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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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フルボッコでした。0:7の時間切れで完敗でした。
県大会3位の下郷ジュニアさんを相手に、のぞんだ二回戦。
完全なる力負け。
すべてのステータスがこちらを上回っていることが、試合の流れ、得点差に表れています。
そうであっても、最初から試合を捨てていたわけではありません。
強敵相手に、今の高田イーグルスがどれだけ通用するかをチャレンジしていくこと。
そして、どんなに点差を広げられようが、最後まで自分たちのプレーができるかどうか?
途中で、心が折れて戦意喪失のサンドバッグになるかもしれません。
しかし、どんな状況においても最後までベストを尽くすことができるか?
ここにかかってくると思ってました。
 
正直、今の段階で勝つのは難しい。今は勝てなくてもいいと思ってました。
しかし、この先、何回もこういうチームとは会敵するはずです。
そして、こういうチームを乗り越えなくては、その先にはいけない。
自分たちよりも強いチームを前にして、どんな心の持ち方、準備で臨むのか?
その練習にもなる。
この戦いから多くの物を持って帰ろうと心に決めていました。

高田イーグルスは先攻。
強者が後攻をとるのはセオリー通りですが、弱いと思われている者が、強者に勝つためには先攻しかないと私は思ってます。
相手のペースにさせない。
自分たちのペースに持ち込むには、先手をとって、立ち上がりに一発いれるしかない。
古今の野球マンガでも、そうでしょう。
私が高校の時の愛読書、『やったろうじゃん!!』もそうでした。
強敵を相手に、先攻で仕掛けて、1番打てる順番に並べて、初回に奇襲。
この時代、1番打てる奴は4番がセオリーでした。
しかし、作者の原先生は1番に置く打順。
こういう攻め方もあるのかと、感心したものです。

先攻をとったのはいいんですが、相手の防御力の前に、我々の矢じりが刺さらず、全く歯が立ちません。
傷さえつけられない。
結果から言えば、ノーヒットに抑えられます。
三振と凡打の山。
県大会クラスというのは、こういうピッチャーがゴロゴロいる海千山千。
まずは今の自分たちのチカラを知ることからはじめましょう。
そして、初回からミソラは捕まります。
先頭バッターは抑えますが、芯をとらえられているアタリが連続します。
打球が鋭い。討ち取っていても、抜けてしまいます。
我々は、この鋭さには慣れていない。
バッテリーもコースをつきますが、甘く入るとたちまち捉えられ、コースを突きすぎるとカウントを悪くするというジレンマ。
そこにきて、主審が狭いとストライクゾーンも狭くなり、バッターに有利に働きます。
ミソラはまだ、剛球のレベルにはいっていません。
県大会の歴戦を戦ってきた下郷さんからみれば、
「ん~!いいピッチャーだね!でも、打てる!」
くらいのレベルでしょうか?
ミソラトウマのバッテリーが、今の時点の持てる能力、技術をフルに使っても、どうしても打たれてしまいます。
しかし、私は観察してました。
この地獄のような不利な状況で、この二人がどう対処して、どのように、心の持ち方を整理していくのかを。

最初は、打たれて、がっかりしているようでして。
ミソラがうつむき、テンポが速くなり、顔が紅潮していました。

「私の球が通用しない……」
明らかな動揺がみてとれました。
しかし、人間は悪いながらに慣れるもんですね。
打たれまくると、耐性が出てくるようです。
私が待っていたのは、この「耐性」です。
最初は、あーもぅ!やだ!だったのが、だんだん、あー打たれた、まぁ仕方ないや、に変わってきていました。
試合の勝ち負けは有るとしても、部分部分、小分けにして、バッターとの対戦を楽しむ余裕まで、いってくれればいいなぁとさえ、思っていました。
強打者を恐れるのではなく、どうやったら倒せるかの課程を楽しむ。

