんです。
お笑い芸人、ティモンディーの高岸さんの言葉、
「やれば、できる!」
ライオンのグータッチで言っていました。
この言葉は、挑戦すれば、成功するという意味ではない。
いい結果がくるにしろ、悪い結果がくるにしろ、
挑戦すること(=「やれば」)で、人は必ず成長「できる!」という意味なんだそうです。
しごく、もっともで、これほど背中を押してくれる前向きな言葉はないと思います。
そして、この言葉を高岸さんが誰を相手にしても、どんな場面でも、いっさいぶれずに言うからこそ、さらに前向きな言葉になってると私は思います。
「やれば、できる。」
付け加えさせてもらうとすれば、
相手がどうであろうと全力で準備をして、
最後まで全力を尽くすということだと私は思います。
途中で負けたと諦める、勝負をぶんなげる。
果たしてそれが次につながる姿勢でしょうか?
たとえ、いったんはそう思ったとしても、折れた心のかけらをかき集めて、瞬間接着剤でくっつけでも立ち直る。
下を向いたとしても、何回でも心をリセットして、前を向きましょう。
横にいる仲間を見て、上を向きましょう。
負けているとき、負けたときほどその姿勢が問われると思います。
それこそ、スポーツをやる意味、野球をやる意味だと思っています。
次男坊たちは、それを三年間、野球というフィールドで仲間たちと実践してきました。
何回も負けました。何回もエラーをして、失敗をしました。
それでも、最後の最後まで、あきらめず野球を楽しんだと思います。
小学校の時から見れば、心も体もだいぶたくましく見えます。
私もそうでしたが、彼らは今人生の中でかけがえのない時代を過ごしていると思います。
一生の中で、こんなにもなにかに打ち込める時間を作れたことは彼らにとってこの先「宝」となることでしょう。
その宝とは「仲間」なんだと思います。
この時代を一緒にグランドで過ごした「仲間」。
いくつになっても、そいつらの顔をみるとあの時代を思い出します。
自分たちがあんなにもつらく、楽しく、
熱く打ち込める時間を仲間とともに過ごしていたことに気づく。
そして、あぁ明日も大丈夫だ!と前向きになれる。
息子たちの中学時代の野球部としての経験は、背骨となり、追い風となり自分自身を支えてくれるはずです。
タケゾウ、よくやった。
みんなといい時間を過ごしたな!
その言葉を肩をたたきながらかけます。
長男が中学野球を終えた時、抱きしめてやればよかったと書きました。
しかし、今回次男坊の時もなんか照れくさくてできませんでした。
代わりにそこにいた、かつての美里イーグルスキャプテン2年のユウキを抱きしめる。
このチーム、3年生たちを県大会まで連れてきたのは間違いなく彼らの活躍もありました。
イーグルスOBのレント、タイセイも成長著しい。
思いを次の世代の彼らに託します。
息子は抱きしめずともわかってくれるでしょう。
でも、やはり区切りとなったタイミングでハグしてやればよかったかなぁ。
ここができないが日本人、会津人なんでしょうね。
いや、同じ保護者のイッペイちゃんはアメリカ人並にみんなとハグしてたなぁ……
まぁ、このハグは高校までとっておくことにします。
かくしてタケゾウの中学野球は幕を下ろしました。
ここまでサポートしてくださった保護者の皆様、
指導してくださった先生方、
チームメイトの選手諸君、
このチームにたずさわっていただいたすべての方々に感謝いたします。
楽しかったですね。
ありがとうございました。
次男坊たちは、須賀川の地で静かにバットを置きました。
ラストミーティング、小樽潮陵高校監督の名言
「野球をやってきたことで飯を食えることがある。野球で飯は食えないかもしれないけど」
指導者の多くがこう思っていると思います。
勝つも負けるも、ヒットもエラーも、笑顔も涙も、
無駄なことなどひとつもない。
野球は間違いなく今後の彼らを支えてくれると私は信じています。
この先の彼らがどう成長していくか、それもまた楽しみです。
三年間の中学野球が終わりました。
福島民報杯県大会、県下16チームを集めて郡山の開成山球場をメインスタジアムとして開幕しました。
高田中野球部は、高瀬中学と一回戦で当たります。
高瀬中学はおそらく高瀬スポ少のOBがたくさんいるはずです。
かつて彼らの小学校時代、美里イーグルス時代に何回か対戦しているはずです。
思い出しました。青いユニホーム、メガネの勢いのいい監督さん。声の大きい熱血タイプです。
管理するのではなく、選手の個性を引き出してのびのび成長させていくタイプの指導者だと記憶しています。
そんな指導者のみなさん、保護者のみなさんに育てられた子供たちが弱いわけがありません。
激戦の県中地区を勝ち上がってきた理由はそういうところにあると思います。
スポ少の時もそうでしたが、がたいのいい選手、スラッガーがそろっています。そして、かつてのあの時と変わらずスポーツメガネ率も高し。
ただ、小学校の時よりも確実にパワーアップしています。
われらが高田中野球部、そこを相手にどう戦うか?
