5月はいろんな学校行事があります。
運動会、修学旅行、宿泊研修・・・
原則学校行事が優先です。学生の本分は勉学なんですから当然です。
その合間にスポ少があります。
一番近い大会は、5/28土曜の4年生以下のティーボールの大会。
現在4年生以下で10人ぴったりの状況。これでは当日休んだときや怪我での交代要員がいないので不安です。
せめてあと二人は欲しい。
いまスカウトしているところなんですが、なかなか難しいかな。
最悪の場合たっているだけでもいいので、娘をつれていくことも想定しています。
ルールもまだわかっていないやつも多い10人。
勝ち負けも大事ですが、爆笑は間違いないでしょう。
面白ければそれでいい。あわよくば一勝でも多く勝手みたい。
初めてぜんぜん知らない人たちと、ルールにのっとって本気で試合をする。
学校でやってる練習とはぜんぜん違います。
しかも5,6年がいない。自分たちがまるっきりの主役。あぶらむしじゃありません。
自分の活躍が勝利に直結し、エラーが敗北につながる。
見てる保護者もどきどきです。わが子のプレー。自分が打つよりも緊張するとか・・・
私はそうは思いませんでしたが、わが子が活躍すれば、それは面白いでしょう。
選手も保護者もチームプレーの楽しさを味わって欲しいと思います。
5/28は、もひとつイベントがあります。
毎年行われていますが、元全日本の代表監督の斉藤春香さんと石川投手を向かえてのソフトボール講習会。こっちには5、6年生12人が参加します。
1、2日で大幅に技術はあがるとは思えませんが、ああいう場で本物の人とふれあい、本場の技術を見るだけでも違います。
あとはその講習会は試合ではありませんが、いろんなチームもくる。
そこでほかのチームのやつらとああでもない、こうでもないと交流することも大事。
次の大会では敵になるかもしれませんが、中学校や高校で仲間になるかもしれない。
5、6年生はそこでなにかをつかんできて欲しいと思います。
かくして総体は終わりました。
正直、ここまで来れるかは不安でしたが、思い切り狙っていました。
おそらく上がってくるであろうメッツさんとの戦いを想定していた。
メッツさんと当たるまで、2回勝って勢いをつけてあわよくば・・・と虎視眈々と狙っていました。
しかし、過去の経験からいらぬ皮算用をして足元を救われたことある。
先のことを考えててはいけない。目の前のことがおろそかなる。
やる前から、勝った気でいて、いいことはないんです。
その経験から、いつのころからか指導者としてはあくまで目の前に集中する姿勢をみせるようにしました。
だから大会前は、あえて先のことを考えずに、目の前のことのみを見てるように示していたつもりです。
指揮官が、先のことを見ていると、選手たちも先を見てしまう。
結果、目の前がおろそかになり、つまずいて転ぶ。
一回戦も勝っていないのに、すでに勝った気で2回戦、3回戦のことを考える。
その油断からなのか、思わぬ反撃をくらってチームは総崩れ。実力を出す前に負けてしまう。
その経験から自分のチームの結果を過大評価しないようになりました。
あえてイーグルスの悪い結果を見るようにしている。
一方ではいい面もみる。
指揮官とは、相反する矛盾した存在なのかもしれません。
自分たちのチームを信じつつ、一方ではまったく信用していない。
それが表裏一体のコインのように背中を合わせている。
この折り合い。
選手の前では、
「お前らはやればできる。」
選手たちの実力を100%、120%引き出せるように説く。裏ではできないことも想定する。
そして対外的には、目の前のことを精一杯やってひとつひとつに集中するという姿勢を見せる。
しかし、今回もそうでしたがどうしても将来的な計算が働いてしまう。
今のイーグルスであれば、普通に実力を出し切れば3回戦はいける。
そして向こうから勝ち上がってくるのはおそらくメッツさん。
目の前に集中しろと言いながら、メッツさんとの戦い方をシミュレーションしている自分。
その通り、3回戦までは計算!?通りでした。計算どおりとはいいながら薄氷のうえの勝利。
狙っていたとはいいながら、100%の自信をもてなかった。
そんな中で今のイーグルスはよくやったというべきでしょう。
ある意味計算通り。危ないながらも想定した高さまで登ることができた。
未熟ながら計算ができるチームになりつつある。メッツさんではその計算も狂いましたが、次にやる時はもっとましな戦いができるでしょう。
今は10回やって1回勝てるかどうかのレベル。
その実力のなさを知り、どうすればその実力を埋めることができるか?
総体の最後のミーティング。
イーグルス円陣の後ろに次の試合に備えるメッツさんを横目に
「いいか、おまえら、いつか必ず倒すぞ!」
全員にリベンジの炎がともったと思います。
もう涙は止まりました。
自分のできることを増やしていく。強大な敵に当たっても物怖じしない。
白獅子まで強化プランを考えました。
フィジカル、メンタルどっちもどんどん強くなってもらうしかない。
ですが、今日は雨のため小休止です。
メッツさんには去年もダイト、ヒカリを擁して負けている相手。
昨年からのエースが一段と凄みをましています。特にライズ気味に入ってくる高めの威力抜群です。それは喜多方タクシー杯でも経験済みです。20点以上の大差をつけれての大敗。
しかし、こちらも簡単には負けられません。
速球対策、バント対策などそれなりの練習はしてきました。
試合前の私の見立てでは、相手のほうが上ですが勝機はあります。先制してこちらのペースにしてしまうこと。
キャノン砲とかビーム砲とかそんな破壊力はありませんが、今の段階のイーグルス豆鉄砲打線がどこまでメッツさんに通じるか?ここに勝負がかかってきます。
試合前、キャプテンのタカヤに質問されました。
「監督、先攻、後攻、どっちをとったらいいですか?」
おそらくタカヤの中では後攻と決めていたのだと思います。
先手を取って、余裕のある有利な展開にする。終盤になってリードしていると心理的に有利な後攻をとる。こちらがあせる前に、相手にあせってもらう作戦です。
「後攻。」私とタカヤの思惑は一致していたと思います。
初回の表の守り。そういってるそばから相手に先制されます。
原因は、消極的な守備。
三遊間のサード。盗塁のベースカバーのセカンドの位置。
ちいさいほころびですが、強いチーム、ぎりぎりの展開ではここは見逃してくれません。
三遊間、ややサードよりのゴロ、ショートは逆シングルキャッチになるので、ファースト送球が遅れます。
よって、捕球して進行方向に投げるサードのほうが断然早い。
ここで消極的になってしまったサード。
マナヤが追いついて大遠投しますが、1番バッターなので足が速い。セーフ。
この原因を考えるに、最近ショートマナヤの守備力があがったことによって、ショートに任せることが多くなってきました。ショートの守備範囲が広くなると、自然とサードの守備範囲が狭くなる。マナヤもそれによく答えていますが、ここは無理をさせすぎました。
最近の試合の守備体系を見て、マナヤが三遊間によりすぎかなぁと思っていましたが、これもマナヤの考えなんだろうし、それでうまくいっているのでいいかと見過ごしてきました。
ですが、このままでは今後こういうリスクがあることがわかりました。
サードが取れるところはサードが処理をするほうが「速い」。
サードの守備範囲を広くして、マナヤをセンターよりの守備位置にしようと思います。
もちろん、相手の打撃力や現場の二人の判断を尊重しながらですが。
