忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

8/21は、ほおのきスポ少さん主催試合のほおのき杯にご招待いただきました。
酷暑の中、大会運営の携わったみなさまにお礼申し上げます。
大会に呼んでいただくたびに思います。
審判団のみなさん、コートを作ったり担当していただくみなさんのご尽力なしにスポ少は成り立たないと。
ありがとうございました。

そのご尽力のもとのほおのき杯、わがイーグルスも全力を出し切ってきました。
優勝しました。

1回戦 VS湯川男子さん 2:0 勝利
2回戦 VS新鶴さん   4:3 辛勝
準決勝 VS高瀬御館さん 9:0 勝利
決勝  VS本郷さん(4:4で延長タイブレーク2回) 7:6 優勝!

酷暑の中、4試合。
最後は、5回戦をやったあと2回延長タイブレーク。まさに激闘。
簡単には勝たせてくれません。
なんでこんなに激闘が続くのでしょうか。
さらに、勝ちきっているところがすごい。
あいつらのがんばりには頭がさがります。
本当にドキドキさせてくれます。
祈るような気持ち、こころの底から「がんばれ!」の気持ち。
この気持ちはあいつらに届いているでしょう。

この大会、なにより骨折から復帰したマナトを優勝投手にできたこと。
これがよかった。
右にフミヤ、左にヤマト、マナヤ、ユウト、フクダ、ユウヘイ、コウセイの声を背負って、タカヤのミットに全力で投げ込む。
仲間たちといっしょにいるあのマウンド。
「俺もここでみんなと一緒にやれるんだ。」
自分のいるべき場所をもう一度見つけられたでしょう。
私の見立てでは、もう少しあとの大会になるだろうと思ってましたが、復帰第1戦での優勝。
できすぎです。こわいくらいにできすぎ。
悪い予感は的中しなかった。

この4試合の勝因は、ピッチャーの制球も含めて、まず守備が安定していること。
打つべきときに、打つべき人が打っていること。
ピンチでもあせらなくなったことがあげられます。
みんな思ったことでしょう。
「強くなったなぁ。」と。

私たちが試合をやる前に、ベンチの後ろのギャラリーから
「イーグルスさんの守備を見習え、勉強になるから。」という指導者の声が聞こえてきました。
こいつらが他のチームの参考になるかなぁと思いましたが、確かにその域に達してきたのかもしれません。

堅守。

追う立場から追われる立場。
あいつらにそんなプレッシャーはないでしょう。
いつも無我夢中で戦っている。自分たちにできることを全力でやっているにすぎない。
そこに結果がついてくればいい。

本郷さんとの激闘のタイブレークのさなか。
あー先攻だし、絶対不利だなぁと思っていました。
先手で点数が入らなければ、その時点で負けだろうと。
守備から帰ってきて円陣を組むとき、汗と砂ホコリまみれのあいつらの顔をみる。
よくやっている。本当によくやっている。相手の本郷さんもよくやっている。
こんなにいい試合をしている。こいつらすげぇなぁ。
こんな試合の指揮を取れるなんてたのしいなぁ。
そう思ったとき、勝ち負けのこだわりがふうっとなくなりました。
「欲をだすな、絶対に勝つなんて思うな、自分を追い込むな。気持ちだけでは勝てない。ただ全力を尽くすことだけ考えろ。」
あの時は、本気でどっちが勝ってもいい。そう思いました。
打たなくちゃいけない。
打たれてはいけない。
エラーしてはいけない。
捕らなければならない。
そうじゃない。
そうしなければいけないことなんてない。自分を追い込む必要なんてない。
勝った負けたのへんな重圧に追い詰められることなく、ただただ目の前のプレーに集中してほしい。失敗したことは考えない。
「やるしかねぇ。」
「ただ、やるだけだ!」
これでいい。

最終回、7回表のタイブレーク。
先攻のイーグルスが点数をとらなければおそらく負けの状況。
あいつらは2点を取ってきました。
後は守りきれば勝ちですが、ここまでやったなら十分。負けても悔いはない。
「後はおまえらにまかせた。」
あいつらは守りきりました。

逆転サヨナラ負けの場面が何回も思い浮かびました。
その覚悟もしていました。
そうなったらおそらく泣くだろうから、その慰め方を考える。
しかし、そうはならなかった。
勝ちきった。
本当にすげぇやつらだと思います。

ほおのき杯のトロフィー。あんなでかいトロフィーは初めてみました。
ほおのき杯、初優勝!
西日に輝く金色のトロフィーとあいつらのやりきった笑顔。
応援しきったお父さん、お母さん。
どんなゲームより、どんな映画より面白い。
最高の瞬間をありがとう。

PR
熱闘甲子園で、聖光学院の活躍をみる。
ほんと、薄いところを引いてくるなぁと思います。
イーグルスと重なる。
この快進撃、どこまでいくでしょうか。

さて、お盆があけて練習が始まりました。
当面の目標は、今週末からほぼ毎週大会が入っているので、みんなが健康に参加して、できる限りの力を出し切ること。
そこに結果がついてきてくれればいい。
さらに、新人戦も始まるので5年生以下の体制作り。
あわせて、6年生の選抜の準備。
後半戦も盛りだくさんです。

長くこの世界にいると、ここらで戒めが働きます。
「あんまり、調子をこいてはいけない。」
チームがいい流れの時。
何かが忍び寄ってきます。
誰かの怪我なのか、歴史的敗北か、なんかわるいこと。


子供たちも気持ちが大きくなっていることでしょう。
おごれるものは久しからず。
自分の力を過信することを自信を持つことは違います。
そこらへんをわからせないといけない。

