時に笑い、時に苦しみ、時に涙する。すべてはグランドへ。
ソフトボールを通して成長していく小学生とその保護者、スタッフの物語。
球児たちの夏、白獅子会津予選。
美里イーグルス、見事優勝しました!
決して楽な戦いではありませんでした。
むしろ、地獄を見て、地獄の底から這い上がってきたといった方がいい。
会津代表を決める準決勝、盟友の新鶴スポ少さんとの戦いは、まさに壮絶。
私のスポ少史にのこるベストバウトのひとつになりました。
4:3で結果的には勝ちましたが、終盤までは全くの新鶴さんのペース。
先頭バッターが長打で出塁し、こちらのエラーに乗じて逆転、さらにホームランで突き放し、ダブルプレーでイーグルスの勢いをシャットアウト。
イーグルスの強い当たりは真っ正面をつき、抜けたと思った当たりはことごとくファインプレーに阻まれる。
固く閉ざした堅牢な追手門。
何度も何度も突撃を試みるイーグルスは、ことごとくはじかれました。
途中、心が折れかけるエース、レントをひたむきに支えるキャッチャー、ユウキ。
こいつが折れたらイーグルスは崩壊です。
イーグルス最後の砦、真田丸を必死に守り抜きました。
そして、イーグルスの負けがだんだん近づいていることを察したサード、ソウゴもあふれる感情のダムが崩壊。サードの守備につきながらも泣いています。
私も「ああ、もうだめかもなあ。」と白旗をあげる準備をしていました。
静まりかえるベンチ、静観するしかない応援団。
それでも諦めず、自分たちのやるべきことをやっていこうとする選手たちがいました。
難しいファースト、ファールフライ。
そんなに広くはない守備範囲のケンタが必死に飛びつきながらもボールを落とさない。
抜ければ追加点を許してしまう強い打球が何度もショートのタイセイを襲います。
過去のエラーの経験から、大事に捕球し、なおかつ正確に送球する姿勢をみせます。
彼らの必死さが少しずつ、下を見ていたイーグルスの顔を上げさせます。
新鶴さんのワンアウト三塁の追加点のチャンス。
ファースト、フォースプレーからホームランタッチアウトのゲッツーで追加点と自分たちの折れそうな心、最後の真田丸を死守。
このあたりから、少しずつ流れがイーグルスに来はじめました。
堅牢な追手門にひびが入る。
2点のリード、裏攻めの絶対的有利なポジションの新鶴さんの歯車が少しずつ狂い始めます。
油断するなと相手ベンチ、保護者の応援団もハッパをかけます。
どちらも勝ちたい、負けたくない!
イーグルスと同じように新鶴さんも必死。
天から落ちるひとつぶの雨。
分水嶺に当たる時、どちらに流れをもってくるのでしょうか?固唾をのむ。
試合も後半戦、見えない最大の敵。
プレッシャーがひたひたと近づいていました。
この時点で、イーグルスはもうやるしかないと開き直っていた。
負けてはいますが、いいプレーも出始めてきました。
これで負けるなら仕方ない。
そのくらいの覚悟がチーム全体でできあがっていました。
あとひとまわりしかチャンスはこない。
最後の突撃、この打順にかけるしかない。
打たなければいけない。
塁にでなくてはいけない。
そうではないんです。
自分から追い込まれるのではない。
プレッシャーの籠には入らない。
むしろぶち壊す。
蟷螂の斧でもいい!
嬉々として立ち向かえ!
