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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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決勝戦は、高田イーグルスの先攻で始まりました。
キャプテン、アユキが今大会、先攻後攻争いで初めて負けた試合でした。
ここまで、3試合全て後攻を当ててきました。
その甲斐あって、守備からリズムを作ることができていました。
確率は二分の一。そこを引けなかった。
しかし、これからの戦いもこういう時はあるでしょう。
先攻後攻なんて、どっちでもいい、そのぐらいの感覚でいいのかもしれません。

今思えば、アユキはこういう験を担ぐタイプなのかもしれません。
後攻を取れなかったことを悔やんでいるようす。
そして悔やんだ気持ちのまま、1番の打順に入ってしまったのかもしれません。
ここ最近、バッティングにも自信を持ち始めていたと思います。前の大会でも右に左に積極的に打ちまくっていました。
しかし、準決勝では、なんてことないコースを空振り三振。
そこら辺から彼の歯車が微妙に狂いはじめました。
この空振り、前もありました。
そして当たらない事にどんどん自信をなくしていくジレンマに陥る。
そこから脱出したと思っていましたが、黒い影は後ろからピッタリくっついて彼を再び捉えました。
自信のないスウィング。
そのスウィングさえできずに、明らかなストライクゾーンを見逃す愚手。
案外これも深刻な状況かもしれません。
これも対策を考えないといけません。

我々の矢じりのアユキが倒れた。
さて、どうにかしなくてはいけません。
2番のマナトには策を授けて、出塁します。
アユキが倒れた時は、すぐに第2の矢じりになるマナトには最近重宝します。
ワンアウトながら、塁にでました。
そして、ここから高田イーグルスのクリーンナップ。
3番トウマを迎えます。
しかし、マナトはスコアリングポジションにありません。盗塁させるか?
どうしたものかと攻めあぐねていると、パスボール、パスボール。
するすると三塁に到達しました。運がある。
1死三塁という理想的な形。
先制点という大きなヤマ場を迎えます。
ただし、ゴロを打てばという条件付きですが、打順はトウマ。
三振はしないでしょう……と思ってましたが、見逃し三振。
ん?どうした?
明らかに歯車がかみ合っていません。
インコース低めではありましたが、今までのトウマであれば、手は出してファールにできていた。
しかし、今回はそれができなかった。
見逃し三振がいけません。
何かがズレています。
これまで、負ける時に感じる違和感にも似た感覚。
これが決勝戦のプレッシャーというやつでしょうか。
この感覚のもとを断ち切らない限り、勝利はありません。


反対に、パスボールを連発していた関柴さんのエースは、ここから立ち直ります。
三塁にランナーがいるので、これ以上のパスボールはできません。 
そして、バッターは4番の長打力のあるミソラ。
2死ながら、ここからミソラが打って得点することで、流れを離さず、もう一回チャンスを作ることができます。
しかし、三振に倒れる・・・
初回にチャンスを作るも得点できず。
磐梯山にかかる厚い雲、いやな空気が立ちこめました。
しかし、強いチーム同士の戦いであれば、こんなのはいつもあり得ます。
そして、このいやな空気を断ち切り、相手の攻撃も封じ込めること、この我慢比べをいかに根気よくできるかというのが、強さの条件となってきます。
その点では今の高田イーグルスは、まだまだひょっ子です。
先に音を上げてしまいました。

