時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
最近、ピッチャーが良くなっている最大の原因、それはキャッチャーである、トウマの献身があります。
ピッチャーが気持ち良くなげれるように、全ての球を捕りきる技術がメキメキ上がっています。
技術だけではありません。
ピッチャーを受け止めるという姿勢、気持ちが前面にでていると感じます。
だからこそ、ピッチャーは思いきって腕を振ることができるんです。
ワンバンだろうが、頭を抜けていきそうだろうが、体を呈してブロックして前に止めている。
ピッチャーだって、そんなクソ球、なげたくてなげているのではありません。
あーっ!やべぇ、ワイルドピッチだぁと思った時に、最後の砦として、キャッチャーが止めてくれる。
ピッチャー経験者ならわかるはずです。
これだけで、かなり、ほっとします。
そして、次へのモチベーションに繋がります。
ミスをカバーしてくれる。
この背景には、キャッチャー出身の新しいバッテリーコーチのおかげもあると思います。
キャッチングの際に肘が上がる癖、フレーミング、キャッチングの位置が下がる癖、そこを素早く見抜いてアドバイスを送っていました。
んー実に細かいところまで目が届いています。
ここにもコーチを増やした効果が表れています。
こういう相互補助、同盟関係がバッテリーの信頼関係を築き上げます。
これは人間関係にも、チームの状態にも、良くも悪くも影響します。
こういう関係を築いていくこと、毎日の小さなことの積み重ね、これは大人になっても役に立ちます。
生涯付き合う友達、伴侶となる異性、人が人として生きていくために必要な勉強だと私は思います。
そういう関係は、お互いが気持ち良く築き上げていくのがいい。
そうあって欲しいとつくづくそう思います。
翻って、最近のトウマ。
ピッチャーの信頼をことごとく勝ち取っています。
それが打撃にもいい影響を与えていると私は見ています。
体を盾にして、痛い思いをしてブロックしていることは無駄ではないんです。
こういう視点で、トウマの献身的なブロックを見てしまうと、ウルッときてしまいます。
昨年のシュンペイを思い出します。
歴代キャッチャーを思い出します。
キャッチャーというとのは、なんと献身的な職業なんでしょう。
キャッチャー経験者は、頼り甲斐のある人が多いような気がするのは私だけでしょうか?
1番監督に怒られるし、痛いし、暑いし、臭いし、手柄はピッチャーにもっていかれる。
いいことはあまりないかもしれません。
キャッチャー経験者ならば、必ず1回は、やめたいと思ったことがあるはずです。
それほど、心が折れるような場面がたくさんあるのがキャッチャーだと思います。
1回地獄を見ている。
でもそんな中から、キャッチャーという職業に光を見いだす。
誰が見ていなくても、自分のやるべきことをやろうとするとき、本当の意味でキャッチャーという職業の真価を知ることになるでしょう。
それを1回乗り越えてきたキャッチャー経験者は、それを知っていると思います。
去年のシュンペイとユナのバッテリー、一時期崩壊寸前までいきました。
しかし、コロナ明けに、あの水面が鏡となっているウユニ湖のようにふたりは凪いでいました。
乗り越えたんです。
ユナもそうですが、キャッチャーであるシュンペイの精神面での成長が大きかった思います。
何回もどん底に突き落とされて、また這い上がってくる。
その意味で、キャッチャーはドMといっていい。
壁が高いほど、相手が強いほど、味方がヤバいときほど、燃える。
いいじゃありませんか!そのドMはかっこいい。
キャッチャーという職業は因果なのもです。
トウマもだんだんその域に達しようとしています。
ピッチャーが気持ち良くなげれるように、全ての球を捕りきる技術がメキメキ上がっています。
技術だけではありません。
ピッチャーを受け止めるという姿勢、気持ちが前面にでていると感じます。
だからこそ、ピッチャーは思いきって腕を振ることができるんです。
ワンバンだろうが、頭を抜けていきそうだろうが、体を呈してブロックして前に止めている。
ピッチャーだって、そんなクソ球、なげたくてなげているのではありません。
あーっ!やべぇ、ワイルドピッチだぁと思った時に、最後の砦として、キャッチャーが止めてくれる。
ピッチャー経験者ならわかるはずです。
これだけで、かなり、ほっとします。
そして、次へのモチベーションに繋がります。
ミスをカバーしてくれる。
この背景には、キャッチャー出身の新しいバッテリーコーチのおかげもあると思います。
キャッチングの際に肘が上がる癖、フレーミング、キャッチングの位置が下がる癖、そこを素早く見抜いてアドバイスを送っていました。
んー実に細かいところまで目が届いています。
ここにもコーチを増やした効果が表れています。
こういう相互補助、同盟関係がバッテリーの信頼関係を築き上げます。
これは人間関係にも、チームの状態にも、良くも悪くも影響します。
こういう関係を築いていくこと、毎日の小さなことの積み重ね、これは大人になっても役に立ちます。
生涯付き合う友達、伴侶となる異性、人が人として生きていくために必要な勉強だと私は思います。
そういう関係は、お互いが気持ち良く築き上げていくのがいい。
そうあって欲しいとつくづくそう思います。
翻って、最近のトウマ。
ピッチャーの信頼をことごとく勝ち取っています。
それが打撃にもいい影響を与えていると私は見ています。
体を盾にして、痛い思いをしてブロックしていることは無駄ではないんです。
こういう視点で、トウマの献身的なブロックを見てしまうと、ウルッときてしまいます。
昨年のシュンペイを思い出します。
歴代キャッチャーを思い出します。
キャッチャーというとのは、なんと献身的な職業なんでしょう。
キャッチャー経験者は、頼り甲斐のある人が多いような気がするのは私だけでしょうか?
1番監督に怒られるし、痛いし、暑いし、臭いし、手柄はピッチャーにもっていかれる。
いいことはあまりないかもしれません。
キャッチャー経験者ならば、必ず1回は、やめたいと思ったことがあるはずです。
それほど、心が折れるような場面がたくさんあるのがキャッチャーだと思います。
1回地獄を見ている。
でもそんな中から、キャッチャーという職業に光を見いだす。
誰が見ていなくても、自分のやるべきことをやろうとするとき、本当の意味でキャッチャーという職業の真価を知ることになるでしょう。
それを1回乗り越えてきたキャッチャー経験者は、それを知っていると思います。
去年のシュンペイとユナのバッテリー、一時期崩壊寸前までいきました。
しかし、コロナ明けに、あの水面が鏡となっているウユニ湖のようにふたりは凪いでいました。
乗り越えたんです。
ユナもそうですが、キャッチャーであるシュンペイの精神面での成長が大きかった思います。
何回もどん底に突き落とされて、また這い上がってくる。
その意味で、キャッチャーはドMといっていい。
壁が高いほど、相手が強いほど、味方がヤバいときほど、燃える。
いいじゃありませんか!そのドMはかっこいい。
キャッチャーという職業は因果なのもです。
トウマもだんだんその域に達しようとしています。
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今年のカナト世代、この世代の第1の課題は投手力です。
バッテリーが試合を作れるかどうか、ここにかかっています。
試合をつくるというのは、ピッチャーがストライクをとれるかどうか?
ここです。
ストライクが入らなければ、永遠に終わりません。
こうなると守備陣の集中力は切れ、たまに打ち取ったあたりが飛んでも、エラーエラーの連発、そして、さらにピッチャーはストライクが入らなくなるというデフレスパイラル。
やってる選手も相手チームも見てる保護者も疲れ果ててしまいます。
今年の投手陣、エースをはるミソラ、どこでも守れるユウシン、そして次世代のヒカル。
この三人がいまのところの台所事情です。
昨年の秋、春にかけては、誰がエースになってもおかしくはなかった。
しかし、このエースの座をかけたレースの中で、一歩踏み出したのは、ミソラでした。
昨年のユナに続き、二年連続の女傑エースは初めて何じゃないでしょうか?
それだけ、男のお株を奪う活躍をしてきたということです。
まぁ、いまの世の中、ソフトボールをするのに男も女もありませんから、上手い方が試合にでる、重要なポジションを任されるのは当たり前のことです。
しかし、この三人、そろいもそろって曲者(くせもの)です。
ピッチャーはメンタルの強さがほかのポジションよりも求められると思っています。
それは、絶体絶命のピンチであったとしても、たった1人で強敵のスラッガーに立ち向かわなければならない場面が多々あるからです。
たとえ回りに仲間がいたとしても、ピッチャーが投げなければ試合は始まりません。
最初のトリガーを引く勇気、運命を握るポジションといってもいい。
重要なポジションだけに、感じるプレッシャーも半端ではありません。
この三人は、気分が乗っているときは意気揚々とその引き金をバンバン引きます。
しかし、そうでない時は……
私は、ピンチやミスが続いたときの、ヤバいなぁと思ったときこそ、その人の真価が問われるし、本音がでると思っています。
この三人のいまのところの本性は、お世辞にもたいしたもんだとは言えません。
メンタルの浮き沈みが激しいミソラ、悪いときはチーム全体を底なし沼に引きずり込むかのような落ち込みよう、彼女が常に「大丈夫!大丈夫!心配ご無用!」と笑顔でバックに微笑みかければ、Go to heaven間違いなしです。
そして、ユウシン。
彼も悪いときは、ハリネズミのようにとがりまくります、ジョジョのマンガ、ゴォゴォゴォゴォゴォゴォォォォォとダークサイドに落ちていき、誰も声をかけれなくなってしまいます。
そして、彼の悪いところは、腐って回りにそれを態度で出してしまうところ、昨年は何回かグローブをぶん投げたところを見ました。
その幼さが彼のネック。
最後にヒカル。
彼は、集中過ぎるあまり、回りがまったく見えなくなります。
自分の世界、ワールドに入って帰ってこなくなってしまう。
どんどん投球間が早くなって、自分で立て直すことも、回りの励ましに耳を貸すこともなくなる。
地獄の一丁目に自ら進んで突撃していきます。
彼等に共通して言えることは、回りの言葉に耳を傾けないこと、傾けないというか、そんな余裕がないと言った方が無難なのかもしれません。
自分のことだけで精一杯、これが正直なところだと思います。
三者三様にアカン。
これを直すには、打破するには……
投げるしかありません。
投げて投げて、自分に自信をつけるしかない。
根本的に、私はそれしかないと思っています。
その過程で、いろんなアドバイスを試していき、自分に合う、しっくりした感覚を何回も何回も繰り返していくのが王道であると思っています。
去年のエース、ユナも家族と一緒に夕暮れの宮川小で影が長くなるまで投げ込んでいました。
気の遠くなるような練習の繰り返し、決して近道などないんだと思います。
それは、バッターの素振りでも同じですよね。
そんな気持ちの入ったピッチャーの球を打ち返してヒットにするためには、バッターもそれ相応の努力をしなくてはいけない、私はそう思います。
この春に来て、バッテリーの強化を第1の課題挙げた我々は金曜日をバッテリー専用の練習日として当てました。
投球に特化してバッテリーを強化してきた。
その成果が少しずつ現れはじめています。
三人のコントロールが少しずつ向上してきました。
みんなを地獄の沼に引きずり込むことが少なくなってきました。
もちろん、金曜のバッテリー練習だけではこんなに良くなるはずもありませんから、彼らもまた去年のユナのように、家族の協力のもとに影を長くするまで練習しているに違いありません。
意識が少しずつ、改善しています。
そうなると、守備からリズムを作っていくことができます。
それに連携して攻撃もよくなっていく。
それが野球というものです。
ソフトボールというものです。
当たり前のことを当たり前にできるというのは、強さです。
チームの成長は、ピッチャーとそれを支えるキャッチャーの成長が大きい。
そこに、バックの守備陣が絡むんです。
この相乗効果。
まるで、料理のようだと思いませんか?
だから三者三様でいい。みつをさんじゃありませんが、みんな違ってみんないい。
ひとつとして同じ味にならない。
ここにも多様性。
面白い。
生きていくことは、この面白さの追求だと思ってます。
1番を狙うよりも面白いと思います。
結果として、1番はついてくる時もある。
今年はどんな、料理ができあがることでしょうか?
それを我々は涙を流して食べることができるか?
その涙を、みんなでうれし涙に変えて見せましょう!
バッテリーが試合を作れるかどうか、ここにかかっています。
試合をつくるというのは、ピッチャーがストライクをとれるかどうか?
