時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
明と暗。
陰と陽。
表と裏。
世の中は反対のように見えて、実はつながっている。
それを分かつものはなんなのか?
それを考えさせる一日となりました。
高田イーグルスの主催大会、第2回じげんカップ。
雨で中止も心配される中、なんとか開催することができました。
役員、保護者のみなさんの執念がなせるわざですね。
しかし、秋雨は寒い!寒い、寒い!
この寒さはコンディションにも間違いなく影響します。
そうして始まった、六チームを、二つに割ったリーグ戦。
高田イーグルスは初戦で坂下ヒーローズさんとあたりました。
キャプテン、レンは先攻を選びます。
彼の思いは、先制パンチをいれてチーム全体を勢いに乗せたいという思惑からでした。
それを自ら具現化するべく、先頭のレンが一塁線を切り裂きます。
そして、盗塁パスボールでわずか4球でホームに帰って、幸先良く、一点をもぎとります。
しかし、後続が続きません。
クリーンアップが連続三振。
いまいち勢いに乗れません。
高田イーグルスのポテンシャルならばもっと点数が欲しかった。
暗雲が少しやってくる。
そして、今日のユナの調子がよくありません。
おそらく寒さからくるものなのかな?
微妙なコントロールがききません。
ツーストライクと追い込みながらもファーボールを出してしまう。
それでも、チーム全員で防ぐ意識がありました。
常にランナーを得点圏に背負うプレッシャーがかかる状況。
こういうところのミスから一気に崩れていきます。
それを食い止めるのが、キャプテン、レン。
敗北の激流にくさびのごとく打ち込んで、チームを救います。
あの三遊間の強い打球を逆シングルでキャッチ、サードに送球でアウト。
あそこで抜ければホームランとなり、高田イーグルスの心臓を捧げていたでしょう。
チームの瓦解を防ぎました。
こういうところが、レン、なんです。
そのポジショニング、これしかないという角度のグローブさばき、そして大事なところでミスをしない。
レンがキャプテンである所以(ユエン)です。
それでも出血はとめられませんでした。
ノーヒットで二点を献上、逆転されてしまいます。
暗雲がまた少し。
さぁ、逆転だ!とのぞんだ2回の攻撃、ユナが自らのヒットで出塁します。
しかし、後続が続かない。
ユナ自身の走塁ミスもあって、押しているのに押しきれない、いやな展開。
ピッチャーとは、かなりメンタルに依存する種族です。自身の打撃や走塁が上手くいったか、いなかいかが、かなりピッチングに影響します。
いつもだったらすぐにアジャストできるコントロールに、ちょっとの狂いを生じさせてしまいます。スリーツーと追い込んでいるのに、最後に決めきれない。ユナ自身が1番そうでしょうが、チーム全体にも流れに乗れないフラストレーションがたまっていきます。
こういうのをいやな雰囲気というのでしょう。
そこにきて、天候の関係で時間が50分と短い。
実質3回くらいしか回ってきません。
上位打線の攻撃がよくて2回。
先に得点差を広げられてしまうと、焦りが生じてくる。しかも、先制パンチで引き離す作戦をとったので先攻。なおさら焦ります。
高田イーグルスにとっては全てがビハインド、不利な条件に陥る。
こうなると流れが向こうに行ってしまいます。
3回始まりの時点で1:6と負けています。
時間的にも打順的にも、ここで逆転するしかない。
となると、先頭バッターは必ず出塁しなくてはならない。
打順はラストバッターのレオから。
打率は低いものの長打力を買っての配置です。
バッターボックスに立つと頭が真っ白、全部吹っ飛ぶタイプ。余計なことをあれこれいうよりも、おもいきりいけと言うだけで十分です。
選球眼はあまりよくありません。そんなことは百も承知でここに置いているという監督の心意気。
ファーボールでの出塁は期待できません。
打つしかない!
ブンッと角度のあるアッパースイングですが、当たりません。
ツーストライクと追い込まれる。
頼む、頼む打ってくれ!久しぶりに祈りました。
カイジが祈るようになったら終わりだと言っていますが、この状況では祈らずにはいられません。
レオのフルスイング、追い込まれても迷いがないのがレオのいいところ。
パキーンとセンターの後方を襲います。
抜けろ!抜けろ!抜けろーと絶叫。
高い放物線なので、抜けはあまかった。
これは三塁打くらいか?