マウンドに立つのは、四試合目の先発のエース、ミソラ。
全てコールドで倒してきているので、疲れは少ないはずです。
むしろ、投げたくて投げたくてしかたなく、準決勝で下げたことに逆上していたくらいですから。
ミソラ、決勝のマウンドで勇躍します。
関柴上三宮の一番バッターを簡単に2球で追い込みます。
が、ここからがいけなかった。
敵の1番の選球眼スキルの前にファーボールを許し、出塁させてしまいます。
先頭を切れないと自分の流れに乗れないタイプです。
自分の思い通りにならないと、崩れていくタイプ。
文字通りのじゃじゃ馬です。
この浮き沈みの激しさ。
いいほうに出ればこんなに心強いことはないんですが、反対にでると……
パスボールを連発し、三塁に進めてしまいます。
それでも、2番を三球三振に打ち取ります。
まだ、大丈夫。
ん?待てよ、先攻の高田イーグルスのような展開になってるじゃないか?
そして、3番を迎えます。
関柴さんの監督さん、3番打者であるのに、手堅くバントできます。
そして、絶妙なコース。
バント処理は練習してきました。
練習してきたからこそのお互いに素早い反応。
ピッチャーとキャッチャーの真ん中に止まります。
お互いが、ぶつかる状態。
これは「バントシフトができる」がうえのミスとなります。
この幼いバッテリー。
お互いのミスをなすりつけるように、お互いの腹の虫は収まりません。
不協和音。
それは、そのまま投球間の不信感に繋がります。
これ、今まで何回もやってきているものです。
エラーがらみで先制点を献上。
ランナーを残して、ツーアウトまで来ますが、さらにここでバッテリーミスで、もう1点を与えてしまいます。
ガタガタと崩れる屋台骨。
幼いバッテリーを中心とする、ややっこの高田イーグルスを瓦解させるのに十分なヒビが入りました。
そこにきて、絶妙なコースをついているんですが、ボールのコール。
エース、ミソラのフラストレーションはたまっていくばかりです。
いいコースをついているので、バッターの中途半端なスウィング多くなる。
その都度、キャッチャーが確認をとればいいのですが、トウマも目の前のことで精いっぱい。
確認を取らないトウマに対して、ミソラの不満の鉾が向きます。
本来、ふたりで協力しあって、強敵に挑まなければならないのに、ちまちま、ちまちまバッテリーという狭い世界でけんかをしている。
バッテリーはプラスとマイナスがあるから、電流が流れ、エネルギーを生み出すものです。
肝心のそのふたりがいがみ合っている。
そんなチームが浮上するはずがありません。
それは、わかっていました。
でも、ここはわかってくれるんじゃないかという淡い期待がありました。
状況が好転すれば、バッテリーも協力の姿勢を見せるのはないかという期待。
指導者という外圧よって気づくよりは、自分たちで気づけた方がいい。
ここは、我慢、我慢しました。
しかし、状況は悪くなるばかり・・・
討ち取っているあたりも、飛んだコースがよく、アウトにできない。
じりじりと点差を離されていきます。
反対に、高田イーグルスの攻撃は、三振の山。
これまでの3試合では、対戦してこなかった本格派に対して、手も足もでません。
そして、この関柴さんのエース、フィールディングもいい。
小細工も通用しません。

この試合の一番いい当たりは、ファールになりはしましたが、ライト線へのライナー。
ああいう打球を飛ばさなくては、この上のレベルにはいけないでしょう。
打撃もいいところがない。

はがゆさとため息の連続。
課題が次から次へと出てくる。
しかし、思い直します。
できないことは、成功の種。
これができれば、こいつらはまだまだ伸びる。
何ができて、何ができないかをきちんと記憶しておこう。
私のハードディスクに書き込みました。

ひとつの成長はと言えば、ミソラが泣かなくなったこと。
もっとも、無表情で機械のように投げ込むことしかできないマシーンと化しています。
びびって誰も声をかけられない状態。
いつもで、あれば、泣きまくって、泣きまくって、こちらがかわいそうになるくらいの悲愴感であふれる。
しかし、今回は心のダムが崩れるのを鉄面皮のように押しとどめているようにも思えました。
ただひとり、孤独というマウンドから、投げこむことで、存在を維持している。
その気丈さには、誰もついていけません。
唯一、わかるとすれば、同じような境遇でマウンドから降ろされたユウシン。
彼は、憮然としているミソラの中に、かつての自分を見たのかもしれません。
そうであって欲しい、私の願いです。
メンバーの中で、ただひとり、ミソラに近づいて、声をかけます。
あの時の自分に声をかけるような気持ちになってくれたなら、この一戦に意味があります。
彼もまたひとつ成長しました。
彼の目から険が取れたのを確認しました。
これでまた、我々との信頼関係を築いていけます。
そして、この先も必要な選手のひとりです。
チームのみんなに気を使いながらプレーをするユウシン。
「思うところがあります・・・」といって、涙目のフクダコーチを見て、私も涙目になる。
ソフトボールというチームスポーツが、我々を救ってくれています。
この先も同じようなことが起こるかもしれませんが、今回は乗り越えたと思います。
そして、この先も何回でも乗り越えていきます。
大きな懸念材料が取れたような気がします。
ただ、ユウシンの声も今のミソラにはとどきません。
完全にシャットアウト。
今度はこっちか!
ここに極まれり。

全く流れのこない試合展開。
相手ピッチャーは、ますます勢いづきます。
バンバンストレートを投げこんできます。
受け身一方の展開。
サンドバッグとはこのこと。
こちらのいいところは、まったくだせない。

終わった今だから言えます。
初回の見逃し三振が無ければ、
あのバント処理ミスがなければ、
負け試合は、イフに満ちています。
そして、負けには必ず原因がある。
名将、野村監督の言葉です。

1:6で完敗です。
この試合は、負けるべくして負けました。
まだ、高田イーグルスには優勝は、早いぞという戒め。
手放しで県大会にいくことは許さない。
だから、ちゃんと準備をしてこい!
磐梯山が言っています。

四試合を戦い抜いた高田イーグルス。
新たな課題に向き合います。











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