ここです。
ストライクが入らなければ、永遠に終わりません。
こうなると守備陣の集中力は切れ、たまに打ち取ったあたりが飛んでも、エラーエラーの連発、そして、さらにピッチャーはストライクが入らなくなるというデフレスパイラル。
やってる選手も相手チームも見てる保護者も疲れ果ててしまいます。
今年の投手陣、エースをはるミソラ、どこでも守れるユウシン、そして次世代のヒカル。
この三人がいまのところの台所事情です。
昨年の秋、春にかけては、誰がエースになってもおかしくはなかった。
しかし、このエースの座をかけたレースの中で、一歩踏み出したのは、ミソラでした。
昨年のユナに続き、二年連続の女傑エースは初めて何じゃないでしょうか?
それだけ、男のお株を奪う活躍をしてきたということです。
まぁ、いまの世の中、ソフトボールをするのに男も女もありませんから、上手い方が試合にでる、重要なポジションを任されるのは当たり前のことです。
しかし、この三人、そろいもそろって曲者(くせもの)です。
ピッチャーはメンタルの強さがほかのポジションよりも求められると思っています。
それは、絶体絶命のピンチであったとしても、たった1人で強敵のスラッガーに立ち向かわなければならない場面が多々あるからです。
たとえ回りに仲間がいたとしても、ピッチャーが投げなければ試合は始まりません。
最初のトリガーを引く勇気、運命を握るポジションといってもいい。
重要なポジションだけに、感じるプレッシャーも半端ではありません。
この三人は、気分が乗っているときは意気揚々とその引き金をバンバン引きます。
しかし、そうでない時は……
私は、ピンチやミスが続いたときの、ヤバいなぁと思ったときこそ、その人の真価が問われるし、本音がでると思っています。
この三人のいまのところの本性は、お世辞にもたいしたもんだとは言えません。
メンタルの浮き沈みが激しいミソラ、悪いときはチーム全体を底なし沼に引きずり込むかのような落ち込みよう、彼女が常に「大丈夫!大丈夫!心配ご無用!」と笑顔でバックに微笑みかければ、Go to heaven間違いなしです。
そして、ユウシン。
彼も悪いときは、ハリネズミのようにとがりまくります、ジョジョのマンガ、ゴォゴォゴォゴォゴォゴォォォォォとダークサイドに落ちていき、誰も声をかけれなくなってしまいます。
そして、彼の悪いところは、腐って回りにそれを態度で出してしまうところ、昨年は何回かグローブをぶん投げたところを見ました。
その幼さが彼のネック。
最後にヒカル。
彼は、集中過ぎるあまり、回りがまったく見えなくなります。
自分の世界、ワールドに入って帰ってこなくなってしまう。
どんどん投球間が早くなって、自分で立て直すことも、回りの励ましに耳を貸すこともなくなる。
地獄の一丁目に自ら進んで突撃していきます。
彼等に共通して言えることは、回りの言葉に耳を傾けないこと、傾けないというか、そんな余裕がないと言った方が無難なのかもしれません。
自分のことだけで精一杯、これが正直なところだと思います。
三者三様にアカン。
これを直すには、打破するには……
投げるしかありません。
投げて投げて、自分に自信をつけるしかない。
根本的に、私はそれしかないと思っています。
その過程で、いろんなアドバイスを試していき、自分に合う、しっくりした感覚を何回も何回も繰り返していくのが王道であると思っています。
去年のエース、ユナも家族と一緒に夕暮れの宮川小で影が長くなるまで投げ込んでいました。
気の遠くなるような練習の繰り返し、決して近道などないんだと思います。
それは、バッターの素振りでも同じですよね。
そんな気持ちの入ったピッチャーの球を打ち返してヒットにするためには、バッターもそれ相応の努力をしなくてはいけない、私はそう思います。
この春に来て、バッテリーの強化を第1の課題挙げた我々は金曜日をバッテリー専用の練習日として当てました。
投球に特化してバッテリーを強化してきた。
その成果が少しずつ現れはじめています。
三人のコントロールが少しずつ向上してきました。
みんなを地獄の沼に引きずり込むことが少なくなってきました。
もちろん、金曜のバッテリー練習だけではこんなに良くなるはずもありませんから、彼らもまた去年のユナのように、家族の協力のもとに影を長くするまで練習しているに違いありません。
意識が少しずつ、改善しています。
そうなると、守備からリズムを作っていくことができます。
それに連携して攻撃もよくなっていく。
それが野球というものです。
ソフトボールというものです。
当たり前のことを当たり前にできるというのは、強さです。
チームの成長は、ピッチャーとそれを支えるキャッチャーの成長が大きい。
そこに、バックの守備陣が絡むんです。
この相乗効果。
まるで、料理のようだと思いませんか?
だから三者三様でいい。みつをさんじゃありませんが、みんな違ってみんないい。
ひとつとして同じ味にならない。
ここにも多様性。
面白い。
生きていくことは、この面白さの追求だと思ってます。
1番を狙うよりも面白いと思います。
結果として、1番はついてくる時もある。
今年はどんな、料理ができあがることでしょうか?
それを我々は涙を流して食べることができるか?
その涙を、みんなでうれし涙に変えて見せましょう!
今年の高田イーグルス、いままでとどこが違うかというと、
まず、コーチ陣が増えました。
私がいままで経験してきた中では、最大級です。
それだけ、関わる人の熱量が上がってきたということです。
保護者コーチというあいまいなところではなく、きっちり総会で規約を直して、正式にコーチを増やしました。
そうすると、コーチも選任されたということで責任もでてくる、俄然、指導についても声を出しやすくなります。
野球、ソフトボールを知っている経験者なので心強い。
何より、たくさんいることで目が増えますよね。
子供たちを見る目が増えて、角度も違ってくる。
これはその子のいいところも悪いところを、いろんな角度から分析して、処方できることを示しています。
そして、指導者がなにかあって来れないときも、誰かがカバーできる体制が整ったと言えるでしょう。
最初はぎこちなかったんですが、最近はみんなが何を考えているかが、少しずつ分かってきました。
考え方も違うし、どこを重要視しているかも違う。でも、それでいいんです。それでこそいい。
多様性を認めない組織に成長はありません。
生物の進化も多様性の歴史です。
みんな同じであれば、環境が変わったり、疫病にかかったときに、みんな滅亡してしまう。
あらゆる状況に対応できるために、生物、というか遺伝子、DNAが選んだ道こそが多様性なんです。
プロ野球でも四番バッターばかり集めたチームがどうなったのか、それは歴史が物語るところです。
異なるものが、お互いを認め合った時に発揮できる強さ。
これこそが、求めるべきチームプレーの強さだと私は思います。
何よりその方が面白い。
私が目指してきたチームとはそういうチームです。
多種多能な人種と文化を内包するアメリカ合衆国の強さって、こういうところにあるんじゃないかと思います。
まぁ、それは置いておいて、高田イーグルス。
子供たちひとりひとりのいいところを伸ばすために、いろんなコーチがいるんです。
昨日の練習試合でも、その効果が表れたと思います。
外野を抜けた時の魂の中継プレー。
一三塁でのカットプレー。
どちらも意図してやろうという意志が複数人いなくては成り立たない。
これぞ、フォアザチーム。
まだまだ、けつが青いですが、そういうプレーが少しずつでてきた。
それを見ている我々大人も、「おぉ~!」と、うなってしまう。
そういうのを見たいんです。
そういう、本気のギリギリのプレーを全力で応援したいんです。
彼らの成長はこれからです!
まず、コーチ陣が増えました。
私がいままで経験してきた中では、最大級です。
それだけ、関わる人の熱量が上がってきたということです。
保護者コーチというあいまいなところではなく、きっちり総会で規約を直して、正式にコーチを増やしました。
そうすると、コーチも選任されたということで責任もでてくる、俄然、指導についても声を出しやすくなります。
野球、ソフトボールを知っている経験者なので心強い。
何より、たくさんいることで目が増えますよね。
子供たちを見る目が増えて、角度も違ってくる。
これはその子のいいところも悪いところを、いろんな角度から分析して、処方できることを示しています。
そして、指導者がなにかあって来れないときも、誰かがカバーできる体制が整ったと言えるでしょう。
最初はぎこちなかったんですが、最近はみんなが何を考えているかが、少しずつ分かってきました。
考え方も違うし、どこを重要視しているかも違う。でも、それでいいんです。それでこそいい。
多様性を認めない組織に成長はありません。
生物の進化も多様性の歴史です。
みんな同じであれば、環境が変わったり、疫病にかかったときに、みんな滅亡してしまう。
あらゆる状況に対応できるために、生物、というか遺伝子、DNAが選んだ道こそが多様性なんです。
プロ野球でも四番バッターばかり集めたチームがどうなったのか、それは歴史が物語るところです。
異なるものが、お互いを認め合った時に発揮できる強さ。
これこそが、求めるべきチームプレーの強さだと私は思います。
何よりその方が面白い。
私が目指してきたチームとはそういうチームです。
多種多能な人種と文化を内包するアメリカ合衆国の強さって、こういうところにあるんじゃないかと思います。
まぁ、それは置いておいて、高田イーグルス。
子供たちひとりひとりのいいところを伸ばすために、いろんなコーチがいるんです。
昨日の練習試合でも、その効果が表れたと思います。
外野を抜けた時の魂の中継プレー。
一三塁でのカットプレー。
どちらも意図してやろうという意志が複数人いなくては成り立たない。
これぞ、フォアザチーム。
まだまだ、けつが青いですが、そういうプレーが少しずつでてきた。
それを見ている我々大人も、「おぉ~!」と、うなってしまう。
そういうのを見たいんです。
そういう、本気のギリギリのプレーを全力で応援したいんです。
彼らの成長はこれからです!
だいぶ遅れましたが、2022カナト世代が4月から始まりました。
高田イーグルスは、4月時点で23人となり、それなりの大所帯となりました。
多いといっても、六年生は3人。
三国志ですね。桃園の誓い。
例えて言えば、劉備がカナト、関羽がチヒロ、張飛がキヒトというところでしょうか?
かなりのでこぼこ三国志。
その下には、いまのところ有象無象の梁山泊。
まだまだ何者でもありません。
だからこそ、いろんな可能性がある。
私はそう思っています。
もっとやばい状況は過去にもありました。
6年が1人のみ、人数もほぼぴったり。
なにをやっても、うまくいかない。
最後の最後のまで、練習試合も含めて1回も勝ったことが無かった、ナオヒロ世代。
しかし、最後に昔の赤沢スポ少さん?本郷スポ少さん?に勝ったことを覚えています。
たったの1勝。
しかし、あの時の私たちにとって、とてつもなく大きな1勝でした。
死力をつくして、全力をつくして、ギリギリのところで勝ち取った1勝。
人の生き方というのは、基本的に相対評価。
苦しくて、つらくて、何回も何回も負けて、打ちのめされて、それでもまた前を見て、前を向いて、また立ち上がる。
そして、最後の最後にあげた、たったの1勝。
あの時の、ナオヒロをはじめ、決して上手くは亡い、どろくさい、へっぽこで、とんでもなくたくましくなった彼等を思い出しました。
その世代と、今のカナト世代は重なります。
お世辞にも上手くは無い。幼い。
このカナト世代が、果たしてどう変わるか?
どう変えていくか?
今年のメンバー、ひとりひとりの顔が思い浮かびます。
そしてまた、今年は今年の風が吹く!
楽しみです!
高田イーグルスは、4月時点で23人となり、それなりの大所帯となりました。
多いといっても、六年生は3人。
三国志ですね。桃園の誓い。
例えて言えば、劉備がカナト、関羽がチヒロ、張飛がキヒトというところでしょうか?
