忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

美里親善大会、美里イーグルスは決勝にすすむことができませんでした。
ファイナルは、湯川さん対高田スポ少となりました。
たのむ、俺たちのかたきをとってくれ!
これも1点を争う投手戦になるだろうと予測されていましたが、そうではなかった。
高田さん初回にいきなり2点?3点?をもぎ取りました。
そのうちの2点はユズキのタイムリーです。
美里イーグルスがあんなにも打ちあぐねていた湯川さんのエースから、結構みんなバカパカ打っている。
ん?なんだどうした?なんでこんなに高田は打つんだ?俺たちが弱らせておいたからか?えーずるい!
序盤にリードを奪います。
高田イーグルスのもう片方、高田スポ少もやはり強い。全体的な守備力、打撃力は美里イーグルスよりもバランスがとれています。
このリードと高田の女傑エース、ハレルの今日のできならばいけるという算段がたちました。
しかし、そうさせないのが老獪な監督の湯川さん。
ワンチャンスをものにして終盤で追いつきました。
追いつかれるまでにチャンスを作りながらもうひと押しできなかったことが、湯川さんに勢いを与えてしまった。
高田の大橋監督もそれをわかっていながら、追いつかれる。まさに老獪です。
大会規定により無死二塁からのタイブレークとなりました。
細かいところは覚えていませんが、先攻の湯川が1点をもぎ取りました。
そして迎える裏攻めの高田スポ少の攻撃。
一点差で裏攻めは断然有利です。
ランナーは俊足1番ユキノブ、むしそこから、ユズキ、ダイ、オオタケ、ヒカリ、ハレルと高田スポ少が誇る6年生が名を連ねます。

細かいところは忘れました。
おそらく湯川のエースもここはふんぱりどころということをわかっています。
全身全霊での全力投球。
立ちはだかる強敵を前に、いけいけの高田スポ少の勢いがそがれていきます。
矢は三本。
1本が折れ、2本目も的を貫くことはできなかった。矢はあと1本。
二死。
お互いが背水の陣。
どちらも後がありません。

ここで、高田スポ少の主砲、オオタケさん。
彼ならば打ってくれるという信頼感。
ケンタほどには強くありませんが、高田スポ少ではトップクラスに打力、その信頼感はあるタイプです。
あの舘岩戦で見せたセンターオーバーのホームランが思い出されます。
彼ならばやってくれる!
彼ならば、世界を救ってくれる!
その期待がオオタケさんをつつみこみます。
そのオーラに押されたのか?
湯川ベンチ、これはヤバいぞという空気を読み取った。
このあたりのベンチワークが老獪で巧みです。
オオタケさんを申告敬遠。

5番に置いたヒカリとの勝負を選びました。
ここで打てばヒーローならぬヒロインです。
昨年の総体で美里イーグルスは五年生のヒカリに手痛いホームランを打たれています。
アウトコースを右に持っていく技術とパワーは高田スポ少の中でも随一だと見ています。
この打線の中であればユキノブの次に可能性があるバッターだと私は思います。
ただこの状況、打たなければならないと思うか?ヤッター私にチャンスが来た!と思うか?
彼女はどちらのタイプでしょうか?
おそらく前者。
ボルテージはお互いにマックス。
どちらも緊張していることでしょう。

マウンドに君臨する仁王立ちのエース。
一歩も引く気配はありません。 

敬遠をされた時に、大橋監督はヒカリに声をかけました。
あの人の性格ならば、おそらく「思い切りいけ!」。
私でもそう言います。細かい指示など不要。
みんなの思いを背負ってバッターボックスにたつヒカリ。
こんなにも大勢の人の思いを受けて、声援を受けてプレーできる選手たちは幸せだと思います。
ゲームではないリアル。
やり直しがきかないから、その瞬間にココロを燃やすしかないんです。だからこそ、その一瞬が光り輝く。

チャンスは準備された心に降り立つ。
こないかもしれないけど、来るかもしれないチャンス。
そのために着々と準備をしてきたか?を問われます。
この瞬間のためにいままで苦しい練習を仲間と一緒に耐えてきた。
全てはこの瞬間のために。
ヒカリ、がんばれ!

ありふれた言葉ではありますが、こういう時は、「がんばれ!」が1番しっくりきます。
そして、勝て!

それは湯川のエースも同じ。
チームメイト、指導者、家族も我々と同じように
彼に勝って欲しいと思っているはずです。
そんな正義と正義の戦いを制したのは、湯川さんのエース。
懸命に食らいつくヒカリを三振に切って取りました。
全身全霊のフルスイングの上をボールは駆け抜けていった。
ゲームセット。
お互いの死力を尽くした戦いは終わりました。
湯川さんは、完全アウェイの中、新鶴スポ少、美里イーグルス、高田スポ少を倒しての優勝。
その試合巧者ぶり、気力の充実には参りました。

三振してベンチに帰ってくるヒカリ。
泣きじゃくるヒカリを支えるハレル。
彼女の流した涙。
なんとけがれのない涙。
負けた自分、期待に応えられなかった自分、かっこ悪い自分、ただ悔しい。
こういう本気の涙、一生に何回流せることでしょうか?
失敗して、負けて、無様になっていいんです。
なんて自分はできない人間なんだと思い知らされる。
こういう想いを知っている人間は、打たれ強く、人に優しくなれると思います。
失敗したみじめさを知っている。
そんな人をさらに叩く人にはならないはずです。
今回、ヒカリは負けました。
そしてチームも負けた。
ヒカリの涙。
その苦労と努力を知っているだけに、多くの大人をもらい泣きさせたことでしょう。
泣いていい、ヒカリもみんなも。

ただ、大事なのはここから、泣くだけ泣いたら、次はどうやればいいかを考える。
あの時こうしていれば、ああしていれば、どうなったか?
弱さを知ることで見えてくる強さ。
ここにつながっていくんです。
チームスポーツのいいところは、そんなくじけそうな時に横を見れば仲間がいてくれること。
太古の昔から、群れでマンモスと戦ってきた。
ピンチの時ほど、集団で、チームで、生きてきた人間のありがたさを知ることはないでしょう。
あなたがいてくれるから、その壁を乗り越えていける!
あんだけ泣き崩れたヒカリを支えてくれるハレル。隣にいてくれることの心強さ。
仲間がいる限り、支えてくれる家族がいる限り、
大丈夫、人は何回でもやり直せます。

涙のヒカリは、晴れる。希望のヒカリへ。
どんなにみんなが疲れていても、最後まで用具を片付け、落ちているボールを拾う。
その心遣い、あんだけ高田イーグルスを支えてきたふたりがこのまま終わっていいはずがない。
明日、高田イーグルス最後の戦いです!




PR
≪  1055  1053  1050  1047  1043  1039  1038  1033  1031  1030  1028  ≫
HOME
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
プロフィール
HN:
高田イーグルスコーチ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]