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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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1回戦で、長沼さんも辛くも振り切ったイーグルス。次の相手は、全国大会準優勝のいわきの雄、中山スポ少さんです。
絶対的エース、バッテリーを中心としながらも、強力な打撃もあると見ました。
矛と盾。両方もっているなんて、ずるい。
まあそんなことを言っても仕方ありません。
持てる戦力で、やるしかない。

その中山スポ少さんとの天王山。
結果からいえば、2:6で負けました。完敗でした。
イーグルスの県大会は終わりました。
感想はというと、
「行って良かった!」
これは誰もがそう感じたと思います。

俺たちは通用する!
俺たちはやれる!

県内の強豪チームを相手に、確かな手応えを掴みました。
それは、錯覚でもいいんです。
まずココロが動いて、その後に実力がついてくる。やる気にさせる。やる気を植え付ける。
そうなれば、本当の実力になります。

あのエラーがなければ、あのミスがなければ、あそこで打っていれば…。
もし、全部できていれば、勝っていた、という妄想。大いにやりましょう。
そうです、そうです、それは負け惜しみなんです。
それでもいい。
ほんとに強いチームは、エラーしません、ミスしません、良いところで打ちます。
だから強いんです。
それが、今のイーグルスはできなかった。
だから、負けたんです。

中山さんとの試合の後のミーティングでいいました。
試合中はいいませんが、終わった後はいいます。
自分がやったエラーを、ミスを、打てなかったことを忘れるな!
中山戦の初回、イーグルスはエラー絡みで4点を献上しました。
実質、試合はあそこで決まっていました。
ショート後方、レフト前方のポテンヒット、その後のフォローのまずさ。
センターフライ、落球。
初回が終わってベンチに返ってきた面々は、泣きそうなくらいにココロが折れていました。
あそこで、俺が捕っていれば、俺が打っていれば、勝てたかもしれないとこの先も自問自答し続けろ。
そう言いました。
それは、この先同じような場面がきたら、全力でふたたび挑めと言う意味です。
びびって失敗しちまった前回を越えろ!また同じように悔しい思いをしないように、準備しろと。
何回失敗してもいいんです。
大事なのは、びびって逃げ出さないこと。諦めないこと。成功するまで挑み続けることです。
この気持ちがあれば、どんなところでもやっていけます。
そして、それを自分だけでなく、仲間にも温かい気持ちを持ち続ける。
一生懸命チャレンジする自分を、仲間を応援しましょう。
失敗しても、「ドンマイ」と応援し続ける。
そういうチームは、強くなります。
だからイーグルスは強くなっていると私は思います。失敗を恐れない。
イーグルスには、三振してもがっかりして戻ってくる選手はいません。泣いたとしてもそれは悔し涙。
チームメイトや指導者に謝る必要など全くありません。
チャレンジしたうえでの失敗。それは何回やってもいい。そこはいっさい責めない。そこを責めてしまっては、次の挑戦の時の足かせになります。
「失敗したら、怒られる、どうしよう?」
そんなことを思う暇があったら、次どうするかが大事です。
あいつらは、アウトになった瞬間から、「次は、どうやってやるか?」を考え始めます。

中山戦で見事なバントヒットを決めたレンは、いつも打席が終わると私に確認してきます。
「監督、あのやり方でいいですか?」
私「うん、いいんじゃねえか。ヘッドは下がってないし、角度もよかった。」
レンなりに研究しています。レンを見てると、ああこいつはほんとに野球が好きなんだなぁと思わせてくれます。
県大会前の練習試合で全打席バントなどの特訓をやってきましたが、失敗ばかりで、どうもいい結果が出なかった。バント嫌だなあと、バントに対して苦手意識がうまれていたことでしょう。
なのに、この本番で警戒されている中で、あざやかにバントヒットを決める。
警戒中のバントというスキルを習得したことでしょう。
全国の中山さんのエースから決めたあのバンドは自信になったことでしょう。
バントの苦手意識さえも消し去り、バントが得意になっていく瞬間です。
レンのたゆまぬソフトボールへの探究心の勝利です。