この後にもう2回同じことが起きます。そして1回はまた同じようにショートが処理しますが、その次はようやくわかってきたらしい。
積極的な守備でアウトをとりました。この守備を徹底させるべきでした。
まだまだ気づかず、試合になって初めて気づく課題も多い。勉強させられます。
試合にもどります。
またもや先頭バッターを出してしまった。
どうも調子にのりきれません。ピッチャーも討ち取った当たりなのにアウトにできない心理的ダメージを追いました。
すかさず盗塁してきます。キャッチャータカヤの好送球でしたが、セカンドベースカバーに入り方が後ろ過ぎる。タイミングはアウトでしたが、この少しのロスのためにセーフ。
ベースの入り方の練習なんてしていません。そいつの感性に任せている。だいたいマナヤが入ることが多い。
ここでも経験の差が出てしまった。セカンドのユウトに限らず、内野手全員にベースの入り方を教えておくべきでした。ここでもまた新たな課題が、大事なところで表面化していく。
ここでも聞こえてきます。
ミスがミスを生む「敗北の連鎖の音」。
チーム全体に動揺が伝染していく。エラーの確率が急上昇します。あと1、2個のエラーが連出すればいっきに崩れてしまう流れ。この拮抗を取れなければどんなに強いチームも敗れてしまう。この大会、強いといわれたチーム同士の戦いが多かったですが、勝負どころをとれなかったチームが勝ち進めなかった。
せめてあの先頭バッターを討ち取っていればなぁ・・・いくら嘆いてみても、時間は戻りません。できれば0で、できなくても最低限の得点に抑えて、ここを踏ん張らなくてはいけない。
結果1点で最少得点ですみましたが、限りなく大きい1点。やばいなぁと思いますが、無理やり切り替えて、どうやって取り返すかに専念します。
まずは塁にでること。こんなにもいいピッチャーを相手に回して作戦もくそもありません。
若いアウトカウントでいかにして塁にでるか?
ノーアウト、もしくはワンアウトで3塁に持っていければノーヒットでも得点出る形を作れるか?
ここは選手たちを信じるしかありません。
豆鉄砲打線はよく相手エースのついていきますが、捕らえるところまでいきません。
まともに打てるのは、タカヤ、マナヤくらいか?その他は当てることに精一杯。
大して練習もしていないバントするよりも打たせたほうがいいと判断して、無策で打たせます。
打順のめぐり合わせも悪い。
タカヤ、マナヤの前にランナーがいません。
いいところでいいバッターに回ってこない。いわゆる、めぐりあわせってやつです。
それがイーグルスに回ってこない。
逆にメッツさんは回ってくる。アウトを取れるところでとりきれない分、小さなミスで出塁させているイーグルス。こういうところにそのツケが回ってきてしまう。悪い展開です。
しかもツーアウトから、ここでヒットがほしいという場面できっちり打つことのできる勝負強さ。脱帽です。要所で効果的な攻撃。どんどん背中が遠くに見えていきます。
離されてはいけないの離されていく。ここがチームの総合力の差なんでしょうか。
まだメッツさんには手が届かない。届く展開にできなかったイーグルスの未熟さ。
先行されると、動揺し、知らず知らずに焦りが生まれます。余裕がなくなると実力を出し切れなくなる。いい当たりがとたんに相手の守備の正面をつくようになる悪循環。
打開策は相手のミス待ちか、選手のやる気、根性にかけるしかありません。
そこを根気強く待つしかない。
この試合の唯一の反撃は、1番ユウト、2番マナヤ、3番タカヤの主砲三連斉謝。豆鉄砲打線も負けていないことを確認させてくれましたが、時既に遅し。
この満塁の機も活かせませんでした。とったのは1点のみ。とられたのは5点。
先制、中おし、ダメ押しと効果的にイーグルスの士気をそいでいくとり方。
勝機が見えない戦いでした。先制されたときから正直、勝てる気がしませんでしたが、なんとかそれを打ち払って望みをつないでいたと言っていい。
なんといっても好投手のチームに対して先制点を与えてはいけないという鉄則をはなから踏み外した。
攻め込まれながらも、スコアレスで終盤に持ち込み、緊張した中での拮抗の場面を取る。
これ以外に格上に勝つ方法はありません。
矛を繰り出す前に、盾を壊されてしまった。
初回を守りきる安定性、確実性がほしい。そのためには、ピッチャーの制球力、チーム全体のこまかいところまで行き届いた守備力は欠かせません。
それができなかったイーグルスはかくして敗北しました。
試合後、タカヤが泣いていました。本気で全国を目指していた。
メッツのあのピッチャーの球を全打席捕らえていたのはタカヤだけです。
マナヤ、ユウトも捕らえましたがまだ確実ではない。
逆に言えば、タカヤしか打てる奴がイーグルスにはいなかったといいこと。自分は負けていないににチームが負けてしまう。兄貴のいった全国。
その夢は潰える・・・。
試合後の丸くなってのミーティング。みんなの潤んだ真剣なまなざし。
やばい、私も涙をもらってしまいそうになりましたがぐっとこらえる。
私はどちらかというと、やりきれなかった悔しさのほうが勝っている。
こんなところで泣いてられません。
なぜなら俺らは全力をまだ出し切っていない。やりきっていない。力を出し切れないのも実力のうちです。まだまだそこまでってこと。
タカヤの本気の涙にチーム内でも心を動かされた者もいました。ヒカルも目をはらしている。
この涙は悔し涙。自分たちの実力のなさを思い知った涙。強者との今の時点で差を思い知った涙です。
しかし、全員ではない。この涙の意味をわかっているものと、そうでないものもいる。
完全に負けているので、仕方なかったと思うもの。
勝ちたいという思いが薄いもの。
まだチーム全体として、やりきって勝ち上がる気概が満ちていないのがわかります。
それでいいと思います。人の想いは千差万別で強要することはできません。
全員が熱血になる必要はない。冷めているやつもいていい。
ただ強要はしませんが、チーム全体で勝ちたいとひとつになった時。
全員が出し切った時、勝つにしろ、負けるにしろ、本当の涙が流せると思います。
次の白獅子杯まであと2か月。
いきなりホームランを量産できる筋力が付くわけでもなく、ピッチャーも100キロ出せるようになるわけでもない。
何を変えていくか?やはり意識しかない。取り組み方。待ち方。いろんな場面での心の持ち方。
自分たちが確実にできることを増やしていく。ベースの入り方、あいまいな守備範囲の確認、その他今できる細かいことを積みかさねていくしかない。
上に行けば行くほどそういう細かいところができるチームが勝ち残る。
拮抗した場面ではその少し、ミリ単位の差で一気に試合が動きます。
イーグルスはそれができるチームだと信じています。
負けてもただでは起き上がれません。やられればやられた分だけ強くなって復活します。
いろんな強いチームと戦ってその実力を試してみたい。
そして最後にはその頂上に立ってみたい。
さぁまた練習、練習の日々です。
この前の喜多方タクシー杯で、主力不在とはいえ惜敗しています。
バッテリー、センターラインを中心とした守りのチーム。
早い段階で相手のエースを打ち崩せるかにかかっていますが、結果からいうと「我慢」ができた展開でした。
喜多方タクシー杯でBチームで一回戦っているのである程度相手の戦力は把握しています。
相手から見れば、フルメンバーのイーグルスの情報はないでしょうから断然こっちが有利な展開になるだろうと思っていたら・・・そうは簡単にはいかせてくれないのが野球ということでしょうか?
