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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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私が思うスポ少の存在理由の大きなひとつ。
それは「自分の居場所の開拓」だと思っています。
スポ少に限らず、人が生きていくということは、この居場所を探し続ける旅なのかもしれませんね。
俺が、私が、自分がいていいんだと思える場所。

小さい頃は、両親や家族がその場所を作ってくれます。
しかし、保育園にいって、学校へいくと、たくさんの人がいて、社会という大きな場所にいやがおうでも放り込まれる。
右も左もわからず、どうしていいかもわからない。
そんな中で先生や友達から少しずつ、自分の居場所を探したり、築いていくことをいろんな場所で繰り返していく。
スポ少もそういう場所です。
しかも、自分の中で初めてぶち当たるであろう壁、勝負もからむ厳しめの世界。
始める前から、身体能力で差がある。
チャンスも平等にはもらえない。
一生懸命にやっても報われない時もある。楽しいばかりではない。
子供のころの経験からいっても、スポーツの世界は厳しいと思います。
スポ少でソフトボールをやるということはそういう世界に身を置くこと。
自分に何ができて、何ができないのかを知る。
チームとしてその時に、何を求めているかを考え、その状況で自分が何をしなければならないかを考え、周りの選手も見ながら、絶好のタイミングで行動に移す。
結果、うまくいけば周りにも認められる。
いいぞ、すこいぞ、よくやったと褒められる。
それによって自分の存在意義も見出していく。
俺はやれる!ここでやれる!というその子の自信につながります。

残念なことに、そこに100%の答えというものはありません。
なぜなら、求める答えは人それぞれ違うから。
多くの人が思うような、ある程度のところはあるでしょうが、全員が全員そうとは限らない。
多様性と個性が認められる現代であればなおのことです。

それをソフトボールスポーツ少年団という世界にあてはめてみる。
たくさんヒットが打てるバッター、ファインプレー連発の野手。
バンバン三振を取りまくるエースピッチャー、強肩でランナーを刺しまくるキャッチャー。
二盗三盗を決めまくる俊足。
大事なところで確実にバントを決める犠打のスペシャリスト。
いろんな個性があっていいと思います。
そして自分を見つめなおしてみる。
チームのために自分に何ができるかを探す。自分に何が求められているかを考える。
そこに自分のやりたいこと、自分の得意なことを重ねてみる。
自分の進むべき道がかすかに見えるてくると思います。

みんながみんなエースで4番になる必要はありません。
常に打ちまくってコールドゲームにすることはないんです。
大事なのは試合が終わった時に相手よりも1点だけ多くとっていればいい。
それができる確率が高いのはバランスの取れたチーム、状況によって変化できるチームだと私は思っています。
よくを言えば、どこか一点で特化している。そこが欲しい。
そのためには、全員がスラッガーではだめです。バント職人でもだめ。
いろんな個性が集まる多様性のあるメンバーがいい。

その意味で、今年の高田イーグスルは、バランスのとれたメンバーで、かつそれぞれ特化した特徴をもっている選手の集団でした。
出塁率と安定感抜群の1,2番、ユキノブ、ダイ。
それらを返すクリーンナップのケンタ、ユウゴ、ユウト。
残存を掃討し、打線が切れれば修復する役目を担う、ソウゴ、ヒカリ、ハレル。
上位につなげたり、ランナーを進めたりなんでもできるサポート役のユズキ、ユリア。
ひとりひとりの点を打線にしていくメンバー個性と、流れ。
それを大橋監督もよくわかっていました。
彼らの個性を生かした打順、チームに必要な打順に組み込んだ。
それが機能した時は無類の強さを発揮すると我々も思っていました。
それができた試合と、できなかった試合があります。
抑えこまれた試合はがまんしてがまんして、大幅に崩れないようにこころがけました。
あの下郷江川杯決勝のような試合。
本当はそういう神経を削り取るような試合をもっも経験させてやりたかった。
死線をくぐり抜けるようなゾクゾクする試合。
そういう試合をたくさん見たかった。
そして、強い彼らをさらに鍛え上げていく。
名刀をつくりあげる鍛冶職人のような心境に我々はなっていたと思います。
もっともっと納得のいくまで鍛え続けたかった。
それも、もはやかなわず。
彼らにとっての居場所がみつかったかどうか……


彼らは彼らの新しい道を歩み始めました。
そして我々もまた新しい道が見えてきた。
ここらが、彼らと我々の潮時でしょう。
一緒の船団であった彼らが我々と離れていく。
いままで何回も何回も見てきた景色。
彼らの船出を祝うこととしましよう。
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