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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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初回に4点をあげて勢いに乗ることができたイーグルス。
これで、なんとかなると、選手も保護者もそう思ったと思います。
私が1番心配したのは、この県大会の雰囲気にのまれること。そうなると本来の実力を発揮するどころではありません。

おれ達は通用する!

鍛えてきた打撃、昨年の渡部コーチからの走塁の意識、お父さんたちの生きた打球のノックなど、全てがここに集約されていきます。
ソウゴの走塁はまさにその成果。
この初回で主導権をとりました。
あとは、レント、ユウキのバッテリーが抑えるだけなんですが、何でしょう?
中盤から球がこない。
ボールが先行する。
それでもだましだまし、かわしてきましたが、とうとう陥落します。
長沼さんに1点、2点とにじみよられる。
勝っているのに負けているような感じ。
徐々にイーグルスに暗雲が立ちこめる。
不快な違和感を感じ取りました。
2者連続ファーボールの場面。大惨事がイメージされたので、ケンタにチェンジします。
小学生のピンチの時ほど、ピッチャー交代のタイミングが難しいものはありません。
セオリーは、回の途中からではなく、そうなる前の回の頭から交代が基本です。ピンチの場面で、出てきて、そのプレッシャーからココロの整理がつかないことが多い。
ですが、ここは背に腹はかえられません。回の途中で、ランナーを背負っての場面で、投入できるキモのすわったピッチャーはケンタしかいません。こういう場面のケンタは、頼りになります。
ですが、そのケンタもこういうピンチでこっぴどく打たれている。あのほおのきせんの逆転ホームラン、あれは忘れません。ケンタも修羅場をくぐってきている。大丈夫!ここはケンタが後続を切って、なんとか抑えます。
終盤にきて、差し切れない。圧倒できない。
6:3と勝っているのに、ヤバイ空気。それを断ち切れない。
長沼さんの執念が、イーグルスをのみ込み返している。

その悪い空気の中で、火消しのケンタを回をまたぎながら続投させます。前の回は、打者ひとり、ほんの数球、体力も握力もまだまだ大丈夫だという判断です。
ところが、その思惑がまったくハズレます。
三者連続ファーボールで無死満塁。
さて、どうする?
その前の段階から、小島コーチが
「レントを戻したほうがいいんじゃないですか?」との進言がありました。と言いながらも
「まあ、最後に決めるのは監督ですから!」
えー、それは卑怯な言い方だなあ、と思いながらも、ここは間違いなく試合の勝敗を分ける分岐点になると思いました。
ケンタの調子、立ち直る可能性、長沼さんの打順とこの後の作戦の見込みと対策、得点差、考えられる要素から答えを導き出す。
動くか、動かないのか?
私の勘ピューターの答えは、「不動」。
ケンタでいく。
その理由は、ここでレントを戻して、押し出しや打たれたとき、イーグルスの背骨とココロは間違いなく折れます。ケンタに戻すことはできません。その後を投げられる、心臓に毛の生えたピッチャーはまだ育っていません。
むしろ、こんなやばいところで出したら、そのピッチャーの今後に恐怖心を植え付けることになる。
いろんな状況を天秤にかけた答えは、ケンタで切り抜ける!
「心中」という言葉使いません。なぜなら、必ず生き残るから。

3点のリードがある。3点まではくれてもいい。
腹を決めました。
タイムという魔法も使いません。
イーグルス、長沼さんの選手も保護者も心臓バクバクの展開。
ここで一気に流れが変わる可能性があります。
逆転されるかもしれないノーアウト満塁で、長沼さんのクリーンアップを迎える。やべぇーなあと思う一方で、あーおもしろぇーなあとこの緊迫を楽しんでいる自分がいます。
その根底には、こいつらなら大丈夫!と信じる思いがあるからです。
それだけこいつらを練習で鍛え上げてきた。
その自負がある。
これで、だめなら仕方ねえ。
そん時は全部オレのせいだ。
イーグルスナインも腹をくくったようです。
レフト強襲されるも、そこにはレント。
傾いた流れが少しずつイーグルスに戻ってくる。
相変わらず、コントロールが定まりませんが、なんとか抑えるケンタ。
長沼さんもこの緊迫した場面なので、ボール球に手が出てしまう。
お互いに選手を信じるしかない。
ここにも、意地と意地とのぶつかり合い。
ただ、そういう中にも冷静に動いているやつがいます。

ショートのタイセイです。
ユウキのグローブ、配球、バッターの打力に合わせて、あらかじめ守備位置を変えています。
「インコースだな。あーもうちょっとショート、三遊間つめてほしい。」と思っていると、その通りに動いている。それは、次の中山戦でもそうでした。
守備の打球予測スキル。
これを習得している。
サードにランナーがいるときも、キャッチャーユウキとの打ち合わせ無しでのサードカバー。
相手がせっかくサードまで送ったランナーを刺します。
やつらは、アイコンタクトっていってました。
ここまで、成長してるんですね。いいショート。
他にも成長が見える人たち。
外野のテンカイ、ユリア、ユウゴも状況に応じて位置を変えています。こういう、結果に表れにくいところで、チームへの貢献ができるようになってきた。
こいつらは自分で考えて動いている。
私たち指導者が、信じるに足る選手たちです。
あとは、任せるしかない。

何が良かったかわかりません。
過分に運の要素もあったでしょう。
ノーアウト満塁のピンチをなんとか切り抜けた。
大きな山を越えました。
まさに「江夏の21球」を地で行く展開。
※「江夏の21球」を知らない人はググって下さい。

わずか数ミリの戦いを制した。
その安堵感から、「ふぅーっ」とイーグルス全員のため息が聞こえてくる。
この展開になれば、負けはしません。
勝負の砂時計は、既につきようとしています。
幸いにもイーグルスは、後攻。
ほんとに後攻でよかった。
これが先攻だったらと考えると、もしかしたら逆の展開になっていたかもしれない。
ケンタでいくという決断。
もし、打たれたり、押し出しをしていたら…んなこと考えるのはやめましょう。あのピンチをおさえたという事実、結果オーライでしょう。信じてよかった。
こういうギリギリの戦いを制した。
これはイーグルスにとって、大きな自信になる。この先もこんなピンチに比べたら大丈夫!と思える。

「俺たちは勝った!」

それは、飛躍的な成長をもたらします。
あいつらの顔がまぶしい。いい顔してます。
指導者にとっても、保護者にとってもそれが何よりのごほうび。

6:3

長沼さんの粘りに屈することなく、かくしてイーグルスは、1回戦を突破しました。
次はいよいよ、ラスボスの中山スポ少さんです。
いままでで、イーグルスが戦ったことがない強い相手。なんせ全国大会準優勝。大阪桐蔭と戦う気分です。
果たしてどこまで、通用するのか?
次回!
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