かなりのでこぼこ三国志。
その下には、いまのところ有象無象の梁山泊。
まだまだ何者でもありません。
だからこそ、いろんな可能性がある。
私はそう思っています。
もっとやばい状況は過去にもありました。
6年が1人のみ、人数もほぼぴったり。
なにをやっても、うまくいかない。
最後の最後のまで、練習試合も含めて1回も勝ったことが無かった、ナオヒロ世代。
しかし、最後に昔の赤沢スポ少さん?本郷スポ少さん?に勝ったことを覚えています。
たったの1勝。
しかし、あの時の私たちにとって、とてつもなく大きな1勝でした。
死力をつくして、全力をつくして、ギリギリのところで勝ち取った1勝。
人の生き方というのは、基本的に相対評価。
苦しくて、つらくて、何回も何回も負けて、打ちのめされて、それでもまた前を見て、前を向いて、また立ち上がる。
そして、最後の最後にあげた、たったの1勝。
あの時の、ナオヒロをはじめ、決して上手くは亡い、どろくさい、へっぽこで、とんでもなくたくましくなった彼等を思い出しました。
その世代と、今のカナト世代は重なります。
お世辞にも上手くは無い。幼い。
このカナト世代が、果たしてどう変わるか?
どう変えていくか?
今年のメンバー、ひとりひとりの顔が思い浮かびます。
そしてまた、今年は今年の風が吹く!
楽しみです!
しばらく書いてなかったので、備忘録として。
この冬から春は2つの大きな経験をしました。
ひとつは、高田中駅伝部の全国大会でまたまた滋賀県にいったこと。
そして、もうひとつは、只見高校の選抜高校野球出題で、甲子園に応援に行ったことです。
どちらも、生きていく上で、大きな経験をしました。
1番は、やはり、現場に行かなくてはならないということ。
そして、そういうチャンスがあったなら、なるべく子供たちにもその舞台に連れて行ってやること。その行程を楽しむこと。
分かっているつもりでしたが、そういったことを改めて、教えてもらいました。
同じ空気をすって、同じ空間に存在する。
こういう経験にこそ、お金は使うものだと思いました。
経験こそ、大きな財産。
そして大事なのは、何を感じて、その後にどう活かしていくか?
そんな高尚に考えなくても、その経験は血となり肉となっています。
意識しなくても、感じたことが、潜在意識として、我々を突き動かすと思います。
だから、親は我が子をいろんなところに連れて行くんだと思います。
いろんなことを自分の目で見ておくこと。
現場のチカラを信じてみる。
これをすごく実感したのは、高田中の2回目の全国駅伝大会でした。
今回のメンバーは、2年前に我々が連れて行ったメンバーがほとんどです。
2年前のあの場所、あの感動を実際に自分たちの目で経験しているんです。
そして、彼等はこう思ったでしょう。
「俺たちも必ずこの全国大会にいく!」と。
あの場所を具体的にイメージとして持っているんです。
これは強いですよね~。
全国大会が決まったとき、終わったとき、
あの時のメンバーと顔を見合わせて、
「俺たちがやってきたことは、無駄では無いどころか、全国に大輪の花を咲かせた!」
そう自分たちも褒め称えます。
それを、2度も私たちは目にすることができました。
私たちも、多くの勇気と感動を間違いなくもらっています。
おそらく、寿命は2年は伸びています。
そして、今回もまた、規模縮小ながら、新たな若い芽を連れていきました。
別に大輪の花を狙っているわけではありません。
そんなプレッシャーなどみじんも感じさせなかったはずです。
ただ、ただ、「現場のチカラ」を信じているのみ。
年はちがえど、ただ、ただ、一緒に楽しむ仲間なんです。
なので、これからも、私は「現場のチカラ」を実践していきます。
東京オリンピックのチケットも当たってたんだよなぁ。
サッカー、ワールドカップもいつか見てみたい。
夢は尽きません。
この冬から春は2つの大きな経験をしました。
ひとつは、高田中駅伝部の全国大会でまたまた滋賀県にいったこと。
そして、もうひとつは、只見高校の選抜高校野球出題で、甲子園に応援に行ったことです。
どちらも、生きていく上で、大きな経験をしました。
1番は、やはり、現場に行かなくてはならないということ。
そして、そういうチャンスがあったなら、なるべく子供たちにもその舞台に連れて行ってやること。その行程を楽しむこと。
分かっているつもりでしたが、そういったことを改めて、教えてもらいました。
同じ空気をすって、同じ空間に存在する。
こういう経験にこそ、お金は使うものだと思いました。
経験こそ、大きな財産。
そして大事なのは、何を感じて、その後にどう活かしていくか?
そんな高尚に考えなくても、その経験は血となり肉となっています。
意識しなくても、感じたことが、潜在意識として、我々を突き動かすと思います。
だから、親は我が子をいろんなところに連れて行くんだと思います。
いろんなことを自分の目で見ておくこと。
現場のチカラを信じてみる。
これをすごく実感したのは、高田中の2回目の全国駅伝大会でした。
今回のメンバーは、2年前に我々が連れて行ったメンバーがほとんどです。
2年前のあの場所、あの感動を実際に自分たちの目で経験しているんです。
そして、彼等はこう思ったでしょう。
「俺たちも必ずこの全国大会にいく!」と。
あの場所を具体的にイメージとして持っているんです。
これは強いですよね~。
全国大会が決まったとき、終わったとき、
あの時のメンバーと顔を見合わせて、
「俺たちがやってきたことは、無駄では無いどころか、全国に大輪の花を咲かせた!」
そう自分たちも褒め称えます。
それを、2度も私たちは目にすることができました。
私たちも、多くの勇気と感動を間違いなくもらっています。
おそらく、寿命は2年は伸びています。
そして、今回もまた、規模縮小ながら、新たな若い芽を連れていきました。
別に大輪の花を狙っているわけではありません。
そんなプレッシャーなどみじんも感じさせなかったはずです。
ただ、ただ、「現場のチカラ」を信じているのみ。
年はちがえど、ただ、ただ、一緒に楽しむ仲間なんです。
なので、これからも、私は「現場のチカラ」を実践していきます。
東京オリンピックのチケットも当たってたんだよなぁ。
サッカー、ワールドカップもいつか見てみたい。
夢は尽きません。
しばらくぶりで、書き進めたくなりました。
なかなか書けなかったところから、またはじめます!
中島みゆきさんの「ファイト!」を竹原ピストルさんのカバーで聞いています。
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
雪も終わりかけたかと思っていれば、今日は大雪でした。
しかし、その雪もあたたかさが感じられる雪。
振りながらも、融けることがわかっているような雪。
確実に春は近づいている、そう思わせてくれる雪でした。
今日はレン世代の卒団式でした。
この世代もコロナの災いから、まだ抜け出せないでいた世代。
思うようにソフトボールができませんでした。
試合数は激減、自分たちの居場所さえも確認できない。努力してきたことを確かめる機会さえ、与えてもらえない。
そんな中で迎えた総体。
関柴さんを相手に4点も先制するも、その裏にすぐさま逆転される有様。流れを維持できず、自らが崩れていくことを止められない脆弱さ、未熟さ。
ここが今年のスタートでしたね。
挽回する機会はまたもやコロナで打ち消される。
コロナ明けでやっと練習が許されたのは、5月だったか6月だったか?
さぞかし、身体的にも精神的も落ちていることだろうと予測していましたが、いい意味で期待は裏切ってくれました。
こんなどん底みたいな状態であっても、ちゃんと前を向いていたんですね。
コロナ明け、ユナとシュンペイのバッテリーのピッチング練習を見ていた時、見ていたというか、ピッチングの音、キャッチングの音が、私を振り向かせました。
ん!なんだこの音は!
ずいぶん、長い間、休んでいた音ではありませんでした。
躍動感のあるフォームから放たれる白い一筋の線。ぱちーんと気持ちよく、ミットに収まるボールが笑っているようでした。
収まるべきところに収まることが楽しそう。
音がそう言っています。
ここまで、この二人にいろんなことがあったんだろうなぁとなんとなく思っていました。
バッテリーになっていなかった。
わかっていながらも、この二人で、乗り越えるしかない壁。
どうやって乗り越えてきたかは、二人とその家族にしかわからないでしょう。
しかし、それを乗り越えてきた。
歯車がカチッとはまる音。
なんか、乗り越えたな?そう思えた瞬間でした。
ここからなんじゃないでしょうか?
ここからいろんなことが上手くいき始めてきたと思います。
それは、ここまで記してきたとおりです。
そして、今日を迎えます。
別れの時。
またしても、コロナで全員が集まらない。
目を見て、サヨナラを言えないんです。
そして、目を見て、がんばれよ!と言えないんです。
この流れは何回やってきても複雑な気持ちになります。
いままでよくやってきたなという感慨と、
もう、この選手たちと一緒にプレーできないことを分からされる時。
うれしさよりも、寂しい気持ちでいっぱいになります。
このこどもたちの一挙手一投足によろこんだり、ないたりできなくなること、
いままでとなりにいた子供たちが、
そのおとうさん、おかあさんたちがいなくなること、
こえがきこえなくなること、それがたまらなくさびしい。いつも思います。
ソフトボールという世界を通して、いっしょに見てきた景色、世界をもういっししょにみることはないんだとおもうと、またまた、たまらなくさびしさが襲ってきます。
長年の友がいなくなってしまうような感覚。
レンなんて、六年間も一緒にやってきました。
彼とその家族にとっては、激動の六年間だったことでしょう。
レンをはじめ、彼等のプレーのひとつひとつがよみがえってきます。
そして、うろこが剥がれるようにひらりひらりと、私から離れていきます。
言わなくても、目をみれば、くやしさも、よろこびも、わかりあえてきた。
そういうのが、もうできなくなる。
さびしい。
それを酒の席で、みんなで飲んで発散させることさえもコロナは許してくれませんでした。
それでも、時は過ぎゆきます。
これも、やはり試合と同じなんですね。
過ぎたことは、もうもどらない。
ここから先をどうするか?が大事。
そう言ってきた私がそれを実行しないわけにはいけきません。
レン、
タイチ、その不器用さ、まっすぐさに何回も助けられたぞ。
ユウキ、秘めたる闘志、俺は見たぞ。
マナト、型にこだわるな、豪快な一発、何回もイメージで見たぞ。
コタロー、いつもチームを救うようないいところにいたな、埋まっていこうは面白かった。
レオ、不器用ながらの豪快なホームラン、打球は速かったなぁ。
ユナ、よく泣いた、よく投げた、そしてよく笑った。
シュンペイ、メンタル激弱からの成長、ソフトボールを楽しんだな。
お別れです。
彼等の成長を、またここから見守ることにしましょう。
最後に、これまで手厚くサポートをして下さいました、六年生の保護者の皆様、
万感の思いで、ありがとうございました。
なかなか書けなかったところから、またはじめます!
中島みゆきさんの「ファイト!」を竹原ピストルさんのカバーで聞いています。
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
雪も終わりかけたかと思っていれば、今日は大雪でした。
しかし、その雪もあたたかさが感じられる雪。
振りながらも、融けることがわかっているような雪。
確実に春は近づいている、そう思わせてくれる雪でした。
今日はレン世代の卒団式でした。
この世代もコロナの災いから、まだ抜け出せないでいた世代。
思うようにソフトボールができませんでした。
試合数は激減、自分たちの居場所さえも確認できない。努力してきたことを確かめる機会さえ、与えてもらえない。
そんな中で迎えた総体。
関柴さんを相手に4点も先制するも、その裏にすぐさま逆転される有様。流れを維持できず、自らが崩れていくことを止められない脆弱さ、未熟さ。
ここが今年のスタートでしたね。
挽回する機会はまたもやコロナで打ち消される。
コロナ明けでやっと練習が許されたのは、5月だったか6月だったか?
さぞかし、身体的にも精神的も落ちていることだろうと予測していましたが、いい意味で期待は裏切ってくれました。
こんなどん底みたいな状態であっても、ちゃんと前を向いていたんですね。
コロナ明け、ユナとシュンペイのバッテリーのピッチング練習を見ていた時、見ていたというか、ピッチングの音、キャッチングの音が、私を振り向かせました。
ん!なんだこの音は!
ずいぶん、長い間、休んでいた音ではありませんでした。
躍動感のあるフォームから放たれる白い一筋の線。ぱちーんと気持ちよく、ミットに収まるボールが笑っているようでした。
収まるべきところに収まることが楽しそう。
音がそう言っています。
ここまで、この二人にいろんなことがあったんだろうなぁとなんとなく思っていました。
バッテリーになっていなかった。
わかっていながらも、この二人で、乗り越えるしかない壁。
どうやって乗り越えてきたかは、二人とその家族にしかわからないでしょう。
しかし、それを乗り越えてきた。
歯車がカチッとはまる音。
なんか、乗り越えたな?そう思えた瞬間でした。
ここからなんじゃないでしょうか?
