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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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6年生最後の大会だった坂下ライオンズ杯、第2試合、坂下ヒーローズ戦は、3:5で敗れました。
要所を締められない弱さ、これが敗因です。
負けの原因は、分かっています。大まかには。
この大まかになるには、それまでのいくつかの細かい課程を踏んできています。
大ポカは、その小さなミスが重なって起きるものです。
ミスには、どうしようもないミスと、防ぐことができたかもしれないミス、このふたつがあります。
前者は、最大限、できる限りの準備と警戒をしたうえでのプレーの結果であり、ミスとは言わない、言えないと思ってます。
しかし、後者はそうではない。無為無策、準備や警戒なしの悪い結果、それを称して「ミス」といいます。過去の経験から学ばない者、未来を予測できない者、考えない者、運のない者にそのミスは訪れると思っています。
試合中、ずっと気を張って、集中を継続することは難しい。子どもなら、なおさらのことです。
どうやっても、抜ける時、魔がさす時があります。
簡単なプレーなのに、全員が疲れていて、声が出ない時、指示がない時、そんな時にミスはやってくるんです。
今回の坂下戦もそうでした。
普段通りプレーすれば、なんでもないプレーが、できない。
何回もいいますが、そこが弱さなんです。
そこを自覚しなくていけません。
その弱さの自覚、今年の6年生にできたかどうかを振り返ります。
今年の6年生、嫌というほど自覚したと思います。ミスと三振とエラーの山。
白獅子の代表決定戦で負け、最後の試合でも負けた。
一般的な結果の分析から言えば、負けは負けです。
そして、選手ひとりひとりのチームに対する貢献度が低かったと言わざるを得ない。
だから、負けたんです。
結果的に負けた。
負けることは、悪いこと。
情けないこと、カッコ悪いこと。
そう思っていました。
だから、負けたくない。
勝ちたい。
昔は、そればかり考えてきましたが、ある時からそんなことはどうでもよくなってきました。
勝っても負けても、その価値を決めるのは、結局、自分たちであり、自分なんです。
周りからいくら、ちやほやされようが、
反対にケチョンケチョンにダメ出しされようが、
その結果を、そしてそこまでの課程を評価するのは、最終的には、自分なんです。
最後は自分の中にどうやって落とすか?
どうやって、腑に落とすか?
ここが大事なところ。
誰がなんと言おうが、最後は自分で決めていい。
勝ち負けにこだわることもいいでしょう。
勝ち負けの結果に至るまで、準備をしてチャレンジをした自分を褒めてもいい。
要はなんだっていいから、自分を肯定できるか?
ここにかかっています。
だから、大事なのは自分を信じてやること、最後はここなんですね。
そして、それを自信といいます。
失敗していいんです。
ミスっていい。
負けたっていい。
優勝しない限り、ほかのすべてのチームは負けているんですから。
たいていのチームは失敗して、負けてるんです。
しかし、大事なのはここから、
この失敗があったから、このミスがあったから、この負けがあったから、次の成功につながり、勝利につながったと言えるように、すぐに前をむきましょう。
だから、泣いている6年生をはじめ、選手みんなを顔を見渡して、言いました。
負けた。ミスった。打てなかった。
6年生は、小学生最後の打席があんな中途半端なスウイングでいいのかと問いました。
お前ら、あれで悔いは残らないのか?と。
でも、過ぎた時間は決して戻ってこない。
わかっていて聞きました。彼らに次がないことをわかっていて問いました。
泣いて、悔やんでもいいが、そんな暇があったら、次へいけ。
6年生は、ソフトボールは最後で、次は別な何かになるかもしれないが、次につなげろ、と。
みんなの顔を見渡します。
泣いているやつ、ぐっと口を結んでいるやつ、下を見ているやつ、選手のいろんな表情を見渡しますが、ハルトのところを見たときに、私の中の感情のダムが崩壊しました。
悔しさに涙をこらえられないハルト、この試合彼は反撃の時にバントを決められず、さぁ追いつくぞと意気込んだ、最終回で自らのエラーでとどめとも言うべき失点になった二死からのサード悪送球をしたことを、心から悔やんでいるようでした。
俺があの時バントをきめていたら、
俺があの時、ちゃんと投げていたら……
ハルトの性格上、人一倍、自分を責めていることでしょう。
それが涙となって、悔しさをにじませて、私を真っ直ぐに見ています。
その視線に、私は耐えられなくなりました。
そこにきて、悔しさをかみしめている6年生の三人をみる。
こいつらに挽回の機会が無いこと、
そしてこいつらと一緒に肩を並べて戦えないことが、たまらなく寂しくなりました。
泣く予定ではなかったのに、いままでの想い出とともに、次から次へとあふれてきます。
何より、このチームでもう戦えないことがたまらなく寂しい。
カナトのはにかんだ表情、チヒロの背伸びした笑顔、キヒトのへっぽこスライディングがもう見れない。
強くはなかった。
強いチームでなかった。
しかし、だからこそみんなががんばって努力をしてきたと思います。
総体、白獅子代表決定戦、じげんカップ、そして最後の坂下ライオンズ杯、強くはないからこそ、いろんな、努力を積み重ねてきました。
そして、まだまだ足りないぞ、お前らはもっともっとできるぞ!という結果で終わる。
実力を出し切ったとは、だれも言えないでしょう。
しかし、これも結果です。
そして、事実です。
受け入れて、次に進みます。
カナト、チヒロ、キヒトの三人は高田イーグルスという船を下ります。
彼らはまた、彼らの船を探し、別な世界に旅立って行くでしょう。
いままで何回何回も、一緒に苦楽を共にしてきた選手を見送ってきた風景です。
何回やっても、ここだけは慣れないものです。
慣れたくない。

彼らの人生にどれだけの関わりをもてたかは、今の段階では、わかりません。
そして、そんなのは分からなくていいと思っています。
彼らの中の構成する成分に、高田イーグルスは必ず何パーセントかは入っているはずです。
この先、いいことも悪いこともたくさんあるでしょう。
野球やソフトボール以外の面のほうが多いでしょうね。
その都度、高田イーグルスでやってきたことが、彼ら三人を助けてくれると私は信じています。

このチームが始まった時に、カナトは言いました。
「楽しくやりたい」と。
彼ら三人はどの「楽しさ」に行きついたのか?
おそらく、この楽しさの捉え方で、彼らの生き方が変わってくると思います。
興味もありますが、彼らの旅はまだ道半ば、この後変化することもあるでしょう。

そして、柳津の空を見上げ、私は毎年やっていることを自問します。
俺は、彼らの役に立てたのだろうかと。
この問いには終わりはありません。
しかし、答えのヒントが彼らの表情の中にあります。
それが、私にとっての羅針盤。
この羅針盤は、新しいクルーとなった船でも役に立ってくれるはずです。
そうやって繋いできた20数年。

カナト、チヒロ、キヒト、ひとまずお疲れ様
カナトたち三人は、別な目標に見送って、船は新しい目標に進みます。

さぁ、次は新人戦の県大会です!






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