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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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今年、しのぎを削ってきた坂下ヒーローズさん。
白獅子県大会への代表決定戦で敗れ、じげんカップでやり返した。
そして今日、今年最後の決戦になります。
龍虎相打つと言えばかっこいいですが、ねずみともぐらの戦い。
この後に取り戻すチャンスがないんですから、寝覚めが悪くならないよに、両チーム、なんとして勝ちたい。
これを勝たなければ、即6年生は終戦となります。
小学生時代のソフトボールが、ここで終わるか、もう1回あるかがこの1戦で決まります。


それは、3点を先制される展開から始まりました。
いつも警戒している、スラッパーの1番を幸先よく討ち取りますが、2番の6年選抜のセカンドのフミヤをフルカウントと追い込みながら、ファーボールを与えてしまいます。
立ち上がりに不安があるので、多少のミスは仕方がありません。
ファーボールのひとつふたつは計算のうちです。
すかさず盗塁を決められる。
ここで、キャッチャートウマが、刺して切れるようになると、もうひとつ上の景色がみれることでしょうが、それは今後の話。
スコアリングポジションにランナーをおいて、一番怖いバッター、3番エース、トウヤを迎えます。
ここは、入り方を気をつけねばなりませんっていってる間にゾーンに投げ込むバッテリー。
・・・わかってねぇなと思いますが、ここはガンガンいこうぜ!を選択したようです。
続けざまに、ゾーンに入れて、ツーストライクに追い込みます。
そして、空振りで三振。
怖いバッターを抑えました。
二死2塁で、4番の6年選抜のユウトを迎えます。
ワンヒットで先制される場面は、変わりません。
そして、ユウトは高田イーグルスを得意としているという心理的有利さが働いています。
余裕がある。
その余裕から、ボールの見極めに自信があります。そして、ボール球を振らない。
またしてもファーボールで、二死1,2塁。
流れがよくありません。
抑えそうで、抑えられない。
フラストレーションがたまっていく展開。
こういう時は、気を付けなければなりません。
5番のキャッチャーを迎えます。
この子もいいバッター。ボールで入りますが、二球目をライトに痛打されます。
ライトはキヒト。
ひとり帰ってきますが、その後の送球が悪い。
中継プレーも乱れて、1点でとどめられるところを、3点献上してしまいます。
1点は仕方ないにしても、あとの2点は全くのミス。
これをやらないように、中継プレーの練習をしてきたんですが、ここに焦りと状況判断が加わると、いつも通りのプレーは出せないのは、高田イーグルスの弱さなんでしょうね。
3点取られた。
この事実は覆らない。
で、あればどうするか?
二死なので後続をきっちり断つことですが、6番にデッドボール・・・
気持ちの不安定さが、もろにピッチングに表れてしまうのが、ミソラの悪いところ。
ですが、本人なりに何とかしようと思っているようです、7番は三振をとります。
3アウト、長い初回が終わりました。
長かった。
やられているときは特に長く感じます。

さぁ、立て直す。立て直します。
まだ初回、一点一点とっていけば、間に合います。
逆境の時こそ、その人の、そのチームの真価が問われます。
そして、私は、簡単にあきらめるようなチームになって欲しくないと思っています。
なんとか、チーム全員の心を持ち直すようなプレーがでるような展開になるように、しかけていくことを決めました。
人間ですから、そりゃ焦ります、その焦った中でも、どうするかを考え、ベストを尽くす。
これを自分にも、自分のチームメイトにも、伝染させていくほかに、逆転する道はありません。

しかし、この覚悟を打ち砕くように、高田イーグルスの6年生スリーアミーゴスの1,2、3番をことごとく討ち取る、エースの気迫。
得点した後をきっちり、ゼロに抑えるというセオリーをきっちり実戦されている、この展開。
やはり、6年を先に並べるのには、無理があったかという後悔の念が、頭をもたげます。
悪い予感しかしませんでした。
初回の攻防は完全に負け。

初回は負けましたが、まだチャンスはある。
この後、挽回するしかありません。
そのためにはこれ以上の失点を避けなければならない。
8番の下位打線から始まる坂下ヒーローズを、きっちり押さえることで、守備からリズムを作ることを自らに課しました。
そして、それをきちんとやってくる。
このあたりに、粘りが出てきたと思います。

