忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コンテナに満杯に入るソフトボールが、約40球、
そのコンテナが2つで、80球、それを4セットで、320球、その一連の流れが2セットで、640球。
1時間半、90分で投げました。90分は5400秒。約8秒に1球を投げ込んでいます。
土曜日は、約12人いたので、約60球の打撃練習ができたことになります。
そして、次の日は、美里親善大会を3試合戦った後、6年生選抜を相手に、約400球を投げる。
二日で1,000球。
高校球児だった時も、こんなに投げたことはありません。
自分でも思います。
なぜ、ここまでやるんだろうと、なぜここまでできるんだろうと。

さすがに疲れました。
全身が痛いという悲鳴。
軸足となる右足の裏も、まめができて、それが潰れて、痛い。
びっこをひいて歩いています。
久しぶりにこんなに投げました。
投げに投げた。
そして、打ちまくる選手たち。

今日の課題は速球対策、速球に負けないで、振り切る練習。
なにより、速球にびびらないで、トップを早く作って、タイミングを早めにとる練習です。
いわば、感覚を研ぎ澄ます練習です。
動体視力と精密機械のような正確なスウィング、これを鍛えていくには、打って打って打ちまくるのが1番いいと思います。

その練習の中、ひとりひとりの打ち方をつぶさに観察します。
この子にとって、どんな打ち方が1番いいのかをイメージしながら、私はいろんなコースをついていきます。
マシーンでは、ここまで考えながら効率よくはできません。
なので、自分で投げることで、確認していくしかない。
この前の試合で、打てなかったコースを重点的にいくタイプ。
そもそもの振りや待ちを直していくタイプ。
加えて、ストライクとボールの見極めも実戦していきます。

これは、私と選手たちとの会話です。
ソフトボールを通しての会話。

ん?お前はこのコースが打てないな?
そんじぁ、もっとここをこうしたらいいんじゃないか?
タイミングを早くとるということは、トップを早くとるということ、だから、ピッチャーとシンクロして、フォームに入ることを意識しろ!
打つ前から力がガチガチに入っている。
インパクトの瞬間だけ、力があればいいぞ!
迷うな、コースを決めて、振り切れ!
レベルも筋力も選球眼さえ、ひとりひとり違います。
毎日のコンディションさえ、変わってくる。
これが正解という答えなどないんです。
そんな中でも、その子のもつ、可能性の確率を少しでもあげるために練習しています。
積み上げてきています。
ただ、それがいい結果になるとは限りません。
どれだけ練習しても、どれだけ積み上げてきても、非情にも打てない時はある。
非情にもエラーをしてしまう時はあります。
そしてそれは、どれだけ後悔しても取り返しのつかないものとなる。
その子がベンチに戻ってくる時の、この世の終わりかのような、がっかりして、おちこんだ顔。
元気なくベンチに座り、周りも気を使って声もかけません。
仲間とベンチに一緒にいるのに感じてしまう孤独と後悔。中には泣き出してしまう子もいます。
私は、これまで何度もそういう光景を見てきました。
正面切ってみるのではなく、目線の切れ端で見つめてきました。
あえて声はかけません。
私だったら、声をかけて欲しくないからです。
まして、惜しかったぞ、なんても言って欲しくありません。
ミスはミス、ひとりにしてくれと思う。
俺は何をやってんだと、落ち込みます。
ただ、次の瞬間から、あの時はどうすれば良かったかを考えます。
いつまでも、落ち込んでられません。
そして、こんな思いは二度としたくないと思う。
そうだとすると、どうすれば、ミスをしなかったのかを考えます。
あの時、どうすれば良かったか?

それを克服していくのが毎回の練習です。
そして、今回の1000球の打撃練習に繋がります。
小学生相手に、小難しい打撃理論などかましても何人理解できるでしょうか?
大まかな打撃理論を教えたとしても、やはり最後は実戦形式で、打つのみ。
感覚で覚えていく。理論はそれを補強するものだと思います。理屈は後から、あぁこういうことかと分かってくれればいい。
最初はぜんぜん打てなかった子供たちが、少しずつ快音を操るようになります。
そして、少しずつ自信を持ち始めます。
よし、打てる!打てるぞ!と楽しささえ感じるようになる。

私たち指導者は、それが見たいんです。
少なくとも、私は見たい。
冒頭に、なぜ1000球も投げこむのか?と自分に問いましたが、答えはとっくに出てるんですよね。
彼らが、どこまでいくのか?を見届けたい。
彼が、どんな風に打つのか、どんな風に成長していくのかを見てみたい。
少年ジャンプで掲載していた『ルーキーズ』の川藤先生のように、「お前らは俺の夢だ!」なんてことは恥ずかしくて言えませんが、選手たちの成長を見届けたいという点では、保護者の次に、我々指導者がくるでしょう。
その意味では、選手たち、子供たち、私たちの到達点=夢なんだと思います。
夢は目標にも置き換えられます。
夢があるから、人はがんばることができる。夢とは、人が思い描く、いいイメージです。
キヒトが弾丸ライナーのホームランをかっ飛ばし、チヒロが左中間を切り裂き、カナトが右中間をつらぬく。
その姿を見て、飛び上がってガッツポーズをしたい。
それが我々の夢。私の夢。
美里親善大会でも、カナトのジャンピングキャッチのゲッツーがありましたね。
ああいうファインプレーを時折、野球の神様が見せくれる。
白獅子の三者連続ホームランもそうです。
人の想いがカタチになる瞬間に立ち会える。
それも一番近くで。
だから、私は1000球も投げることができるんです。
それは、他の指導者も、他のチームの指導者も同じでしょう。
みんな夢に、ほだされている。
そして、それを良しとしている。
大いなる、ただの自己満足。
そのせいで、三日たった今も体に痛さが残っています。
それを心地よい痛さとしていることに満足している自分に気づく。
こういう生き方があってもいいぜと、自分との会話。
そしてまた、今日も投げ続けます。
高田イーグルスの全ての子供たちに向けて、
「夢にときめけ、明日にきらめけ!」と、こころの中で叫びながら。
PR
≪  1246  1245  1244  1243  1242  1241  1240  1238  1237  1236  1235  ≫
HOME
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
プロフィール
HN:
高田イーグルスコーチ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]