時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
あきらかに地勢が変わってきました。
砂地が多くなってきた。スイカ畑も。
この時流行っていたPCエンジンの桃太郎電鉄、新潟駅にスイカ畑が多い理由がここでわかりました。
私としのぶは納得していましたが、他は余り興味がない様子。
風が海風となり、しっとりまとわりつくようになります。
時刻は夕方ごろ五時を回っています。
みんなの体力もケツも限界でしょう。
ケツが限界といえば、愛読書「わたるがぴゅん」という漫画でも、そういう場面がありました。
わたるたちのチームが全国大会で北海道にいくんですが、応援団もいくことになります。
しかし、金がない。
よって、自転車でいくんですが、吉田という奴が一輪車ならば、みんな「いかなくていい。」というだろうと思って彼は一輪車で集合場所にいきます。
ここがギャグ漫画なんですが、よしそれでいい、と先輩はあっさり承諾。
彼は一輪車で北海道を目差すことになります。
ここからが彼の地獄。
そのエピソードを七人は思い出しては笑っていました。
当時、面白い漫画はみんなで貸し借りして共有するもの。
たいていの漫画は読んでいたものです。
そしてゲラゲラ笑いながらも、待望の海は近づいています。
虎視眈々、誰もが一番先に海を見てやろうと一番槍を狙います。
確実に海は近い。
ただ、一番先にスパートをかけては追いつかれてしまいます。
最後の最後に競走馬になったような心境。
誰が一番最初に海を見るかダービー1着を狙います。
地形が、まさに国語の教科書あった「あの坂を上れば」に記述されているような坂になりました。
最終第4コーナーを曲がり最後の直線。
おそらくはこれが最後の坂。誰もがそう思う。
ここで、いつも我慢できないけんちゃんが先行します。
追随する6人。
その位置取りに性格が出ます。
鼻にけんちゃん、続いてマサヨシ、
私とワンボ、ミッチャンは中盤待機、しのぶ、コウジは後方から。
レースは佳境に入ります。みんな1回は先頭に立ちますが、体力がもたない、トップを維持できません。
こうなると後は根性の勝負。
全員があの坂を上れば、と絶叫しながらチャリンコをこぐ。
あの坂を上れば…
(海が)見えた!と一番に叫んだのは、コウジでした。
このチャリンコやめ!
そしてみんな、海が見えた。
眼下に広がる日本海。
七人で見た、あのオレンジの日本海を私たちは一生わすれないでしょう。
誰もしゃべらず、しばらく海風に吹かれながら海岸を駆ける。
ついた、ついたぞ!(ケツの痛みから解放されるぞ)
日本海の夕日に映える、その七つのシルエットは完全にスタンドバイミーです。
ポスターにしたいくらい。
深夜三時に出て、到着は六時。
実に13時間チャリの旅。
角田浜キャンプ場についたころは、全員がヘロヘロ。やっとやっと親父のデリカから用具を下ろして、テントを立てます。
目は半開きで寝ながらの作業。それでもなんとか、やり終えて、シャワー代わりに海へ向かいます。
おらーぁーと勢いよく海に飛び込むも、全員がギャーギャーといってすぐに砂浜にあがります。
全員のケツがむけて、塩に耐えられないというオチです。
サドルにスレてケツが炎症しまくった状態で、海水浴どころではありません。
ウギャー、とかオッオッオッオッとかみんな変な声を上げています。
それでもせっかく来たので痛みに耐えながら日本海に浮かびます。
体を浮かせて波に漂う。。
みんなに浮かぶ瀬がある。
長かったなぁ~、でも…
顔の半分だけを海面にのぞかせて、脱力してぷかぷか浮かぶ。
つらかったなぁ~、でも…
みんなただ浮いています。きれっぱしのように、ぼぉーっと。
波の音と自分の呼吸の音しか聞こえません。
疲れ切った体に適度に冷たい海水が心地良い。
ドラゴンボール、ナメック星でベジータがギニューたちにやられた後に入った回復カプセルの中入っているようでした。
気持ち、回復していくような感覚。
ちょうどいい塩分、塩梅(アンバイ)。
海の水は、人間の血液の濃度と同じだとどっかで聞きました。
でどころは同じ、根っこはおんなじなんじゃねぇかという感覚。
海と同化している
あぁ~気持ちいい~けど、ケツがいてぇ~。
確かに、俺らは生きている。
みんな黙って、海に浮いて、ただオレンジの空を見上げる。
流れる時間。
俺たちは生きているなあと感じました。
こいつらと生きている、と力強く感じました。
新潟空港に向かう飛行機が着陸態勢に入るために低空を飛んでいました。
……黙って波とともに流れる時間は、長く続きませんでした。
腹が減った。
けんちゃんがいったと思います。
I’mハングリー!
世の中、これのみでいけるんじゃないかと思うくらいの強いフレーズ。
ハングリー=hungryという単語は、カップヌードルのCMで覚えました。あのターミネーター2の少年が出てたやつです。
腹が減っては戦はできぬ!
たそがれる時間は終わりました。
うぉー腹減ったーと日本海、遠くに見える佐渡島に叫びます。
とはいっても、食材の買い出しにいかないといけない。
しかし、みんな疲れ切っていました。
晩飯は、親父が寺泊にいって食うかと提案してきたのでそれに乗ります。ナイス、親父!
