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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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優勝しましたね。
坂下ヒーローズさん主催の新人の最初の大会。
おそらく、この先、何回もこの世代の高田イーグルスの前に立ちふさがるであろう強敵です。
そして、この前の白獅子会津予選では、県大会を決める大事な一戦を落とした相手。
試合に負けた後のみんなの涙、ミソラの嗚咽、虚脱感、いろんなものを思い出しました。
その悔しさをぶつける時がようやく来ました。
新人戦会津予選の前に大会という形式の場を作っていただきました坂下ヒーローズさんをはじめ、審判や関係者、スポンサーの方々に感謝いたします。
コロナ禍で大会が少なくなっている中、子供たちと保護者にチャレンジする場を与えてくださいました。
ありがとうございました。

さて、カナト世代が抜けたこの世代、今のところは、アユキ世代となりますが、新人として最初の船出となります。
参加チームにたくさん試合を経験させたいとの思いで、トーナメント形式はとらず、3チームのリーグ戦で2コートをつくり、それぞれの順位でさらにもう一回やるという、粋な計らいの方法です。
高田イーグルスの伊佐須美杯も、関柴さんの大仏杯(今年は雨で短縮となりましたが)も、そういう選手ファーストのやり方をとっています。
私は思うんですけど、チーム数が減ってきている昨今、たくさんの出場機会を!という、こういう形式の大会運営が増えていってくれたらいいなぁと思います。

高田イーグルスの初戦は、丑寅の赤のユニフォームの柳津さんです。
これまでも何回も対戦している相手ですが、新人チームとなって、向こうもポジションや打順が変わっています。
特筆すべきはコーチの多いこと、高田イーグルスもそれなりにいますが、柳津さんも野球経験者の元気なコーチがたくさんいます。
いけいけどんどんにさせたら、雰囲気でやられることになるでしょう。
新キャプテンのアユキ。
おとなしめの性格ですが、プレーは走攻守共に大胆な所も持ち合わせます。
カナトと違うのは、後攻をとりたがるところ。
アユキに、どっちをとってくるんだ?と聞きました。
おそらく彼の中では、すでに決まっていたのでしょうね。
後攻を選ぶことが強いチームのセオリーだといわんばかりでした。
この夏強豪校を次々に破っていった聖光学院を思い出しました。
そして、その聖光学院のキャプテンの赤堀君を、アユキに重ねてみる。
いいじゃないですか!
後攻を選ぶことにアユキの意志を感じました。
となれば、初回の表をきっちり、立ち上がってゼロに抑えて、リズムを作ってくることが強さの証明になります。
ここ最近の大会で、やられる原因はここにあるというのが、我々指導者の考察です。
ちゃんと立ち上がる前に、つまずいて、最後には自らすっ転び、目も当てられないコールド負け。
自分たちの本当の実力を出す前に自滅していました。
何気に、ちゃんと立ち上がるといいますが、これって難しいんです。
あの聖光学院でさえも、2回に11点も取られています。
歯車がかみ合わないと、とんでもない致命傷を招くうえに、立ち直った時には、遥か遠くに敵は、行ってしまっているという後の祭り。
細心の注意と集中力で、自分たちが、当たり前にできるということを証明しなくてはいけません。
そのためには、最初のワンナウトをとること。
そのためには、最初のワンプレーを大事にいくこと。
そのためには、最初の一球を慎重にコースに入れることが、肝心になってきます。
ここにチームとして最大の注意と集中力を発揮して欲しいというのが、私たち指導者からの課題でした。
課題としてあげたからには、私たちも事前にいろんなアドバイスをして、選手たちを援護します。

しかし、世の中甘くない。そうはうまくはいきませんでした。
先頭バッターをデッドボールで出してしまいます。
ん?どうしたミソラ!
続くバッターはピーゴロに打ち取りますが、ミソラ送球が高い!ファースト、リツは懸命に背伸びをして捕りますが、伸びたぶん足がベースから離れてしまいました。
タイミングはアウト、しかし、離れた足を審判がきっちり見ていました。セーフとなり、ノーアウト、1,2塁のピンチを背負います。
ムムム、どうしたミソラ!!
立ち上がりをきっちりこなすどころか、ジャブからのストレートのコンビネーションをまともに受けた感じとなりました。
この状況は、うまくない。
下手をすれば、この前の大仏杯の下郷戦の二の舞なります。
しかし、ゼロに抑える可能性はないわけではない。
ここは冷静になって、どうすればいいかをひとつひとつやっていくしかありません。
チームは、浮き足立っています。
エースミソラも興奮もしているようですが、目には闘志があふれています。
よし、まだ大丈夫!アウトひとつ取れば落ち着くことができます。
どうしても欲しい、ワンナウト。
ワンナウトとるだけで、水中から息を継ぐことができるでしょう。
しかし、3番バッターを迎えます。
どのチームも3番はだいたい撃つバッターを配置します。
ボールが2球先行します。
んー、見られているなぁ~、嫌な雰囲気だなぁ~と思っていると、打ち上げてくれました。
これを見てどう判断するか?
初回の立ち上がり、デットボールと自らのエラーで、アップアップでしたが、3番を抑えたことで、落ち着きを取り戻すとともに、3番バッターをピッチャーフライに打ち上げさせた。
バットがボールの下をいっているということです。
ボールが伸びているということです、
今日のミソラ、球威はあるという証明になりました。
少しずつ、自信を取り戻していきます。
大丈夫、私なら大丈夫!自分に言い聞かせるようにして投げるミソラ。
バックに声を掛ける余裕もあります。
続く4番打者も三振に切って取ります。
ぅぉしゃ!二死まで来ました。
このピンチの出口が見えてきました。
ベンチもバックの守備も一点もやらないという覚悟の大きな声でミソラを盛り立てます。
うん、いい声だ。これならば、いけるという確信が生まれまます。
しかし、5番にまたもやデッドボール。
しかも、この5番バッターのデッドボールのよけ方、というか当たり方が、かっこいいんです。
右バッターの左上腕二頭筋に当たります。
結構痛いでしょうが、きっちりとったトップの構えを崩しません。
何より、左投手が内角をえぐってくる球、しかも高めの顔付近に来るコースを怖がらずに、最後まで見極めています。
これは大したもんです。
それを表しては、かっこいいという言葉しかでてきません。
大人の私だって、ミソラの内角のえぐりにはビビッて逃げてしまいます。

五番バッターの豪胆さに驚愕しますが、そうも言ってられません。
二死満塁となり、ピンチは続きます。
こうなると、ワイルドピッチ、パスボールのバッテリーミスもありえます。
コーチは、トウマに絶対に止めろと厳命します。
いままで何回もバッテリーのミスから、崩れてきたことを警戒しての言葉です。
トウマの闘志も一層燃え上がります。
献身的なブロックが活きています。
みんなの想いを込めた渾身の一球が、バットに空を切らせて、三振。
初回のピンチをゼロでしのぎました。笑顔で帰ってくる選手たち。
誰よりも、とびきりの笑顔だったのは、ミソラであったことは言うまでもありません。
課題だった、初回をなんとか乗り切りました。
乗り切ったといっても、ギリギリのところでした。
それでも、ゼロで乗り切ったという結果は、まぎれもなく、これまでの選手たちの成長の証だと思います。
あの敗戦から、積み上げてきたもの。
私たちは、確かな手応えを感じていました。

つづく

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