ここからいろんなことが上手くいき始めてきたと思います。
それは、ここまで記してきたとおりです。
そして、今日を迎えます。
別れの時。
またしても、コロナで全員が集まらない。
目を見て、サヨナラを言えないんです。
そして、目を見て、がんばれよ!と言えないんです。
この流れは何回やってきても複雑な気持ちになります。
いままでよくやってきたなという感慨と、
もう、この選手たちと一緒にプレーできないことを分からされる時。
うれしさよりも、寂しい気持ちでいっぱいになります。
このこどもたちの一挙手一投足によろこんだり、ないたりできなくなること、
いままでとなりにいた子供たちが、
そのおとうさん、おかあさんたちがいなくなること、
こえがきこえなくなること、それがたまらなくさびしい。いつも思います。
ソフトボールという世界を通して、いっしょに見てきた景色、世界をもういっししょにみることはないんだとおもうと、またまた、たまらなくさびしさが襲ってきます。
長年の友がいなくなってしまうような感覚。
レンなんて、六年間も一緒にやってきました。
彼とその家族にとっては、激動の六年間だったことでしょう。
レンをはじめ、彼等のプレーのひとつひとつがよみがえってきます。
そして、うろこが剥がれるようにひらりひらりと、私から離れていきます。
言わなくても、目をみれば、くやしさも、よろこびも、わかりあえてきた。
そういうのが、もうできなくなる。
さびしい。
それを酒の席で、みんなで飲んで発散させることさえもコロナは許してくれませんでした。
それでも、時は過ぎゆきます。
これも、やはり試合と同じなんですね。
過ぎたことは、もうもどらない。
ここから先をどうするか?が大事。
そう言ってきた私がそれを実行しないわけにはいけきません。
レン、
タイチ、その不器用さ、まっすぐさに何回も助けられたぞ。
ユウキ、秘めたる闘志、俺は見たぞ。
マナト、型にこだわるな、豪快な一発、何回もイメージで見たぞ。
コタロー、いつもチームを救うようないいところにいたな、埋まっていこうは面白かった。
レオ、不器用ながらの豪快なホームラン、打球は速かったなぁ。
ユナ、よく泣いた、よく投げた、そしてよく笑った。
シュンペイ、メンタル激弱からの成長、ソフトボールを楽しんだな。
お別れです。
彼等の成長を、またここから見守ることにしましょう。
最後に、これまで手厚くサポートをして下さいました、六年生の保護者の皆様、
万感の思いで、ありがとうございました。
久々に感動して書きたくなったので書きます。
連日の選手の頑張りに元気をいただいている北京五輪。
昨日はカーリングの準決勝。
日本は前日に負けている王者スイスと対決し、みごと大金星!
日本を初の決勝に導きました。
その直後の吉田知那美選手のインタビュー、その、中で「私たちのアドバンテージはたくさんのミス」、こう話していました。
それを聞いて、これが彼女たちの強さなんだと確信しました。
自分たちの弱さを認めている。
相手の強さをリスペクトしている。
その上で、自分たちの強みを活かした、失敗を恐れないチャレンジをしている。
1番負けてきたから、1番やられてきたからこそ、強くなれた。吉田選手は、周りの仲間を見ながら胸を張って、うるんだ瞳でそう言いました。
その鉄の意志。
仲間との鎖のような堅く、柔軟なチームワーク。
喜怒哀楽を隠さない、涙に笑顔。
おそらく日本中の多くの人が、たいしてルールもわからず、ほとんどがにわかファン。
そうだとしても、熱しやすく冷めやすいとしても、こんなにも我々を熱くさせてくれます。
スポーツの原点がここにある、誰かがそう言ってました。正にそのとおり。
見ていてこんなにも我々をひきつけるチームが他にあるでしょうか?
ロコソラーレ。
彼女たちから学ぶべきことはたくさんあります。
私たちがめざすところと似ています。
さて、これをどうやって高田イーグルスにいかしていきましょうか。
来年も高田イーグルスも、たくさんミスをして、たくさん負けるでしょう。
それでいいんです。
勝つことを目指しますが、それだけに固執して欲しくない。
負けても勝っても、仲間を信じて、競技を楽しみ、相手とのリスペクトをわすれない。
スポ少は、「人として成り立つ」練習ですね。
高田イーグルス、ロコソラーレのようであって欲しい。
雪解けの春を待ちます。
連日の選手の頑張りに元気をいただいている北京五輪。
昨日はカーリングの準決勝。
日本は前日に負けている王者スイスと対決し、みごと大金星!
日本を初の決勝に導きました。
その直後の吉田知那美選手のインタビュー、その、中で「私たちのアドバンテージはたくさんのミス」、こう話していました。
それを聞いて、これが彼女たちの強さなんだと確信しました。
自分たちの弱さを認めている。
相手の強さをリスペクトしている。
その上で、自分たちの強みを活かした、失敗を恐れないチャレンジをしている。
1番負けてきたから、1番やられてきたからこそ、強くなれた。吉田選手は、周りの仲間を見ながら胸を張って、うるんだ瞳でそう言いました。
その鉄の意志。
仲間との鎖のような堅く、柔軟なチームワーク。
喜怒哀楽を隠さない、涙に笑顔。
おそらく日本中の多くの人が、たいしてルールもわからず、ほとんどがにわかファン。
そうだとしても、熱しやすく冷めやすいとしても、こんなにも我々を熱くさせてくれます。
スポーツの原点がここにある、誰かがそう言ってました。正にそのとおり。
見ていてこんなにも我々をひきつけるチームが他にあるでしょうか?
ロコソラーレ。
彼女たちから学ぶべきことはたくさんあります。
私たちがめざすところと似ています。
さて、これをどうやって高田イーグルスにいかしていきましょうか。
来年も高田イーグルスも、たくさんミスをして、たくさん負けるでしょう。
それでいいんです。
勝つことを目指しますが、それだけに固執して欲しくない。
負けても勝っても、仲間を信じて、競技を楽しみ、相手とのリスペクトをわすれない。
スポ少は、「人として成り立つ」練習ですね。
高田イーグルス、ロコソラーレのようであって欲しい。
雪解けの春を待ちます。
春のセンバツ出場校が決定しました。
只見高校!
会津から63年ぶりの出場を果たします。
これはまさに会津の球児の夢。
それが叶った。
甲子園に会津の高校がでる。
全国の強豪校としのぎをけずる。
考えただけでワクワクします。
13人という少ない人数、公立高校、豪雪という不利な状況。
それだけではなく、いろんなことが不利に働いたことでしょう。
しかし、彼らはそれを糧としてきた。
無い物ねだりではなく、いまここで咲き誇ることを選んで積み重ねてきた。
それが、今、花を咲かせる。
今の彼らの奥に、いままで彼らを支えてきた方々の笑顔が見えます。
只見高校!
会津から63年ぶりの出場を果たします。
これはまさに会津の球児の夢。
それが叶った。
甲子園に会津の高校がでる。
全国の強豪校としのぎをけずる。
考えただけでワクワクします。
13人という少ない人数、公立高校、豪雪という不利な状況。
それだけではなく、いろんなことが不利に働いたことでしょう。
しかし、彼らはそれを糧としてきた。
無い物ねだりではなく、いまここで咲き誇ることを選んで積み重ねてきた。
それが、今、花を咲かせる。
今の彼らの奥に、いままで彼らを支えてきた方々の笑顔が見えます。
その波はいきなりやってきました。
我々ではなく、全南選抜チームに。
初回にファーボールとエラーでいきなり3点を献上してしまいます。
おい!気前が良すぎないかい!
3点……
これで相手は余裕をもって選択肢も増えます。
対する会津選抜チームは、序盤こそ、1点ずつでいいんですが、回を追うにつれて確率の低い、思い切った策が必要となります。
となると、相手チームもこちらの作戦を読みやすくなります。
そこにきて、前の練習試合でもわかりましたが、バッテリーが、特にキャッチャーが元気が良くて、クレバーなんですよね。
扇の要として、チーム全体を鼓舞します。
彼の声、指示、これがまた、絶妙なタイミングで効果大。
三年前のユウキを思い出します。
屈強さ、ユーモアさ、状況把握からの対応力、機転、そしてなによりキャプテンシーがある。
キャッチャーとしての資質がそろっている。
いいキャッチャーなんですよ。
そして、実に絶妙なタイミングでチェンジアップを使ってくる。それがバンバン決まる。相手選手をよく観察している証拠です。
会津選抜は最後までこのチェンジアップに狂わされます。
まんまと、バッテリーの術中にハマってしまった。
3点を追いながらも、反撃の糸口さえ見つけられません。
先の田村選抜チーム戦では、バンバン決まっていたバントも決められません。
そこにきて、ランナーもでない。
手の打ちようがありません。
エース、ハルの調子もなかなかあがってきてくれません。
球威も明らかに落ちています。
そこにきて、忘れていた12月の寒さが徐々に忍び寄ってきます。
さらに2点を献上し、コールド負けの歌がだんだん聞こえてきました。
斜陽。
いわき新舞子の太陽が沈もうとしています。
会津選抜の命運もこのまま尽きてしまうのか?
流れは完全に全南選抜にいっています。
こういう時は、積極的にしかけるか、選手たちを信じてじっと待つかの二つにひとつです。
どうやってとったかは、忘れました。
中盤にきて、2点をもぎ取りました。
さぁ、あと3点。
全南選抜の尻尾が見えてきました。
ハルとコタローのバッテリー、なかなか調子があがらないまでも、なんとかその中でやりくりをしようとしています。
しかし、それも限界か。
コントロールも甘くなり、痛打される場面が増えてきました。
終盤にきて、これ以上の得点は許されませんが、追加点で離されます。
やる気を削いでくる。
おそらく、やってあと2回。上位打線にもう一回回せるかがカギとなるでしょう。
そこにきて、時間との戦いも視野に入れなければなりません。
どうやったら、効率よく時間を配分し、逆転にこぎつけるか?
上位に賭けるしかないと思うので、必要とあらば、下位に早打ちを命じることもあるでしょう。
しかし、そんなに上手くいかないんですよね。
下位を早く終わらせようとすると、意に反してファーボールで出たりする。
時間を目いっぱい使った上に、無得点という無残な結果に終わることも過去にありました。
思い通りにはいってくれない。
思惑通りにはいってくれないのがソフトボールというものです。
いわき新舞子にナイターが点灯しました。
人工的な光ではありますが、我々会津選抜にとっては、あきらめるな、もう一度がんばれと言ってているような、光でした。
何とか時間を上手く使い切り、最終回まで来ることができました。
やろうと思えばできる、遅延行為なども全南選抜にはいっさいありませんでした。
コールド負けはなくなりましたが、6点差。
疲れの見えるハルから、ユウマにピッチャーを交換します。公式戦、初登板となります。
別名「まんじゅう」、普段はひょうきんで、面白い奴ですが、今回のユウマはスイッチが入っています。
みんなが満身創痍、そしてこの点差。
俺だってやってやる!という闘志に溢れています。
俺はあきらめないというユウマの意思がみんなに伝染したかどうかはわかりません。
コールド負けになりそうになりながらも、最終回、おそらく最後の攻撃になるところまでなんとかもってきました。
後は、もてる全力を尽くすのみ。
しかし、この状況、全南選抜チームはほぼ勝ちを確信しています。
満塁ホームランでも追いつけない状況、向こうにも疲れは見えますが、少しぐらいミスっても致命傷にはならないという余裕が見えて取れます。
その余裕をいかんなく、チェンジアップに看過して会津選抜チームを手玉にとる相手バッテリー。
ここにきても警戒を緩めることはありません。
タツキが倒れ、代打のタイチも倒れる。
2死。
今度こそ本当に追い詰められました。
ここで、前の回に急にセカンドについたリョーマ。
この打順、1番はいつもならレンですが、やつは前の回守備の時、急に腹が痛くなって、試合を止めて、ベンチにダッシュ、監督に腹が痛いと言ってらトイレに駆け込みました。
いわき新舞子の夕暮れの寒さにやられたに違いありません。俺も寒かった。
ここで、レンがいない。1番の出塁率を誇る男がいない。レンはまだトイレと戦っています。
ここはこのままリョーマにうたせるか?
それとも、リョーマに代打か?