今度のほおの木さんの大会、悪い予感がします。
十分に気を抜かないで、やらないといけない。
いい流れのときほど、気をつけなくてはいけない。

まずは、初回に安定した立ち上がりができるかどうか?
ここにかかっていると思います。
そこを想定して練習していきます。
うれしいニュースがあります。
エース、マナトの骨折からの復帰です。
やっとあのアックスボンバー(ギブス)が外れてくれます。
思えば骨折したのが7/17。
柳津霊まつり大会7/30。
県大会が8/6.7。
きつね内温泉大会が8/11。
3つの大会、グランドに立てなかった。
みんなががんばっているときに、自分はあそこにいない。
複雑な思い、悔しい思いをしたでしょう。
自分がチームに貢献できない無力さ。
仲間と一緒に戦えないふがいなさ。
しかし、一方で自分がいなくてもみんなが力を合わせて勝ち上がっていく様をファーストコーチャーボックスからみる。
自分の穴をみんなが必死に埋めようとがんばっている。
自分ができること、応援や用具の準備など献身的にサポートしてくれました。
しかし、どこかに、おいていかれたような一抹の寂しさ・・・
「俺がいなくても、勝てるんかい!」
優勝したときも、みんな喜んでるけど、心から喜べない。そんな複雑な表情が読み取れました。
こころの持ち方が難しかったと思います。
プレーできない分、余計なことを考えてしまう。
純粋に、無心でプレーできるってことは健全な心を作る上で大切な要素だと思います。


塞翁が馬ということわざがあります。
悪いことが悪いことだとは限らない。何が不幸で、何が幸か?
それを決めていくのはこの後のマナト自身です。
この苦境をバネにして今後に備える。
それでしか、あの悔しさやモヤモヤを吹き飛ばすことはできない。

思う存分暴れて欲しい。
あのイーグルスの馬鹿どもの中に入って、思い切り野球馬鹿になる。
あの仲間たちは、いまこの小学生時代でしか一緒にプレーできないかもしれない。
そんな、かけがえのない仲間とぞくぞくするような試合で自分の限界に挑戦する。
ただただ、思い切り声を出して、ひとつの目標に進む。
横を見れば、同じように本気の仲間がいてくれる。心強い。
俺はひとりではない。
俺はイーグルスの一員なんだと自覚する。
また、あの世界にもどってきた。

おかえり、マナト。

今日からまたビシビシいくぞ!

背番号1番の帰還です。
甲子園には魔物がいます。
なにを芝居じみたこといってんだといわれますが、
それをまざまざと見せつける死闘。
八戸学院光星VS東邦。
凄まじい展開。一寸先は闇。相手にとっては、希望の光。
負けそうな時、あふれる涙をこらえる。
声にならない応援。
必死の仲間の奮起。
奇跡がつながる奇跡。
絶体絶命の窮地から三連打のサヨナラヒット。
涙が歓喜の涙に変わる。
無慈悲なまで残酷な勝者と敗者の入れ替わり。
これも野球。交錯する無情と歓喜。
果たしてイーグルスが最後に立っているのはどっちなんでしょう。

ここ最近のイーグルスの上昇ムード。
県大会に出場したり、会津ではなく白河の大会で優勝してみたり、
まさに破竹の勢い。
この勢いはどこから来ているのでしょう?
それを考えてみる。
みんながよくやっているのはわかります。
実力以上をだしている。その点が線としてつながり、円になる。
円は図形の中でもっともの強い形。
打撃にしろ、守備にしろ、バッテリーにしろ、歯車がかみ合っているこの感じ。
どこからでしょうか?
私が思う限り、その分岐点。
それは、白獅子の1回戦の磐梯スポ少戦でした。

あの試合、確かに勝ちはしました。ぎりぎり、薄氷の勝利。
はっきりいって勝った気がしなかった。
傲慢からくるミスの連続、怠慢のカバー放棄、チャレンジしない守備。最悪のムード。
油断をよんだ守備交代の采配。
今思えば、ここがどん底でした。
歯車がかみ合うどころの話でもない。悪いところが全部出た。
試合後のミーティング「馬鹿だ、あほだ、クソだ。」と罵倒しながら、自分の采配の迷いも悔やむ。
しかし、思い直します。
終わってしまったことを悔やんでも仕方ない。
今この時から、どうすればいいか最善をとろうとする。
下なんか見てる暇はない。
三振してもスキップで帰ってきて怒られていた中学時代を思い出します。
この切り替えができるのが、自分のいいところだと思います。
幸いにもこの苦い勝利の後に1試合開きます。
心を整理する時間がもらえる。
「お前たちのプレーはなんだ。自分で最大の準備をしてあのプレーか?自分たちの傲慢さ、怠慢さがあのミスの連鎖を生んだ。お前たちは、そこまでのチームか?
幸い、ここで1試合時間が開く。この時間で自分のこころを整理しろ。」

この試合、一番大きなミスをしたショート、マナヤ。
カバーを怠った、レフト、コウセイ、センター、ユウヘイ。
捕れるフライを積極的にとりにいかなかったライト、ヒカル。
そのほか、小さいミス。
どれもプレー前の心がけ次第で防ぐことができるミス。
どれも自分自身のおごり、怠慢、油断が生み出すミス。


ここでは、イーグルスの守備の要、ショートのマナヤに注目します。

ひめさゆり大会、一回戦で本郷さんにボロクソに負けました。
その後にお誘いいただいた関柴さんとの練習試合。
試行錯誤をしていた時代。
マナヤをショートしないでピッチャーにした時、
イーグルスの守備は崩壊しました。
あんときは、ぼっきり背骨が折れた音がした。
遊撃手マナヤの代わりができるヤツがいない。
現時点でイーグルスの最高の守りにするには、屋台骨となるべきショートにマナヤをおいておかないとイーグルスは落ち着かない。崩壊する。ささえられない。
そう確信しました。

マナヤ本人も守備に自信を持ち始めていました。練習でも試合でも数々の難しい球をさばけるようになった実績がある。
自信を持つことはいいんですが、一方で天狗になる傾向が今年の春先からあった。
逆シングルのショートバウンド。
わざわざそう捕らなくてもいいボールを、それがやりたいがためにわざとスタートを切らない。
サードのカバーにいかないことが目に付き始めました。
自信が傲慢に変わっていく瞬間。
少々のはねっかりは大丈夫だろうと私もそれを野放しにしておいた。
チームの中心選手になってくると、プライドも高いので、なかなかいさめるのも遠慮がちになってくる。
選手たちが増長していく原因の一翼になった私。

それが、あの磐梯戦で噴出した。
ショート、自信を持っていた守備でトンネルし、その後ろにいるべきセンターのカバーもない。
ホームラン。あのプレーはあほの極みだった。ため息しか出ない。
壊れたプライドへ襲い掛かるシュートゴロ。連続ミス。
負の連鎖。
負けたとしてもおかしくない展開。
マナヤのプライドはズタズタだったでしょう。顔を上げられない。
涙の顔をみんなに見せたくない。うずくまっている。
ただし、立ち直ってもらわねばならない。たった1試合の時間しかありません。
マナヤの横に寄り添うのは私の役目ではありません。ここはお父さんに任せましょう。
私は辛抱して待つのみ。立ち直るのを信じるしかない。