真新しいデリカに汗と砂にまみれた中坊7人が乗り込みます。
なんか、うめぇもん食えそうだなと期待しつつ、七人と運転手ひとりは寺泊をめざします。
これから悪夢が始まるということも知らずに。
砂地が多くなってきた。スイカ畑も。
この時流行っていたPCエンジンの桃太郎電鉄、新潟駅にスイカ畑が多い理由がここでわかりました。
私としのぶは納得していましたが、他は余り興味がない様子。
風が海風となり、しっとりまとわりつくようになります。
時刻は夕方ごろ五時を回っています。
みんなの体力もケツも限界でしょう。
ケツが限界といえば、愛読書「わたるがぴゅん」という漫画でも、そういう場面がありました。
わたるたちのチームが全国大会で北海道にいくんですが、応援団もいくことになります。
しかし、金がない。
よって、自転車でいくんですが、吉田という奴が一輪車ならば、みんな「いかなくていい。」というだろうと思って彼は一輪車で集合場所にいきます。
ここがギャグ漫画なんですが、よしそれでいい、と先輩はあっさり承諾。
彼は一輪車で北海道を目差すことになります。
ここからが彼の地獄。
そのエピソードを七人は思い出しては笑っていました。
当時、面白い漫画はみんなで貸し借りして共有するもの。
たいていの漫画は読んでいたものです。
そしてゲラゲラ笑いながらも、待望の海は近づいています。
虎視眈々、誰もが一番先に海を見てやろうと一番槍を狙います。
確実に海は近い。
ただ、一番先にスパートをかけては追いつかれてしまいます。
最後の最後に競走馬になったような心境。
誰が一番最初に海を見るかダービー1着を狙います。
地形が、まさに国語の教科書あった「あの坂を上れば」に記述されているような坂になりました。
最終第4コーナーを曲がり最後の直線。
おそらくはこれが最後の坂。誰もがそう思う。
ここで、いつも我慢できないけんちゃんが先行します。
追随する6人。
その位置取りに性格が出ます。
鼻にけんちゃん、続いてマサヨシ、
私とワンボ、ミッチャンは中盤待機、しのぶ、コウジは後方から。
レースは佳境に入ります。みんな1回は先頭に立ちますが、体力がもたない、トップを維持できません。
こうなると後は根性の勝負。
全員があの坂を上れば、と絶叫しながらチャリンコをこぐ。
あの坂を上れば…
(海が)見えた!と一番に叫んだのは、コウジでした。
このチャリンコやめ!
そしてみんな、海が見えた。
眼下に広がる日本海。
七人で見た、あのオレンジの日本海を私たちは一生わすれないでしょう。
誰もしゃべらず、しばらく海風に吹かれながら海岸を駆ける。
ついた、ついたぞ!(ケツの痛みから解放されるぞ)
日本海の夕日に映える、その七つのシルエットは完全にスタンドバイミーです。
ポスターにしたいくらい。
深夜三時に出て、到着は六時。
実に13時間チャリの旅。
角田浜キャンプ場についたころは、全員がヘロヘロ。やっとやっと親父のデリカから用具を下ろして、テントを立てます。
目は半開きで寝ながらの作業。それでもなんとか、やり終えて、シャワー代わりに海へ向かいます。
おらーぁーと勢いよく海に飛び込むも、全員がギャーギャーといってすぐに砂浜にあがります。
全員のケツがむけて、塩に耐えられないというオチです。
サドルにスレてケツが炎症しまくった状態で、海水浴どころではありません。
ウギャー、とかオッオッオッオッとかみんな変な声を上げています。
それでもせっかく来たので痛みに耐えながら日本海に浮かびます。
体を浮かせて波に漂う。。
みんなに浮かぶ瀬がある。
長かったなぁ~、でも…
顔の半分だけを海面にのぞかせて、脱力してぷかぷか浮かぶ。
つらかったなぁ~、でも…
みんなただ浮いています。きれっぱしのように、ぼぉーっと。
波の音と自分の呼吸の音しか聞こえません。
疲れ切った体に適度に冷たい海水が心地良い。
ドラゴンボール、ナメック星でベジータがギニューたちにやられた後に入った回復カプセルの中入っているようでした。
気持ち、回復していくような感覚。
ちょうどいい塩分、塩梅(アンバイ)。
海の水は、人間の血液の濃度と同じだとどっかで聞きました。
でどころは同じ、根っこはおんなじなんじゃねぇかという感覚。
海と同化している
あぁ~気持ちいい~けど、ケツがいてぇ~。
確かに、俺らは生きている。
みんな黙って、海に浮いて、ただオレンジの空を見上げる。
流れる時間。
俺たちは生きているなあと感じました。
こいつらと生きている、と力強く感じました。
新潟空港に向かう飛行機が着陸態勢に入るために低空を飛んでいました。
……黙って波とともに流れる時間は、長く続きませんでした。
腹が減った。
けんちゃんがいったと思います。
I’mハングリー!
世の中、これのみでいけるんじゃないかと思うくらいの強いフレーズ。
ハングリー=hungryという単語は、カップヌードルのCMで覚えました。あのターミネーター2の少年が出てたやつです。
腹が減っては戦はできぬ!
たそがれる時間は終わりました。
うぉー腹減ったーと日本海、遠くに見える佐渡島に叫びます。
とはいっても、食材の買い出しにいかないといけない。
しかし、みんな疲れ切っていました。
晩飯は、親父が寺泊にいって食うかと提案してきたのでそれに乗ります。ナイス、親父!
真新しいデリカに汗と砂にまみれた中坊7人が乗り込みます。
なんか、うめぇもん食えそうだなと期待しつつ、七人と運転手ひとりは寺泊をめざします。
これから悪夢が始まるということも知らずに。
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