一時の逡巡、監督はリョーマを送り出します。
前の回、いきなり守りにいけと言われたリョーマ。
えーっ!俺ぇ!という表情が見て取れましたが、いったん守りを経験すると少し落ち着いたようです。
それでも、ツーアウト。
最後のバッターには誰もなりたくありません。
会津選抜チームも追い詰められていますが、この場面でバッターボックスに入るリョーマも追い詰められているでしょう。
応援しているお父さんお母さんもきがきでないでしょう。
パァーン、パァーンとテンポ良く投げ込む相手バッテリー。
そして、ツーストライク、いよいよもって後がない。崖っぷちというやつです。
6点差、全南選抜チームは90%セント以上勝ちを確信していると思います。
しかし、こういうところにこそ、ドラマは生まれます。
ほぼほぼ決まった試合、あぁ負けるんだろうなと覚悟を決めていると、途中から入った、この男、リョーマによって、ガラッと試合は変わります。
どんな男か?
それは必死になって、もがく男です。
潔く、きれいにではなく、どろくさく、かっこ良くなくてもいいから、自分の最善を尽くす男です。
私は思います。華やかさばかりに、気をとられガチではありますが、世の中の大半はこういう人たちによって動いていると。
自分の居場所で、最善を尽くそうとする人たちで成り立っていると思います。
間違いなく今回のリョーマもそのひとりです。
リョーマ、いつも追い詰められると、高めのボール球に手を出してしまいますが、今回は止まりました。ツーストライクに追い込まれて空振りしたフォームは、左バッター、前足の右足が完全に90度以上に曲がっていました。
それが意味するところは、前体重、前傾姿勢
だということです。
呼び込んで打っていない。どちらかというと迎えにいっている振りだなと初見から思っていました。
しかし、今、そんなことはどうだっていいんです。
いろいろ不利な条件の中であったとしても、今、ここ、この打席の中で彼は最善の努力をしているということがヒシヒシと伝わってきました。
もはや技術なんぞ、どうだっていい。
不安というよりは、やってやる!という意志が彼の眼光から見て取れます。
ここに至って、リョーマにかける言葉は、「がんばれ!」これしかありません。
いったん負けそうになった心に、ふたたびのブレイブハート!
頼む、頼むぞ、リョーマ!
私はサードコーチャーズボックスから、リョーマに全力応援をします。
こういう時って、ミリ単位で形勢が動きます。
リョーマが覚悟を決めて、持てる力を出し切ろうとする中、相手バッテリーの余裕があった呼吸が少しずつ乱れ始めます。
いったん、緩んだ気は中々もどりません。
こういう時って、なぜか審判のジャッジも厳しくなります。
きわどいところをつかれながらも、ボールを見極めるリョーマ、ものすごい集中力を発揮します。そして、ついにファーボールを選びます。
この大事な場面でよくぞ、ファーボールを選んだ。たいしたもんです。うるっときます。
ここでも、少し相手チームの歯車が狂います。
もしかしたら、ヒットよりも相手に与えるダメージは大きいと思います。
あれ、なんか違うなという違和感を相手に植え付けた。つけ込むスキが見えてきました。
2番のユウキを迎えます。
そしてここで浮かんでくる可能性。
前の試合でホームランを打っている3番のケイシンまで回せば、もしかしたらもしかするかもしれない。
そんな一縷(いちる)の望みを抱いてしまいます。
人が思うことは誰にも止められません。
そして、会津選抜チームの全人類がそれを期待してしまう。
そうなると、普段はおきないようなことが起きてしまうんですね。
念ずれば通ず。
人の思いは終わらない。
こういう場面に何回も遭遇していると、本当に人の思いは、通じる時があるんだなぁと思わされます。
そして、それは最後まで信じて、ひたむきに準備をしてきた者のみにくるということがよくわかります。
チャンスは準備された心に降り立つ。
それを地でいっている。
そこをリョーマが切り開いてくれた。
ユウキも何とかして塁にでます。
そして、この試合、会津選抜チームの最高潮の時はやってきます。
書いてきたことと、つじつまがあいませんが、ケイシンが打席に立ったとき、それは満塁だったと記憶しています。
タツキの前にヒロトが出ていたのか?
ん?なんか合わない……けれど、最終回裏、ツーアウト満塁、そして最強バッターのケイシンを迎えるという場面を作り出しました。これ以上はないという場面をみんなで紡いだ。
これはたいしたもんです。
死に体の会津選抜チーム。
しかし、彼らはただでは負けねえぞという意地を見せてくれています。
こういうのが、勝っても負けても次につながる挑戦だと私は言い続けています。
この場面で満塁までもってくるとは。
2:8この時点で、満塁ホームランを打ったとしても、まだまだ追いつけない状況。
しかし、我々はケイシンが打てば、もしかするかもしれないという希望に賭けています。
流れがこちらに来ると信じています。
このままでは終わらない。
このままでは終われない。
そして、ケイシンならば打つ、会津選抜チームにはそれしか考えはなかったはずです。
そのみんなの思い、悟空の元気玉のような思いを一心に受けるケイシンは、スウイング、一振り一振りに魂を込めています。
終わりの時は近い。
誰もがそう思っています。
ツーストライクと追い込まれました。
しかし、一分でも一秒でも長く、このメンバーで一緒に戦い、このお母さんお父さんとその家族に応援してもらいたい。
このメンバーで戦っていたい、その思いの全てをフルスイングに賭けます。
この大事な場面で、全南バッテリーは最後にチェンジアップを選びました。
たいしたもんだとしか言い様がない配球。見事です。
みんなの思いを込めたケイシンのバットは空を切りました。
三振。
悔しさもありましたが、してやられた感、それとやりきった顔がそこにありました。
ゲームセット。
終わってしまった……
まわりのナイター照明のカクテルライトに両チームのシルエットが浮かび上がります。
ひとつは上を向いて、もうひとつはうなだれる影となる。
肌寒く、すっかり暗くなったいわき新舞子。
ここに、2021会津選抜チームの最後の挨拶がこだましました。
私たちの旅はここで終わりました。
どこがいけなかったのかと振り返ってみる。
初回の3点が痛かった。
立ち上がりの不安定さを克服できませんでした。
それがバッテリー、ひいてはチーム全体の推進力になりえなかった。
しかし、中盤の追い上げ、時間切れにならずに最終回までもつれさせたこと。
そして、ツーアウトランナー無しから、最後の最後にヤマ場を作ったこと。
いくつかのいいプレーが今年の会津選抜チームのカラーを象徴しています。乗れば強く、やられてもただでは起きないしぶとさ。渋みのある濃紺、ネイビーというところでしょうか。
確かに、勝負には負けました。
しかし、完全には負けていない。
もう一回やったら負けない。
そんな前向きな負け方だったと、私は思います。
負けてもまだまだ完全に、完膚なきまでに負けたと思わない限り、私は負けていません。
ゲームセットの挨拶で頭を下げるとき、次はみてろよ!といつも思っています。
その意味では、負けることは次へのスタートでしかない。
多くの負けに彩られた敗者の道。
そこは下がるのではなく、ちょっとそれる迂回路でしかない。
しかし、このメンバーでやるのは今回が最後。
そうこれで最後だったんです。
試合後のラストミーティング。
真っ先に声を詰まらせたのは、佐藤監督でした。
あぁ、この人も人の気持ちがわかる人で、いい年をした大人でも、きちんと感情を出すことをためらいなくできる人なんだと思いました。
そして、そんな計算高いところでやっていない。
普段、あんなに速い鬼ノックを打つ人でも、あふれる涙は止めようがないんだなあと安心しました。
そういや三年前、テンカイのお父さんに言われたことを思い出しました。
「ちゃんと泣くことができる大人に会えてこの子たちは幸せだ。」と。そんなような意味だったと記憶しています。
大人だって泣くんです。鼻水を垂らして、おいおい泣く。高田イーグルスの福田コーチもそうですが、私もそう。
だって、あふれる感情を止めることができなくなるくらい、君たち選手がいろんな思いを見せてくれるから。
そんな時くらい、心を震わせてもいい。
心のダムを決壊させてもいいと思うんです。
佐藤監督もこちら側の人。
理論もそうですが、それを行動で示し、気持ちを前に出す。
だから、子供たちも保護者もついてくる。
そんな佐藤監督はいいました。
「いろいろあったけど、18人全員で最後まで戦えたことが1番良かった!」
ひとりひとりの顔をつぶさに見ながら、言葉を絞り出しています。最後の方は涙声。
18人という言葉に重みがありました。
もしかしたら、集まらなかったかもしれない18人。
くるしい船出ながら、ひとり増え、またひとり増えという水滸伝、梁山泊のような成り立ちのチームでした。
苦労しながらのチーム編成、ポジション、打順を佐藤監督を中心に作り上げてきました。
一試合を勝ち、これから彼らの真価を発揮させるというところで上手くいかなかった。
私もそうでしょうが、佐藤監督も山内コーチも大堀コーチも、もっともっと勝たしてやりたかったというのが本当のところです。
力の至らなさ、それが無力感と、最後に円になって、子供たちの真摯な視線を受けとめることができません。
「監督コーチ、どうでしたか?負けはしましたが僕たちは一生懸命にやりました!」
彼らの目がそう言っています。
一直線に突き刺してくる彼ら18人の視線。
受けきれませんよ。だって実際、彼らは一生懸命にやってきたんですから。そして、お母さんお父さんも一生懸命に彼らを支えてきた。我々はそれを一番近くで見てきました。
秋空の寒さの中、練習している選手たちを見守る保護者。何回も寒かったはずです。
そうやって作り上げたチームが、最後までいけなくて、ここで終わってしまった。
子供たちに対する感情が涙となってあふれ出てしまいます。
子供たちは、選手たちはよくやった。
もっともっと、勝たせてやりたかったし、もっともっと一緒にソフトボールをやりたかった。
それが、我々の本音です。
ただ、こういうような気持ちで相手も戦っています。それは同じなんですよね。
だからこそ、ドラマが生まれると思います。
本気だからこそ、面白いし、悔しい。
何回もいいますが、それもここで終わってしまうんです……
いわき新舞子に、いつもより大きな月がでています。
お母さんお父さんのような大きな月。優しい光。
その月が、負けてグランド隣の宿舎に向かって歩く我々を照らしていました。
さて、今年の2021会津選抜チーム、いわき新舞子劇場、かくのごとく戦い、終幕となりました。
我々ではなく、全南選抜チームに。
初回にファーボールとエラーでいきなり3点を献上してしまいます。
おい!気前が良すぎないかい!
3点……
これで相手は余裕をもって選択肢も増えます。
対する会津選抜チームは、序盤こそ、1点ずつでいいんですが、回を追うにつれて確率の低い、思い切った策が必要となります。
となると、相手チームもこちらの作戦を読みやすくなります。
そこにきて、前の練習試合でもわかりましたが、バッテリーが、特にキャッチャーが元気が良くて、クレバーなんですよね。
扇の要として、チーム全体を鼓舞します。
彼の声、指示、これがまた、絶妙なタイミングで効果大。
三年前のユウキを思い出します。
屈強さ、ユーモアさ、状況把握からの対応力、機転、そしてなによりキャプテンシーがある。
キャッチャーとしての資質がそろっている。
いいキャッチャーなんですよ。
そして、実に絶妙なタイミングでチェンジアップを使ってくる。それがバンバン決まる。相手選手をよく観察している証拠です。
会津選抜は最後までこのチェンジアップに狂わされます。
まんまと、バッテリーの術中にハマってしまった。
3点を追いながらも、反撃の糸口さえ見つけられません。
先の田村選抜チーム戦では、バンバン決まっていたバントも決められません。
そこにきて、ランナーもでない。
手の打ちようがありません。
エース、ハルの調子もなかなかあがってきてくれません。
球威も明らかに落ちています。
そこにきて、忘れていた12月の寒さが徐々に忍び寄ってきます。
さらに2点を献上し、コールド負けの歌がだんだん聞こえてきました。
斜陽。
いわき新舞子の太陽が沈もうとしています。
会津選抜の命運もこのまま尽きてしまうのか?