その間、指導者でミーティング。
磐梯戦での、私の迷いを吐き出してもう一回戦う意思をつくるための確認です。
あの試合、大量リードになった時点で勝ちを確信し、迷いましたが、試合経験を積ませるために次の世代を担う選手を送り出しました。
育成に切り替えてしまった。
ここに私のおごりがありました。そこを野球の神様は見逃してくれなかった。
交代した選手のエラーが呼び水になった。ここから悪い流れになった。
今思えば、勝負に徹する覚悟がなかった。
次の世代にも経験をと欲張ってしまった。負けたら終わりの一発トーナメント。
そこに育成の余地なし。その選手を育成のために出すことで6年生が錯覚してしまいます。
「んっ?あいつを出せる余裕があるってことか、楽勝だな。」
油断が生まれる。これがいけなかったと自分で振り返ります。
「俺が甘かった。今後は育成に走らない。」
これを斎藤、小島両コーチにだめだししてもらって、自分に渇を入れる。
背水の陣、勝負に徹することを指導陣で確認しました。


今後の展開はご承知の通り。勝ち進んで準優勝で県大会初出場を勝ち取りました。
マナヤ、ユウヘイをはじめ、私自信も自分の中の甘さ、おごりに気づいた。
この間、マナヤがどんなふうに心をおさめたのかはわかりません。
それはあいつにしかわからない。
となりにいてくれる家族に感謝せねゃいかん。
ただ、マナヤは戻ってきた。
それで十分です。しかも、自分のおごりに気づいて、自らの行動を正してきた。
野球の面白さに気づく前に、くさって、自暴自棄になってもおかしくなかった。
どんな化学反応があったのか聞いてみたい。
もう一回前を向くことを決心したマナヤ。
とんでもなく多くの人に支えられてることを忘れんな。
一番近くで応援してる人に感謝しろ。
俺もなかなかその感謝を表現できなかった者のひとりなんです。
あれで、間違いなく一回り大きくなった。
自分の小ささに気づいたとき、本当に大きくなる試みが始まる。
ソフトボールが気づかせてくれたもの。
それはイーグルスにいい相乗効果をもたらしました。

その後の試合、磐梯戦では見せなかったサードのバックアップにマナヤが入るようになりました。たとえ、サードのフミヤが確実に捕る事がわかっていてもバックアップに入る。
こころを入れ換えた。
さらに相乗効果。
ユウヘイもヒカルもコウセイも内野が捕ると分かっていてもカバーに入るようになりました。
いい連鎖です。

無駄なバックアップ、カバーかもしれないけれど全力でやる。
こういう姿勢が大事だと思います。
何事もおろそかにしない。それを心がける。
こういう姿勢が他の練習全般にも活きてくる。
小さな心がけひとつが物事に取り組む姿勢を作る。
たとえそれは小さくとも毎日の積み重ねで、最後には大きな財産になる。
いい結果を導いてくるようになった今、イーグルスはそれを経験しています。

守備の奥の深さ、難しさに気づいたマナヤは慎重さが備わりました。
あの時に、「なにやってんだ俺、かっこわるい。みんなに見せる顔がない。」と落ち込んで泣いたこと。失敗してはじめてわかる「こわさ」を経験したことで一回り大きく成長した。

そう考えるとこの磐梯戦のあの最悪のムードはイーグルスにとって、いい結果をもたらしたことになります。
災い転じて福となす。

優勝したあの大会も、マナヤは全力でバックアップに入っていました。
ユウヘイは全力でカバーに入っていました。

物事に対する謙虚さ。
私も時として忘れそうになる時もありますが、彼らのプレーがそれを教えてくれます。

謙虚さを取り戻した。
大丈夫、この謙虚さがあるうちはまだまだ伸びます。まだまだ上手くなる。
イーグルスはまだまだ強くなります。

ただ、安心するとすぐに気をぬくので、今後もがっとばしながらいきます!





決勝戦をおえて、小田倉スポ少の斉藤監督とお互いの健闘を称え会いました。
その時に、
「いやー、やられました。うちは豪速球には強いんですが、のらりくらりにはからっきし。みんな前につっこんで自分のバッティングができませんでした。県大会はどこと戦ったんですか?」
「県北の杉田スポ少さんに負けました。」
「うちは今年は杉田スポ少(イーグルスが県大会で負けた)さんにも負けたことがないんです。」
「そうなんですか?うちは、ノーヒットで完敗でしたよ。じゃんけんみたいなもんなんですね。」
「下位打線には、あまり打たれたことないんですが、イーグルスさんの下位打線はすごいですね。」
そんなような会話をしてきました。
連絡先を交換して、機会があれば再戦をお願いしてきました。


これをみても、勝ち負けっていうのはわからない。
その時の状況にもよりますが、やってみないとどっちに転ぶかわからない。
本当にそう思います。まさにじゃんけんみたい。
その時勝てるかどうかは、やってみないとわからない。
ただし、全くの運ではないところに勝負の面白さがある。
体がでかい、足が速い、とんでもない球をなげる。いろいろありますが、見た目のスペックの高いほうが勝つとは限らない。
先に自分達のペースに持ち込んだほうが有利。
そのやり方がイーグルスとしてだんだん板についてきたというところです。


決勝戦は小田倉スポ少さんに、味方のフィルダースチョイスで一点献上。最大のミスらしいミスで先制されました。この大会、はじめて追う展開になった。

すかさず四番のヤマトが先頭バッターでセンター前に弾き返して出塁。いいところで打ちました。流れを引き寄せる一打。
次のフミヤが送りバント。ここでエンドランでもバントでもできるフミヤに私の無理難題をふっかける
「えー、そんなの無理~」と言いつつ、そつなくこなすフミヤがいてくれるのは心強い。
そのフミヤのバント、相手のエラーを誘い出して、一二塁の好機をつくる。
ここで、コウセイ。
私は、ここでワンアウト三塁の形にしたかったので、バントのサイン。
計算しました。ノーヒットの内野ゴロでも一点、スクイズても一点とれる形を作りたかった。

