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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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今回はもうひとつの戦い。
いわゆるBチームの戦いです。
6年生のコウセイとユウヘイを背骨に次世代のメンバーたちの戦い。
はっきりいって負けていいという覚悟で望みましたが、最初から死の組に入るとは・・・
関柴さん、磐梯さん、猪苗代メッツさん、わがイーグルスB。
サッカーでいうと、われわれが日本代表だとして、ドイツ、ブラジル、イタリアの組にはいったようなもんです。
これはヤバイ。コウセイもくじをひいて組み合わせが決まったときに青ざめていました。
ちびまるこちゃんでいったら、顔に縦線が入っていたでしょう。
しかしまぁ、「引いちまったもんはしょうがねぇな!」とあきらめて自分たちの戦いに徹することを決めました。
この大会の目標は、

まずは全員打席に立たせる。
ぼろくそに負けても決して投げ出さない。

これです。
ぼろくそになることは予想されます。しかし、何点取られても、何回失敗してもいいけど、切れたり、投げ出したりしない。自分に何ができて、何ができないかを試合に出て実際に経験すること。
ここの最大の重点を置きました。勝ち負けは二の次です。
そうはいいながら、対戦相手によってはあわよくば勝ちにいく。
勝つことの楽しさ、あの一体感を味あわせてやりたいとは思っていましたが、この対戦相手ではちとつらい。
結果メッツさんに1:24、磐梯さんに5:3で負けました。
その後に新鶴さんの行為で新鶴で練習試合をさせていただき、そっちは5:5の同点。
このメンバーを使い切りながら戦うのは至難の業でしたが、なんとかやり切れた。

いろんな経験ができました。
ピッチャーユウトの気持ちのもろさ。
4年生以下の守備力、打撃力。
コウセイ、ユウヘイのリーダーとしての資質。
俺を出してくれという2年生のやる気などなど。

この試合一番感動したのは、コウセイ、ユウヘイのチームへの貢献でした。
この二人が切れたら終わりだと前から言っていました。
特に切れやすいユウヘイには何回もいっていました。守備も内野の要のショート、このチームのキーマンといってもいい。
ファーボールを連発して、糸が切れたタコ状態のユウト。感情がいっぱいいっぱいで涙があふれてとまりません。顔はぶすくれ状態で審判のジャッジにも不遜な態度。こんな状態でちゃんと投げろというのが無理な話ですが、ピッチャーはユウトしかいません。
ぶっとばしたい感情を押し殺しながら、なんとか調整しろと無駄な檄を飛ばします。
サンドバック状態で向こうの攻撃が終わるのをただ待つしかない状態だということはわかっています。
その攻撃を少しでも早く終わらせるためにこの幼い守備陣の奮起を祈ることしかできない状態。
これで21点とられました。
1回は4点くらいですんだのでほっとしましたが、そう簡単には終わらせてくれません。
そんなふわふわの状態のチームをこのふたりの6年生はよく支えてくれた。
変なボールしかこないのに切れることなく、身を挺してボール止めて、丁寧にピッチャーに返すコウセイ。「ちゃんと投げろよ!」と心で思う。いちばん頭にきてたのはキャッチャーのコウセイでしょう。それなのに微塵も態度に出すことがない。あの笑顔に清々しささえ感じさせます。これはなかなかまねできません。
こういうところがあるからチーム全体の副キャプテンに任命し、このチームのキャプテンに指名しました。

そしてダイヤモンドの中のショートの位置でチーム全体を鼓舞するユウヘイ。
セカンドの裏まで回りこみ、サードに入ってタッチアウトにする。まさに八面六臂、獅子奮迅の働き。ユウヘイがいいところは、こういう一方的な状況でも悲壮感が出ないこと。こういう「いきおい」関係はユウヘイの右に出る者はいません。
これは試合後の斎藤コーチの談ですが、ことが切れたユウトはチラチラショートのユウヘイを見ていたそうです。SOSを目で送っていた。それをユウヘイは受け止めて、「大丈夫だ!」と目で返していた。感情のダムが崩壊し、涙であふれていたユウトを最後の一歩でマウンドに押しとどめていたのはユウヘイのまなざしだったのかもしれません。それほどあのユウトが頼りにしている存在。

あとから考えるに、この二人の人選はベストだったことがわかります。
試合後のミーティングでこのふたりの貢献を思って泣きそうになりましたが、なんとかこらえました。本当であれば「こんなのやってらんねぇ!」となる場面。
とても24:1で敗れたチームの雰囲気ではない。誰をせめるでもない。誰のせいにするでもない。今の段階で精一杯やったことを受け止めてまた次に備える。ドヨーンとした敗北感、悲壮感が微塵もありませんでした。
本来なら総体に向けて白河遠征組にいるはずだった二人をこっちにもってきたのは私です。
二人には悪いことをしたなと思いつつ、結果オーライ。災い転じて福となす。
確かに惨敗はしましたが、この未熟なチームをひっぱる性格の違うリーダーの役割を見事に果たした。

昨日の練習でも、ユウヘイは「監督、道具かたしの指示をだしていいですか?」と聞いてきました。
責任、立場は人を育てる。
率先して用具のかたし方を自らもやりながら、後輩に指示をだすユウヘイをみてそう思いました。
何千回も口で言うよりも1回の経験が勝る。
まさに指導者冥利に尽きる一場面でした。

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