全力で挑戦する。
その後の結果なんてどうでもいいんです。
チームに貢献するために少ない可能性に立ち向かって、自分の全てを出し切る覚悟をもつ。
あとは、成功すればよし、できないとしても全力を尽くしたならばそれでいい。
たとえ失敗したとしても、チームために全力を尽くした者を責める者など誰ひとりいません。
終わった後でああだこうだ言わない。
みんなで背中を押し続ける。
イーグルスは終始一貫このスタンス。
相手が悪いことに、新鶴さんもイーグルスと同じ「いけいけどんどん」のスタイル。
新鶴さんのベンチからも、「ピンチの時こそ。笑え!」と聞こえてきます。
それは高田さんも同じです。
だからやりづらい。
打たなければいけないではなく、全力を尽くさなければいけない、なんです。
相手エースが制球に苦しんで、ボール連発のあのツーアウト満塁の場面、初球からフルスイングしていくユリア。
確かに「ユリア、お前に任せた!」と言いました。
ですが、初球、初球ですよ。初球フルスイング。
普通は、ボールを待つ場面です。
やつは自分が打ってヒーローになることしか考えていなかったでしょう。
みじんも、ファーボールを狙うとか、三振した時のことなど考えなかった、と思います。
俺が打って決める!
その気持ちがあの場面でユリアを打たせた。
たいしたもんです。この打順に置いてよかった。
もしユリアがだめだっとしても、次に控えるはレント。
イーグルスはここにかけるしかなかった。
薄い可能性。もうダメだといところから、息を吹き返す。
そのものすごく薄いところを引いてくる。
お前ら佐賀北高校かい!
震えが止まりませんでした。
大人は普通は、震えません。
ただあの時は、たしかに魂が震えていました。
あれを見ていた、たくさんの人の魂を震わせた。
プレッシャーは見えません。
逆転を目指すイーグルスにもプレッシャーはあった。イーグルスも一歩まちがえれば即負けの場面が続いていた。
そのプレッシャーがイーグルス、新鶴さん、どちらの肩をたたいたか?
イーグルスも新鶴さんも死力を尽くしました。
全てを使い切りました。
ただ、少しだけイーグルスに傾きがあった。
わずか数ミリの差でしかないでしょう。
結果、イーグルスが2点差をひっくり返した。
その数ミリで勝利をもぎ取ったイーグルス。
その数ミリで勝利を逃がした新鶴さん。
その悔しさははかりしれません。
紙一重だった。
もしイーグルスがその立場だったら…。
だから、なんとも声をかけづらい。
試合後、いつもはいい試合をありがとうございましたとあいさつにいきますが、この試合の後はできませんでした。
なんといっていいかわからない。
悔しくて仕方がないでしょう。
ただ、私が新鶴さんの立場だったら、そっとしておいて欲しいと思いました。
だから、あえて声をかけませんでした。
本気でぶつかり合ったからこその尊敬の念からでした。
試合後、新鶴スポ少さんの指導者のひとりからメールが届きました。
おめでとう、そしていい試合をありがとう、いい経験をさせてもらった、悔しいけど県大会がんばって!と。
この言葉を絞り出せるなんて、なんてすごいんでしょう!
絶対絶命の試合を逆転勝ちしてジーンときて、試合後にその対戦相手からのメールを読んでまた泣く。
大人になってそんなに泣きませんよ。
でもその涙が止められない。
昨日の祝賀会でも泣いている保護者さんがいましたね。
心がそんなにも揺れ動くことって、今の世の中、普通に生きていればそうそうありません。
いい涙だと私は思います。
フィクションではない。
それだけの体験、経験をさせてもらった。
それも親子ともどもで。
新鶴スポ少さん、良きライバルがいてくれたからこそ、こういう涙が流せます。
ありがとうございました。
こういう経験をして、育った子どもはどういう大人になるんでしょうね。
たとえ目の前に強力な敵がいても、最善の準備をして、ベストを尽くし、仲間を信じて、最後まであきらめない。
勝っても負けても胸を張って、前を見る。
敗者へのリスペクトも忘れない、いいやつになると私は思います。
そして、その子ども達もまたそういう親をみて育つ。
その子ども達もスポ少をやるでしょうね。
そういうサイクル。輪廻転生。
いいじゃないですか!
白獅子大会、会津予選、イーグルスは親子ともども、できうる限りの準備をして、最善を尽くして、いいライバルにも恵まれて、その上で優勝することができました。
イーグルスはじまって以来の初優勝!
しかも、総体でも県大会、白獅子でも県大会、ダブル県大会もイーグルス初です。
選手はもちろん、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、いもうと、おとうと、みんながいい顔をしてました。
ひとまわり成長したイーグルス、次の舞台は強豪ひしめく県大会。
さらなる大空を目指します。
美里イーグルス、見事優勝しました!
