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時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。 ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
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カキンという甲高い音を残してライトの空を切り裂く放物線。
見事なフォロースルー、振り切ったバットを軽やかに置きダイヤモンドを駆け抜けるタイセイ。
その打球はイーグルスのみんなに戦う勇気を与えてくれました。


今日の関柴さんの大仏杯。
1回戦は、桜さん。
白獅子県大会でフルボッコにされています。
そしてそのまま桜さんは優勝。
圧倒的な絶対的エース、破壊力抜群の打撃陣、堅い守り。
県内トップクラスのチームでは全てA級、S級のパラメータ。 
対するイーグルスは、守備力がやっとAくらい。
それなりにいい試合はするでしょうが、大方の予想は桜さんが有利。イーグルスは勝てないだろう、そんな予想。
勝率で言えば、8:2で桜さんと言うくらいでしょうか。
今回も厳しい戦いになる。
それは、私も、子どもたちも、保護者もそう思っていたのではないでしょうか?
桜さん、その強さ計り知れず。
今のイーグルスの打撃力では、とって1点か?
連打は期待できない。運良くミスを絡めてやっとこさの1点が精一杯でしょう。
となると、あのソフトバンクみたいな強力打線を1点以下に抑えなければいけない。これも至難の業。そして、あわよくばスコアレスで同点に持ち込んで抽選で勝つ。
私がイメージできる勝ち方はこれしかなかった。

ところが、初回にいきなり3点をとられる。
ほんとはここでいっきに総崩れの危険性もあった。イーグルスのエース、レントの立ち上がりの不安定さにつけ込まれます。
そして、その隙を逃さないのが桜さん。
あざやかなバント、普段通りのソウゴのチャージでは刺せなかった。思い切ったシフトと判断力が今後のソウゴの課題だとわかりました。
その後のライトオーバーのホームラン。
高めに浮いたとはいえ、アウトコースの1球、2球分の出し入れを見極めてのあのあたり。
左肩を開かないで、後ろ45°の角度のもっとも腕の伸びきるところでとらえている。
私がイーグルスにやって欲しい打撃のお手本のような打ち方。ここまで、三人で3点。完璧にやられています。このままいけば、完全に桜さんのコールド勝ちのペース。
ランナーがいなくなって、さぁここから抑えていくぞといっても、この勢いは中々止められない。
またヒット、ファーボールで出してしまいます。 
ですが、出したランナーをキャッチャーのユウキがことごとく刺す。
義経を守る武蔵坊弁慶のごとき働き。
打たれてますが、これ以上はやれないというところで踏みとどまります。
桜さんの初回の猛攻なんとか3点でしのいだ。
しかし、桜さんのエースの怖さを知っているイーグルスにとってこの3点は絶望的な3点です。
あのエースから3点は、とれるわけがねえ。
監督の私でさえもそう思った。
ただ桜さんのエース、ケガをしている模様、豪快な投球フォームがありません。ステップなしで手の回転だけで投げている。球速もいつもの80%くらいか?
わずかな可能性、光明が見えたとしても10%が20%になったくらい。劣勢には変わりない。
この絶望的状況にあって、最初に切りこんでいくのはいちばんに置いた主砲のタイセイ。
この場面で冒頭のその場面がやってきます。
桜さんのエースの初球、タイセイは見事に振り抜いた。
ホームラン。
イーグルスの頭上の暗雲に一振りで風穴を開けた。
打球の速さは負けますが、飛距離は桜さんの3番に勝っていた。
このホームランでイーグルスは息を吹き返しました。
ヒットではだめだった。意気消沈して、今にも心臓が止まりそうなイーグルスの心臓にぶっ刺した強力なカンフル剤。
それほど、このホームランは大きかった。
あの秘密の特訓、効果があったなと密かにガッツポーズしました。
そこにきてレント、ユウキも続く、そしてテンカイもファーボールで満塁。
こうなると来ましたよ、例のイーグルスの錯覚が。
俺たちは強い!
相手が誰であろうとやれる!
このチーム全体に広がる脳内麻薬。
勝ってな思い込みで、イーグルスのパラメータはS級になります。
1:3のビハインドも、満塁の場面でもっとも勝負強い男ケンタ。
あの県大会では三振しています。
この後は長打は期待できない下位打線。
決めるならここしかない。
みんなの思いが届いたのか?
ケンタ、センター前に運びます。
しかも前進守備の少しうしろ、つまったのがかえってよかった。
サードランナーのレントはもちろん、セカンドランナーのユウキも帰ってきます。
3:3追いついてしまった。
やはりここぞの場面ではケンタ。
小刻みに揺らした、立てたバット。 
その構えからただ者ではないとわかります。
ただ、最近は振りにいくというよりは、当てにいくバッティングに走っていた。豪快な打撃が持ち味なのに、小さくまとまってしまっていた。
それがクセになって、フルスイングができなくなるという軽めのイップス?に陥っていました。
ヘッドが走るあの豪快なスイングが影を潜めていた。もったいない。
そこからなんとか脱出すべくもがき苦しんできた。
その成果がこの場面で出る。
振り切ったからこそ根っこでもセンター前に持っていけたんです。
イーグルスの打撃陣もたいしたもんです。
いくら手負いのエースとはいえ、打撃で追いついてしまった。
やはり、タイセイの先頭打者初球ホームランは、試合展開にも、イーグルスのやさぐれ精神にもいい影響を与えてくれました。
俺たちは簡単には負けねえぞ!ということをバットで示した。
こいつらはたいしたもんです。
今シーズン、このたいした場面を何回見せてもらってるでしょうか?
我々大人が想像する以上の薄いところを引いてくる。しかも、それが連続してくる。
相手が強ければ強いだけ、イーグルスも強くなってしまう。
保護者会長も言ってました。
「監督、正直、こいつらここまで強くなると思っていました?」
即答で「思っていませんでした。」と答える私。
何が、こいつらをしてそうさせたのかを考える。
そして、ここ最近の試合をしてわかってきました。
活躍が目立つ選手もそうですが、全員が自分のやるべきことをやっています。
打てなくもバントができなくても、守備はきっちりこなすセカンド、レン。
守備機会がおそらく1番多いサードソウゴ、エラーもありますが、大事なところではきっちり守る。それはユリアもユウゴも同じです。
とくにツーアウトからエラーやミスをしなくなった。ここで、やったらヤバイと言う場面でやらなくなりました。
だから、大きく崩れない。
最少失点に抑えるから、なんとかなると思える。
まだまだ打って返せる!と攻撃のモチベーションも上がる。
要所要所をしめれるようになってきた。
そこで、最高のプレーがでる。もっている以上のプレーが出てしまう。それがみんなに伝播していく。