打つ手がことごとくうまくいかない。ランナーを出しながらも攻めきれない。
要所要所を完璧に磐梯さんに押さえ込まれます。
逆に攻め込まれてアップアップになるところもありましたが点数は許しませんでした。
終盤まで1-1の状態。
こうなったひとつの要因は、ここ最近で出塁していて当たり前になっていた1番ユウトが塁に出れなかったこと。ここで攻撃にリズムが作れません。いまいちのれない展開になる。
まぁいくらユウトでも毎回出塁はできないでしょうから、こういう展開は今後も予想されます。
そうなった時の攻撃のオプションを考えていかないといけないなと思いました。
正面から当たってだめなら側面攻撃的な方法。
総体は80分の長丁場ですからいろいろ戦術を駆使する余裕はありますが、50分の大会ではそうはいかない。
どちらにも対応した攻め方をチーム全体で共有する必要があるなと思いました。
均衡が動いたのは5回。8番ユウヘイからの攻撃です。
一か八かを確認して送り出すもショートゴロでワンアウト。
次は9番ヒカルからの攻撃です。
このままではスコアレスのまま延長になるかもしれないので、上位打線に回ってくるこの回が勝負どころの天王山です。
先頭バッターがでると勢いづく。チームで一番バントが上手い左のヒカル。
強硬策できましたがここで戦術変更です。バントの指示。一球失敗します。
相手サードのチャージがなかなか速いので、バントから再び強硬策に変更。優柔不断というか臨機応変というか、その場の空気で方針をすぐ変えます。
これがいいのか、悪いのかは結果次第。結果よければOKということでしょう。
ヒカルも速球対応の練習をしてきました。トップを早く作ることはわかっていますが、前足がオープンに出ていくので、インパクトでボールに遠くなることがしばしば。センター方向へステップすることを指摘すると、クローズに切り替えるところがさすが三男坊です。
しぶとくショート後方に落として出塁します。強硬策が当たりました。
ここまで抑えられていたリードオフマンのユウトがセンター前に鮮やかにはじき返し、チャンスを広げます。
1死1、3塁で2番マナヤ。
ここは内野ゴロで1点を奪えるところです。ここはどんな形でもいいから先制しなくてはならない。ここから頼れる打線に入ってるのでそんなに心配することはありません、マナヤ、タカヤと続くので最低でも1点は入ってくれることを想定しました。
その想定どおり、マナヤはショートゴロで2死。ヒットにはなりませんでしたが、ゴロを打つ最低限の仕事をしてくれます。まずは先制。ここから一気呵成に入りたかったですが、タカヤも倒れる。先制はしましたが、いまいち波に乗れない展開。
その裏にマナトからマナヤに投手交代。
ボールが先行するマナト。テンポよく追い込んで打たせるタイプのマナトに変えましたが、マナヤも制球難でパッとしない。
点数を取ってからの変更と決めていましたが、終盤での交代は結構なプレッシャーになったでしょう。
先頭を四球で出してしまいます。その後連続三振で2死にするも磐梯最強バッターを迎えます。
故意四球も一度考えましたが、すぐにやめました。
ここで故意四球をしないこと全軍に伝えます。ここを抑えて味方の士気を上昇させることと、相手の最強を抑えることで士気をそいでおきたいという思惑からでしたが、打たれます。セカンドランナー帰ってきて同点。終盤に先制して、すぐに追いつかれる展開。やばいです。
「あー、やっぱ故意四球しとくんだったなぁ。」というブレブレの指揮。
あそこは故意四球もしくはやんわり四球で勝負を避けることを思った人もあるでしょう。
ああいう勝負所でヒロイズムに走ってしまうところに私の甘さがあるなと後でわかります。
後日、別な場面で新鶴の監督と試合観戦していた時に、
ワタシ「ここは勝負でしょう。」
新鶴カントク「俺はここは勝負をさけるな。」
ワタシ「故意四球ですか?」
新鶴カンオク「いや、外角に外させるでやんわり打たせない。」
このあたり、勝負に徹底する。結果がすべて。その過程にある危険な要素は取り除く。
腕はやっても心臓はやらない覚悟。ここが本当の勝負士なのかもしれません。がしかし、そこをわかったうえで勝ってほしいという願望のほうが強かった。小骨のささった勝ち方はしたくないといえば聞こえはいいかもしれませんが、負けたらすべて負け犬の遠吠えになってしまう。
選手の、保護者の思いの詰まった勝利を逃がしてしまう危険性もあった。
このジレンマ、私の中で永遠に解決しそうにありません。まぁ、次そうなったらそん時の気分でどうしようか考えます。
というわけで今回は失敗で1-1の同点に追いつかれました。時間もありません。
次の攻撃がおそらく最後。それが0だったら裏の攻撃を抑えて抽選にするしかない。
抽選になったら、おそらく負けます。抽選にめっぽう弱いイーグルス。
その前になんとかしなきゃいけない。
引き離したいところですが、4番のタカヤから始まりますが攻めきれない。6回も0。裏も抑えていよいよ最終回の攻撃。先頭は7番コウセイ。
ここの先頭バッターの重要性はよくよくわかっているはずです。本人も絶対塁にでたいところですが、相手ピッチャーもさるもの。簡単に追い込んできます。ツーストライクと追い込まれますが、ここでコンパクトなスイングにきりかえたどうかはわかりませんが、外角の決め球をライトの運びます。