決して楽な戦いではありませんでした。
むしろ、地獄を見て、地獄の底から這い上がってきたといった方がいい。
会津代表を決める準決勝、盟友の新鶴スポ少さんとの戦いは、まさに壮絶。
私のスポ少史にのこるベストバウトのひとつになりました。
4:3で結果的には勝ちましたが、終盤までは全くの新鶴さんのペース。
先頭バッターが長打で出塁し、こちらのエラーに乗じて逆転、さらにホームランで突き放し、ダブルプレーでイーグルスの勢いをシャットアウト。
イーグルスの強い当たりは真っ正面をつき、抜けたと思った当たりはことごとくファインプレーに阻まれる。
固く閉ざした堅牢な追手門。
何度も何度も突撃を試みるイーグルスは、ことごとくはじかれました。
途中、心が折れかけるエース、レントをひたむきに支えるキャッチャー、ユウキ。
こいつが折れたらイーグルスは崩壊です。
イーグルス最後の砦、真田丸を必死に守り抜きました。
そして、イーグルスの負けがだんだん近づいていることを察したサード、ソウゴもあふれる感情のダムが崩壊。サードの守備につきながらも泣いています。
私も「ああ、もうだめかもなあ。」と白旗をあげる準備をしていました。
静まりかえるベンチ、静観するしかない応援団。
それでも諦めず、自分たちのやるべきことをやっていこうとする選手たちがいました。
難しいファースト、ファールフライ。
そんなに広くはない守備範囲のケンタが必死に飛びつきながらもボールを落とさない。
抜ければ追加点を許してしまう強い打球が何度もショートのタイセイを襲います。
過去のエラーの経験から、大事に捕球し、なおかつ正確に送球する姿勢をみせます。
彼らの必死さが少しずつ、下を見ていたイーグルスの顔を上げさせます。
新鶴さんのワンアウト三塁の追加点のチャンス。
ファースト、フォースプレーからホームランタッチアウトのゲッツーで追加点と自分たちの折れそうな心、最後の真田丸を死守。
このあたりから、少しずつ流れがイーグルスに来はじめました。
堅牢な追手門にひびが入る。
2点のリード、裏攻めの絶対的有利なポジションの新鶴さんの歯車が少しずつ狂い始めます。
油断するなと相手ベンチ、保護者の応援団もハッパをかけます。
どちらも勝ちたい、負けたくない!
イーグルスと同じように新鶴さんも必死。
天から落ちるひとつぶの雨。
分水嶺に当たる時、どちらに流れをもってくるのでしょうか?固唾をのむ。
試合も後半戦、見えない最大の敵。
プレッシャーがひたひたと近づいていました。
この時点で、イーグルスはもうやるしかないと開き直っていた。
負けてはいますが、いいプレーも出始めてきました。
これで負けるなら仕方ない。
そのくらいの覚悟がチーム全体でできあがっていました。
あとひとまわりしかチャンスはこない。
最後の突撃、この打順にかけるしかない。
打たなければいけない。
塁にでなくてはいけない。
そうではないんです。
自分から追い込まれるのではない。
プレッシャーの籠には入らない。
むしろぶち壊す。
蟷螂の斧でもいい!
嬉々として立ち向かえ!
全力で挑戦する。
その後の結果なんてどうでもいいんです。
チームに貢献するために少ない可能性に立ち向かって、自分の全てを出し切る覚悟をもつ。
あとは、成功すればよし、できないとしても全力を尽くしたならばそれでいい。
たとえ失敗したとしても、チームために全力を尽くした者を責める者など誰ひとりいません。
終わった後でああだこうだ言わない。
みんなで背中を押し続ける。
イーグルスは終始一貫このスタンス。
相手が悪いことに、新鶴さんもイーグルスと同じ「いけいけどんどん」のスタイル。
新鶴さんのベンチからも、「ピンチの時こそ。笑え!」と聞こえてきます。
それは高田さんも同じです。
だからやりづらい。
打たなければいけないではなく、全力を尽くさなければいけない、なんです。
相手エースが制球に苦しんで、ボール連発のあのツーアウト満塁の場面、初球からフルスイングしていくユリア。
確かに「ユリア、お前に任せた!」と言いました。
ですが、初球、初球ですよ。初球フルスイング。
普通は、ボールを待つ場面です。
やつは自分が打ってヒーローになることしか考えていなかったでしょう。
みじんも、ファーボールを狙うとか、三振した時のことなど考えなかった、と思います。
俺が打って決める!