この県大会という大舞台でチャレンジしていくのがイーグルス。強ければ、強いほどチャレンジのしがいがある。
そして、成功したときの見返りも大きい。

中山戦の途中、正直、強すぎて、あーこりゃこのままいけば負けるなあ、であれば、この場は勝ち負け関係なしに、チャレンジの場としていいんじゃねえか?と思いました。
負けてもしょうがねえ。開き直っていこう!
「勝ち負けなんてどうでもいい。思い切りチャレンジしていこうぜ!」と私がいうと、
「いや、そんなこといっちゃだめでしょ!勝ちにいきますよ!」と小島コーチが私をたしなめます。
それでも私は、これだけ強い相手に思い切りチャレンジしていくことが面白くて仕方がなかった。
全力でぶつけても、受けきったうえで、中山さんは、まだまだ余力がある。ほんとに強い。
レントが完璧にとらえた打球も、極端なシフトをしいた、その網に、からめ取られる。よく計算されています。
どんだけ奥行きがあんだよーと、あきれるくらいのキャパシティ。
それでも、相手が強いからこそ、挑戦のしがいがありました。
そこが面白い。安心して全力で挑める。
試すことが面白くて仕方がない。
そうこうやっているうちに、イーグルスにも対応力が生まれてきます。慣れってやつですね。
初回の4点からしばらくはゼロで抑える。
こちらの攻撃も少しずつ当たりが見えてくる。
暗雲に差し込むわずかな光明。
俺たちもやれるんじゃねぇか?という自信が生まれてくる。
根拠のない自信というものは怖いですね。
思い込みのプラシーボ効果(使い方あってる?)。
それが少しずつ選手に伝染していきます。
ユウキのセンター前、ソウゴのライト前、レンのバントヒット、レントのライナー。

前の試合、長沼さんの時は勝っているのに負けてるような押され方。
それが今度は、逆になります。
確かに負けてはいますが、勝っているような雰囲気。
強者を恐れず、自分たちを信じてチャレンジしていくことが楽しくて仕方がないという雰囲気。
ノーアウト満塁のチャンスから2点をもぎ取ります。ゼロで終わらなかった。
全力チャレンジ。
イーグルスの強さは、ここにあると私は思います。
だって負けてても面白いんですもの。
相手が強いほど、チャレンジすることが面白い。
これでいいんじゃないですか!
それで、勝てればよし!
負けたら、それもよし!
これでいいでしょう。

初回は、お通夜のように全員がガッカリしていました。みんな顔面蒼白、ユリアは泣いてましたね。そのままいけば、間違いなくコールド負けの空気。
たれこめる負けの分厚い暗雲。
どうすんべなぁと思案に暮れる。
ですが、選手が全力チャレンジを繰り返していくことで、少しずつ晴れていきます。
ベンチも努めて明るく振る舞う。
保護者の応援団も切羽詰まって、浮き足立つことなく、応援してくださる。巨人に立ち向かう小さな勇者たちを、いけいけと鼓舞する悲愴感のない応援でした。

いつの間にか、一点の曇りもない快晴。
ひいき目にみていいとすれば(ひいき目に見させください)、あの中山さんとほんの少しの時間帯ですが五分っていました(そう思わせて下さい)。
それでも負けは負けです。完敗でした。

それはそれは、楽しい、幸せな時間でした。
県大会のこの舞台にこなければ、体験できないものでした。この場に来ることができて良かった。
この経験は間違いなくイーグルスにとってプラスにのなるでしょう!
たった一日、たった一日ではありますが、「精神と時の部屋」に、入った悟空のごとく、別人のように飛躍していると思います。

それをこれからの試合に活かしていく。
活かしていかなければいけない。
そうじゃないと面白くない。
それができてこそ、今年のイーグルスが本当の空に飛翔するということでしょう。
あと何回イーグルス旋風を巻き起こせるか?

俺たちはそれが見たい。

以上、イーグルス県大会見聞録でした。
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