しぶとい。

それがここ最近のイーグルスの強さだと思います。

同点に追いつき、さらに1点とって逆転してしまう。
王者相手に一歩も引かない展開どころか、一気に食おうとしている。
シビれます。
60分の短期決戦、これはもしかしたらもしかするか?なんて思っていたら、きっちり同点にされます。
そうは簡単には勝たせてくれない。
こちらは裏ですが、最後はさくらさんのエースも痛みをおしての全力投球。
ラストバッターとなったタイセイには絶対に打たせない、三振をとるという明確な意志が見えました。この球が初回からきていたらと思うとゾッとします。


4:4の同点て抽選になりました。
0:0のスコアレスの抽選はイメージできていましたが、まさかこんな展開になるとは。
抽選をやってもらっている審判さんからも、いやー、面白い試合だった、いい試合だったよとお褒めの言葉を頂きました。
スコアをみると桜さんヒット6 ファーボール2 エラー1
イーグルス、同様に6 2 3。
エラーこそイーグルスが多いですが、全くの五分。
全力は尽くしました。
この時点で、私は勝っても負けても仕方ねえと思っていました。
やるだけはやった。
こんだけいい試合をやったんだから、神様勝たせて下さいとか少しは思いましたが、やめました。
欲をはっても仕方がない。こいつらはよくやった。勝っても負けてもそれでいい。
後は、運に任せるのみ。
九人がくじを引きおわり、順々にあたり、ハズレの確認をしていく。

五番目のあたりを確認したとき、神様ありがとうございます、と感謝しました。
かってな思い込みですが、昨日練習後に校歌を歌っておいて良かった。
この抽選での勝利をひっぱってきたのは、子どもたち。
あの王者桜さんを倒した。
誰が想像したでしょうか。
サッカーでいうマイアミのキセキ。
ラグビーでいうブライトンのキセキ。
そして、今日の熱塩加納のキセキ。
まさにジャイアントキリング!大物食い。

また、彼らに教わりました。
野球は、ソフトボールはやってみなくちゃわからないということを。
あいつらは、何回、こういう場面をみせてくれてきたことか。
ここしかない、これしかないというところを全員で引いてくる。
マンガかよと突っ込みたくなりますが、現実なんです。
俺たちはやったぞ!という笑顔がまぶしいこと。
いつだったか、こいつらのミスにミスを重ねる進歩のなさについて、砂に水を撒くようなもんだと言ってきました。
その砂に苔がついて、そこから芽が出るとも言ってきました。
だからこそ、水は撒き続ける。
シーズン後半にきて、そのいたるところ、そこかしこから芽が出て、オンリーワンの花が咲いています。
私にはそれが見える。お父さんお母さんにも見えるでしょう。
我々がやってきたことは間違いではなかったことを彼らが証明してくれています。
そして、我々指導者も、保護者も、選手たちも、全員を笑顔にしてくれる。
今日の勝利のラーメン、格別にうまかったでしょう。あのほまれ食堂での味は忘れないでしょう。
あぁ、スポ少をやってきて良かったと思わせてくれます。

何回も見た熱闘甲子園、イーグルスの子ども達を重ねて、感涙にむせびながら美酒に杯を傾けます。

桜スポ少さん、対戦ありがとうございました。
関柴大仏杯、イーグルス、1回戦突破です!
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