しかし、なに思ったか1球目、強振。
明らかにまちがっています。エンドランと勘違いしている。これは私の意図が通じていない。
首をかしげている。このあほ野郎と思いつつ、一番確かな声で「バントで送れ。」の指示。
コウセイ、不安げな表情。いやな予感がします。
くそボールを空振り。ツーストライク。
コウセイのバント力からしてと考えていると
どこかから「打たせろ~」の天の声。
これって、「ちゃんと打て~」の応援を私が聞き間違えていたんですね。

とは言え、スリーバントは無理と判断。
強振に作戦変更。

しかし、サインミス、バント失敗で心理状態は最悪でしょう。90%以上三振だと思っていました。

低めの難しい球、長いリーチですくい上げました。
バットのやや先ながら振り切った真芯でとらえた。
逆転のスリーランホームランです。

どんな心理状態で打ったのか、コウセイに聞くのを忘れました。

まさに結果オーライ。
要求した以上の結果、しかもとびきり可能性の薄いところを引いてくる。
まさに起死回生の一発。大したもんです。
さらにすごいのが、ここで終わらないこと。
次のフクダが右中間に三塁打。
もう少しでホームランでした。おしい。
この下位打線で畳み掛けている!
以前は、「魔の三振地帯、魔の凡打地帯」とか言われていたのに。
ホームランの後に後続が切れないのは強いチームにになったみたいです。
ノーアウト、三塁。
レツとヒカルが内野ゴロで、もう一点の計算も連続三振。
ん?計算狂ったぞ。
しかし、ピッチャーをおりたリードオフマンのユウトがレフトにだめ押しのタイムリーを鮮やかに弾き返す。
ツーアウトになっても残塁にしないでとりきることができた。
県大会クラスを相手にこの攻撃の展開。
ここしかないってところ、まさにミリ単位の戦いを制している。
ここをとれなかった場合、流れが向こうにいって負けていたかもしれません。
まさにこの回が天王山。

この試合、上位はそれなりに打ってますが、小田倉スポ少の監督さんがいうように下位打線の活躍が著しい。
全ての得点は、下位からたたき出しています。
切れ目ない打線になってきたということか?

そして、ロングリリーフのマナヤ。
「どうみても俺がMVPでしょう?」なんて、憎まれ口を平気でたたく。
ちっとは誉めてやらにゃーいかん。

初回から連投の疲れで握力がないのでしょう。ユウトの球に球威がない。ベースの端で伸びてこないで、落ち込む。
いわゆるおじぎするボール。
「やばいな、何回までもつかな?」
小島コーチ「だんだんやばいですよ。もちません。」
三回にマナヤにスイッチと予定をたてる。
そこまでもってくれ~と祈ります。
それでも初回はマナヤのファインプレーでなんとかしのぎました。
あれが抜ければやられていた。そのくらいのビックプレー。
二回も満塁ながら、二死までこぎ着けましたが、限界を感じとりました。
打ち取らなければならないラストバッターを四球でだし、一番を迎えて投手交代。
ユウトからマナヤにスイッチします。
ここは、県大会でも経験済み。
ユウトにもグラブを変えるよう指示。投手用でエラーした県大会の轍を踏まない指示です。

マナヤ、いきなり満塁で、当番。臭い顔をしますが、あの場面自分しかいないことをマナヤはわかって、心の準備をしていたでしょう。
あの臭い顔はむしろルーチン。
ボールを先行させないところ、やはりあいつはわかっています。
打ち取った当たり、ボテボテがサードへ。
ツーアウトなので当然ファーストへと…。
何を思ったか、サードへ。
ベースカバーに、ピッチャーから代わったばかりのユウトが入れない。
野選でエラー、その間に先制の一点を献上。
ヤバイ空気なります。
ここでも反省します。マナヤであればサードへカバーに入ったでしょう。まだ、ユウトにその余裕はない。この当たりの連携不足も予想して、ボールファーストの支持を徹底しておくべきでした。
私もツメが甘い。次は的確な指示をするようにします。

一度打ち取ったあたりがエラーで失点、なおも満塁。
ここを四球、もしくは打たれれば一気に崩れていく予感。
しかし、落ち着いていました。
ゴロに打ち取ってスリーアウトチェンジ。
一点に押さえたのがよかった。
もちこたえた。ギリギリの場面で、当たり前のプレーができている。
勝てば優勝なんて、へんな気負いもありません。
目の前のプレーに集中できている。
頼もしいです。

四球を出さなかったマナヤも素晴らしい。
ここからロングリリーフ。
もはや、ユウトは投げれません。
マナヤに全てを託します。
相手の監督さんがいうようにのらりくらりの投球。
簡単に二死をとってから四球だして、みずからピンチを作る悪い癖がありますが、要所要所でうまーく交わしています。
相手からみれば、いつでもつかまえられそうなのにとらえきれない。

はっきりいえば、こんな遅いピッチャーにあったこともないからタイミングがあわないといったところでしょうか。

ともあれ、ランナーを出しながらも、内野外野の守備、キャッチャーのタカヤのリード、キャッチングにも助けられながら、自分の持ち味を発揮して小田倉打線を押さえていく。

投打、攻守が噛み合った試合。
こんな試合ができるようになったんですね。

「あいつらうまくなりましたね。」
「そうだな。」

小島コーチとそんな会話をかわす余裕さえある。

大量リードに守られながらイーグルスのペースを貫くことができた、会心の試合運び。
その状況でこうするのがベターどころじゃなくてベスト以上を引っ張ってくる。

逆に怖くなります。
今は上手くいってるからいいけど、必ず上手くいかない時もくる。
上手くいってる時をしっている分、私が求めるハードルは高くなる。
そこをあいつらは越えてこられるか?

できていたことができなくて、
どっかでもう一回くらい沈むでしょう。
こんなにうまくいき続けるはずがない。
これは私のマイナス方面の予測です。
大空を気持ちよく飛んでいたイーグルの翼が折れる。
その時、仲違いせずに、したとしてももう一度大空をみんなでめざすことができるか?