先頭が出塁します。ここから興奮してあまりよく覚えていませんが、一気呵成の攻撃で一挙に4点くらいとったと思います。
コウセイがでたことで打線に火が付いた。この試合のヒーローは先制点の立役者のヒカルと逆転の立役者のコウセイです。
打ちあぐねていた相手投手をようやく攻略した瞬間でした。
こちらも点が取れない代わりに、相手にも点をやらない。我慢比べを終盤に制した。
今のイーグルスにはそういう我慢もできるようになってきているということです。
これができると簡単には崩れなくなります。崩れなくなると、点数を与えずに負けにくくなるということ。これが2年前の全国いったときはありました。
こっちが打てなくてもそう簡単に点数をやらない。これが思いのほか大事です。
両者拮抗の状態をつくる。そこを破ったほうが断然有利になります。終盤になればなるほどそれはデカイ。
抽選になったときのために神仏に拝むことも考えましたが、その前に最終回のあいつらの攻撃を信じるべきでした。あの集中打はすさまじい。ここぞの場面でたたみこめる巧者ぶりも出てきました。
苦しみながらも2連勝。ここで乗らないはずがありません。みんないい顔しています。それぞれも持ち味を発揮している。やってやろうという気迫に満ちている。
さぁ次は、昨年ダイトの時も敗れている猪苗代メッツさんです。
総体1回戦、ほおのきスポ少戦。
昨年何回かあたりましたが、私的にまったくのノーデータでのぞみます。
先週の練習試合である程度の手ごたえは感じていましたが、なにがおこるかわからないのが野球。
実力を出し切れないままあっさりと負けてしまうことも考えました。
ほおのきさんのシートノック、ピッチング練習をみる。
ほぼ互角か・・・
そうなるとこの緊張した場面、先制したほうが断然有利になると読みますが、あっというまに先制されます。
いつもながら立ち上がりが不安定なエースマナト。制球が定まりません。
スリーボールからフライを打ち上げさせますが、ピーとキャーでまさかのお見合い。
風も強いこともあり、どちらのボールかわかりずらかったですがそんなのは理由になりません。
最初の試合の最初のプレーで全員が緊張している場面。エラー率も上がっていますが、ここを討ち取れば全員がほっとできる場面、ここを取れなかった。
このあたりが強くなりきれない部分なんでしょうね。大事なところを守りきれない弱さ。
お見合いのボールが切れてファールになってくれたところは良かったですが、バッテリーとチーム全体はここで動揺してしまいました。90%ファーボールの場面。
大方の予想どおり、ファーボールで大事な初回に先頭ランナーを出してしまう始末。
ここはスリーボール、ツーストライクからでしたが気持ちを切り替えて討ち取ってほしかった。
これができるとチームを活気付かせる真のエースのなれるでしょうが、まだまだそこは遠いようです。それどころか、チーム全体に「あぁ~ぁ↓」という動揺を伝染させた。
やばいです、対処の仕方を間違えると、いっきに崩れる危険性もありました。
実際その空気はありました。
小雨、足場のわるいグランド、動揺、エラーの確率はどんどん高くなっていきます。
普段の当たり前のプレーができずらい環境。ここでミスるとどんどんそれは連鎖していく。こうなるとどんな強いチームでも立て直すのは用意ではありません。飲まれてしまう。
先頭バッターを出して、パスボールで2塁へ。そして2番。
ほおのきさん、ここはバントの場面です。前日こういう場面を想定してのバントの守備体勢の練習はしておきました。違うところといえば、本番ということと小雨とぬかるむグランド。
こういうところで普段どおりの守備ができるかどうかです。
読みどおり、サードへのバント。んっ?サード、フミヤ少しチャージが遅い。しかも、ボールをうまく握れていない。あせる。ファーストへのボールが少し反れる。
2塁ランナー、バックに突っ込む。ファースト、ヤマトもボールを握れていない。それるバックホーム送球。貴重な1点を打者二人で簡単に謙譲しました。
普段どおりの守備ができていない。
こうなるとフライで討ち取れた先頭バッターを出したことが悔やまれます。
ミスがミスの連鎖を生む。これがチームが崩れていく音なんです。
なおもランナーは残している。これ以上の失点は死活問題です。
ピッチャーの制球もまだ定まらない。不安定な状態。ここでほしいのはまずはワンアウトです。ワンアウトをとって一息つきたい。
ここでパスボール・・・馬鹿やろうと思いましたが、思いのほかボールが跳ね返ってくるネットに助けられバックホーム送球が間に合い、ホームタッチアウト。
高めのボール球を相手が振ってくれて三振、最後はピーゴロで、アップアップのまま守りきり、初回を1点で抑えました。これがデカかった。
相手を勢いづかせるまでもいかず、こちらもまだまだ追いつける範囲なので士気にもそんなには影響しません。この1点は惜しいですが、今は忘れていいレベル。後悔するよりも、もっと前向きにどうやって点を取るかを考えるのが先です。
反撃開始!