流れは完全に全南選抜にいっています。
こういう時は、積極的にしかけるか、選手たちを信じてじっと待つかの二つにひとつです。
どうやってとったかは、忘れました。
中盤にきて、2点をもぎ取りました。
さぁ、あと3点。
全南選抜の尻尾が見えてきました。
ハルとコタローのバッテリー、なかなか調子があがらないまでも、なんとかその中でやりくりをしようとしています。
しかし、それも限界か。
コントロールも甘くなり、痛打される場面が増えてきました。
終盤にきて、これ以上の得点は許されませんが、追加点で離されます。
やる気を削いでくる。
おそらく、やってあと2回。上位打線にもう一回回せるかがカギとなるでしょう。
そこにきて、時間との戦いも視野に入れなければなりません。
どうやったら、効率よく時間を配分し、逆転にこぎつけるか?
上位に賭けるしかないと思うので、必要とあらば、下位に早打ちを命じることもあるでしょう。
しかし、そんなに上手くいかないんですよね。
下位を早く終わらせようとすると、意に反してファーボールで出たりする。
時間を目いっぱい使った上に、無得点という無残な結果に終わることも過去にありました。
思い通りにはいってくれない。
思惑通りにはいってくれないのがソフトボールというものです。
いわき新舞子にナイターが点灯しました。
人工的な光ではありますが、我々会津選抜にとっては、あきらめるな、もう一度がんばれと言ってているような、光でした。
何とか時間を上手く使い切り、最終回まで来ることができました。
やろうと思えばできる、遅延行為なども全南選抜にはいっさいありませんでした。
コールド負けはなくなりましたが、6点差。
疲れの見えるハルから、ユウマにピッチャーを交換します。公式戦、初登板となります。
別名「まんじゅう」、普段はひょうきんで、面白い奴ですが、今回のユウマはスイッチが入っています。
みんなが満身創痍、そしてこの点差。
俺だってやってやる!という闘志に溢れています。
俺はあきらめないというユウマの意思がみんなに伝染したかどうかはわかりません。
コールド負けになりそうになりながらも、最終回、おそらく最後の攻撃になるところまでなんとかもってきました。
後は、もてる全力を尽くすのみ。
しかし、この状況、全南選抜チームはほぼ勝ちを確信しています。
満塁ホームランでも追いつけない状況、向こうにも疲れは見えますが、少しぐらいミスっても致命傷にはならないという余裕が見えて取れます。
その余裕をいかんなく、チェンジアップに看過して会津選抜チームを手玉にとる相手バッテリー。
ここにきても警戒を緩めることはありません。
タツキが倒れ、代打のタイチも倒れる。
2死。
今度こそ本当に追い詰められました。
ここで、前の回に急にセカンドについたリョーマ。
この打順、1番はいつもならレンですが、やつは前の回守備の時、急に腹が痛くなって、試合を止めて、ベンチにダッシュ、監督に腹が痛いと言ってらトイレに駆け込みました。
いわき新舞子の夕暮れの寒さにやられたに違いありません。俺も寒かった。
ここで、レンがいない。1番の出塁率を誇る男がいない。レンはまだトイレと戦っています。
ここはこのままリョーマにうたせるか?
それとも、リョーマに代打か?
一時の逡巡、監督はリョーマを送り出します。
前の回、いきなり守りにいけと言われたリョーマ。
えーっ!俺ぇ!という表情が見て取れましたが、いったん守りを経験すると少し落ち着いたようです。
それでも、ツーアウト。
最後のバッターには誰もなりたくありません。
会津選抜チームも追い詰められていますが、この場面でバッターボックスに入るリョーマも追い詰められているでしょう。
応援しているお父さんお母さんもきがきでないでしょう。
パァーン、パァーンとテンポ良く投げ込む相手バッテリー。
そして、ツーストライク、いよいよもって後がない。崖っぷちというやつです。
6点差、全南選抜チームは90%セント以上勝ちを確信していると思います。
しかし、こういうところにこそ、ドラマは生まれます。
ほぼほぼ決まった試合、あぁ負けるんだろうなと覚悟を決めていると、途中から入った、この男、リョーマによって、ガラッと試合は変わります。
どんな男か?
それは必死になって、もがく男です。
潔く、きれいにではなく、どろくさく、かっこ良くなくてもいいから、自分の最善を尽くす男です。
私は思います。華やかさばかりに、気をとられガチではありますが、世の中の大半はこういう人たちによって動いていると。
自分の居場所で、最善を尽くそうとする人たちで成り立っていると思います。
間違いなく今回のリョーマもそのひとりです。
リョーマ、いつも追い詰められると、高めのボール球に手を出してしまいますが、今回は止まりました。ツーストライクに追い込まれて空振りしたフォームは、左バッター、前足の右足が完全に90度以上に曲がっていました。
それが意味するところは、前体重、前傾姿勢
だということです。
呼び込んで打っていない。どちらかというと迎えにいっている振りだなと初見から思っていました。
しかし、今、そんなことはどうだっていいんです。
いろいろ不利な条件の中であったとしても、今、ここ、この打席の中で彼は最善の努力をしているということがヒシヒシと伝わってきました。
もはや技術なんぞ、どうだっていい。
不安というよりは、やってやる!という意志が彼の眼光から見て取れます。
ここに至って、リョーマにかける言葉は、「がんばれ!」これしかありません。
いったん負けそうになった心に、ふたたびのブレイブハート!
頼む、頼むぞ、リョーマ!
私はサードコーチャーズボックスから、リョーマに全力応援をします。
こういう時って、ミリ単位で形勢が動きます。
リョーマが覚悟を決めて、持てる力を出し切ろうとする中、相手バッテリーの余裕があった呼吸が少しずつ乱れ始めます。
いったん、緩んだ気は中々もどりません。
こういう時って、なぜか審判のジャッジも厳しくなります。
きわどいところをつかれながらも、ボールを見極めるリョーマ、ものすごい集中力を発揮します。そして、ついにファーボールを選びます。
この大事な場面でよくぞ、ファーボールを選んだ。たいしたもんです。うるっときます。
ここでも、少し相手チームの歯車が狂います。
もしかしたら、ヒットよりも相手に与えるダメージは大きいと思います。
あれ、なんか違うなという違和感を相手に植え付けた。つけ込むスキが見えてきました。
2番のユウキを迎えます。
そしてここで浮かんでくる可能性。
前の試合でホームランを打っている3番のケイシンまで回せば、もしかしたらもしかするかもしれない。
そんな一縷(いちる)の望みを抱いてしまいます。
人が思うことは誰にも止められません。
そして、会津選抜チームの全人類がそれを期待してしまう。
そうなると、普段はおきないようなことが起きてしまうんですね。
念ずれば通ず。
人の思いは終わらない。
こういう場面に何回も遭遇していると、本当に人の思いは、通じる時があるんだなぁと思わされます。
そして、それは最後まで信じて、ひたむきに準備をしてきた者のみにくるということがよくわかります。
チャンスは準備された心に降り立つ。
それを地でいっている。
そこをリョーマが切り開いてくれた。
ユウキも何とかして塁にでます。
そして、この試合、会津選抜チームの最高潮の時はやってきます。
書いてきたことと、つじつまがあいませんが、ケイシンが打席に立ったとき、それは満塁だったと記憶しています。
タツキの前にヒロトが出ていたのか?
ん?なんか合わない……けれど、最終回裏、ツーアウト満塁、そして最強バッターのケイシンを迎えるという場面を作り出しました。これ以上はないという場面をみんなで紡いだ。
これはたいしたもんです。
死に体の会津選抜チーム。
しかし、彼らはただでは負けねえぞという意地を見せてくれています。
こういうのが、勝っても負けても次につながる挑戦だと私は言い続けています。
この場面で満塁までもってくるとは。
2:8この時点で、満塁ホームランを打ったとしても、まだまだ追いつけない状況。
しかし、我々はケイシンが打てば、もしかするかもしれないという希望に賭けています。
流れがこちらに来ると信じています。
このままでは終わらない。
このままでは終われない。
そして、ケイシンならば打つ、会津選抜チームにはそれしか考えはなかったはずです。
そのみんなの思い、悟空の元気玉のような思いを一心に受けるケイシンは、スウイング、一振り一振りに魂を込めています。
終わりの時は近い。
誰もがそう思っています。
ツーストライクと追い込まれました。
しかし、一分でも一秒でも長く、このメンバーで一緒に戦い、このお母さんお父さんとその家族に応援してもらいたい。
このメンバーで戦っていたい、その思いの全てをフルスイングに賭けます。
この大事な場面で、全南バッテリーは最後にチェンジアップを選びました。
たいしたもんだとしか言い様がない配球。見事です。
みんなの思いを込めたケイシンのバットは空を切りました。
三振。
悔しさもありましたが、してやられた感、それとやりきった顔がそこにありました。
ゲームセット。
終わってしまった……
まわりのナイター照明のカクテルライトに両チームのシルエットが浮かび上がります。
ひとつは上を向いて、もうひとつはうなだれる影となる。
肌寒く、すっかり暗くなったいわき新舞子。
ここに、2021会津選抜チームの最後の挨拶がこだましました。
私たちの旅はここで終わりました。
どこがいけなかったのかと振り返ってみる。
初回の3点が痛かった。
立ち上がりの不安定さを克服できませんでした。
それがバッテリー、ひいてはチーム全体の推進力になりえなかった。
しかし、中盤の追い上げ、時間切れにならずに最終回までもつれさせたこと。
そして、ツーアウトランナー無しから、最後の最後にヤマ場を作ったこと。
いくつかのいいプレーが今年の会津選抜チームのカラーを象徴しています。乗れば強く、やられてもただでは起きないしぶとさ。渋みのある濃紺、ネイビーというところでしょうか。
確かに、勝負には負けました。
しかし、完全には負けていない。
もう一回やったら負けない。
そんな前向きな負け方だったと、私は思います。
負けてもまだまだ完全に、完膚なきまでに負けたと思わない限り、私は負けていません。
ゲームセットの挨拶で頭を下げるとき、次はみてろよ!といつも思っています。
その意味では、負けることは次へのスタートでしかない。
多くの負けに彩られた敗者の道。
そこは下がるのではなく、ちょっとそれる迂回路でしかない。
しかし、このメンバーでやるのは今回が最後。
そうこれで最後だったんです。
試合後のラストミーティング。
真っ先に声を詰まらせたのは、佐藤監督でした。
あぁ、この人も人の気持ちがわかる人で、いい年をした大人でも、きちんと感情を出すことをためらいなくできる人なんだと思いました。
そして、そんな計算高いところでやっていない。
普段、あんなに速い鬼ノックを打つ人でも、あふれる涙は止めようがないんだなあと安心しました。
そういや三年前、テンカイのお父さんに言われたことを思い出しました。
「ちゃんと泣くことができる大人に会えてこの子たちは幸せだ。」と。そんなような意味だったと記憶しています。
大人だって泣くんです。鼻水を垂らして、おいおい泣く。高田イーグルスの福田コーチもそうですが、私もそう。
だって、あふれる感情を止めることができなくなるくらい、君たち選手がいろんな思いを見せてくれるから。
そんな時くらい、心を震わせてもいい。
心のダムを決壊させてもいいと思うんです。
佐藤監督もこちら側の人。
理論もそうですが、それを行動で示し、気持ちを前に出す。
だから、子供たちも保護者もついてくる。
そんな佐藤監督はいいました。
「いろいろあったけど、18人全員で最後まで戦えたことが1番良かった!」
ひとりひとりの顔をつぶさに見ながら、言葉を絞り出しています。最後の方は涙声。
18人という言葉に重みがありました。
もしかしたら、集まらなかったかもしれない18人。
くるしい船出ながら、ひとり増え、またひとり増えという水滸伝、梁山泊のような成り立ちのチームでした。
苦労しながらのチーム編成、ポジション、打順を佐藤監督を中心に作り上げてきました。
一試合を勝ち、これから彼らの真価を発揮させるというところで上手くいかなかった。
私もそうでしょうが、佐藤監督も山内コーチも大堀コーチも、もっともっと勝たしてやりたかったというのが本当のところです。
力の至らなさ、それが無力感と、最後に円になって、子供たちの真摯な視線を受けとめることができません。
「監督コーチ、どうでしたか?負けはしましたが僕たちは一生懸命にやりました!」
彼らの目がそう言っています。
一直線に突き刺してくる彼ら18人の視線。
受けきれませんよ。だって実際、彼らは一生懸命にやってきたんですから。そして、お母さんお父さんも一生懸命に彼らを支えてきた。我々はそれを一番近くで見てきました。
秋空の寒さの中、練習している選手たちを見守る保護者。何回も寒かったはずです。
そうやって作り上げたチームが、最後までいけなくて、ここで終わってしまった。
子供たちに対する感情が涙となってあふれ出てしまいます。
子供たちは、選手たちはよくやった。
もっともっと、勝たせてやりたかったし、もっともっと一緒にソフトボールをやりたかった。
それが、我々の本音です。
ただ、こういうような気持ちで相手も戦っています。それは同じなんですよね。
だからこそ、ドラマが生まれると思います。
本気だからこそ、面白いし、悔しい。
何回もいいますが、それもここで終わってしまうんです……
いわき新舞子に、いつもより大きな月がでています。
お母さんお父さんのような大きな月。優しい光。
その月が、負けてグランド隣の宿舎に向かって歩く我々を照らしていました。
さて、今年の2021会津選抜チーム、いわき新舞子劇場、かくのごとく戦い、終幕となりました。
2021いわき新舞子で県下各地区の選抜チームを集めた大会が行われました。
わが会津選抜チームは、一回戦、田村選抜チームとあたりました。
試合前の練習をみるに、ピッチャーは3枚。
伸びのある快速球。
選抜チームのエースともなると、悪いピッチャーはいません。
それは、こちらも同じ。
こちらにはハルがいます!