一方で、このいい流れのまま最後まで行ってほしいなぁというプラスの私の希望。
さて、この幼虫からさなぎあたりまできたこのチーム。
蝶として飛び立つことができるかどうか。まぁ、モスラみたいな蛾でもいいか。

8月、9月、最終章へ突入します!
近くは8/21のほおのきさんのほおのき杯です。
真夏の甲子園、響き渡るアメリカンシンフォニー。
ゆっくりと打席に入る姿。
っくぅ~かっこいい。
スポ少の試合でも私の頭の中にはあの曲が響き渡っています。

さて、きつねうち温泉大会。
精神的な面からの振り返りは一通りやったので、技術的なことを振り返ります。

白獅子県大会前にエース、マナトが骨折して投げれないことがわかってから、残る選択肢、ユウト、マナヤの有効活用の道を探ってきました。

本郷さんと練習試合をやって、ユウト、マナヤがどこまでいけるかを図る。打たれる、エラー、四球、打たれるの連鎖。
→んーやばいな。

柳津さんの霊まつり、緒戦であの関柴さんとの再戦。1:5で完敗。
→んー、やはりだめだったか、でも思ったより打たれなかったぞ。

県大会、杉田スポ少さん戦。1:4で敗戦。
→んー、負けたけど、四球、ミスがなければ勝てた試合だった。これはいけるんじゃねぇか!

そして、このきつねうち温泉杯、4回勝って優勝。
→んー、投手としてユウト、マナヤが成長し、チームも打たれることに慣れてきた。たとえピッチャーが打たれても、みんなで守れば勝ち切れる。ピンチでもやれるという自信がついてきた。


ユウト、マナヤの球は決して速くはありません。
打ってもらって、野手の守りで食い止める試合展開になります。ピンチで一個のミスも許されないというここぞの場面であたりまえのことをあたりまえにできる安定性。
スコアリングポジションに置かれても守備が乱れないで大量失点を防いでいる。
実際にそういうプレーをしてきて自信をつけてきている。
3ボールから簡単に四球をださず、ねばってねばって打ち取ってアウトに取れるようになってきたユウトの集中力の成長も見事。泣き崩れる場面を踏ん張れるようになってきた。これからもあえて精神的に追い詰め続けて、耐性をつけていきたいと思います。

まず相手の攻撃を抑える、ギリギリの場面でミスをしない。
守備でリズムをつくれるようになってきた。
私が言わなくても守備位置を変えています。
レフトのポジションに慣れてきたフクダ。左バッターの時にレフト線によります。
強打の右を迎えたときに、ショートマナヤが三遊間を詰めます。

ここ最近の試合では、強い打球でも野手の正面をつくことが多くなってきていると思いませんか?
あっ、ヤバイと思ってもそこにいることが多い。
ショートのマナヤしかり、センターのユウヘイしかり、セカンドのコウセイしかり。
これはキャッチャー、タカヤのリードによるところが多いです。
そこに打たせているかのようなリード。これは買いかぶりすぎか?
あまり目立ちませんが、キャッチャーのリード、そこに投げ込めるユウト、マナヤのコントロール。そして、それに答えて守備位置を変えたり、難しい打球を裁けるようになってきた内野、外野。
まさに個の力ではなくひとりひとりの持てる技術を総動員した上のネットワークの勝利。


衆よく個を制す


「衆」で「個」を圧倒する。
まさにサッカー日本代表的な戦い方。
何気に実践していますが、かなり難しいことだと思います。
ひとりが欠けても成し得ない。
バレー漫画、ハイキューのクイックのような派手さはありませんが、強打者を打たせて打ち取ったときはまさにこの感じ。
100の相手に、30+30+30+30=120で勝つ!
これって決まると気持ちいいんですよね~。
ひとりでできないから、なおさら気持ちいい。
言葉にしなくても目で会話できるような感じ。あいつが何を考えているかがわかる。
一瞬で投げる方向強さがわかる。
意思の通じる、気持ちの通じる気持ちよさ。
あの6マナヤ-5フミヤ-3ヤマトの胸トラップのアウト。
それがあいつらに出てきました。
目で会話するチーム。私の理想とするチームのひとつです。

今までの苦い敗戦経験から学んでいることがわかります。
もう少しで取れたあたり、ぽろったエラー。
スタートを早くしたり、守備位置を予測したり、備えている。
最大の準備をしている。
過去の失敗がここにきて活きている。私はそう感じました。

さらにもうひとつ。
私たち指導陣の意図を汲み取れるようになってきた。
守備しろ、攻撃にしろ、春先にない多様性がでてきました。
そして、これが当たる。
確率的に高い可能性のある場面で、サインは出しますが、見事にそれを成し遂げる。
クリアするごとに自分たち自身のレベルをあげている。

♪タラララッタンター!

ドラクエのレベルアップの音が私の頭に響き渡ります。
私は、結構、無理難題をふっかけています。
今の自分の持てる技術と根性を総動員して、薄い成功を引っ張り出してくることには感動します。
時としてそれ以上の結果を引き連れてくる。
楽しくて仕方ない。

課題を少しずつ高くして、達成していくたびに、また課題を高くしていく。
サインの精度、多様性はくらべものにならないほど、上達しました。
春先の大会では、「走れ」「バント」「打て」相手にバレバレの声でやってたほどだったんですから。
それがヒットエンドランとかを決めるようになる。
ほんと楽しくてしょうがない。
何回泣かせてくれるんだ、こいつら。

だから祭りの終わりが見えてきた分、寂しさも感じずにはいられない。
控えのベンチも含めて、
応援の保護者も含めて、
少しでも長くあのグランドに立っていたいと切実に思います。

かくしてきつねうち温泉の激闘は終わりました。
いろいろな意味で収穫が多かった。
県内32チーム。コートは8面。この大会を運営するスタッフのご尽力を考えると頭が下がります。
会津の片田舎からこんな大きな場面に呼んでくださった主催の釜子スポ少さん、小野田スポ少さん、その他共催のスポ少さん、大会運営の皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。


その大きな収穫のひとつ

白坂戦にて、
たまたまこちらが大量にリードする展開になりましたが、圧倒的に声で負けていました。
負けていても負けムードを微塵もださない。むしろ勝ってるかのようないけいけの声。
試合が終わって負けって言われるまで、諦めない。
それが声と気迫ある表情にでていました。なにより明るい。

エラーやミスで崩れると、イーグルスもそうですが、たいていのチームはお葬式のごとく沈み込んで、静かになってしまう。疫病神にとりつかれた状態。
白坂さんはそんな静けさは微塵もない。なんで?って思うほど、自分たちのソフトボールを貫いている。
これは見習う必要があります。
「白坂さんの声と表情をみてみろ。あれが負けているチームか?県大会でお前らにあれができたか?」選手に言い聞かせます。
イーグルスも白坂さんのようなチームになって欲しい。別に指導者がはっぱをかけているわけでもありません。自主的な行動、声。それほど、チームの雰囲気がいい。