1番はわがイーグルスのヤジリのユウト。
「球が荒れてるようなので、ワンストライク捨てていいですか?」
いろいろわかってきたようです。ここ最近の出塁率はおそらくチームトップクラス。
ここでもファーボールで出塁して、いかんなくその持ち味を発揮します。
2番マナヤ四球、3番タカヤ死球で塁にでる。ボールを打って相手を助けない。このあたりをわきまえている。
ここで小さいながらも4番に置くフミヤ。フミヤを4番に置く理由は、対応力の高さです。速球にも遅い球にもアジャストする。軸を中心としてくるっと回るでんでん太鼓のようなスィング。前が大きい、テイクバックを取らない打ち方。このスイングで、インコース、アウトコース問わず広角に打ち分ける。確実性で言えば、タカヤとナマヤの次にくるという私の判断です。以外に長打力もある。
そのフミヤが打席に入ります。
ほおのきさんのエースも制球が定まらない。ここはチャンスです。じっくり見ているフミヤ。ここでパスボール。待望の1点が入りまずは同点。しかもノーアウトで引き続きフミヤ。ショートへの強い当たりで出塁して逆転。なおも1、3塁。
過去の試合で1、3塁の駆け引きを知らずに憤死したことのあるフミヤをたしなめて、走らせます。
2、3塁でマナト。ピッチャーというのは気分で生きている生き物なので、自分がヒットを打てばモチベーションもあがる、わがままな存在です。ここはガンガンいかせたほうがいい。スイングはきれいなアッパー。あたればきれいな放物線を描きます。それがフライの王者といわれるゆえんです。ハイ、三振。確実性はまだありません。
1死でヤマト。
トップを早く作ることを理解している一人ですが、作るのは早すぎます。一回作って、もう一回つくっているのであまり意味はありません。足の上げ方が田んぼを歩くサギのように申し訳なさそうにあげるのであまり打ちそうに見えませんが、以外にミートはうまい。自分のパワーを使うというより、相手ピッチャーが球にこめたパワーを使って飛距離を出していく感じ。先の練習試合で河東のエースから打ったホームランは見事でした。三振も少ないほうなんですが、ここはアウトコースのいいところに決まって見逃し三振。5.6番連続三振です。
2死でコウセイ。
喜多方タクシー杯、ここ最近の練習試合で打撃が向上しています。このチームで数少ない考えて行動するタイプ。どうすれば打てるか、相手がこうきたらどうするかなど対策を立てて打席に入るタイプ。だからこの順番の置いています。クリーンナップでとりきれなかった場合、下位打線の3番バッターの役割。このあたりに何でもできるバッターを置いておきます。四球を選んで出塁。
さぁ2死満塁で8番ユウヘイ。
先の坂下南さんとの練習試合では、センターへ人生最高のあたりを放っている。その感触が手に残っているでしょう。まさに一か八かを絵に描いたような存在です。一か八かといっても、人間0か100かにはなかなかできないものですが、この男はそれができる男。この男が打てば一番チームを勢いづかせることは間違いありません。
スパン、スパンとアウトコースで簡単に追い込まれます。
「あぁ~、これは90%三振の場面だなぁ。まぁ追いついて、逆転できたからいいか。」と思っていたら、ライトへの電光石火の一撃。やや振り遅れでしたがミートゾーンで捕らえている。手首はまだかえっていませんが振りぬく勢いでもっていったといていい。ユウヘイらしい一撃です。
2点タイムリー。思ったとおり、チーム全体がイケイケどんどんになりました。まさに一気呵成。連続三振の2死から下位打線でダメ押しできたことが大きかった。相手チームのとんでもない動揺与えました。
つづく9番フクダもボテボテのゴロが幸いして、俊足を飛ばして内野安打。守備送球の乱れでユウヘイ生還。
トップに帰ってユウト四球、マナヤが2ゴロで終わりますが、この回打者一巡の猛攻で5点。一気に逆転し、流れをがっちり掴みました。
こうなると心理的に余裕が生まれ、実力以上のものを発揮します。先にこの展開にならないと正気はありません。
その意味で2死満塁の場面でのユウヘイのあの一撃は効果的だった。あれが試合を決めたといっていい。この試合にヒーローインタビューがあるとすれば、そこに立つのはユウヘイでしょう。やはり坂下南戦の一撃は無駄になっていませんでした。こういう成功を積み重ねると、この後も思い切ったスイングができるようになり、ますますいい結果を呼ぶ。
「これでやっていっていいんだ!」という自信が、ユウヘイをさらに前に進ませる。そしてもっともっといい結果をだそうとうまくなろうとする。これはユウヘイに限ったことではなく、皆にいえることです。
守備ではいいところを見せることができていましたが、打撃ではお世辞にも打てていたとはいえなかったユウヘイ。荒削りではありますが、それがいま打撃にも自信を持ちつつあります。もともとチームの中では数少ないパワータイプ。力はあります、がそれを活かしきれていなかった。
さらにガンガンタイプなので、ボールを見て打つということもしてこなかった。ところが、最近ファーボールでの出塁も増えてきている。大事なところで早打ちもしなくなっている。ボールを打たなくなってきてるので、自然とストライクゾーン=ヒットになりやすいゾーンを打っていることになります。これは大きな進歩です。ユウヘイもユウトと同じように考えて行動しています。ヤツらはヤツらなりに考えてチームに貢献しようとしている。
毎日家で100本素振りをしていますなどと影で努力してるようなタイプではなく、人の意見を聞くようなヤツらではないんで、実体験からの経験から学ぶことが一番でしょう。
結果が出てこなかった選手が結果を出せるようになったとき。成長を感じます。「あー、やっと打ちやがったなぁ。」とか「よくもあんな難しい打球を捕ったなぁ。」とか思い、「あー、こいつら上手くなったなぁ。」と目を細める。この瞬間も指導者冥利に尽きる瞬間です。じーんときます。もしかしたら、勝つことよりもうれしいかもしれない。勝つということは、こういう選手のいろんな成長の集大成なんでしょうね。それがいい結果になって出ると勝てるということ。
保護者も応援に本気になっていくのは、子供がそういう姿を見せてくれるから。できればいい結果を出して。そういう空間を共有できる時間は貴重なものだと思わせてくれます。どんな映画よりも面白いし、感動を与えてくれる。スポ少やっててよかった!
こいつらはまだまだ伸びます!