少ないチャンスをどういかすか、ピンチになっても自分たちのプレーがいかにできるかが、勝負の分かれ目になると思います。
だんだん記憶も薄れてきました。
田村選抜チーム先攻で試合がはじまりました。
ファーボールか、ヒットだったか?忘れましたが、長身で足の速そうな先頭バッターを出してしまいます。
なんだかんだで、このランナーが先制の1点になります。
長年、こういうハイレベルの戦いをやっていくと、この何気ない1点の重みがよくわかります。
この1点で何回もやられてきました。
大丈夫、すぐに追いつける!そう思う気持ちも、この時点では必要です。
しかし、試合が終わって振り返ったときに、こんなに簡単に相手に1点を献上してはいけないと私はいいます。
しかし、過去にはもどれない。
であれば、どうしたら1点をやらずにすんだかの検証が必要です。
これが次に活かすということです。
初回の1点は重いが、試合中は大丈夫、なんとかなるの精神でいいと思います。反省は後でいい。
ここでやっていけないことは我々指導陣が、あたふたしないことです。
焦らないこと。
焦りやあきらめ、マイナスの精神は恐ろしく繁殖力が高いんです。あっという間にチーム全体に伝染していまいます。
そうならないためには、指揮官があたふたしてはいけません。
そして、なるべく早い段階で反撃すること。
「やられはしたけど、俺たちはやれる!」と思わせなければなません。
といいつつも、内心は、やべえ、やべえぞ、こりゃと思っています。
それを打ち消すように、「大丈夫!ひとつずつやれば大丈夫!」と選手たちにいいます、がそれは、自分自身にも大いに言っていることです。
そして、選手たちひとりひとりの顔を見る。
こいつらなら、大丈夫!ひとつひとつ、積み上げていこう!とチームの立ち位置を確認します。
あのグランドでプレーが始まったなら、私たちにできることは、彼らを信じるのみです。
大丈夫、おめぇらなら、やれる!
どれだけ、信じれるか?
あとは、選手たちが迷いなくチャレンジしたプレーができるように環境を整えてやること。
大きくは、この二つがあげられます。
選手たちも決して、折れてはいません。
どうすれば逆転できるか?
そのためにはどうやって塁に出るか?
ここにいままでやってきた練習と、我々指導陣と培ってきた信頼関係がいきてきます。
これを活かさないとチームにしっかりとした「芯」が現れてくれません。
バントが得意な選手、打撃に特化した選手、どちらかというと守備向き、足の速い選手、声がでるタイプ、気が利くタイプなどその選手たちの特長や個性をいかにして、つないでいくか?
その選手の得意な分野をチャレンジできるようする。
選手も自分の得意分野ならば思い切ってチャレンジできます。
これが私たちの信頼関係の構築。
得点やピンチ脱出は、これをどれだけおおく積み上げてきたかということの結果だと私は思っています。
いままで練習してきた、小さいことをチーム一丸となってつなげていく、まさにそれは「波」ようにどんどん大きくなってきます。
そして、ようやく会津選抜チームに、いわき新舞子のその「波」がやってきます。ビックウェーブが!
1点を先制されて、試合が膠着するかにみえた三回裏、下位打線からの攻撃でした。
打順は8番の打撃専門DPで入っているタツキ。
(ちなみに彼の表裏一体の裏は、守備専門で入っているシラコです。2人で1人のフュージョン。)
彼は、この大会に至る最後の週に体調を崩して、大会参加も危ぶまれていました。
しかし、なんとか間に合った。
打撃専門であれば、普通は打撃力、長打の選手が多いと思われがちですが、会津選抜にセオリーは通用しません。
ここに俊足好打のタツキをもってきたのには訳がありました。
その訳、タツキは監督から指示があったかねてからの作戦通りに、スラップバントを決めます。
決して簡単なコースではありません。
しかも、相手は田村選抜チームのエース。
実際よく決めたと思います。
後から思えば、これがこの試合の分水嶺となったと私は思います。
そして、ラストバッターのオウガがさらにバントで送りますが、このバントが絶妙なコースに転がります。
オウガも生きました。
結果、願ったり叶ったりの波状攻撃になりました。
そして、1番からの上位打線に回ります。
逆転するならここしかありません。
私はサードコーチャーボックスから、ビックウェーブを感じていました。
レンはヒットを打てないまでも逆方向に進塁打。
1死二三塁、ユウキ。
ゴロゴー、タッチアップなどが想定されます。
ユウキは三塁ゴロ。このゴロではバックに突っ込めない、と私は判断しました。
いくな、もどれとランナーに指示。
サードはランナーも見ずにファースト送球。
その瞬間、サードコーチャーの私、迷いました。
セオリーどおりならば、ここはホームに突入させていい場面です。
しかし、このサード、ファーストのリターンでの速さでは、突入できないと判断し、タツキをサードに止めました。
これで、2死二三塁。
セオリー通りにしなかった。
これに対して、激怒の監督。
「サードコーチャー、頼むよー!(ちゃんと判断して、突っ込ませてよ~!の意味)」と怒気を含んだ温かい支持が矢のように飛んできました。
ぁあ~、やっちまったかもと思いながら、実は私もここは、賭けていたんです。いのちとまではいかないまでも、ものすごく大事なものを。
この逆転がかかった大事な場面で、もしサードランナーの俊足のタツキを突っ込ませて、ゲッツーアウトになったら反撃の芽をつんでしまうことになる。
よしんば、成功したとしてもここは同点になる1点しか取れない。ここは一気に逆転を狙うべき!
なぜなら、次の打順はチームの最強のバッターのケイシン。
ツーアウトになっとしても、ランナーを残した方がいい。なにも反撃の芽を摘むことはないと最前線のサードコーチャーは判断したんです。
この判断が吉と出るか?凶と出るか?
結果はご承知の通りケイシンが逆転タイムリーを打ちます。そして、もう一点を追加して一挙に3点。鮮やかに逆転に成功しました。
これ、ケイシンがちゃんと打ったからいいものの、打たなかったら、私が戦犯になっていたことは想像に難くありません。
これは、高田イーグルスの最終戦の下郷戦のタッチアップ失敗が活きています。
ホームにいかせるか、いかせないか、
ここで得点できるか、できないか、が試合の結果を大きく左右します。
結果論なんです。上手くいけば官軍。いかなければ賊軍。
どっちにしても確固たる信念をもって指示を出すことが大事だと私は思っています。
終わってみて、迷いがあったことがわかる、
これが1番後悔します。
であっても、人はどうやっても迷うもの。
しかし、今回はいい方向に作用してくれました。
これも、ケイシンなら打つという、根拠のない絶対的自信、信頼関係がなせる業だと思います。
1点をとりにいくなら、突っ込ませました。
今回はリスクをとって、あえてランナーを突入させず、その次のバッターに賭けた。
2点を取りに行くことをサードコーチャーの私は選んだんです。
結果、3点をとることにつながりました。
ここでケイシンが打たなかったら、ゼロ。
この点数をとるべき場面で得点できなかったとしたら、もしかしたら負けていたのは会津選抜チームだったかもしれません。
あ~良かった。
ケイシンを信じて良かった。
ケイシンが打ってくれて良かった。
右方向の意識で打てるケイシンがこの打順にいて良かったと思いました。
歯車が、カチッとかみ合う音が聞こえました。
ここから会津選抜チームの投打がきちんとかみ合います。
逆転タイムリーのケイシンは、この後大会第1号ホームランを放ちます。
その堂々たる低い弾道の打球、打撃音は後からやってきます。
私はそれをサードコーチャーボックスから見ていました。
田村選抜チームの目の前にも関わらず、絶叫していました。
「いっけぇー!入れーぇっ!」
ケイシンのレーザーが右中間スタンドをとらえたと分かった瞬間に、飛び上がって両手でガッツポーズ。
45過ぎたおっさんが日常的にやる、ポーズではありません。
両足ジャンプの両手ガッツポーズって……
それに気づいて、恥ずかしいのと、相手ベンチへのリスペクトから、すぐにやめました。
逆の立場に立って自分を見てみる。
あれを目の前で、自チームがやられているときに、目の前でやられたら、殺意さえわくかもしれません。
静かに喜びます。
次第に相手チームのベンチからの元気がなくなっていくのが分かりました。
しかし、そんな中でもひときわ元気に声出す少年がいました。
背番号7番、サードの男の子です。
声変わりしていないので、かん高い声。
ワンサイドゲームになりつつある中、彼はチームを鼓舞し続けます。
つられて、まわりも再び顔を上げます。
たとえ敵チームだとしても、彼の行動にはたいしたもんだと思いました。
こちらのタツキのバントがうまくて、サードである彼も目一杯の守備をしますが、アウトにできない。
いったん彼もうつむいて、下を見てしまいます。
しかし、彼はふたたび、前を向きます。上を向きます。
7番サード、ガクくんの心は折れません。
さらに、声を張り上げる。そして、それはショートに伝わり、チーム全体に広がっていく。
彼もまた、激流に抗い、ビックウェーブに呑まれそうなチームを救う男だったんです。
そんな彼の姿勢に、尊敬の念を抱きます。
名前まで覚えてしまいました。
私たち会津選抜チームの敵である田村選抜チームもいいチームです。
田村選抜のエースもアウトコースにきちんとコントロールされた、球威のある球がきていました。
ウィニングショットでくるんですが、少し外れています。ほんの少しなんです。
そのへんの草大会であれば、入っているでしょう。
でも、今回の審判は正確でした。
アウトコースがきつめの判定。
我々会津選抜チームのエース、ハルにも同じ判定をしていました。
ハルとコタローのバッテリーは、そのあたりを素早く修正できたと思いますが、田村選抜チームのバッテリーは微妙な調整ができなかった。
決めにきたウィニングショットがボールの判定。
それが、要所要所で出ていました。
何回も、あっやばい、入ったと思った場面がありました。でも、ボール。
そのあたりも勝敗を分けたひとつの要因だと思います。
会津選抜チームは、繰り出す作戦がことごとく成功します。なかなか、高度な作戦なんです。
それを、決めていく選手たちはすごい。
かなり薄い可能性であっても成功させてしまう。
序盤の危ない場面では、ライトの守備専門のシラコがファインプレーでチームを救います。
シラコの反応の良さがココで生きました。
これは、シラコのファインプレーですが、ここに配置した監督の目利きのファインプレーでもあります。
選手をよく見ている。
こちらが、こうして欲しいと思ったとおりにことが運ぶ。
監督冥利に尽きるでしょう。
私もサードコーチャーボックスから笑いが止まりませんでした。
相手チームの手前なのでガッツポーズはしないで、ニヤッとニヒルに笑う程度です。
チームとしてまとまってきたなという、実感をこの大会でさせてくれます。
選手ひとりひとりが、その持ち味をいかんなく発揮してくれている。
それを、試合にでていない選手たちもベンチからのサポートしている。
会津選抜チームの集大成がここにあります。
チーム全員が、きちんと機能していた。
チーム全員、18人が機能していた。
ここに勝因となったいろんな事が含まれていると私は思います。
あんなに急造チームだったこのチームが相手を圧倒しています。
この瞬間、間違いなく彼らは会津選抜チームというひとつのチームになったと思います。
田村選抜チームをコールドで下しました。
さて、次はここ最近なし得なかった、二日目への生き残りを賭けて、以前対戦した、全南選抜チームとベスト8を戦います。
さて、次の波はどちらにいくのか?
