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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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今日は子供たちの夏の甲子園、白獅子会津予選の1日目でした。
結果はと言うと、見事、盟友新鶴さんを破って1回戦突破!
終わってみれば、10:2の五回コールド勝ちという快勝でした。

相手のエラーにも助けられましたが、狙ってやったことが、ことごとく上手くいく、という会心の展開。
私たちの意図が伝わり、選手たちが実行し、上手くいくことで、自信をつける。
そして、さらに上手くいくことを狙うという、理想的な展開となりました。

まずは、たちあがり。
ここをいかに無難にたちあがるか?
これって大事です。
ここができなくて、負けていった多くのチームを見てきました。
「0(ゼロ)」抑えて、当たり前なんです。
ゼロに抑えることで、試合の流れを簡単に相手に渡すことはありません。

ゼロに抑えるためには、最初のワンナウト、
最初のワンナウトを取るためには、そのバッターに対する初球が大事になってきます。

今日の先発のミソラ、初球はボールでした。
その次もボール。
ん?どうした?このバッターを出すとやばいぞ。
3球目はストライク。
ファール。
決めに来たアウトコースはボール。
フルカウント。
まず、一等最初のヤマ場がやってきます。
ここを抑えるか!抑えないかで、今後の展開が変わる予感がします。
こういう小さいヤマ場をいかにしてとっていくか、ここにソフトボール、野球というチームスポーツの戦術的な面白さがあると私は思っています。
渾身の一球、空振りを誘いますが、キャッチャー、トウマもパスボール。
完全にセーフのタイミングですが、一塁にスロー。
投げてみるもんですね!ファースト、カナトがきっちり取ったときは、ランナーは飛び出しています。
すわ、ランダウンか?と思いましたが、カナトの選択はハンティング。1番バッターなので、足は速いと思いましたが、懸命に追いかけるカナト。
最後はダイビングタッチ、それでもファーストミットに収まったボールはこぼれませんでした。
私はちゃんとタッチしたところが見えませんでしたが、二塁審判がきっちり見ていて、タッチアウト。
この時のみんなの動きを見ていました。
ランダウンになりそうだとみるや、その体系が取れていました。
ランダウンになっても大丈夫だった。
しかし、この場面、先頭バッターを出しては駄目な場面で、カナトの懸命なタッチ。
その裏には、トウマの早いリカバリー、ミソラのスリーボールからの粘りがありました。
このワンナウトに、何人も絡んでいる。
これこそが、ソフトボールというチームスポーツ。
まずは、相手の出鼻をなんとか挫いた。
それも、キャプテンであるカナトの泥臭いプレーで!
決してかっこ良くありません。
しかし、カナトの一生懸命さが、みんなの笑顔を呼び込みます。
まぁ、一番の笑顔はカナトですが。
このプレー、立ち上がりに不安のあるミソラにとって、大きな援護となりました。
後続をきっちり切って、三人で新鶴さんをシャットアウトします、
当初の目的どおり、先頭バッターを討ちとって、ゼロに抑えた。しかも、三人で。
試合前の自分たちへの暗示として、「初回をゼロに抑えたら65%勝利に近づく!」と言っておきました。
ソウスケが、「よし、65%きたぞ!」みたいなニュアンスを声に出す。
しめしめ、これで自信と勢いに乗ってくれればいいなと私は顎をさすります。
達成可能な、少し難しい明確な目標をチームとして意識させ、クリアすることで、勢いに乗せる。
俺たちは、できる!と思わせることに成功しました。

その効果は、すぐ裏の攻撃に表れます。
今日のリードオフマンは、ユウシン。
負けん気の強さとクレバーさを買っての起用です。
相手エースのコントロールが定まりません。
ここは作戦、じっくりいこうぜ!
ボールに手を出さないユウシン、奴はわかっています。
ファーボール。