ユウヘイのあのスイング、下半身をもっとうまく使えば・・・などまだまだ直すところはあります。ということはまだまだ伸び白があるということ。みんなそういう伸び白をもっています。まだまだイーグルスは強くなれるということ。
この試合、1回の攻防を制したイーグルスに軍配が上がりました。
大差で勝ちはしましたが、それはまだ運によるところが多い。1回の表でもっと崩れていたら、その裏にあの攻撃ができたがどうか?どうなっていたかわからなかった。
1回をしっかり守り抜き、チーム全体を落ち着かせ、実力で流れを持ってこれるしぶとさ、確実さ、安定性をまだイーグルスはもっていないことを再認識した試合でした。
ですが、この勝利がイーグルスに勢いを与えてくれたことは確かです。
あの貧打が見違えるように打線になっている。マシンガンまではいきませんが、「豆鉄砲」打線くらいにはなっている。この時点で、この打線でどこまでいけるかなぁという皮算用。ピッチャーの不安定さなど一抹の不安要素もありますが、「こいつらのすべてを出し切ればいけるぞ!」という手ごたえは感じました。
次は、タクシー杯で惜敗した磐梯スポ少戦です。
結果は、猪苗代メッツさんの優勝、2位にしきみさん。この2つが会津代表です。
わがイーグルスは、1回戦ほおのきさんに勝利、2回戦磐梯さんに勝利、3回戦で優勝したメッツさんに敗れました。
4日に敗れた後に5日に準決勝の4チームの戦いぶりをこの目で確認しにいきました。
我らが盟友の高田さんとメッツさんの戦い。
しびれました。
最終回の表でメッツさんに2点の差をつけて、守りに入る高田スポ少。
勝利は目の前です・・・がそうは簡単にいかなかった。守りのミスもあって3点を献上しサヨナラ負けを喫しました。
もう少しのところですり抜けていく勝利。泣き崩れる高田スポ少の健闘を称えずにはいられませんでした。
そして決勝。
強打で相手をねじ伏せてきたしきみさんとメッツさんの戦い。
終盤まで4点差をつけて、しきみさんペースで最終回を迎えます。
この日はメッツさんのエースの調子がいまひとつでしたがバックもよく守って盛り立てています。
最後の攻撃に賭けるメッツさんの気迫。まさにチーム一丸。
こういう大事な場面できっちり先頭バッターが打ってでるあたりさすがです。
両チームのボルテージがMAXになるあたり、試合の分水嶺が動きます。
ここまで完璧な守備を見せていた、おそらく会津最強であろうショートのミス。
少しずつ勝利の砂が手からこぼれ落ちていく音を感じました。
メッツさんはここ一番でバントミスをするもそのあとの打者がすかさずそのミスを取り返す打撃。
このあたり神懸かっていました。
神懸かってるというか、それを手繰り寄せるのはやっぱチームのすごさ、強さなんでしょうね。
そしてサヨナラの場面で打ち勝つ。
ミリ単位のぎりぎりをつかみ取るいろんな面の強さがメッツさんにありました。
終わってみて余計にそれを感じます。
ミスを重ねない、勝負時に一気呵成ができる集中力。これは結果が出たから言えることかもしれませんが、野球の神様にも愛されていた。
それは強かったということです。優勝するに値するチーム。
どうりでイーグルスが負けるわけです。大事な勝負所をことごとく落としている。
落としているというか、チャレンジしていない。万全の準備をしていない。全知全能で立ち向かっていない。
わけのわからない状態で目の前におきた事象に対応しようとしている。どうしていいかわからない状態に陥る。たいていのミスはこの状態で起こります。そしてそういうところにボールは飛んでいく。要所でのミスは致命傷になります。
しかし、逆にいえばどの大事なところを拾えればこちらにも勝機はあります。
子供たちにもいいましたが、そのギリギリのところで挑戦するタフさを持とうと。
そのうえでの結果にはこだわりません。敵味方双方お互い本気。そんな中、常にいい結果がでるとは限らない。ミスもある。
ですが、チャレンジしてのミスを責めるようなチームにはなってほしくない。たとえ一瞬そう思っても、考え直して言葉や態度にださない許容性も持ってほしい。
土壇場でびびっても、たじろいでもいいけど、最後には腹をくくって全力で立ち向かう勇気。
そしてそこを勝ち取ろうと。そのためにいろんな練習をしていこうと。
そうすればもうひとつ上の高みからの景色を見ることができると。
この準決勝、決勝のようなしびれる試合。
イーグルスもできるはずです。あれを直して、これをしてと考えてみる。
全員の奮起が必要です。
次は白獅子杯、もういっこ上の高みをめざします。
打撃練習、守備の連係、フォーメーションの確認。走塁。
まだまだ完全には遠いですが、現時点でのやるだけの手は打った・・・と思います。
いままでも完全にしてのぞんだことは一度たりともありません。
試合の過程で子供たちがどんどん成長していきます。
あの全国大会へいったときもそうだった。
どんどんうまくなっていく。それは同時に私たちの手を離れていくことを意味します。
ここってちょっと寂しいけど、頼もしい顔つきになっていく過程を一番近くで見れることは幸せな特権です。
高度なプレーをこなし、自分の判断で行動できるようになり、手がかからなくなってくる。
今のチームはそんなに高度なことはできません。
絶対的エースやとんでもない主砲もいない。身体的には決して恵まれているとはいえない。
4,5年生のチームですといっても通用するでしょう。
ですが、こいつらならなにかやってくれるんじゃないかと思わせてくれる。
なにか持ってる。
今はそれで充分です。その何かをもったまま沈むか、見事に開花するか?
天気が心配されますが、その戦いはいよいよ明日。
さぁていきますか!