私も中学時代はピッチャーでした。
球が遅くて、よく打たれました。
ただ、コントロールには自信がありました。
自分の持ってる武器で、どうやって相手を倒すか?
試合がコールド負けに近くなろうと、そこは切り替えて、バッターとの対戦を楽しみました。
さっき打たれた、こいつだけは、絶対に打たせない!
メンタルの切り替えは、そこで学んだのかもしれません。
ただ、ミソラもトウマもまだ小学生、勝ち負けにものすごくこだわる年代でしょう。
特にピッチャーとは、そういう生き物だと思います。
ミソラも、負けず嫌いの塊のような存在です。
それが、態度と言葉に出てきてしまう。
言葉はナイフと同じです。
そして、発した以上は取り返せません。
ピッチャーは感情の生き物だとすれば、キャッチャーは理性の生き物なのかもしれません。
何気なく、発した言葉がトウマの心を何度もえぐってきたことを私たちは知っています。
トウマもじっと耐えている。
耐えているというか、反論する材料と、言葉をまだ持っていないというところでしょう。
もっと反抗していいのにと何度思ったことか。
反論していいんだぞと何回か確認しました。
だが、彼はそうしなかった。
トウマがミソラと同じタイプであったなら、このバッテリーはとうに空中分解していたと思います。

そういう場面、過去に何回も見てきています。
どんなバッテリーも必ずぶつかる時があります。
昨年のユナとシュンペイ、ユウゴとユウト、レントとユウキ、タカヤとマナトとマナヤ、ダイトとヒカリ、コウダイとタイキ、彼らもどっかで、ぶつかっていました。 
そりぁ当然です。
人が二人、いるんですから、ぶつかって当たり前。
でも、大事なのはその後、そこから、そのバッテリーがどうなりたいか、それを二人で共有できるか、どうかです。
それは、やはり、言いたいことを言い合える、ぶつかってからこそ、お互いが研磨されると思うんです。まさに切磋琢磨。
ひとつとひとつのベクトルが、合わさって、より太く、強い矢印となる。
その瞬間も見てきました。
そうなると、自分ひとりでは、倒せないレベルの相手も倒せるようになってきます。
これが分かると、また強くなる。
ミソラとトウマも、このレベルにまで、到達して欲しいと思ってます。

トウマも今は勉強の時です。
どうやったら、このじゃじゃ馬を乗りこなして、凱旋門賞をとるか、ぐらいを考えなくてはいけません。
しかし、今の高田イーグルスはそこまでいっていません。
ミソラもどうにかして、チームのために抑えたいという気持ちが前面に出ているだけなんです。
それがどうしても、強くなるときがあります。
ハタからみれば、責めているように見えますが、これはこれで二人のバッテリーのコミュニケーションのひとつなのかもしれません。

トウマの耐える性格、おおらかさが、このバッテリーを長生きさせ、高田イーグルスを救っていると私は分析しています。

ただ、トウマにも限界はあります。
あまりにも強い言葉を受け止めきれない時もこの先来るだろうとも予想しています。
なんとかしなくてはいけないなと、常々思っていました。
ミソラにも、こんなにいいキャッチャーは県内を探してもなかなかいないぞ、と諭しますが、トウマの貴重さにまだ気づいていない様子。
お互いがお互いの良さと悪さを認め合ったとき、このバッテリーには、さらなる飛躍が待っていると私は思います。
それは高田イーグルスの飛躍にもつながっています。
そして、状況は変わりつつあります。
この後にも書きますが、この連休の2つの大会で、強豪チームと何回か対戦しました。
そして、いままでのやり方では通用しないということと、新しいやり方でやれば通用するということが分かりました。
バッテリーとしても、チームとしてもそれを実感できたと私は思っています。
チームに変革の時が訪れようとしています。
この2日間で、高田イーグルスは見違えるように強くなったと思います。

これは、強い敵と対戦して、ぼろ負けしなければ、気づけなかったことです。

こういう、負け方がいい負け方だと思ってきました。
負けるとしても、次に繋がる負け。
いい所は吸収し、悪くても悪いながらに、何かを持って帰り、次に活かす。 

強くなるというのは、その積み重ね。

それを今後も続けていきます!





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