さぁ反撃です。
1点1点を積み重ねていくしかありません。
打順は、6年生の誰かが出塁してくれることを期待して、そのランナーを帰すために置いた、主砲のトウマから始まります。
ここはなんとしても出塁することが、仕事になります。
それをわかってか、コンパクトな振りでセンター返しで出塁します。
ミソラもファーストへの内野安打で、ランナーが二人。
ランナーが増えることで、守備側の選択肢が増えてプレッシャーがかかります。
すかさず、6番においた、アユキにバント、これが内野安打となり、満塁。
一気にイーグルスへ流れが傾きかけようとしています。
この大事な場面で、迎えるバッターは7番、アオト。
得点圏打率では、私の体感でトウマの次あたり、チームトップクラスを誇ります。
アオトは考える打者です。そこは、お父さんにきっちり教えを受けている。
そして、それを自分なりに考えて行動に移すことができるクレバーな選手です。
ここで、どう打てばいいかをわかっている。
センターにはじき返し、相手のエラーも手伝って、一挙に3点をもぎとり、試合を振り出しに戻します。
いやー、この集中打。
細かい戦術を挟みながら、内野安打もありながらですが、4連続でつなげていく集中力。
おめぇら、やるじゃねえか!と驚き、その成長にほおが緩みます。
ここに高田イーグルスのタフさを感じます。

さぁ、おいつきました。
ここは一気に振り放しておかなければなりません。
最低限、1点は得点差をつけておかなければいけません。
しかし、相手もさるもの、ここで離されてはいけないことを分かって、バッテリーもギアを上げてきます。
その気迫をはじき返せない、いなせない、8番のハルト、バントもできず、追い込まれてから進塁打も打てず、チームを勢いにのせられません。
本当は、ここで送って、ワンアウト三塁の形にしたかった。
その意図ができなかったことで、坂下ヒーローズに勢いを戻してしまいました。
ラストバッターのマナト、セカンドランナーのアオトを打って返すことは難しいと判断します。
バントでヒット、あわよくば相手のエラーを狙いますが、ピッチャーのフィールディングが良くて、三塁に送るにとどまります。
二死三塁。
パスボールでも1点をとれる状況を作りましたが、確実に得点するためには、1番のカナトが打たなくてはいけません。
負ければ、高田イーグルスの6年生として、最後の打席になるでしょう。
そんなことを考えて打席に入っているとは思いませんが、打たなくてはいけないということは理解したようです。
ボールが2球先行したことで、ファーボールが頭に浮かんだのかもしれません。
ファーボールは、相手主導の産物です。
ファーボールという魅力にとりつかれると、積極的な姿勢が失われてしまいます。
まして、いいピッチャーならば、ツーボール、スリーボールから何度でも立て直してきます。
それが、できるからいいピッチャーなんです。
カナトの振りに迷いと焦りと恐れが見えました。
カナト特有の落ち着きのない動きにそれが見て取れます。
ファールを打たされて、カウントを稼がれ、最後は三振に倒れました。
ともあれ、3:3の同点に戻しました。
おいつきましたが、一気に逆転できなかった。
マラソンで言えば、やっと並走になった所です。問題はここから、ここからが、我慢比べ。
先に音を上げて、諦めた方が、敗北の谷に突き落とされることでしょう。

そこをイーグルスの若きバッテリーも分かっているようです。
2番から始まる坂下ヒーローズの好打順をきっちり警戒しています。
好打者の2番3番を連続三振に切って取ります。
いい流れ!
この後の4番も討ち取れば、守備でリズムを作って裏の攻撃に勢いがてるはずです。
しかし、ここに立ちはだかるのが、またしてもユウト。
初球をセンターに運びます。
簡単に終わらせてくれません。
やはり、ユウトはイーグルスにとって鬼門です。
パンパンと二死としながらも、打たれた事でリズムをくずしたのか、ワイルドピッチを立て続けて、三塁にいかれ、最後もパスボールで、再び逆転されてしまいます。
二死からの得点は痛い。
精神的に痛い。
それでも、後続は絶って望みをつなげます。