それは、ここ、いわき新舞子の海と空だけがわかっていました。
わが会津選抜チームは、一回戦、田村選抜チームとあたりました。
試合前の練習をみるに、ピッチャーは3枚。
伸びのある快速球。
選抜チームのエースともなると、悪いピッチャーはいません。
それは、こちらも同じ。
こちらにはハルがいます!
少ないチャンスをどういかすか、ピンチになっても自分たちのプレーがいかにできるかが、勝負の分かれ目になると思います。
だんだん記憶も薄れてきました。
田村選抜チーム先攻で試合がはじまりました。
ファーボールか、ヒットだったか?忘れましたが、長身で足の速そうな先頭バッターを出してしまいます。
なんだかんだで、このランナーが先制の1点になります。
長年、こういうハイレベルの戦いをやっていくと、この何気ない1点の重みがよくわかります。
この1点で何回もやられてきました。
大丈夫、すぐに追いつける!そう思う気持ちも、この時点では必要です。
しかし、試合が終わって振り返ったときに、こんなに簡単に相手に1点を献上してはいけないと私はいいます。
しかし、過去にはもどれない。
であれば、どうしたら1点をやらずにすんだかの検証が必要です。
これが次に活かすということです。
初回の1点は重いが、試合中は大丈夫、なんとかなるの精神でいいと思います。反省は後でいい。
ここでやっていけないことは我々指導陣が、あたふたしないことです。
焦らないこと。
焦りやあきらめ、マイナスの精神は恐ろしく繁殖力が高いんです。あっという間にチーム全体に伝染していまいます。
そうならないためには、指揮官があたふたしてはいけません。
そして、なるべく早い段階で反撃すること。
「やられはしたけど、俺たちはやれる!」と思わせなければなません。
といいつつも、内心は、やべえ、やべえぞ、こりゃと思っています。
それを打ち消すように、「大丈夫!ひとつずつやれば大丈夫!」と選手たちにいいます、がそれは、自分自身にも大いに言っていることです。
そして、選手たちひとりひとりの顔を見る。
こいつらなら、大丈夫!ひとつひとつ、積み上げていこう!とチームの立ち位置を確認します。
あのグランドでプレーが始まったなら、私たちにできることは、彼らを信じるのみです。
大丈夫、おめぇらなら、やれる!
どれだけ、信じれるか?
あとは、選手たちが迷いなくチャレンジしたプレーができるように環境を整えてやること。
大きくは、この二つがあげられます。
選手たちも決して、折れてはいません。
どうすれば逆転できるか?
そのためにはどうやって塁に出るか?
ここにいままでやってきた練習と、我々指導陣と培ってきた信頼関係がいきてきます。
これを活かさないとチームにしっかりとした「芯」が現れてくれません。
バントが得意な選手、打撃に特化した選手、どちらかというと守備向き、足の速い選手、声がでるタイプ、気が利くタイプなどその選手たちの特長や個性をいかにして、つないでいくか?
その選手の得意な分野をチャレンジできるようする。
選手も自分の得意分野ならば思い切ってチャレンジできます。
これが私たちの信頼関係の構築。
得点やピンチ脱出は、これをどれだけおおく積み上げてきたかということの結果だと私は思っています。
いままで練習してきた、小さいことをチーム一丸となってつなげていく、まさにそれは「波」ようにどんどん大きくなってきます。
そして、ようやく会津選抜チームに、いわき新舞子のその「波」がやってきます。ビックウェーブが!
1点を先制されて、試合が膠着するかにみえた三回裏、下位打線からの攻撃でした。
打順は8番の打撃専門DPで入っているタツキ。
(ちなみに彼の表裏一体の裏は、守備専門で入っているシラコです。2人で1人のフュージョン。)
彼は、この大会に至る最後の週に体調を崩して、大会参加も危ぶまれていました。
しかし、なんとか間に合った。
打撃専門であれば、普通は打撃力、長打の選手が多いと思われがちですが、会津選抜にセオリーは通用しません。
ここに俊足好打のタツキをもってきたのには訳がありました。
その訳、タツキは監督から指示があったかねてからの作戦通りに、スラップバントを決めます。
決して簡単なコースではありません。
しかも、相手は田村選抜チームのエース。
実際よく決めたと思います。
後から思えば、これがこの試合の分水嶺となったと私は思います。
そして、ラストバッターのオウガがさらにバントで送りますが、このバントが絶妙なコースに転がります。
オウガも生きました。
結果、願ったり叶ったりの波状攻撃になりました。
そして、1番からの上位打線に回ります。
逆転するならここしかありません。
私はサードコーチャーボックスから、ビックウェーブを感じていました。
レンはヒットを打てないまでも逆方向に進塁打。
1死二三塁、ユウキ。
ゴロゴー、タッチアップなどが想定されます。
ユウキは三塁ゴロ。このゴロではバックに突っ込めない、と私は判断しました。
いくな、もどれとランナーに指示。
サードはランナーも見ずにファースト送球。
その瞬間、サードコーチャーの私、迷いました。
セオリーどおりならば、ここはホームに突入させていい場面です。
しかし、このサード、ファーストのリターンでの速さでは、突入できないと判断し、タツキをサードに止めました。
これで、2死二三塁。
セオリー通りにしなかった。
これに対して、激怒の監督。
「サードコーチャー、頼むよー!(ちゃんと判断して、突っ込ませてよ~!の意味)」と怒気を含んだ温かい支持が矢のように飛んできました。
ぁあ~、やっちまったかもと思いながら、実は私もここは、賭けていたんです。いのちとまではいかないまでも、ものすごく大事なものを。
この逆転がかかった大事な場面で、もしサードランナーの俊足のタツキを突っ込ませて、ゲッツーアウトになったら反撃の芽をつんでしまうことになる。
よしんば、成功したとしてもここは同点になる1点しか取れない。ここは一気に逆転を狙うべき!
なぜなら、次の打順はチームの最強のバッターのケイシン。
ツーアウトになっとしても、ランナーを残した方がいい。なにも反撃の芽を摘むことはないと最前線のサードコーチャーは判断したんです。
この判断が吉と出るか?凶と出るか?
結果はご承知の通りケイシンが逆転タイムリーを打ちます。そして、もう一点を追加して一挙に3点。鮮やかに逆転に成功しました。
これ、ケイシンがちゃんと打ったからいいものの、打たなかったら、私が戦犯になっていたことは想像に難くありません。
これは、高田イーグルスの最終戦の下郷戦のタッチアップ失敗が活きています。
ホームにいかせるか、いかせないか、
ここで得点できるか、できないか、が試合の結果を大きく左右します。
結果論なんです。上手くいけば官軍。いかなければ賊軍。
どっちにしても確固たる信念をもって指示を出すことが大事だと私は思っています。
終わってみて、迷いがあったことがわかる、
これが1番後悔します。
であっても、人はどうやっても迷うもの。
しかし、今回はいい方向に作用してくれました。
これも、ケイシンなら打つという、根拠のない絶対的自信、信頼関係がなせる業だと思います。
1点をとりにいくなら、突っ込ませました。
今回はリスクをとって、あえてランナーを突入させず、その次のバッターに賭けた。
2点を取りに行くことをサードコーチャーの私は選んだんです。
結果、3点をとることにつながりました。
ここでケイシンが打たなかったら、ゼロ。
この点数をとるべき場面で得点できなかったとしたら、もしかしたら負けていたのは会津選抜チームだったかもしれません。
あ~良かった。
ケイシンを信じて良かった。
ケイシンが打ってくれて良かった。
右方向の意識で打てるケイシンがこの打順にいて良かったと思いました。
歯車が、カチッとかみ合う音が聞こえました。
ここから会津選抜チームの投打がきちんとかみ合います。
逆転タイムリーのケイシンは、この後大会第1号ホームランを放ちます。
その堂々たる低い弾道の打球、打撃音は後からやってきます。
私はそれをサードコーチャーボックスから見ていました。
田村選抜チームの目の前にも関わらず、絶叫していました。
「いっけぇー!入れーぇっ!」
ケイシンのレーザーが右中間スタンドをとらえたと分かった瞬間に、飛び上がって両手でガッツポーズ。
45過ぎたおっさんが日常的にやる、ポーズではありません。
両足ジャンプの両手ガッツポーズって……
それに気づいて、恥ずかしいのと、相手ベンチへのリスペクトから、すぐにやめました。
逆の立場に立って自分を見てみる。
あれを目の前で、自チームがやられているときに、目の前でやられたら、殺意さえわくかもしれません。
静かに喜びます。
次第に相手チームのベンチからの元気がなくなっていくのが分かりました。
しかし、そんな中でもひときわ元気に声出す少年がいました。
背番号7番、サードの男の子です。
声変わりしていないので、かん高い声。
ワンサイドゲームになりつつある中、彼はチームを鼓舞し続けます。
つられて、まわりも再び顔を上げます。
たとえ敵チームだとしても、彼の行動にはたいしたもんだと思いました。
こちらのタツキのバントがうまくて、サードである彼も目一杯の守備をしますが、アウトにできない。
いったん彼もうつむいて、下を見てしまいます。
しかし、彼はふたたび、前を向きます。上を向きます。
7番サード、ガクくんの心は折れません。
さらに、声を張り上げる。そして、それはショートに伝わり、チーム全体に広がっていく。
彼もまた、激流に抗い、ビックウェーブに呑まれそうなチームを救う男だったんです。
そんな彼の姿勢に、尊敬の念を抱きます。
名前まで覚えてしまいました。
私たち会津選抜チームの敵である田村選抜チームもいいチームです。
田村選抜のエースもアウトコースにきちんとコントロールされた、球威のある球がきていました。
ウィニングショットでくるんですが、少し外れています。ほんの少しなんです。
そのへんの草大会であれば、入っているでしょう。
でも、今回の審判は正確でした。
アウトコースがきつめの判定。
我々会津選抜チームのエース、ハルにも同じ判定をしていました。
ハルとコタローのバッテリーは、そのあたりを素早く修正できたと思いますが、田村選抜チームのバッテリーは微妙な調整ができなかった。
決めにきたウィニングショットがボールの判定。
それが、要所要所で出ていました。
何回も、あっやばい、入ったと思った場面がありました。でも、ボール。
そのあたりも勝敗を分けたひとつの要因だと思います。
会津選抜チームは、繰り出す作戦がことごとく成功します。なかなか、高度な作戦なんです。
それを、決めていく選手たちはすごい。
かなり薄い可能性であっても成功させてしまう。
序盤の危ない場面では、ライトの守備専門のシラコがファインプレーでチームを救います。
シラコの反応の良さがココで生きました。
これは、シラコのファインプレーですが、ここに配置した監督の目利きのファインプレーでもあります。
選手をよく見ている。
こちらが、こうして欲しいと思ったとおりにことが運ぶ。
監督冥利に尽きるでしょう。
私もサードコーチャーボックスから笑いが止まりませんでした。
相手チームの手前なのでガッツポーズはしないで、ニヤッとニヒルに笑う程度です。
チームとしてまとまってきたなという、実感をこの大会でさせてくれます。
選手ひとりひとりが、その持ち味をいかんなく発揮してくれている。
それを、試合にでていない選手たちもベンチからのサポートしている。
会津選抜チームの集大成がここにあります。
チーム全員が、きちんと機能していた。
チーム全員、18人が機能していた。
ここに勝因となったいろんな事が含まれていると私は思います。
あんなに急造チームだったこのチームが相手を圧倒しています。
この瞬間、間違いなく彼らは会津選抜チームというひとつのチームになったと思います。
田村選抜チームをコールドで下しました。
さて、次はここ最近なし得なかった、二日目への生き残りを賭けて、以前対戦した、全南選抜チームとベスト8を戦います。
さて、次の波はどちらにいくのか?
それは、ここ、いわき新舞子の海と空だけがわかっていました。
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