その気持ちがあの場面でユリアを打たせた。
たいしたもんです。この打順に置いてよかった。
もしユリアがだめだっとしても、次に控えるはレント。
イーグルスはここにかけるしかなかった。
薄い可能性。もうダメだといところから、息を吹き返す。
そのものすごく薄いところを引いてくる。
お前ら佐賀北高校かい!
震えが止まりませんでした。
大人は普通は、震えません。
ただあの時は、たしかに魂が震えていました。
あれを見ていた、たくさんの人の魂を震わせた。
プレッシャーは見えません。
逆転を目指すイーグルスにもプレッシャーはあった。イーグルスも一歩まちがえれば即負けの場面が続いていた。
そのプレッシャーがイーグルス、新鶴さん、どちらの肩をたたいたか?
イーグルスも新鶴さんも死力を尽くしました。
全てを使い切りました。
ただ、少しだけイーグルスに傾きがあった。
わずか数ミリの差でしかないでしょう。
結果、イーグルスが2点差をひっくり返した。
その数ミリで勝利をもぎ取ったイーグルス。
その数ミリで勝利を逃がした新鶴さん。
その悔しさははかりしれません。
紙一重だった。
もしイーグルスがその立場だったら…。
だから、なんとも声をかけづらい。
試合後、いつもはいい試合をありがとうございましたとあいさつにいきますが、この試合の後はできませんでした。
なんといっていいかわからない。
悔しくて仕方がないでしょう。
ただ、私が新鶴さんの立場だったら、そっとしておいて欲しいと思いました。
だから、あえて声をかけませんでした。
本気でぶつかり合ったからこその尊敬の念からでした。
試合後、新鶴スポ少さんの指導者のひとりからメールが届きました。
おめでとう、そしていい試合をありがとう、いい経験をさせてもらった、悔しいけど県大会がんばって!と。
この言葉を絞り出せるなんて、なんてすごいんでしょう!
絶対絶命の試合を逆転勝ちしてジーンときて、試合後にその対戦相手からのメールを読んでまた泣く。
大人になってそんなに泣きませんよ。
でもその涙が止められない。
昨日の祝賀会でも泣いている保護者さんがいましたね。
心がそんなにも揺れ動くことって、今の世の中、普通に生きていればそうそうありません。
いい涙だと私は思います。
フィクションではない。
それだけの体験、経験をさせてもらった。
それも親子ともどもで。
新鶴スポ少さん、良きライバルがいてくれたからこそ、こういう涙が流せます。
ありがとうございました。
こういう経験をして、育った子どもはどういう大人になるんでしょうね。
たとえ目の前に強力な敵がいても、最善の準備をして、ベストを尽くし、仲間を信じて、最後まであきらめない。
勝っても負けても胸を張って、前を見る。
敗者へのリスペクトも忘れない、いいやつになると私は思います。
そして、その子ども達もまたそういう親をみて育つ。
その子ども達もスポ少をやるでしょうね。
そういうサイクル。輪廻転生。
いいじゃないですか!
白獅子大会、会津予選、イーグルスは親子ともども、できうる限りの準備をして、最善を尽くして、いいライバルにも恵まれて、その上で優勝することができました。
イーグルスはじまって以来の初優勝!
しかも、総体でも県大会、白獅子でも県大会、ダブル県大会もイーグルス初です。
選手はもちろん、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、いもうと、おとうと、みんながいい顔をしてました。
ひとまわり成長したイーグルス、次の舞台は強豪ひしめく県大会。
さらなる大空を目指します。
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