しかし、レオは二塁を回った時点で三塁を蹴ることを決めていたようです。
やめろー止まれーの声はレオには届かない。
暴走機関車と化したレオは本塁に突入します。
ボールは帰ってきていて、キャッチャーがタッチの体勢。
これはヤバイとレオも思ったはずです。
でも、どうしようもなかった。
スライディングを選択する余裕もなかったんでしょうが、ホームを駆け抜けます。
そこにタッチのミットが当たりました。
当たったというか、当たりに行った。
当たりに行ったというか、線路上にミットがあったけど走り抜けたと言ったほうがレオにはしっくりきます。
あぁタッチアウトかぁと思いきや、ミットからボールがこぼれます。
レオの勢いの勝ちです。
暴走と神走塁は紙一重ですが、これは完全な暴走です。
しかし、必ず1点をとるというレオの執念を見せてもらいました。
まぁ、奴の性格から見ると、何も考えていないだけなんでしょうけど。
ただダイヤモンドをみんなの声援を後押しに走り抜ける気持ちよさ、レオの魂に刻まれたはずです。
1点ですが反撃の狼煙はあがりました。
続くレンが右中間に打った瞬間ホームランだとわかる打球をかっ飛ばします。
1打席目で引きつけすぎて、ライト線を越えてからボールデッド、本当はホームランの打球が、二塁打になってしまった。
同じ轍を踏まないことをちゃんとわかっています。今度は、引きつけすぎずに少し早めに押し込んだ。
こんな微調整ができるのはレンだけでしょうね。
レンの打ち方を見るとただ単に気持ちよく引っ張らずに、センター中心のティーバッティング、通称「横打ち」の効果がここで活きていると実感します。
今度はきっちりホームランとなりました。
この回、2点目。
ゲームの潮の目が変わりつつあります。
この機を逃してはいけません。
2番のコタローが、三遊間を破ってもう一回作り直します。ここで切らさないのがすごい。
ユウキはセカンドゴロで倒れますが、きっちりランナーをスコアリングポジションに送ります。
倒れても前のめり。
武田信玄に三方ヶ原で敗れた徳川家康の三河衆のような攻撃です。
ちなみに家康はこの味方の三河衆の必死の奮戦で戦死することなく落ち延びています。
その戦いの後に、信玄が敗者の徳川勢の死体が家康を守るために前のめりですべて死んでいたのをみて、家康はいい家臣に恵まれているとつぶやいたというエピソードがあります。
ユウキもなんとかしてランナーを次の塁に進める打ち方、右方向への強いゴロという意識をもってのぞんでいるのが、その構えとスイングからわかります。アウトになってもチームのためにやるべきことをやる。この献身がユウキなんです。この姿勢が家康の三河衆と重なります。
少しずつ坂下さんを追い詰めていく。
ペイもアウトコースに苦しみながらも三遊間を鋭く切り裂く強いゴロを放ちます。苦しんで、なんとか打った一打に、吠えます!
その間にコタローが帰ってきます。
3点目。
次の矢は、タイチ。タイチもアウトコースに悩まされて、追い込まれますが、なんとか長いリーチを活かしてセンター前に運びます。タイチも自分の役割の大きさ、ことの重要さをわかっているだけに、そのプレッシャーに押しつぶされそうになります。
いつもそこで自暴自棄になりがちですが、今回は冷静でした。
ブンブン振り回さず、ミートするとこに重点を置いたようです。その分振りがシャープになった。
こういうところなんです。
工夫というのは。
同じ失敗を繰り返すまいとするところに、進化はやってきます。
センター前に運びます。
コタローが帰って4点目。
さぁ俄然わいてきた高田イーグルスのベンチ。
あと1点で同点です。
冷静に状況を見てみます。
盗塁とミスがらみでタイチは三塁に。
一死三塁。
内野ゴロでも同点の場面です。ここはなんとしても追いついておかねばなりません。
バッターは最近身についてきた長打力を買われて6番に入ったマナト。
ここは長打力よりもミート力、ゴロが欲しい。
我々はマナトを信じます。頼む当ててくれの願いも通じず、三振で2死。
1点が限りなく遠い。
何か策はないのか?