ヒットを打つ技術よりも大事だし、難しいことだと思います。
人の思うことは止められない。エラーやミスで崩れているときに、やばいやられると、みんな思うでしょう。それが普通。イーグルスもそうなるとベンチ内で「あー負けたな」の疫病神がやってきます。それを口に出させてしまう空気が、今の段階のチームにあるということでしょう。

反対に白坂さんは、負けそうだと思っても、表情にださず、自分のやるべきことを全力でこなす。チームの中に、沈みそうになる選手がいても誰かが鼓舞して、崩れそうになる心を押し上げる。ダークサイドに落ちそうになるやつを誰かが救っている。そんな中で「あー負けそうだ。」なんて言える雰囲気はなくなる。反対に「負けそうだけど、自分のやれることは全力でやろう!」と方向転換してくれるかもしれない。

これはとんでもなく難しい。
大きな負けの濁流に、小さな人間が踏みとどまって、流れを押し戻そうとする。
洪水の中に飛び込むようなもんです。ものすごい勇気と強さがいる。自分も流されそうになっている中で手を差し伸べる。
しかし、その小さな人間がひとりひとり、手をつないだらどうなるでしょうか?
ひとりひとりは小さいかもしれないけれど、がっちり組み合ってダムとなったとき、もしかしたら、その濁流を押しとどめて、押し返せるかもしれない。
その経験を我々はあの関柴戦で一回経験しています。
決してイーグルスだけでやったとはいえません。
あれは天候、運などいろんな状況があの雰囲気を作ってくれた。自主的に作ったとは言い切れない。目の前に流れてきたチャンスを一か八かで必死につかみにいってうまくいった結果です。
反対の結果もあった。まだまだ未熟。毎回、自分たちでそれができるとは限らない。


このあたりは精神論なんでしょう。こころの持ち方が試合を変えることがある。
技術も大事ですが、それを使いこなすのはこころを持った人間。
その人間を動かすのは感情と理性=「こころ」
多くの優れた指導者がその心の持ち方を大事にしています。
そして、その心の持ち方を作るのは毎日の何気ない生活。そこに行き着く。
私は、なにも全ての生活で聖人君主のようなお行儀良いことをしろとはいいません。
私が思うには、オンオフのスイッチをTPO(時、場所、状況、相手もか?)でわきまえろということです。
あいさつは大きな声で。聞こえなければ、言ってないのと同じ。
グランドにゴミが落ちていたら、誰に言われずとも拾う。
グランド整備の人数が少なかったら、人任せにしないで応援にいく。
グランドに自転車で入らない。
道具を足蹴にしないで大事にし、手入れをする。
出された弁当、料理は嫌いなものであっても、相手の好意をむげにしないで全て平らげる。
その他、私は私のTPO、スイッチがあります。
私が指導者でいる以上、私のTPOを押し付けることになるでしょう。
無論私も完璧ではないし、むしろ欠陥だらけといっていい。
いつも嫁さんに怒られていますが、不完全かもしれませんがやるときはやってると言います。

全てに気を張るなんて無理だし、かえってストレスになる。
いい子ちゃんになれんていわない。
不完全だから面白い。完璧は面白くない。
計算された100%に勝つには、不規則の120%。
これをここぞの場面で引き出せ。
やるときはやる。これでいいと思っています。
白坂さんのようなチームが、その土壌をつくれるチームだと思います。
うまくいっているとき、勝っているときは容易にできます。
問題は、やることなすこと裏目にでる場合、あの県大会の後半のような展開で、それができるか?
沈鬱になって負けに備えるチームではなく、勝ち負けを超えて全力を尽くそうとするチーム。
そういうチームに野球の神様は微笑んでくれると思います。
そんなイーグルスになってほしい。
その道を白坂さんに教えていただきました。

この先、何度も強敵が目の前に立ちふさがるでしょう。
スポ少だけとは限りません。中学生、高校生、大学生、大人になってもそんなぎりぎりの場面はあります。
この大会のようにうまくいかず、負けることもあるかもしれない。
ですが、自暴自棄にならないで、自分ができることを全力で尽くしてチームに貢献する。
それをみんなで積み重ねていく。
投げ出しそうなやつ、落ちそうなやつを救い上げて欲しい。
自分がそうなりそうなときも、なんとか踏みとどまってほしい。
たとえ、ダークサイドに落ちても、もう一回這い上がって来てほしい。
結果はどうあれ、誰一人欠けることなく、前をむいてやり抜こうとする意思をもった時、本当の「チーム」として一体感を感じることができると思います。
その結果、勝ちがついてくればいい。

はたしてこの先何試合、そういう試合ができるかどうか?
あいつらに期待してみることにします。
聖光学院なんとか勝ちました。
勢いのある初出場のクラーク国際をなんとか振り切った。
序盤は攻め込まれるも8回の集中打、逆転劇はお見事でした。
あのプレッシャーのかかる場面で打った選手の集中力には脱帽です。

わが美里イーグルスも昨日は白河遠征して、東きつねうち温泉杯に出場してきました。
結果は、優勝!

2年前エース、コウダイを擁して初優勝して依頼2年ぶり2回目の優勝です。
1回戦、VS 棚倉ファイターズさん 5:1
2回戦 VS 白坂さん 9:0
準決勝 VS あやめさん 6:0
決勝  VS 小田倉さん 4:1

スコアだけみると安定しているように見えますが、ここまでの道のりは険しかった。
勝つならここしかないという細い道をぎりぎりで通ってきた。決して簡単ではなかった。
優勝できるようなチームにまでなった選手たちの成長がまぶしすぎます。