須賀川の牡丹台球場で一回戦は行われました。
大部分は忘れましたが、先にチャンスをつくるも先制できず、逆に先制されて突き放される厳しい展開となったと記憶しています。
それでもいったんは、反撃を加えて山場はつくりました。
しかし、またしても突き放される。
次男坊が、起死回生で仕掛けた三塁からのヒットエンドランを空振り。
虎の子の三塁ランナーのソウジが憤死したことは鮮明に覚えています。
せめて、ファールにしろよ!と心の激白。
しかし、彼は懸命にゴロを打とうとダウンスイングの軌道で振っていました。
そこにきた、高めの快速球。
高瀬のキャッチャー、ピッチャーのバッテリー、野球を知っています。
一死三塁で、7番のひょろ細いバッター。
何をしかてくるかと考える。
スクイズも想定される場面です。
私がキャッチャーならば、
アウトコース低めでバント失敗、もしくは打たれても凡打になりやすいコースを要求します。
しかし、高瀬中のバッテリーはあえて高めの直球で勝負に来ました。
バッテリーのポテンシャルをいかんなく発揮できるコースが、高めであることがお互いにきちんとわかっていました。
そして、相手は非力な7番バッター。
空振りを狙いにいったはずです。
空振りにならなくても、フライにする自信があったからこその高めの快速球。
そして、次男坊は空振りした。
高瀬のバッテリーは得点を許さず、三塁ランナーをアウトにした。
たった1球のやりとりですが、ものすごいドラマが凝縮されています。
しかし、スコアブックに書き込まれる事実はこれのみです。
7番の次男坊もこの場面の重要性は充分にわかっていたはずです。
次の1点がどちらに入るか?
勝負を決める分水嶺となる場面。
負けている高田中野球部としては、なんとしてでも点差を縮めるために1点が欲しい。
そのためにリスクをとるしかありません。
そのリスクの中でも最も成功確率が高いものを選んでいく。
打たせるのか、スクイズか、セーフティスクイズか、エンドランか?
選択肢はたくさんあります。
ここに勝負のあやがあるんです。
サインをだす。
あとは選手たちを信じるのみ。
エンドランだったようです。
スクイズよりも成功確率は若干落ちますが、バッターランナーも生き残る確率はこちらの方が高い。
得点した上で、ランナーもだすという思い切った戦法です。
この点差を考えれば1点ずつ刻むよりもいっきに点差をつめるという「賭け」にでたと、監督心理を察します。
そして、次男坊タケゾウならばそれができると信じた。
サインで意思を疎通する。
こういう息詰まる場面、生死を分かつような場面はスポーツでなくては、野球でなくては経験できません。
攻める方も守る方も、そして応援する方も心臓が飛び出るほど緊張する。
スタジアム全体が固唾をのむ。
どちらもすべてをこの1球にかける。
高瀬中のピッチャーもバッターのタケゾウも持てる限りの全力を尽くしたはずです。
絶対に打つvs絶対に抑える。
全力対全力。
刹那。
タケゾウは空振りし、エンドランでスタートを切った三塁ランナーは挟まれて憤死。
いっきに流れは高瀬中へと傾きました。
命運をわけるのはなんなんでしょうね。
センスなのか、努力の量なのか、試合の流れなのか?運なのか?
