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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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長年ソフトボールのピッチャーとして第一線で活躍されたピッチャーの方と話す機会がありました。
その中での一言。
「一番嫌なバッターは、スラッガーでも、好打者でもなく、「見る」バッターです。」
ここでいう見るとは、選球眼のことです。
ボールを見極める目をもったバッター。
それを聞いて私は、ピンときてケンタを思い出しました。
確固たる自分のストライクゾーンをもったバッター。
わずかボール一個、いや半個のずれを彼は見極めます。
どんなにスピードが速い剛速球ピッチャーであっても、自分がボールだと思った球には決して手を出さない。
私は、一種彼なりの「間」があるのだと思っています。
それは私が主審を務めている時によくわかります。
ギリギリのところを攻めてくるピッチャー。
アウトコースのぎりぎりのボールから入って、だんだんと少しずつ内側に勝負してくる。
ストライクゾーンに入るとみるや、ケンタは反応します。
ヒットとしてとらえられないボールはカット気味に、とらえられるボールはミートしにいく。
一瞬の判断は、すでに小学生離れしているといっていい。
みんなはパワーに目が行きがちですが、ケンタの打力の安定性は、この見極め、選球眼にあるといっていい。

これはよく働く場面もありますが、悪く働く場合もあります。
審判も人間なので完全とはいえません。
ゾーンがあやふやで、前回ボールといったコースがストラクトなる場面も多々ある。
ケンタは自分のストライクゾーンを確立してはいますが、審判によってそれをずらすところまではいっていません。
よって、審判の癖、傾向にアジャストするところまではいっていない。
外角を広くとる審判に対しても、自信をもって見送ったボールが、ストライクになる、そんな場面を幾度となく見てきました。
いったん自分がその判定をやられるまでは対応できない。
そこが自分のストライクゾーンを確立しているケンタの弱さでもある。

ただ、高いレベルの審判と当たった場合、外角数ミリの違いを見極める審判に会った場合には無類の強さを発揮します。
その数ミリのコースに出し入れして勝負してくる相手エースにとってはやっかいな存在になるでしょう。
ケンタにはそれが見えているのですから。
だから奴は、どんな時でも自信をもって見逃します。
これは俺の求めている球ではない。
さぁ次はどんな球でくるんだい?俺には見えている!
彼の選球眼はそう言っています。
ピッチャーとバッターの無言の会話。
聖闘士星矢、乙女座バルゴのシャカのような目。
見てくるバッターは嫌だ。
冒頭の凄腕のピッチャーから見れば、すべてを見透かされたような目で見られることが一番嫌だということでしょう。

今日の会津選抜の練習でも、ファーストストライク、甘く入ったストライクをあえて見逃しました。
なんで甘いファーストストライクを打たないんだと私が問います。
あえて見逃したというケンタ。
その打席は、チェンジアップに手を出してアウト。
しかし、次の打席で甘く入ったコースを見逃さず長打を打つ。
すぐに修正する、できる。この辺りは、やはりケンタの「間」があるということを感じました。
ただ奴はまだまだ本気にはなっていません。
打席に立ったその瞬間だけ本気を出しているにすぎません。
どこかでいつも本気になっていない。特に走り系。
がむしゃら、根性、気合には一定の距離を置く。
練習の虫ではない。それはそれでいいのかもしれません。
しかし、最後はハイキュー!!の月島のようになって欲しい。
彼が本気で練習し、本気でなにかをやろうとしたとき、開ける未来があるでしょう。
未来を見据える目。
去年のテンカイにもいいましたが、情熱の炎は赤いだけではない、青い炎のほうが温度は高い。
ケンタの目には、どんな色の炎が宿るのか?
それも楽しみです。
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