忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

さぁ、泣いても笑っても最後の攻撃。
ここで点数を取らないと、タイブレークに突入です。
信夫さんは、ここなんとしても押さえてタイブレークに持ち込みたいところでしょうが、こちらとしては、以前の負けた経験から分が悪いのでやりたくない。
絶対点数を取らなければならないし、相手は絶対点数を取られてはならない場面。
お互い五分の場面ですが、ここで後攻の有利さがあります。
表を守りきったので、ここは攻めることだけに集中できます。1点でも入れば即勝利。
ここでの先頭バッターの成否は、お互いの運命を大きく分けます。
ランナーが出ればこっちに。
先頭バッターを切られれば向こうに大きく流れが傾く。

この場面で、迎えるバッターは希実。
ここにいてくれたか希実!という感じです。
まるで見透かしていたかのような打順の妙。監督の采配が光ります。
希実は先ほどいい守備を見せて、気分的にも乗っているところでしょう。
ですが、今シーズン後半にきてタイミングが遅れているのが目立つ。
ヒット性のあたりが、出にくくなった。そのあたりが8番を打つ理由でしょう。
前の試合でも、ライトに飛んでホームランになってしまいましたが、あの当たりは本来の彼女の当たりではない。
目の覚めるような弾丸ライナーで左中間へ、これを見せて欲しいところです。
信夫のエースも百戦錬磨。アウトコース中心の攻め。スピードボールでぐいぐい押してくる。
そこが打てないのをわかっています。つけ入るスキがありません。
やばいかなーと思った瞬間。少し内に、高さも甘く入りました。それを見逃さなかった希実。
渾身のスイング。
ですが、当たりはあまり良くない。
がしかし、とんだコースが良かった。
センター前に抜けそう・・・
だけど、ショートが良く捕って、ファーストへスローイング。
やばい・・・しかしギリギリ希実の足の勝利。セーフです。あーやばかった。
ほんと呼吸するのを忘れるくらいのプレー。お互いにぎりぎりのプレーでした。

出ましたよ。出ました先頭バッター。

さて、この場面で打順は9番瑠貴。
信夫さんの守備力、キャッチャーの強肩。最終回という場面。
セオリーは90%バントの場面。
しかし、瑠貴は小技がきかない。できなくはないですが、このピッチャーからバントを成功させることは難しい。しかもバント失敗、打ち上げてゲッツーのリスクも高い。バントを2回ミスって、追い込まれた精神状態で打たせるよりも、ここは出だしから打たせたほうがいい。
強打。監督は勝負を選択したようです。最初からガンガン行こうぜ!の構え。
チーム中で、瑠貴ほどインサイドアウトのスイングができるやつはいないでしょう。当たるかどうかは別ですが。
アウトコースの一定の高さならば、瑠貴のヒットゾーン。そこにくれば、勝機があります。失敗しても、後ろの打順は1番からの好打順。あとは瑠貴に賭けるだけです。
ツーストライクに追い込まれましたが、構えを小さくして、コンパクトなスイングをしようという意気込みは感じました。
向こうは、三振を取りに来ます。やはりアウトコース。
瑠貴は目いっぱい伸ばしてくらいつく。
あたりました。しかも好都合なことに、バント気味のボテボテの打球。勢いは死んでいます。
完全な進塁打。希実は二塁へ。
瑠貴、狙ったかどうかは別として、大事な場面でいい仕事をしました。

自分を犠牲にしてなんとかランナーを送ろうなんてさらさら思っていないでしょうが、それをひょうひょうとやってのけるのが瑠貴の瑠貴らしいところ。
本当は、三振しなくてヨカッタァーと思ってるでしょうが、ここで形はどうあれ、瑠貴が希実を二塁に送ったということが大事なんです。
選手たち本人の意思とは無関係に、今まさにチームで戦っているのを感じます。
いままので一つ一つのプレーがこの場面に集約され、つながってきている。
ひとりでは、なしえないことを皆でやろうとしている。

大きな風が背中から吹いているのを感じました。
あの場にいたみんなが感じたんじゃないでしょうか。

ここで迎えるバッターは1番大貴。
結果は、前に書いたとおりサヨナラヒットとなりました。
ここに来るまで、みんながつないだことを忘れてはいけない。
この場面はチーム全員が用意したもの。
信夫さんも、こっちも全身全霊をかける。
バット一閃。
あの瞬間は誰もが息をのんだでしょう。
どうなった?
ボールはどこへとんだ?
ランナーは?
ただただ状況を見つめるだけ。
自分が大声で何をいってるかもわからないほどの歓喜。

そこで、最高の結果を残したこと。万感の思いで、塁上走る大貴を見ていました。
ホームベースに帰ってくることだけを思い、懸命に走る。
大貴がガッツポーズをしたのは、本塁を駆け抜けたあとでした。
記録上は、サヨナラランニングホームランなので、希実を返した1点のみ。1の横には×がついて、大貴の2点目は入りません。
ホームまで全力で走らないといけない。最後まで自分にできることを全力で遂行する。
それゆえの全力疾走。彼の素直さが出ています。
サヨナラヒットを打ったぞという達成感より、打てた、打ててよかったという安堵感のほうが勝ったのではないでしょうか。
野球の、ソフトの神様はよく見てくださっている。
ひたむきに、素直にがんばってきた大貴にこそふさわしい場面をプレゼントしてくれた。
それを勝ち取ったのは大貴がいままで積み重ねてきたがんばり。
そしてそれを支えたチームメイト、指導者、家族、応援してくれた全ての人々が賞賛されてしかるべきです。
最後の試合をいい涙で締めくくってくれました。

いやースポーツはいい。

こんなにも、いい試合をしていただいた信夫第一スポ少さんに感謝です。ありがとうございました。
PR
≪  299  298  297  296  295  294  293  291  292  290  289  ≫
HOME
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
プロフィール
HN:
高田イーグルスコーチ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]