「あーこいつを2番においてよかった。こいつをショートにおいてよかった。こいつがチームにいてくれてよかった。」と思わせてくれたマナヤについて語ります。
ご幣があるといけないのでいいますが、こいつがイーグルスにいてくれてよかったってのはみんなに思っていますのであしからず。
ここ二日の練習試合で1番として塁にでるユウト。
そしてこの次の展開から始まります。
相手チームは「あーあんな小さな奴を出会いがしらのまぐれで出してしまった。あーしょうがねぇなぁ、次の2番を打ち取るか?」と思ってる矢先の初球をひっぱたくマナヤ。あざやかに外野に運んでいく。まさに奇襲です。弱者が強者に勝つにはこれしかないという戦法。信長の桶狭間強襲のごとくです。
この幼いイーグルスの中でおそらく一番大人の思考に近いであろうマナヤ。子供らしい馬鹿さがなくなってきて、すこし冷めている感じ。そうはいってもまだ小6なんで、馬鹿をやりたいところもあるんだけどクールにいきたいところもあるというめんどくせぇところをもっていますが、私が言っていること一番実践してくれている男。
この年にして、いろんなことが見えすぎているんでしょうね。その意味で大人です。
指揮官の思っていることを読み取り、どう動けばいいかをわかっていることに関しては主将のタカヤよりも上かもしれない。ただ、上役の思ってるとおりに動くことは自分がおもしろくないんでその道を大幅にはずれないように、自分に害が及ばないようにそれなりの評価をもらえる程度に振る舞う。生き方としてそれなりに上手くわたっていける。この幼いチームに何かしらの物足りなさを感じてるのかもしれません。ここ最近、一歩離れてチームを見ているような気がする時があります。
子猫の集団がこぞって飯を食っているときに、一人だけ離れて危険がないかどうかを見極めている感じ。そんな感じを最近のマナヤからは感じます。
だからこそこのタカヤ不在の時になおさら頼もしく感じたのかもしれません。
インサイドアウトの振り、一か八かの反応。なぜ二番に置くか。なぜショートに置くか?こちらが意図したことに答えくれる。
インサイドアウトが一番できています。バットがインから出てくるので速い球に押されて、ミートポイントが後ろになってもセンターから右方向にヒット性の当たりを打つことができる。だから強引に打って引っ掛けることがない。ボールの内側を打つ感覚がわかっています。人よりもヒット性の当たりを打つことができるゾーンが長い。フライが少ないのもこれができているからです。
この二日間一番効果的に打ったのはこのマナヤです。一番が打って出て、すかさず連打することで味方は「あーこれ打てるな!」と錯覚でもいいから思い込むことができる。と同時に相手は「あー連打された、やばいなぁ。」と士気をくじくことができる。ここにタカヤがいてくれたらもうひと押しできるんですが、本郷戦ではその役目をマナトが務めてくれていた。3連打で先制。
この「勘違い」でもいいから、「おれたちいけるんじゃねぇ!」と思わせることが大事なんです。特に自分たちより強い相手と戦う時に飲み込まれる前にとりあえず飲み込む。
子供らの場合この勘違いが本当になることがあるからすごいですよねぇ。この勘違い、思い込みが結果的にチーム全体の実力を底上げしてしまう。2年前の全国いったときもその気はありました。
未熟なイーグルスを強者だと勘違いさせる力。この役割をマナヤがやってくれていた。河東戦しかり、本郷戦しかり。先制攻撃の核になっていた。初回の得点にかならず絡んでいた。強者と戦ううえで先制点の大きさはいわずともわかると思います。
心に余裕を生む。焦ることからくるエラーを減らしてくれる。守備でも思い切ったプレーができる。
強者に勝つにはこれしかありません。少しでもいいから先に余裕を持つことで心理的、戦略的に有利に進めることができる。
その意味で本郷戦に2点リードできたことは今後のお手本になるでしょう。
この余裕が実力以上のものを引き出させる。4回裏に逆転されるまでは、完全にこちらのペース。勝負の分水嶺の4回裏のギリギリのプレーをものにすることができれいればイーグルスに勝機はあったはず。このペースを維持できるようになれればもう一つ上の段階のチームに成長するはずです。
その他マナヤに限らず、随所に相手投手のボールを完璧に捕らえた当たりがありました。河東戦のヤマト、リョウ、坂下南線のユウヘイ。高田戦のマナト。彼らにはいままでにない手の感触が残っているはずです。
ボールを完璧に捕らえた時のあの感触。おそろしく気持ちのいい感触。何千回、何百回に1回かもしれませんがそれは確実に脳に刻み込まれました。
いままでできなかったことが「できる!」という感覚。例えばそれは初めてトカゲが空を飛んだ時のような感覚。それが鳥類への進化であったように、イーグルスを大空へ運んでくれるかもしれません。
こんなわくわくして総体を迎えることができるとは・・・
体調管理だけお願いね。
10の種をまいて、6割は刈り取れたんじゃないかと思います。
大きく勝ち越したわけではありませんが、単なる勝ちよりも大きな経験をした者が多かった。特に打撃面で。
みんな開眼しつつある。ここにタカヤが戻ってきたときに一段と層が厚くなることを実感しました。
ただし打線は見通しの立たないもの。
どんだけ練習試合で打っても、総体の大事なところで打てなければ意味はありません。
その一撃のための練習している。
その可能性を確信させてくれたのは2番に置いたマナヤでした。
しかしその前に1番のユウトの話をします。
1番のユウトのアイデアは前々から持っていました。リードオフマンとしては最適の人材。ボールになりやすい小さめの身長。左打者。そしてなにより負けん気の強さ。体全体から顔全体からというより、あいつの目からそれが伝わってきます。どんな好投手が来てもあいつは「必ず打ってやる!」と闘志を燃やしている。それは大人に対してもそうです。あの小さい体躯でこちらが一瞬たじろぐほどの気迫を感じさせる時がある。逃げる気ゼロの真っ向勝負。やじリとしてはこれ以上にない鋭さを持っています。その鋭さがあだになる場合も多々あるところが玉にきずですが、野球からそのコントロールを学んで欲しいと私は思っています。
今はチームとしてその鋭さを必要としている時。以前はそのやる気が空回りしていましたが、今は比較的ボールをみることもできている。
「お前の仕事はヒットを打つことじゃない。何をしてでも塁にでることだ。この意味がわかるか?」
と初球のくそボールに手を出して簡単にアウトになっていたユウトに諭してきました。最近はそれができるようになってきている。ステゴザウルスなみの脳みそですが、野球仕様になった時にこいつはとんでもなく化けます。
ユウト「ワンストライクすてていいですか?」(状況の応じて敬語を使えるようになってきました。)
ワタシ「みていくということだな。いいぞ!」
ユウト「初球から打っていいですか?」
ワタシ「打てる自信があるということだな!それでいっていいぞ!」
この確認がものすごい大事です。年々そう思うようになってきています。
ユウトに限った話ではありません。
「一か八か、三振してもいいから初球からガンガンふっていけ!」
子供たちの迷いを断ち切り、シンプルに目の前のことだけに集中させることができる。このシンプルってのが肝です。あれもこれも欲張らない。ひとつだけでいい。一点集中。それもその選手を活かすために得意分野にもてる力を集中させる。めんどくさいことなんてない。得意なこと思い切りやれ。これだけであいつらは実力以上の力を発揮します。時として格上を食ってしまうほど。それが河東戦、本郷戦で確認できました。
