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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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マイナスの言葉と言う毒。
ちょっと前に似たようなタイトルで、「ため息という毒」を書いたばかりでした。
そして、今日の練習でも毒を吐きまくっている三人がいました。

コタロー あっ!やばい、無理だ。

タイチ あーもぅ負ける。だめだ負ける。

マナト (何も言わずに憮然とした表情)

この三人に共通するのは、マイナスの姿勢です。
それを言葉や態度に出してしまう。
多くの人が、気分を害し、なんだこいつは!と思ったはずです。 
ミスがあっても、みんなが前向きに進もうとしているのに、ブレーキを踏む奴。ブレーキどころか、反対向きに進み、チームを地獄の底に落とそうとしている。この胸くその悪さ。
ベクトルが同じ方向を向かない。
気持ちよくありません。
ぜんぜん、面白くならない。

今日の練習、美里イーグルス対高田スポ少の紅白戦では、特にそれが目立ちました。
試合は途中まで均衡のいい試合。
面白くなるなと思っていると、ミスが連続し始めます。ミスがミスを呼ぶ連鎖。
おめぇのせぃだという他人まかせな悪い空気が出始めてきました。
そして、この状況に誰も立ち向かおうとしません。どうしていいかわからないと言った方がいいのか。
敗北という滝つぼに追い落とそうと迫りくる流れに、くさびのごとく立ち止まって、周りの選手を鼓舞し、ダムのように食い止めようとする奴がでてきません。
流れにのまれるばかり。
前の三人は、踏みとどまる立場の6年生。
プレーでも下級生をカバーしてやらなければいけませんが、さらにミスを重ねる。 
特にタイチがひどかった。 
あぁ~もう!だめだ!負けた。無理だ。 
猛毒をはきまくります。
タイチのマイナスの毒が高田スポ少のみんなに伝染していきます。
高田単独チームがいっきに瓦解していきます。
単純なミスが連発。メンタルの弱さを露呈します。
みんなのチカラがひとつに合わさらない。
下級生は右往左往するばかり。殴られるままのサンドバッグ。
こうなると、誰も止めることができなくなります。
そこも現状のこの高田イーグルスの弱さのひとつなんだと思います。
大人になった今ならば、流される方が楽だともわかります。
しかし、そうではないでしょう。
平和な日本だからこそ、抗うことも必要です。
楽な、簡単な道を安易に選ぶな。 


さて、どうしますかね。
以前の私ならば、がっとばして帰らせるでしょうね。
そんでしばらくスポ少自体をやらせない。
これもひとつの案です。
実際、旭スポ少の時代は帰らせました。
それがその子のためだと思って泣かせていました。

しかし、今の私はその道を取りません。
大人の強権を使っても響く奴と、響かない逆効果の奴がいることに気づいたからです。
みんな、そんなに強くない。
千尋の谷に落とした獅子が全員這い上がってくるとは限らないのです。
むしろ、弱い。もろい、壊れやすい。
だからこそ違うアプローチをします。
私は谷の上で待ちません。
谷底に落ちていって、一緒に登ります。
全員を助けたい。
がっばすと、自分も面白くないんですよね。
私にはそういうのが合わないんでしょうね。
ここぞという時にきちんと叱るとことも大事です。
合うとか合わないとかではなくて、叱るときはきちんと叱らないといけない状況もあります。
そういう時に毅然と叱ることができる人はすごいなぁと思います。
強くていい。むしろ強すぎていい。刺さらないと意味がないんです。そういう強さ、プレッシャーは、その子をきちんと見てる暖かさだとも思います。
その時は、わからなくてもいつか必ずわかってくれると私は思います。
その強めの指導が有効な時もある。
どちらがいいとか悪いとかじゃないんです。
いろんなタイプの指導があってもいい。
そうだとしても、今の私はその道を通りません。
だからこそ、違う道をいきます。
いっきにいけなくても、毎日毎日、少しずつ少しずつ水が地下に浸透していくように言い続けます。
長いスパンと根気のいる付き合いになります。
それが今の私のやり方です。

なかなか、その子たちの奥まで入っていかないんですよね。
マイナスの言葉をはくな!と言っても中々やめられない。
染みついているんですよね。
こころの繊維の奥の奥まで染みついている。
私は、そうなる理由が必ずあるはずだと思っています。
その理由、原因をとりのぞかないかぎり、その子たちからマイナスの言葉の毒は、根本からとれないと思います。


1番いいのは、そんな悪い空気の負け試合から逆転して勝つことです。
実際に経験させてやるのがなんと言っても1番です。
タイチをはじめ、マイナス思考ブラザーズはそういう成功体験をしていません。ミスや凡打が続いて、負けそうになる悪い空気を変えていくことを知りません。ミスるとすぐに、投げ出してしまう。
その負け犬根性が染みついているんです。
負け犬根性をはるかに凌駕する成功体験で、上書きするのが1番の治療です。

しかし、そんな逆転勝ちの場面は中々巡ってきません。
チャンスは準備された心に降り立つ。
それはキセキも同じです。
キセキは、信じる者のみにおこる。
それを実際に経験させてやりたいなと思います。
あきらめないこころを最後の最後まで持ち続けること。
そんな純真さがあってもいいじゃないですか!
なにかを信じることができる大人になって欲しいと思います。
それをスポ少の中から彼らのこころに植え付けたいと思います。
いったんは下を向いてもいい。
だけど、なんとか持ち直して、這い上がってこい!
チームの橋頭堡たれ。
隣にいる倒れた仲間に肩をかせ。
流れに持って行かれそうな仲間の手を握れ!
敗北の嵐に飲み込まれそうになっても、みんなで声を出して抗え!かき消せ!
タイチの中にある煉獄さんを見せて欲しい。
三人がそうなったとき、高田イーグルスはもう一段上に進むことができるでしょう。

練習後に3人を呼び出して、約束させました。
打倒マイナス三原則。
マイナスの言葉をはかない、
(憮然とした態度)みせない、
(試合を最後まで)あきらめない。
彼らにどれほど響いたかは、わかりません。
おそらく、この後も彼らはマイナスの言葉を言うでしょう。そう簡単には直らない。
そうであっても、私は言い続けて、待ちます。
彼ら自身が、自分の行動を正し、マイナス思考を打ち破った先にある世界に進むことを。

人に言われて気づくよりも、自分で考えて気づくこと。中から変わること。
ピンチのときの考え方、
心の持ち方を自分なりに考える練習がスポ少なんです。
それこそ、今後我々指導者がいなくなっても、自分で立って、考えて行動できる人間への第一歩です。


葦(あし)という、弱い植物があります。
パスカルという偉い学者は、人間をその葦にみたてました。彼はこう言いました。

人間は一本の葦にすぎず自然のなかで最も弱いものである。
だがそれは考える葦である。

人はおろかで、もろく、弱い。
弱くて、もろくて、できなくていいんです。
弱さをまず認めましょう。
認めた上で、悲観者、傍観者ではなく行動に移す。
数ミリずつでもいいから前に進みましょう。
それを「マイナス思考ブラザーズ」と一緒に歩んでいきます。


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