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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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18
18と言えば……
野球をかじってきた人であれば、特別な番号であるのはわかると思います。
18番は、エースナンバー。
昔読んでた漫画の影響で、息子ができたら、一八と書いて、カズヤと読ませようなんて思っていたときもありました。
背番号18。
かっこいいですよね。

しかし、今回は違います。
18

今回は、今年の会津選抜メンバーの人数です。
選手登録は、17人。
しかし、佐藤監督と私、他の指導陣が「18」にこだわるのにはちゃんとした理由があるんです。
今回は男子選抜大会。当然、女子は参加資格がありません。
それをわかっていながら、高田イーグルスのエース、ユナは会津選抜の練習に参加していました。
本人の意志はもちろんですが、ご家族の意向もありました。
本来ならば、練習に参加する義務はないんです。
晩秋のナイターは、いろいろ寒いです。
そして、なによりモチベーションの維持が難しいと思います。
自分に参加資格がない、男子の大会に出るための練習なんですから、なおさら難しいと思います。
本来ならば、こたつでぬくぬくしながら、せんべいとみかんを食っていていい立場です。
しかし、ユナとそのご家族はそうしなかった。
一つ上のあにき、ユウゴの影響も強くあるでしょう。
自分が大会に参加しようがしまいが、それは後。
ともかく、この時代に時を同じくして生まれた、このメンバーと一緒に練習をしたい。
その思い、ひとつなんだろうと、私はかってに思っています。
親であれば、本当は止めていい、ところです。
ですが、ユナのご両親はそうしなかった。
おそらく、そうしなかったどころか、どんどん会津選抜に参加しなさいと進めたと私は思います。
いまだかつてない。
それが、佐藤監督も大堀コーチ、山内コーチも、そして私もうれしかった。
しかし、どうしても登録上、ユナを選手登録はできません。
となると、ユニフォームも必要ではなくなる。
ここまで一緒に、会津選抜として練習に参加してしたユナに報いるためには、どうしたらいいかと、ふと考えました。
ここは、私の独断になってもいいから、ユナのユニフォームもみんなと一緒に作ろうと思いました。
もちろん、ユナのご両親にはご負担をいただかないで。
そうして、作成の手続きを進めていると……
佐藤監督が、
「コーチ、折り入ってご相談が……
私が負担するんで、ユナのユニフォームも作ってくれないかい?」といってきます。 
そして、それは大堀コーチも、山内コーチもおなじ気持ちでした。
みんなが、みんな同じことを考えていた。
それほど、会津選抜に対する、ユナの貢献度は高いということでしょう。
それを、みんなで話し合ったわけでもなく、指導者ひとりひとりが思っていて、ユナのためにこっそりとひと肌脱ごうとしていた。
私は、それにこころを動かされました。
この指導者たちってすげえ!(もちろん、私もはいっていますよ)
そういう気づかい、他者へのおもいやり、そして感謝をちゃんと形として示す行動力。
この人たちは、女の子にもてるはずだと思いました(もう一回いいますけど、私も入っていますよ)

こういう指導陣のもとにならば、ソフトボールとチームプレーの大切さを学べるはずだと私は断言します。
かくして、ユナの背番号1のユニフォームはいろんな人の思いをこめて作成されました。
エース、ハルと、もうひとりのエース、ユナ。
会津選抜チームには、背番号1がふたり存在します。
両雄並び立つ!かっこいい。

そしてこのエピソードには後日談があります。
この大会は、男子選抜大会、なので女子のユナはベンチに入れません。
しかし、なんとかして、いままで一緒に戦ってきたユナをベンチに入れたい、そう思った佐藤監督は、大会事務局に直談判をしにいきます。
私はそこまではしなくてもいい思っていたのですが、佐藤監督はそうではなかったようです。
そして、トレーナーとして、チームスタッフのひとりとして、ベンチに入ることが許されました。
選手としての出場はかないませんが、背番号1を防寒着の下に背負いつつ、みんなと一緒にベンチから同じ景色をユナは見ることができました。
それがうれしかった。
ユナは幸せものです。
そう、ご両親は言っていました。
いえいえ、試合に出れなくても一緒に練習をしてチームを支えようと行動で示したユナがすごいんです。
そして、そのユナを送迎したり、サポートをするご家族がすごいんです。
そんなユナと一緒に会津選抜チームとしてプレーができる、選手を含め、我々も幸せものなんです。
ひとりひとりの「糸」があたたかい毛布となって、包み込む。それがここにあります。
世の中って、こういうありがとうと、「自分たちはみんなのおかげで、しあわせだ。」という気づきにもっともっと溢れたらいいと私は思います。
そういう心遣い。行動で示す。
佐藤監督、あなたはすごい。
それともうひとつ私は気づきました。
佐藤監督は、会津選抜チームを言うとき、必ず選手18名といいます。
こういうところなんですよね。
そこには、必ずユナが入っています。
常に一緒に戦っているという意識があるからこそ、「18」という数字が至極自然にでてくる。
選手登録は17名ということは分かっているはずです。
それを聞くたびに、じーんと感動するとともに、この人は、選手とご家族の気持ちがわかっているなと感謝をします。
ありがとうございます佐藤監督!
一緒に戦えて私も光栄ですと思い直します。
会津選抜チームがひとつになる要因がこういうところにもあると思います。
大会後のラストミーティングで、佐藤監督は涙で声をつまらせながら言いました。
「この18人で戦ってこれて良かった!」
その言葉に今年の会津選抜の全てが含まれていると私は思います。
今年もいいチームだった。

それと、そう思えた理由がもうひとつあります。
それは次回!




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