そんで失敗したら、それを命じた指揮官の見立てが悪かったということで、実行する選手の責任ではありません。そこを徹底することにしました。選手の行動の責任は指揮官が持つ。積極的な行動の結果の失敗は許す。
結果は気にすんな。ケツはもってやるから思う存分にあばれてこいって意味です。失敗を恐れず、前だけ見ていいというお墨付きをもらった安心感がこいつらの限界を突破させます。
こうなったときのユウトは、こと野球に関しては水を得た魚です。縛り付けないほうがいいタイプ。あまり指示をだす必要がありません。というかむしろ細かい指示をださないほうが力を発揮するタイプ。こちらが期待した以上の働きをしてくれます。
ただ逆転の場面などテンションがあがって回りが見えなくなってきている場合は特にワタシとユウトの意思確認だけはしとかないといけない。
この前はじっくりいかなきゃいけない場面でいきなり初球打ちをして凡打。チャンスをつぶしたこともありました。だから、これだけはやるな!とかだいたいの方針だけは共有しとかないといけない。結果が悪く出てお互いに気持ちよくないことを経験している。ユウトもだんだんそれがわかってきてるようです。
だから、どうしたらいいかと方針を聞いてくるようになりました。一応あいつも確認してケツを持ってほしいんでしょうね。ヤツに与える支持は、待て、打てくらいの大まかな支持だけででいい。これがまた最近ユウトと私の思惑が一致することが多くなってきました。それどころか、自分で考えることで私の思った以上のことをしてくる。
河東戦、本郷戦でも打って先頭打者として塁に出ています。ユウトもタカヤと同じくボールを見て打っています。スピードボールに一か八かではなく、投げた後で反応できるタイプ。ただしタカヤのように今は振り切れてはいない。小手先で当てているだけ。インパクトで手首を返しているにすぎません。まぁそれだけでも十分すごいんですが・・・。だから芯でとらえているのにそんなに飛ばない。
しかし、これはこれでいいのかもしれないと思えるようになりました。物は考えよう。パワーがない分外野の前に落ちる確率が高い。実際それを実証しています。下手にパワーがあってもちょうどよく外野フライになってしまう。これはこれで自分の特性を活かした打ち方なのかもしれません。
最近の試合すべてに初回に塁にでたユウト。リードオフマンとしていかんなくその才を発揮しています。対戦相手の指導者からも「あのちっこい9番、負けん気が強くていいですねぇ!」と評価されている。気持ちの強さが前面に出て、それがプレーにも表れている証拠です。またこういうタイプってのは目立つんですよねぇ。野球を知ってる人の多くが好きなタイプ。
ユウトも自分の置かれている立場を少しずつわかってきている。どうすればチームに貢献できるかを考えて実践しようとしてきている。ここは大きな成長で、認めざるを負えない。
野球以外にもいろいろ心配もあります。この成長を野球以外の場面でも活かしてほしいなぁと思いかすが、野球という共通言語を通して私の言葉はあいつに響いていてくれると信じています。
野球の神様がユウトを成長させてくれている。あいつもいつかそれがわかる日がくるでしょう・・・くんのかな?
ながなが言いましたが、ユウト編はこれにておわります。
次回はこの二日間のチーム躍進の原動力、2番ショート、マナヤ編です。
投打の要、主将タカヤの不在です。体調不良によるものですが、「あーこれはやばいな」と思いつつ、誰をキャッチャーにするか、必死に頭の計算機をはじく。
この前いい結果を残したコウセイだなと思いましたが、コウセイも肩がいたいとのたまう。
気合でなんとかなるレベルかと思いましたが、本気で痛がっていたのでしゃれになりません。
さてどうするか・・・ああ、そういや昔やらせたことがあったなぁという理由でヤマト。
大幅な守備力の低下を覚悟しました。
河東さん、本郷さん、坂下南さん、高田さん。6試合をこなしましたが、思いのほかよくやっていた。途中でコウセイに代えることも考えましたが、コウセイのレフトも思いのほかよくこなしている。コウセイをキャッチャーに置くと、左利きのヤマトでは守備位置が限定される。5年のリョウもファーストで経験を積ませたい。いろんな思惑もありました。タカヤ不在でもそれなりに安定してきたので、あまりいじらなうほうがいいなという判断でヤマトをキャッチャーで固定しました。
弱い肩だとみるやバンバン走ってきますが、終盤はキャッチング、スローイングに速さと安定性が出てきた。
「内角なげてもいいですか」とリードまでする余裕もでてきた。
ああどこかが欠けてもみんなでカバーできる奥行きの深さも出てきたんだなぁと思いました。
フクダのユーティリティーっぷりも素晴らしい。欠けたポジションを埋めるためにどこでも守れるようになっています。借りてきた猫になっていた以前のようにビビっていない。状況判断もできる余裕がでてきた。ということは自分の守備の少しずつ自信が出てきたということです。
こうやっていろんなオプションができるようになっている。今回のような危機管理の状況では大事なことです。
いきなりやったことのないポジションでは、不安が勝って自分のポテンシャルをうまく発揮できません。ですが、こうやってスクランブル時のオプションを経験させて、それなりにうまく機能することを確認できた意味でもこの二日間はいい機会でした。
急造キャッチャーがボールを取れない、走られまくるボロボロの展開。そこから悪い流れになる。はっきりいって、もっと点数をくれることを覚悟していましたが、そこそこできていた。
急造キャッチャーをその他の8人でうまくカバーしていたということでしょう。
高田スポ少戦、最初は新人仕様でのぞみましたが、途中から総入れ替え。
その時の安心感が半端なかった。バックの守備陣が変わってピッチャーのマナトが安堵しています。私もものすごく頼もしく見えた。
特にいつも大事な時にそこにいてくれるヒカルのカバーが頼もしい。
「カバー行けよ!」と言わなくても、自然とボールの延長線上にいてくれる。ヒカルのカバーは職人の域に達しています。99%必要なくても1%の可能性がある限り、全力でカバーに入る。
まさにフォアザチームの精神。まぁヒカルはそんな気はないでしょうが、それが風景にとけこむくらい自然に動いている。それを見せてくれるだけでものすごい安心感を私にくれます。
打線は水物といいます。これをやっとけば完璧というものがない。
しかし、鍛えられた守備は鉄壁の守りになります。点数をやらなければ負けない。
これってわかってるんですけど、人間である以上鉄壁もありません。
必ずミスはでるもの。そのミスを最小限で食い止めることができるかどうかにイーグルスの浮沈はかかっています。
その最たるものが本郷戦の4回の攻撃を受けているとき。2点リードをしながらも、ここで4点を献上。ふんばることができなかった。たらればはありませんが、あそこでこうしていればという場面が3つありました。
先頭打者のセンターへの打球。処理を間違えなければ単打。
レフトのフライ。ギリギリおいついてグラブにいれながらも落球。
ライトのライナーのポロ。
この3つがなかればここは2点で済んでいた。
どれもギリギリのプレーで懸命にやったうえでのミスですが、もうひとつ上にいくためにはここを踏ん張らないといけない。これは内野手にも言えること。
イーグルスがもうひとつ強くなるかどうかはここにかかっています。
限界ギリギリをつかみ取れ!
総体でその真価を見せて欲しいと思います。