何も思いつきません。
最後のバッターとなるユナ。追い詰められてはいつもパフォーマンスを発揮できません。
最後は坂下ヒーローズ、エースユウマの渾身のチェンジアップにユナのバットは空を切ります。
三振でゲームセット。
高田イーグルス、5:6で坂下ヒーローズさんの前に屈しました。
あーぁ、悔しい。
とにかく悔しい。
自分たちの力を発揮できなかったことが、悔しい。高田イーグルスに仕事をさせなかった坂下さんの強さが出た試合だったとおもいます。
試合中に起きたことは、どうやったって戻りません。ミスやファーボールは取り返しがつかない。
だから、そうならないように練習してますし、誰もミスやエラーをしようと思ってやってる奴はいません。
それは敵である坂下ヒーローズさんも同じ。
もう少しなんだけどなぁ、そのもう少しを引き出せないもどかしさ、自分に腹が立ちます。
押さえるべきところを押さえ、
守るべきところを守り、
打つべき時に打つ。
当たり前のことを当たり前にやることの難しさ。
あらためて感じました。
ボーダーラインをわずかでも越えたものを成功だとするならば、失敗はそこにわずかでも届かなかったもの。
失敗と成功はつながっているんだと思います。
何回も何回も失敗して、少しずつボーダーラインに近づいていく。
失敗は成功のもととはよく言ったものです。
分けてなどいないんです。
明と暗は表裏一体。
つながっている。
失敗しないと、成功はないんです。
今回も高田イーグルスは2回、負けました。
2回失敗している。
あいつら落ち込んでいるかなぁと思って様子を見ていました。
たしかに、決勝戦にいけないのは悔しい様子でした。
しかし、ところどころに笑顔がありました。
やるだけはやった。負けたことは負けた、その事実は覆らない。だったら、泣いているひまなどない。
すぐに立ち上がって前を見て進め!
彼らの笑顔にその気概が見えました。
特に、ユナが笑って、みんなといっしょにお弁当を食べていました。
ちょっと前までであれば、ひとりで、負けた悔しさで泣きじゃくってたはずです。
ユナのこころのプールも大きくなってきたということです。
ちょっとやそっとではへこたれない。
レンの厳しさ、
コタローのいい意味での適当さ、
タイチのつっこみやすさ、
ペイのパッション、
マナトの係長並みのしきり、
ユウキの汎用性、
レオのまっすぐさ、
そしてユナのおおらかさ。
八者八様の面白さがある。
野郎どもに混じって弁当を笑顔でほおばる、ユナに頼もしさを感じました。
強くなったな!ユナ!
これですよ。
これ。
何回負けてもいいんです。
何回失敗してもいい。
何回落ち込んでもいい。
そして、何回でも立ち直って、仲間と一緒に、またチャレンジする。
横一線になって、みんなで弁当を食べる六年生の後ろで私も弁当を食べていてそう思いました。
いいじゃないですか!
これこそが、今年の高田イーグルス。
何回でも立ち直ります!
陰と陽。
表と裏。
世の中は反対のように見えて、実はつながっている。
それを分かつものはなんなのか?
それを考えさせる一日となりました。
高田イーグルスの主催大会、第2回じげんカップ。
雨で中止も心配される中、なんとか開催することができました。
役員、保護者のみなさんの執念がなせるわざですね。
しかし、秋雨は寒い!寒い、寒い!
この寒さはコンディションにも間違いなく影響します。
そうして始まった、六チームを、二つに割ったリーグ戦。
高田イーグルスは初戦で坂下ヒーローズさんとあたりました。
キャプテン、レンは先攻を選びます。
彼の思いは、先制パンチをいれてチーム全体を勢いに乗せたいという思惑からでした。
それを自ら具現化するべく、先頭のレンが一塁線を切り裂きます。
そして、盗塁パスボールでわずか4球でホームに帰って、幸先良く、一点をもぎとります。
しかし、後続が続きません。
クリーンアップが連続三振。
いまいち勢いに乗れません。
高田イーグルスのポテンシャルならばもっと点数が欲しかった。
暗雲が少しやってくる。
そして、今日のユナの調子がよくありません。
おそらく寒さからくるものなのかな?
