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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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ダイ・ハードという映画があります。
ブルースウィルス主演のアクション映画で、「なかなか死なないやつ」という意味です。
世の中が浮かれているクリスマスの夜にテロリストに襲われるタフな警官のジョンマクレーン。
ベレッタM92Fをかりながら、ばったばったと敵を倒していく姿、みんな真似をしていました。
ビバリーヒルズコップのエディマーフィーと同じく、笑い方に癖がある。
アメリカ人特有の大げさな笑い方。
アーハッハハ、ハッハハッハーと全身で表現する。けんちゃんあたりがいう、まったくつまらないギャグに対してよく使ってました。
「まったく、今日はついてねぇぜ!」と訳もなく、誰にいうでもなく悪態をつく。
そうはいいつつも、この悪い状況の中でも何とかしてやろうと考えを張り巡らす。
それが、ダイハードの真の意味だと思ってきました。

この中学3年生七人の新潟長行もダイハード。
午前中にパーティー崩壊の危機を運良く乗り越えました。なんとかまた七人が集まった。
昼も近くなり、だんだん疲れてきました。そしてこの頃から、長い時間チャリに乗ってるので異様にケツが痛い。
安田のどっかにある郵便局を目指して49号線を西進します。
程なく見つけた郵便局。
ちょうどよく林の中で日陰があります。
よし、ここで飯だ。
失礼しまーすと郵便局に入ります。あーここもクーラー効いてると、見回して…
あった!ありました冷水機。
順番にたらふく飲んで次は水筒に補給します。七人もいきなり、断りもなく水を補給したので、なんだ君たちはと少し怒られましたが、最後まで補給はされてくれました。
ここはオアシス安田郵便局。

会津を出て、行程の1/3というところでしょうか?
全員がそろって、チャリから下馬しての休憩。
みんなケツがいてぇだの、わめき始めます。
そんなかでも置いていかれた3人の呪詛。
しんじらんねぇー、まってぇーといってんのに置いていくし!
たまたまコウジのちゃんりんこ見つけたからいいものの、見過ごしたらどうなっていたことか。
俺らがどんだけ苦労したがわかっての?
いや、わからねえと先行の4人。
まぁいいじゃねえか、またこうして会えたんだしと彼らの苦労をねぎらいます。
腹減ったから飯にするべと話をすり替えてこの場を治めます。
かあちゃんが作ったのか、自分で作ったのかわかりませんが、めいめいが銀紙に包まれたおにぎりを出します。
昼メシのおにぎりを頬張りながら、ここまでの行程をああでもない、こうでもないと語り合います。
しかし、ここで食ったこのおにぎりが後でみんなに地獄を呼んできます。
それはあとで。

さぁ腹も膨れました。
木陰でライフ回復。
再び七人がそろった。
私の感覚では新潟市はもう少しです。
陽があるうちに海に着きたいと、みんなおもっているはず、さあ出発です。
あーケツがいたい。ずーっとサドルに乗りっぱなし。坂でもない平地で立ち乗りが多くなってきました。
それでもみんな一路、日本海をめざします。

あっセブンイレブンみっけ!
その当時は、今ほどコンビニが乱立していませんでした。
ロードサイド、左車線にちょうどよくコンビニがあるのはラッキーということになります。
そして、みんな昼飯をくってデザートが食いたい年頃。
誰からともなく、おそらくくいしんぼうのけんちゃんが、アイスを食いてぇーと絶叫し、みんなが同意。
七騎は、セブンに吸い込まれる。
今でもそこを通ると、思い出します。今はもうセブンではなく学習塾になっていますが、レンガ風の壁がそのなごりを残しています。
その49号線、安田、ちょうど90Rのカーブの手前にあるセブン。
そこで、小休憩。
当時中学生の私たちは、安いお金でいかに満足することができるかを競っていました。
100円で500ml缶に入っている容量のでかいジュース。
名前はなんていったか?ポストミックス?ゲータレード?んーわすれた。
ともかく、でかくて安いものを奨励していました。
ただ、炭酸は飲まないという、独自ルールがありました。
炭酸は体力を落とす。野球や駅伝のクオリティーを上げるために実践していました。
特にコウジあたりは、それをかたくなに守っていて、炭酸を飲んでいると裏切者扱い。
変な迷信だったと思います。
その横で、けんちゃんやマサヨシがごくごくコーラをうまそうに飲んでいる。
炭酸の誘惑。
コウジの顔をたてて、我々はポカリスエット。
そしてみんなアイスをほおばります。
あー、夏だなぁ~。海遠いなぁ~とガリガリ君やらジャイアントコーンやらを食っていると、一台の車がセブンに入ってきます。

いやー、やっと追いついた、と親父が下りてきます。
買ったばかりのぴかぴかの三菱デリカ。
なんか、見たことのある中学のジャージの集団がアイスをくってるなぁとよく見てみると、おめぇらだったと親父はいいます。
何回もいいますが、この時代に携帯電話はありません。
親父が俺らを見つけたのも、偶然のたまもの。
俺らがたまたまここでアイスをくっていたからです。
コウジの自転車を見つけたしのぶもそうですが、この度はなにかに見守られていました。
俺たちを、海に導いている。
ここからは親父が俺らのしんがりを務めてくれるそうです。
といっても、国道でたらたらちゃりの後をついてくるわけでもなく、つかず離れずでついてくるそうです。
中3になって親に見守られながら、ちゃりをこぐのはなんか嫌でしたが、だんだん新潟の市街地。
道もわからなくなってくるかもしれない。
不案内な道が続いた時に、親父がこっちだ、あっちだと我々をサポートしてくれました。
混んでいる市街地を通らず、外側をぐるっと回るルートを選択してくれました。
陽も傾いてきた。みんな口数が少なくなってきました。
目の前に日本一の長さの川、信濃川を見ても、あぁなんだ大した事無い川だなと余り感動なし。
阿賀野川の方がよっぽど大河感がありました。
しかし、信濃川まで来たと言うことは海は近い。
海はちけえぞ!とみんないきなりげんきになります。
実際はまだまだなんですけどね。
若いということは素晴らしい。
多少間違いも勢いで制してしまいます。
ここからはみんな黙々と海を目指しました。
誰からともなく、あの坂を上れば海が見える!とこのころから連呼するようになりました。
そして、俺が誰よりも先に海を先に見る!とまたしょうもないことで競争が始まりました。
あーけつがいてぇといいながら、まだ見ぬ日本海。
真夏の風にかすかに潮の匂いを感じました。
確かに俺たちは近づいているという実感が私たち七人の背中を力強く押してくれています。
さぁ海はもう少しだ!














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