最優秀選手賞には、コウセイ。
決勝の逆転スリーランを含む3発のホームラン。緒戦の棚倉戦でもいいところで打ってくれた。
やや棒立ち気味ですが、ひきつけてセンターからライト方向。
2ストライクに追い込まれても、ヘッドを遅らせて出そうとする。
ボールを内側からたたく、インサイドアウトを愚直なまでにやろうとする意思がスイングに見えます。
ヘッドが遅れて出てくるから、インパクトの時のバットがしなって十分に加速されている。
つったち気味ですが、前の大きなフォロースルー。
筋肉量もこのチームではあるほうなので、芯を食ったときの飛距離はあります。
マナト、マナヤほどダイナミックなスイングではありません。
ホームラン打者というよりは、中距離ヒッター。体重移動、ひざから腰にかけての下半身からのひねりをつかったスイングに改良すればもっと飛距離はでるでしょう。
しかし、コウセイが自分なりに考えてのスイング。
「監督はそういうけど、俺はバットを立てたほうが振りやすいんで、こうします。」
「んじゃ、どっちがいいかをためして自分のいいほうをとれ。」
盲目的に私のいうことを聞かないところがいい。
今のイーグルスには、そういうやつらが結構います。はなから言ってもまったく聞かないやつもいます。理屈では受け入れてくれない。
こいつ、こうしたほうがいいんだけどなぁと思っても、頭からこうしろといわない。
「こうしたほうがいいんじゃないかなぁ。」的なアプローチが功を奏している。
正解はないんです。常に変化している。

そうしたやりとりの中でコウセイは
「あっ、ほんとだ。こっちのほうが打ちやすい。速い球に対応できる。」
「あの練習をしてきたから、速い球が打てるようになってきてるみたい。」
とか反応を見せてくれます。
コウセイの反応を通して、「ああ、こいつらわかってきてくれてんだなぁ。」と、感じる。
それが私の中で一種のバロメーターになっている。
無反応なやつは無反応なんです。いいともわるいとも言わない。
今回の逆転スリーランは、2回バントミスのやばい雰囲気を跳ね返してのホームランでした。
80%以上三振の場面。そこまでうまくいくとは思っていなかった。開き直ったのがよかったんでしょうね。できすぎです。
このあたりが、すぐ泣くやつとは違うところかな。
自分の心の持ち方をわかっている。やばい場面でもパニくらずに、自分がどうすべきかに切り替えられる。そこに迷いがなかった分、全力をあのスイングに込められた。
普段の練習から、私たち指導者の言葉の意味を理解しようとし、なんでそういうのかを考え、実際に動いて試してみる。
それを自分の中で消化して、言葉にだしてみんなに伝える。
行動に、言葉に意味があることをわかっている。そう思うのは買いかぶりすぎでしょうか。

私がアイスのごみをみんなから集めているのをみると、「僕がやります。」と買って出る。
決してごますりではない。ひけらかすこともない。
目立つようにではなく、さりげなくやるところがいい。
別に私も声にだして誉めもしません。やりたいからやってくれている。「サンキュー」というのみです。
そういうのをみんなに強要する気もありません。
それぞれにあった役割がある。それを果たせばいい。私たちはそれを見て、認めてやればいい。
今回はそんなコウセイがMVPになってくれたことは、野球の神様粋な計らいだと思います。



この大会。打線が奮起しました。
相手に打たれる前に打ってこちらのペースにもってきている。
特にセンターからライト方向への打球が多かった。
右方向に強い打球を飛ばすことができるようになってきているのは、それを意識させるインサイドアウトを徹底してやってきたからだと今は言えます。
決勝の小田倉戦で、セカンド方向の惜しい当たりが続いた時、捕られてしまいましたがフクダの電光石火のセカンドライナーの時、やってきたことは間違ってなかったと確信しました。
それをあいつらは実戦の中で答えを出してくれている。
勝つこともうれしいですが、試合の中で成長のしるしを感じさせてくれるのが一番うれしい。
言葉ではなくプレーで「俺たちはうまくなったよ。」と見せてくれる。
私にしかわからない。自己満足に浸れる。
この大会、「こいつら、本当にうまくなったぁ。」と何回か感涙する場面があった。
泣かせてくれるなぁ、今日はサングラスをしててよかったと思いました。

全員に見せ場があった。

県大会でストライクをとれずパニくってないたユウト。こん大会は3ボールから取り返した場面が何度もあった。エースマナトの穴を見事に埋めてくれました。

快音は遠ざかりながらも、守備に打撃にそつなくチームをまとめる主将タカヤ。全て後攻をとってきたことで守備でリズムをつくるということをチームにもたらしました。

4番らしくない4番ながら、先頭打者でチャンスメーク。難しいゴロもエラーなくこなしていたヤマト。

急なコンバートながら、そつなくセカンドをこなし、チャンスで3ホーマーのコウセイ。

守備機会は一番多かったでしょう。抜ければ致命的な難しいゴロを裁き、ユウトをロングリリーフ。一撃必殺のダイナミックなスイングのマナヤ。

泣きのサード返上か。打球への反応はピカイチ。私の無理難題のバントも見事にこなすフミヤ。

自信なさげに見えるけど、内に秘めた闘志。右中間の3ベースとあの暴走は見事だったフクダ。

あの大飛球になんなく追いつき、にくらしいまでの片手でキャッチ。外野の高いところから全員を見渡すポジションに君臨するユウヘイ。

内野手のファースト送球に毎回毎回バックアップのカバー。一番走ってるのはこいつかも。右中間のホームランを必死に走って3塁打にとどめたヒカル。

速球への強さを買われてのDP。チャンスの時にボール球に手を出さない選球眼も見事、レツ。

兄貴譲りの黄色いカタリスト。受け継がれるスラッガー魂。ホームランか三振か。見事ホームラン打ったリョウ。

人数が少ないながら、いい応援。試合中に寝なかったタケル。口のまわりにケチャップのユウキ。

骨折していてもなにかチームへ貢献したいとの想い。率先してコーチャーボックスや用具の片付け、応援をしてくれたマナト。


全員がヒーローだと私は思っています。
成功するにこしたことはないんですが、失敗してもいいんです。
自分の役割を果たそうとして一生懸命にがんばっているその姿。
指導者として、保護者として、そういう姿を応援したい。
昨日の大会は、それがうまくいった結果の優勝です。

お互いをカバーしあういいチームです。
象徴的なプレーが。
ショート、マナヤエラーで胸トラップ→図らずもサード、フミヤのクラブへ。フミヤそのままファーストへ。ヤマトが伸びで捕ってアウト。打ち合わせてできるプレーではない。偶然であってもお互いをカバーにいった結果です。