微妙なコントロールがききません。
ツーストライクと追い込みながらもファーボールを出してしまう。
それでも、チーム全員で防ぐ意識がありました。
常にランナーを得点圏に背負うプレッシャーがかかる状況。
こういうところのミスから一気に崩れていきます。
それを食い止めるのが、キャプテン、レン。
敗北の激流にくさびのごとく打ち込んで、チームを救います。
あの三遊間の強い打球を逆シングルでキャッチ、サードに送球でアウト。
あそこで抜ければホームランとなり、高田イーグルスの心臓を捧げていたでしょう。
チームの瓦解を防ぎました。
こういうところが、レン、なんです。
そのポジショニング、これしかないという角度のグローブさばき、そして大事なところでミスをしない。
レンがキャプテンである所以(ユエン)です。
それでも出血はとめられませんでした。
ノーヒットで二点を献上、逆転されてしまいます。
暗雲がまた少し。
さぁ、逆転だ!とのぞんだ2回の攻撃、ユナが自らのヒットで出塁します。
しかし、後続が続かない。
ユナ自身の走塁ミスもあって、押しているのに押しきれない、いやな展開。
ピッチャーとは、かなりメンタルに依存する種族です。自身の打撃や走塁が上手くいったか、いなかいかが、かなりピッチングに影響します。
いつもだったらすぐにアジャストできるコントロールに、ちょっとの狂いを生じさせてしまいます。スリーツーと追い込んでいるのに、最後に決めきれない。ユナ自身が1番そうでしょうが、チーム全体にも流れに乗れないフラストレーションがたまっていきます。
こういうのをいやな雰囲気というのでしょう。
そこにきて、天候の関係で時間が50分と短い。
実質3回くらいしか回ってきません。
上位打線の攻撃がよくて2回。
先に得点差を広げられてしまうと、焦りが生じてくる。しかも、先制パンチで引き離す作戦をとったので先攻。なおさら焦ります。
高田イーグルスにとっては全てがビハインド、不利な条件に陥る。
こうなると流れが向こうに行ってしまいます。
3回始まりの時点で1:6と負けています。
時間的にも打順的にも、ここで逆転するしかない。
となると、先頭バッターは必ず出塁しなくてはならない。
打順はラストバッターのレオから。
打率は低いものの長打力を買っての配置です。
バッターボックスに立つと頭が真っ白、全部吹っ飛ぶタイプ。余計なことをあれこれいうよりも、おもいきりいけと言うだけで十分です。
選球眼はあまりよくありません。そんなことは百も承知でここに置いているという監督の心意気。
ファーボールでの出塁は期待できません。
打つしかない!
ブンッと角度のあるアッパースイングですが、当たりません。
ツーストライクと追い込まれる。
頼む、頼む打ってくれ!久しぶりに祈りました。
カイジが祈るようになったら終わりだと言っていますが、この状況では祈らずにはいられません。
レオのフルスイング、追い込まれても迷いがないのがレオのいいところ。
パキーンとセンターの後方を襲います。
抜けろ!抜けろ!抜けろーと絶叫。
高い放物線なので、抜けはあまかった。
これは三塁打くらいか?
しかし、レオは二塁を回った時点で三塁を蹴ることを決めていたようです。
やめろー止まれーの声はレオには届かない。
暴走機関車と化したレオは本塁に突入します。
ボールは帰ってきていて、キャッチャーがタッチの体勢。
これはヤバイとレオも思ったはずです。
でも、どうしようもなかった。
スライディングを選択する余裕もなかったんでしょうが、ホームを駆け抜けます。
そこにタッチのミットが当たりました。
当たったというか、当たりに行った。
当たりに行ったというか、線路上にミットがあったけど走り抜けたと言ったほうがレオにはしっくりきます。
あぁタッチアウトかぁと思いきや、ミットからボールがこぼれます。
レオの勢いの勝ちです。
暴走と神走塁は紙一重ですが、これは完全な暴走です。
しかし、必ず1点をとるというレオの執念を見せてもらいました。
まぁ、奴の性格から見ると、何も考えていないだけなんでしょうけど。
ただダイヤモンドをみんなの声援を後押しに走り抜ける気持ちよさ、レオの魂に刻まれたはずです。
1点ですが反撃の狼煙はあがりました。
続くレンが右中間に打った瞬間ホームランだとわかる打球をかっ飛ばします。
1打席目で引きつけすぎて、ライト線を越えてからボールデッド、本当はホームランの打球が、二塁打になってしまった。
同じ轍を踏まないことをちゃんとわかっています。今度は、引きつけすぎずに少し早めに押し込んだ。
こんな微調整ができるのはレンだけでしょうね。
レンの打ち方を見るとただ単に気持ちよく引っ張らずに、センター中心のティーバッティング、通称「横打ち」の効果がここで活きていると実感します。
今度はきっちりホームランとなりました。
この回、2点目。
ゲームの潮の目が変わりつつあります。
この機を逃してはいけません。
2番のコタローが、三遊間を破ってもう一回作り直します。ここで切らさないのがすごい。
ユウキはセカンドゴロで倒れますが、きっちりランナーをスコアリングポジションに送ります。
倒れても前のめり。
武田信玄に三方ヶ原で敗れた徳川家康の三河衆のような攻撃です。
ちなみに家康はこの味方の三河衆の必死の奮戦で戦死することなく落ち延びています。
その戦いの後に、信玄が敗者の徳川勢の死体が家康を守るために前のめりですべて死んでいたのをみて、家康はいい家臣に恵まれているとつぶやいたというエピソードがあります。
ユウキもなんとかしてランナーを次の塁に進める打ち方、右方向への強いゴロという意識をもってのぞんでいるのが、その構えとスイングからわかります。アウトになってもチームのためにやるべきことをやる。この献身がユウキなんです。この姿勢が家康の三河衆と重なります。
少しずつ坂下さんを追い詰めていく。
ペイもアウトコースに苦しみながらも三遊間を鋭く切り裂く強いゴロを放ちます。苦しんで、なんとか打った一打に、吠えます!