さぁ、初回にノーアウトのランナーが出ました。
ここはなんとしても先制したいところ。
ここでも、またヤマ場がきます。
ここで、先制すれば、65%が70%まであがります。
まずは、ユウシンをスコアリングポジションに置く作戦。
大事にバントを選択しますが、ファール。
んー、どうすんべ?
アオトは三振はしない、となるとリスクはあっても盗塁で仕掛けます。
ワイルドピッチもあって、ユウシンは二塁へ。
よし、スコアリングポジション!
守備位置をみて、仕掛けます。
そうすると、運良くエンドランの形になりました。サードへのゴロ。
ユウシンはサードコーチャーの指示で三塁を蹴ってバックホームへ。セーフ。
いい走塁!
貴重な先制点をもぎ取りました。しかも、たった二人で。
ノーヒットで1点、スモールベースボール。
練習してきた事が、活きています。
また、ヤマ場を取った。
ランナー無しになりますが、後続も続きます。
流れを切らない。
三振はしない、なんとかバットに当てるので、相手のエラーを誘います。
このあたりのしぶとさも、みんなでやってきた成果。
この序盤の1回で完全に高田イーグルスが主導権を握りました。
試合の流れを決める分岐点で、ことごとく上手くいっている。
その分岐点を抑えることが勝利に繋がります。
点差に余裕があるとこで、心理的な余裕も生まれます。
声もでる。
余裕があるので、準備もはかいく。
あぶないところでは、随所でいいプレーがでる。
この試合の流れを持ってきたのは、キャプテン、カナトです。
豪快なトンネルをしたものの、その後に三度もチームのピンチを救う逆シングル。
セオリーどおりの捕り方ではありません。
本来であれば正面に入って大事にいくところ、しかし、まだその域に達していないということですが、カナトも必死。
自分ができるかぎりのプレー、それが逆シングルという形になりました。
いつもであれば、捕れなくて抜けてしまって、泣きそうになるあの光景。
しかし今回は違いました。我々と一緒に準備をしてきました。
あのグローブなしの連続捕球練習。常に、突っ立つな、頭を低く、膝に余裕のアドバイスの滝、これが活きています。
カナトがいままで、捕れなかった大きな原因、上体の高さ、ここを改善する練習をしてきました。
捕れない要因はいくつかあるんですが、そのひとつに上体の高さがあります。
ほかにも、スタートが遅い=打力、スウイング、コースによって予測していない、正面に入らない、ゴロへのタイミングが合っていない、などです。得てしてこれは、ゴロが捕れない全ての選手たちに言えることです。
その中でもカナトは、捕球体勢が高い、膝に余裕がないの代表格でした。
これまでも試合で何回もやっています。
そして、泣く。いじける。泣く。
心のダムの浅さを露呈してきました。
しかし、今回は違う。対策を練ってきました。
そこにきて、この大事な場面で、そのプレーが炸裂する。
えっ?!逆シングルかい!と思いましたが、ゴロに入るタイミング、低い捕球姿勢、膝の余裕、これは絶対必要だというポイントを抑えていました。
だからこそのあの逆シングル。
あれが、抜けていれば、ファースト線なのでライトのキヒトが追いつけない可能性がありました。
となると、ホームランになったかもしれない。
そういう場面が3回あった。それを全てアウトにした。
いままで何回も失敗して、自信喪失してきたカナトにとって、大いなる自信を獲得したことでしょう。
満面の笑顔、まわりの仲間からも笑顔で讃えられます。
そう、これなんです。
自分がチームに貢献しているという自信。
それは、大人になっても、会社や組織、家族、社会や世界に貢献していると思えること、それが「自分の居場所」づくりに繋がっていきます。
自分が必要とされていると思えること。
自分の存在を認められること。
その練習をスポ少でしているんです。
良くやったとハイタッチしたり、褒め称えて背中を叩いたり、ハグをしたり、相手がいてくれてこそ、物理的に自分もいると分かります。
だからこそ、家族って大事なんですよね。
人は他人によってこそ、自分の存在に気づく。
最近、つくづく思います。
話が大きくなりました。

カナト、彼にとって大きな課題を乗り越えました。
人を育てるのは自信です。
できなかったことが、できるようになる。
俺は大丈夫だと思えること。
お前なら大丈夫だと、チームが思うこと。
これほど、人を強くすることがあるでしょうか?
笑顔でベンチに戻ってくるカナトの顔は、確かにたくましくなっていました。
私の涙腺を北斗百烈拳、うるうるきてしまいます。
試合中なのに、このヤロー、泣かせんじゃ……
ふと福田コーチをみると、彼も同じようにウルウルきてました。
彼らの成長にはいつも驚かされます。

そして、私は思います。
カナトの中で、「楽しさの質」が変わっているであろうことを。
彼が言っていた楽しさ。
リスクのない単なる「あ~楽しい」、から、
「努力してギリギリの窮地を克服していく楽しさ」に、
そして苦労して、やっとこさ、手に入れる成功、成長していると思えることが実は楽しい。
一歩上の楽しさに変わってくれることを、私は期待します。
それこそ、ソフトボールの、野球の、スポーツの真髄に近づくとこと。
それは、はじめてちゃんとしたインパクトでとらえたキヒトにも言えることです。
できなかったことが、できる。
これほど、彼らの世界が変わることはないでしょう。
そしてそれは、保護者にも指導者にも、その先の世界を見てみたいと思わせる。
だからこそ、チームとしてがんばれます!

高田イーグルス、白獅子会津予選、1回戦突破です!

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