のこりは、あと2回の攻防というところか?
イーグルスの攻撃は、6年生のチヒロから始まります。
ここ最近、バットは振れているようですが、確実性に欠けます。しかし、ここに至っては、技術うんぬんよりも、塁にでてやろうという気迫のみ。
なんとか当てて、機会をうかがうほかありません。
しかし、チヒロにもカナトと同じように、不安と焦りと恐れがあります。
自信をもって、振っていない。
中途半端なハーフスイングがストライクをとられ、最後もハーフスイングて見逃してしまいます。
振りに迷いがある。
ここを払拭してやれませんでした。

続くキヒト、この病は伝染病ですね。
キヒトにも迷いがある。
もともとトップが遅いのに、さらに遅くなっています。
そこにきて、なんとか当てようとするので、振りが小さくなっている。
自分の強みである、筋肉量を活かした豪快なスイングのカケラもありません。
ありんこのような小さな、迷いのある振り、このスイングで打てるはずもありません。三振。
6年生最後の試合にも関わらず、チームに何の貢献もできていません。
そして、なんの工夫もないし、覚悟もない。
最後の打席がこんなチャレンジでは、後悔しか残らないでしょう。
正直、がっかりしました。
最後の打席になるかもしれないのに、そんな対応しかできなくさせてしまった自分に対して。
指導者として、ふがいない。
もっと思い切り、気持ち良くチャレンジできるような機会を与えてやりたかった。
しかし、悔やんでも時は戻ってきません。
そして、今はまだ悔やむ時ではない。
試合中に反省なんぞしてはいけない。角田コーチの言葉ですね。
まだ試合中です。
どうにかして、逆転することだけを考えなくてはいけません。
6年生2人が倒れて、二死。
トウマがまたひとり気を吐いてセンター前に運んで出塁しますが、続くアオトがセカンドゴロ。
連打になりません。
んーこの打順で得点できないと、後がなくなってきます。
それでも、まだ1点差。
最終回の表をゼロに押さえて、裏の攻撃に賭けます。
表の坂下ヒーローズの攻撃は7,8,9の下位打線。
ここは、当たり前に押さえなくてはいけません。
しかし先頭バッターをファーボールで出してしまいます。
我々がもう少し上にいこうとするのであれば、どうしてもミソラとトウマのバッテリーに頼らざるを得ません。
そして、このバッテリーはもっと成長する余地がある。
下位打線をきっちり討ち取るという余地を、今後はものにしなくてはなりません。
が、しかしまだそれはできないようです。
それでも、後続を討ち取り、二死三塁としました。
あとひとつで、ゼロ封できる状況。
この大事なところで、1番バッターを迎えます。
ギアをあげるバッテリー、サードゴロに押さえます。
よしっ!押さえたと思ったところが、玉にきず。
サード、ハルトが悪送球でランナーの帰還を許します。
やってしまった。
大事に行き過ぎたか・・・
完全に打ち取った当たりでした、普通に捕球して、投げて、ファーストが捕ればスリーアウトになって、ゼロに抑えることができた。
この普通のプレーが、まだ当たり前にできない、しかも大事なところで当たり前にできないところに高田イーグルスの弱さがあるということを露呈してしまいました。
結果的に、先頭バッターへのファーボールと、二死からのサードの悪送球、この二つのミスが失点に絡みました。
やはり、ミスが重なると心臓を取られてしまいます。失点に繋がる。
ミスはつきものですが、あってもひとつに止めること、それをチーム全体でできる、実力と集中力を育てることをが大事だと改めて、気づかされるプレーとなりました。
最終回での致命的な1点、点差は2点となりました。
後続はなんとか討ち取った。
総崩れは回避できるようになってきましたが、満身創痍。
逆転する確率はさらに低くなりました。
しかし、ゼロではない。
2回に3点をもぎ取った実績があります。
やってやれないことはない。
少ない確率、限りなく少ない確率を引っ張ってくるしかありません。
大事なのは、高田イーグルスの全員が、選手、ベンチ、指導者、保護者の全員がそれを信じることができるかどうかです。
しかし、人とは現金なものなんです。
信じる根拠がなければ、心は動きません。
心が動かないと体も動かない。
そして、心を研ぎ澄まし、未来を信じて、失敗を恐れず、動く人間が隣にいてくれないと、その勢いは伝染していきません。
小さい波が大きな波になり、相手をのみ込むということは、そういうことです。
私は、そういう場面を何回も見てきましたし、そうならない場面も嫌というほど何回も見てきました。