その間にコタローが帰ってきます。
3点目。
次の矢は、タイチ。タイチもアウトコースに悩まされて、追い込まれますが、なんとか長いリーチを活かしてセンター前に運びます。タイチも自分の役割の大きさ、ことの重要さをわかっているだけに、そのプレッシャーに押しつぶされそうになります。
いつもそこで自暴自棄になりがちですが、今回は冷静でした。
ブンブン振り回さず、ミートするとこに重点を置いたようです。その分振りがシャープになった。
こういうところなんです。
工夫というのは。
同じ失敗を繰り返すまいとするところに、進化はやってきます。
センター前に運びます。
コタローが帰って4点目。
さぁ俄然わいてきた高田イーグルスのベンチ。
あと1点で同点です。
冷静に状況を見てみます。
盗塁とミスがらみでタイチは三塁に。
一死三塁。
内野ゴロでも同点の場面です。ここはなんとしても追いついておかねばなりません。
バッターは最近身についてきた長打力を買われて6番に入ったマナト。
ここは長打力よりもミート力、ゴロが欲しい。
我々はマナトを信じます。頼む当ててくれの願いも通じず、三振で2死。
1点が限りなく遠い。
何か策はないのか?
何も思いつきません。
最後のバッターとなるユナ。追い詰められてはいつもパフォーマンスを発揮できません。
最後は坂下ヒーローズ、エースユウマの渾身のチェンジアップにユナのバットは空を切ります。
三振でゲームセット。
高田イーグルス、5:6で坂下ヒーローズさんの前に屈しました。
あーぁ、悔しい。
とにかく悔しい。
自分たちの力を発揮できなかったことが、悔しい。高田イーグルスに仕事をさせなかった坂下さんの強さが出た試合だったとおもいます。
試合中に起きたことは、どうやったって戻りません。ミスやファーボールは取り返しがつかない。
だから、そうならないように練習してますし、誰もミスやエラーをしようと思ってやってる奴はいません。
それは敵である坂下ヒーローズさんも同じ。
もう少しなんだけどなぁ、そのもう少しを引き出せないもどかしさ、自分に腹が立ちます。
押さえるべきところを押さえ、
守るべきところを守り、
打つべき時に打つ。
当たり前のことを当たり前にやることの難しさ。
あらためて感じました。
ボーダーラインをわずかでも越えたものを成功だとするならば、失敗はそこにわずかでも届かなかったもの。
失敗と成功はつながっているんだと思います。
何回も何回も失敗して、少しずつボーダーラインに近づいていく。
失敗は成功のもととはよく言ったものです。
分けてなどいないんです。
明と暗は表裏一体。
つながっている。
失敗しないと、成功はないんです。
今回も高田イーグルスは2回、負けました。
2回失敗している。
あいつら落ち込んでいるかなぁと思って様子を見ていました。
たしかに、決勝戦にいけないのは悔しい様子でした。
しかし、ところどころに笑顔がありました。
やるだけはやった。負けたことは負けた、その事実は覆らない。だったら、泣いているひまなどない。
すぐに立ち上がって前を見て進め!
彼らの笑顔にその気概が見えました。
特に、ユナが笑って、みんなといっしょにお弁当を食べていました。
ちょっと前までであれば、ひとりで、負けた悔しさで泣きじゃくってたはずです。
ユナのこころのプールも大きくなってきたということです。
ちょっとやそっとではへこたれない。
レンの厳しさ、
コタローのいい意味での適当さ、
タイチのつっこみやすさ、
ペイのパッション、
マナトの係長並みのしきり、
ユウキの汎用性、
レオのまっすぐさ、
そしてユナのおおらかさ。
八者八様の面白さがある。
野郎どもに混じって弁当を笑顔でほおばる、ユナに頼もしさを感じました。
強くなったな!ユナ!
これですよ。
これ。
何回負けてもいいんです。
何回失敗してもいい。
何回落ち込んでもいい。
そして、何回でも立ち直って、仲間と一緒に、またチャレンジする。
横一線になって、みんなで弁当を食べる六年生の後ろで私も弁当を食べていてそう思いました。
いいじゃないですか!
これこそが、今年の高田イーグルス。
何回でも立ち直ります!
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