エースの不在をみんなで埋めようと必死になった結果の優勝。


そして、どうしてももう一回優勝しなくてはならない理由ができました。

マナトを優勝投手にしてやりたい。

新たな野望ができました。


子供たちっていうのは、実にさまざまな反応を示します。
あの県大会の負けムードのベンチ。

「どうせ、負けるよ。」
「このまま負けてもいいや。」

そんな言葉もあったようです。
誰とはいいませんが、誰がちくったととかそんなこともどうでもいいです。
誰しも思ったことでしょう。「このままいけば負ける。」
人が思うことは止められない。
問題はそれをそれを口にだすかどうか?
それを口に出したことの影響を考えているのか?
言葉に発した以上、その言葉は威力を持ちます。
みんなやばい、やられるかもしれないと必死に自分の中の弱気と戦っています。
自分で自分を奮い立たせている。負けそうな心、あきらめる心と戦っている。
そんな時に、おなじベンチの仲間から
「ああ、今日は負けたな。」「もう負けるな。(やっても無駄だな。)」
という言葉か聞こえたらどうでしょうか?
必死に踏みとどまっていたところに、あきらめる方への誘い。
これが負けムードというやつでしょう。
杉田さんに逆転されたとき、確かにその空気を私も感じた。
打線は打てない、エラーはかさむ。投手は四球。やることなすこと上手くいかない。
反撃の糸口さえない。
「負けたな。」の声が出るのも自然なことかもしれません。

そうだとしても、私は認めません。まだ試合は終わっていない。
負けたと過去形にするのは、本当に試合が終わってからでいい。
終わってから初めて、「負けたな。」と言っていい。

試合中にそんな言葉を出してしまうような選手にした私のせいなんです。
先制したものの、その後打つ手なしで、「思い切っていけ!」くらいのアドバイスしかできない能無し。
一番あきらめていたのは私だったんです。

それが選手の口から試合中に「負けたな。」と言わせた。
私もまだまだです。
そんなこというなと、激烈に怒って、恐怖で言わせないことはできます。
しかし、それは心底からくるものではない。
力で抑えることはできますが、感情に任せた一方的な言葉は彼らには届かない。
北風は太陽に勝てません。


選手にそんな言葉を吐かせるようでは、選手と私の信頼なんていうのもまだまだだということ。
あーまだ私も馬鹿は馬鹿でも野球バカになりきれていない。
自分がなりきれてない以上、こどもたちも敏感にそれを察します。
最初この話を聞いたときは、そんなふうにいうやつは許せない、絶対がっとばしてやると思いましたが、がっ飛ばすべきは自分でした。
やばい、負けそうだなと思っても、負けムードをふっとばすような声、動き。
負けそうでも絶対負けないことを貫く強い意志。
負けそうでもあきらめず最善を尽くすことを貫く強い意志。
誰がなんといおうが自分を鼓舞し、仲間を鼓舞し、最後まで全力を尽くしてやり抜く強い意志。

野球の技術うんぬんより、こういう気持ちの持ち方を言葉ではなく、ソフトボールという言語を通して伝えていく。

私もここに戻らないといけない。
ただし昔のスポ根よろしく悲壮感をもってではなく、その苦しいいばらの道をバカ笑いの笑顔で進むような快活な意思の強さ。

あいつらからこんな大事なことを教わるとは。
明日の釜子さんの狐うち温泉大会。
胸襟を開いて、おめえら選手にそんな言葉を吐かせることなく、勝っても負けてもすがすがしくやり抜けるチームになることを改めて実践していこうと思います。


















昨日の県大会終了後の最初の練習。
あえて厳しいところから入っていくことにしました。
きっかけは、私の先輩に試合中に失敗して泣くやつの相談をしたこと。その先輩は
「荒療治かもしれないが、普段の練習からプレッシャーかけていくこと。それである程度は心臓に人工の毛が生える。」
なるほどと思った私。
練習はたのしくのびのびやることが上手くなる第一歩だというのがモットーでしたが、その「たのしく」の意味をはき違えていたことに気が付きました。
ここでいう「たのしい」は理想を限界まで求めて、できることの「たのしさ」を知ること。
単なる楽しいではないんです。
ここ最近ゆるい楽しいになっていた。惰性で始まり、惰性で終わっていた。
このあたりがエンジンがかかることが遅い原因なんでしょうね。
惰性でやってきたから、最初からエンジン全開でいけない。いざという時になかなかスイッチが入らない。
悪い癖でした。
その意味で昨日のミーティングは効いてたと思います。

県体のミスを振り返る。いままでは傷を治してきました。
「いいよいいよ、忘れて次にいこう!」
ここが甘かった。なので、今回はあえて傷に塩を塗る。
「このミスを忘れるな。あのみじめさを忘れるな。あの気持ちが分かったなら、普段からくそな練習はできないはずだ。」
ミスった奴は、「自分のせいで負けた。」と思え。ミスってないやつも「あのミスを自分たち全体のミスだと思え。援護できなかった自分たちのミス。」
普段の投球練習の一球一球にあの時のみじめさを思い出せ。であれば、適当な投球はできないはず。
おまえらに足りなかったのはそこだ。
(心の中で私にも足りなかったと言い聞かせます。)

何も考えないでやっていた守備練習。あの時ぽろった原因を考えて刷り込む。あのエラーの光景をもう一回やりたくなければ必死に次にやらないように動くしかない。

思い出させて、もう一回泣かせるくらい攻めました。けちょんけちょんに言っても、攻めてもあいつらは必ず這い上がってくると信じています。
この言葉の真意は届くはず。

そんぐらいの重みをもって練習していくことで、試合中の自我が崩壊する「涙」は食い止められるはず。
これができるっていうのは一歩上の段階にいったということでしょう。
「いいよ、いいよ、失敗してもいいよ。」から
「いいよ、いいよ、前の失敗をしたみじめさを思い出して、もういっかい繰り返さないようにいこうぜ。」に変化した。これって持続するのがむつかしいですが、この秋の段階にきてもこの伸びしろ。
自分たちで自分たちのもろさ、弱さを自浄すること。これは高校生でもむつかしい。
昔、幼虫軍団といったこの集団が変化の時を迎えようとしています。

その道を歩むかどうかはあいつらに賭けましょう。
もう一皮むけてくれそうな気がしますし、そうなってくれるように道を照らしてやりたい。
そう思います。




≪  56  57  58  59  60  61  62  63  64  65  66  ≫
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
プロフィール
HN:
高田イーグルスコーチ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]