おそらくそのすべてなんだと思います。
ほんの少しだけ、ほんの数ミリだけ上回った方がいい結果を手に入れる。
勝負とは残酷なものです。
勝ち負けが必ずある。
勝つ者がいれば、かならず負ける者もいます。
がんばったから勝てる、上手くいくとは限らない。
どうやったっても勝てないと思うような相手と対戦することもあります。
勝てばさらに上を目指せばいいし、負けたとしてもいままでやってきたことは決して無駄にはなりません。改善点を探して、次に向けてまた走り出せばいいんです。
勝つにしろ、負けるにしろ、どっちであっても人間的には前に進んで成長しているんです。
お笑い芸人、ティモンディーの高岸さんの言葉、
「やれば、できる!」
ライオンのグータッチで言っていました。
この言葉は、挑戦すれば、成功するという意味ではない。
いい結果がくるにしろ、悪い結果がくるにしろ、
挑戦すること(=「やれば」)で、人は必ず成長「できる!」という意味なんだそうです。
しごく、もっともで、これほど背中を押してくれる前向きな言葉はないと思います。
そして、この言葉を高岸さんが誰を相手にしても、どんな場面でも、いっさいぶれずに言うからこそ、さらに前向きな言葉になってると私は思います。
「やれば、できる。」
付け加えさせてもらうとすれば、
相手がどうであろうと全力で準備をして、
最後まで全力を尽くすということだと私は思います。
途中で負けたと諦める、勝負をぶんなげる。
果たしてそれが次につながる姿勢でしょうか?
たとえ、いったんはそう思ったとしても、折れた心のかけらをかき集めて、瞬間接着剤でくっつけでも立ち直る。
下を向いたとしても、何回でも心をリセットして、前を向きましょう。
横にいる仲間を見て、上を向きましょう。
負けているとき、負けたときほどその姿勢が問われると思います。
それこそ、スポーツをやる意味、野球をやる意味だと思っています。
次男坊たちは、それを三年間、野球というフィールドで仲間たちと実践してきました。
何回も負けました。何回もエラーをして、失敗をしました。
それでも、最後の最後まで、あきらめず野球を楽しんだと思います。
小学校の時から見れば、心も体もだいぶたくましく見えます。
私もそうでしたが、彼らは今人生の中でかけがえのない時代を過ごしていると思います。
一生の中で、こんなにもなにかに打ち込める時間を作れたことは彼らにとってこの先「宝」となることでしょう。
その宝とは「仲間」なんだと思います。
この時代を一緒にグランドで過ごした「仲間」。
いくつになっても、そいつらの顔をみるとあの時代を思い出します。
自分たちがあんなにもつらく、楽しく、
熱く打ち込める時間を仲間とともに過ごしていたことに気づく。
そして、あぁ明日も大丈夫だ!と前向きになれる。
息子たちの中学時代の野球部としての経験は、背骨となり、追い風となり自分自身を支えてくれるはずです。
タケゾウ、よくやった。
みんなといい時間を過ごしたな!
その言葉を肩をたたきながらかけます。
長男が中学野球を終えた時、抱きしめてやればよかったと書きました。
しかし、今回次男坊の時もなんか照れくさくてできませんでした。
代わりにそこにいた、かつての美里イーグルスキャプテン2年のユウキを抱きしめる。
このチーム、3年生たちを県大会まで連れてきたのは間違いなく彼らの活躍もありました。
イーグルスOBのレント、タイセイも成長著しい。
思いを次の世代の彼らに託します。
息子は抱きしめずともわかってくれるでしょう。
でも、やはり区切りとなったタイミングでハグしてやればよかったかなぁ。
ここができないが日本人、会津人なんでしょうね。
いや、同じ保護者のイッペイちゃんはアメリカ人並にみんなとハグしてたなぁ……
まぁ、このハグは高校までとっておくことにします。
かくしてタケゾウの中学野球は幕を下ろしました。
ここまでサポートしてくださった保護者の皆様、
指導してくださった先生方、
チームメイトの選手諸君、
このチームにたずさわっていただいたすべての方々に感謝いたします。
楽しかったですね。
ありがとうございました。
次男坊たちは、須賀川の地で静かにバットを置きました。
ラストミーティング、小樽潮陵高校監督の名言
「野球をやってきたことで飯を食えることがある。野球で飯は食えないかもしれないけど」
指導者の多くがこう思っていると思います。
勝つも負けるも、ヒットもエラーも、笑顔も涙も、
無駄なことなどひとつもない。
野球は間違いなく今後の彼らを支えてくれると私は信じています。
この先の彼らがどう成長していくか、それもまた楽しみです。
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