勝利の女神はどちらに微笑むか?
いろいろな条件がそろう時、とんでもない逆転劇が怒ります。
そして、そうなる時は、チームが一丸となり、迷いなくプレーができる時、それが今のイーグルスにできるか?
2点のビハインド、このままでは負けます。負ければ6年生は即終わりになります。
土壇場での逆転を信じて、アユキを送り出します。
イーグルスにとっては、実質の1番バッターとなるアユキから始まるこの打順は、好打順です。
アユキが出れば、なんとかなるかもしれないという一筋の光明が見えてくる。
逆に、そうしてはいけないことを坂下ヒーローズもわかっています。
全力と全力のぶつかりあい。
トップギアに入っている坂下ヒーローズのエース、トウヤを前にアユキは三球三振に倒れます。
矢じりが刺さらない。
ここでがっかりしてはいけません。がっかりしたとしても、がっかりしていることを表に出してはいけない。空元気であったとしても、チーム全体で続けることが大事なんです。
気持ちで勝つことはできませんが、気持ちがなければ勝つことはできません。
次のバッターのアオトは、サードのエラーで、泥臭く出塁します。なんとかバットに当てて転がした。
これでいいんです。簡単には終わらないぞという姿勢を見せること、相手にそう思わせることが大事なんです。
なんとか塁にでた。
そしてハルト。先ほどのエラーの影響を切り替えていることを祈ります。
坂下のエース、トウヤは下位打線に対して、ガンガンなげてきます。
追い込みもはやく、小細工もない。
気持ちよく三振に切って取ることしか考えていない。
崖っぷちに追い込まれているイーグルスとハルト。
それでも、もてる限りの技術と気迫でなんとか食らいついていきます。
ファール、ファール、ファール、ファール、ファール・・・
5球連続でファールにするしぶとさを見せます。
こういうところなんです。このハルトの粘りが、少しずつ試合の流れ、雰囲気を変えていきます。
坂下ヒーローズは、なんで三振しないんだ?なんでアウトが取れないんだ?という疑問。
疑問はやがて不安になります。
反対にイーグルスは、不安と焦り、恐れが、いけんじゃぇか!という期待に変わりつつあります。
そのためには、ハルトはなんとしても塁にでなければならない。
しかし、三振、振り逃げもキャッチャーの正確な送球でアウト。
最後の天王山も抑えることができなかった・・・・
二死・・・
こうなると、ふたたび勢いは、坂下ヒーローズに戻ります。
最後は、マナトを三球三振にとって万事休す。
イーグルスの今シーズンの最後の大会は終わりました。
終わってみれば、この最終回、坂下ヒーローズのエース、トウヤはアオトに投げた初球のボール以外は、すべてストライクの投球、圧巻の投球でした。
やられるべくしてやられた・・・
このバッテリーは、最後の最後で、当たり前のことを当たり前にできる強さをもっています。
来年も、必ず高田イーグルスの前に立ちはだかることでしょう。
であれば、どうするか?
過去を振り返り、修正点を見直して、未来につなげる。
すでに、私はこの作業に入っています。
今回の敗因は、ミスをしてはいけない場面でミスをしたこと。
その準備を怠ったこと。
プレーをやりきる実力はだんだんついてきています。
おそらく8割はできるようになってきている。
3点を取り合った後の2点は、どちらもツーアウトからのミスです。
前の3点も、中継のミス。あれがなければ、1点ですんだところ。
ランナーを出した時の、不用意なバッテリーミスによる進塁、ランナーを背負った時の二死からの悪送球。
こういう細かいところ、プレッシャーのかかったところでのプレーの精度を上げていくしかありません。
こんなのはやって当たり前だと、思ってもらわなければいけない。
プレッシャーを克服していく練習なんて、ありません。ないと思います。
普段を練習をきちんと、真摯に向き合ってやっていくことがその近道だと思います。
近道なんてしようと思わないで、取り組むこと。
普段通りにやれば、できるという小さい自信を積み重ねていくほかにないと思います。
不安要素の2割を克服していく。
これが、5年生以下の選手にとっての課題となるでしょう。
チームの浮上のカギはここにあります。

しかし、6年生の小学生ソフトボールスポ少の旅はいったん、ここで終わりました。
いろいろ思うところはあります。
それは次回。













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